2024年7月13日土曜日

Gigi Gryce Donald Byrd / Jazz Lab

 

  本アルバムを Walk Man に登録しようとしたらアルバム名が異なりました。アルバム名は「Modern Jazz Perspective, Vol. 2」です。登録している曲でソフトが検索ミスをする、あるいはソフトが参照しているデータ・ベースが違うってことは、たまにあるので、またかと思っていたら、今回はややこしそうです。
 まず「Gigi Gryce Donald Byrd / Jazz Lab」で検索すると別のジャケットと曲名のアルバムばかり出てきます。収録曲は Speculation, Over the Rainbow, Nica's Tempo, Little Niles, Sans Souci, I Remember Clifford でメンバーは Gigi Gryce, Donald Byrd, Jimmy Cleveland , Benny Powell, Julius Watkins, Don Butterfield, Sahib Shihab, Tommy Flanagan, Wade Legge, Wendell Marshall, Art Taylor となっていて本アルバムとは大幅に違います。
 レーベルは Columbia CL 998 
Notes : The Jazz Lab Quintet and Orchestra. Recorded in New York City on February 4, 1957 (tracks 1 & 3), February 5, 1957 (tracks 2 & 6), and March 13, 1957 (tracks 4, 5 & 7).


 さて、どうしたもんか?と「Modern Jazz Perspective, Vol. 2」で検索するとジャケット違いですが、私のCDと中身が同じものが出てきました。レーベルは不明ですが、類似ジャケットで曲違いが CBS で発売されています。


 私の持っている盤の、オリジナルのレーベルは Jubilee ですので、オリジナルは Jubilee の私の持っているジャケット、CBSから発売の盤はジャケット違いで、Columbia から発売のものは、The Jazz Lab Quintet の別の日の録音のものが同じ名前で販売されているようです。かなり紛らわしいので、数枚を抱えて困惑している Donald Byrd マニアは、かなりいるのではないでしょうか。
 前置き長くなりましたので、私が知らない Gigi Gryce のことを調べてからレビューします。1925年フロリダ州生まれのジャズマンでサックス、クラリネット、フルートを演奏する管楽器奏者。演奏家としての経歴は短いため余り世に知られずDonald Byrd と the Jazz Lab Quintet を組んでこの名義のアルバムを1957年に4つのレーベルから6枚発売し1960年のアルバムで録音は最後となっています。晩年はミュージシャンを辞めて公立高校で教鞭を執っています。なるほど何かがつかめてきた感じです。バンドのメンバーが所属するレーベルがそれぞれ違ったんで同年録音で色んなアルバムが違うレーベルから発売されネーミングも統一性が無かったのではないでしょうか。細かいとこは面倒なので今は良しとします。
 さて更に前置きが長くなりましたが、やっとレビューです。1. Blue Lights は、Gigi Gryce によるマイナーブルース。知的で陰りを持ったテーマに美しく品行方正なアドリブが楽しめます。Onion Head こちらは Donald Byrd の作曲のブルース。力強い曲調が1曲目と対照的。Onion Head は、Paul Chambers が髪の毛を短く切ってきたことからつけた名前とのこと。Isn't It Romantic は、Lorenz Hart 作曲、 Richard Rodgers 作詞の1932年に書かれたミュージカル曲。Donald Byrd が軽くミュートを被せての小気味よい演奏で、これは Gigi Gryce は参加しないカルテット演奏。Bat Land これは、Gigi Gryce と夫人 Lea Sears にょる共作。明るくファニーなテーマを持つブルースでダンスホールに合いそうなテンポでメンバーの演奏のバランス良く小気味よい作品。Bangoon こちらは、Hank Jones の書いた曲になります。タイの首都 Bangkok と ビルマの首都 Rangoon を掛け合わせた造語で、ベニーグッドマン楽団で数か月前に両国を訪れた際に浮かんだアイデアの曲とのこと。凝ったテーマで、Charlie Parker っぽいビ・バップ。Imagination は1940年に書かれた曲で、とても情緒豊かな曲で、今度は Gigi Gryce のアルトのみのカルテット。ここ一番の押しが強いサックスが聞けます。Xtacy は、Donald Byrd によるオリジナルではあるが、Horace Silver の Nica's Dream に非常に似ていますと言うか、おそらくインスピレーションは Nica's Dream は確実でしょう。Donald Byrd は多作だけに結構このパターンがあると記憶しています。
 Gigi Gryce の演奏が音源として聴ける数少ない貴重な音源とのことで、心して聴くと更に味わい深い気がします🎶

alto sax : Gigi Gryce
trumpet : Donald Byrd
piano : Hank Jones
bass : Paul Chambers
drums : Art Taylor

producer : Lee Kraft

recorded in NYC, August 9, 1957

1. Blue Lights (Gigi Gryce)
2. Onion Head (Donald Byrd)
3. Isn't It Romantic (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
4. Bat Land (Gigi Gryce, Lea Sears)
5. Bangoon (Hank Jones)
6. Imagination (Johnny Burk, Jimmy Van Hensen)
7. Xtacy (Donald Byrd)


▶ Bangoon



  

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