2024年7月12日金曜日

Nick Pride & The Pimptones / Rejuiced Phat Shake


 このアルバムに〈イギリス版SOIL & “PIMP” SESSIONS〉の衝撃再び!! の宣伝文句が、ネット上によくみられるが、何を指して SOIL & “PIMP” SESSIONS なのか?が良くわからないですね。(SOIL) のサウンドは、インストで「爆音ジャズ」「ラウド・ジャズ」「 Death JAZZ」等と呼ばれ、刺激的なリズムと爆音で客を煽りまくる形態で客を煽るのはアジテーターの社長。一方、Nick Pride & The Pimptones は、サウンドはFunk、Jazz、Soul、Hip-hop に根差した正統派なサウンドで、楽曲はゲストですがボーカル入り。どちらかと言えば、UKファンク、ジャズ・ファンクと言われる分野のサウンドです。共通点と言えば「Pimp」のバンド名ぐらいですが、コピーの作者の意図はこの単語なのでしょうか?
 と、永年の疑問を書きつつ、Nick Pride & The Pimptones のおさらいです。イギリスのニューカッスル出身の6人組バンドで、2007年にギタリストであり、コンポーザーの Nick Pride が結成したバンド。2009年に初アルバム It's The Pimptones!!!!!!! を Jazz Girl Records から発売、Wack Records から発売したシングル Deeper Pimp はヨーロッパでラジオを中心にヒットして BBCなどにも出演し認知されてきました。これは2014年の4枚目のアルバムとなります。レーベルは私所有は P-Vine, Kicks ですが、ジャケ写違いのドイツのレーベル Légère Recordings のバージョンもあり。
 先に書いたように、SOIL & “PIMP” SESSIONS とは全く違う、踊れるジャズ・ファンクが売りで、Susan Hamilton、Jess Roberts、Beth Macari、Karen Harding、Courtney Veleciaと多数の女性ボーカルをフィーチャーした曲で、パーティー感はマシマシ。


 さて久しぶりに、楽しく聴きながらレビューです。Rejuiced Phat Shake タイトル曲が最初にくるタイプのアルバムですね。ボーカル無しのブラス・アンサンブルが楽しいヤツです。おそらくライブは、これで幕開けするんでしょう。Take Care Of My Love ボーカルの: Susan Hamilton の可愛らしい歌声が魅力的のモータウン風サウンド。時代を飛び越えて出てきたようなサウンドが早くも楽しい。Second Hand Wife は、Jess Roberts の迫力系のボーカルのダンサブルなソウル。妻帯者の方には奥様に怒られそうなタイトルです。Why Does My Man Got To Be So Tough? 高速疾走ナンバーで、Beth Macari がセクシーな歌声です。サックス、トランぺット、ギターのソロも熱く、エンディングがまた痺れる。Soul Food Strut インスト・ナンバーで、変則的なギターリフ、ファンクとソウルの要素が入り乱れるコテコテな楽曲。Everything's Better In The Summertime ソウルフルで乾いた声が魅力の Karen Harding のボーカル。夏の太陽は全てをうまくいかせてくれる と言う前向きで明るい歌詞と呼応するメロディーも素晴らしい。Non Stop ラテンとラップのミックスで、ギターのカッティングもキレてます。Walkin' Out The Door ブルースハープでイントロ、恐らく太った恰幅の良い黒人のブルース・シンガーを予想させる声の持ち主は Lyndon Anderson です。検索してみると予想はハズレのようでスリムなオジサンでした。1950年代のブルースのイメージです。It's A Love Thing 次のボーカルは歌いなれたテクニックのある歌い方の女性白人ボーカル Courtney Velecia です。16ビートのファンクで、Tom Quilliam が一人で複数のサックスを吹きわけています。Interlude ループを切り取ったような短い区切りのような感じです。Wanna Treat You Right かすれ気味で声を張り上げないタイプの渋い男性ボーカルの Micky Moran Parker が歌うソウルナンバー。Go With It ここにきてブラス・バンドが出てきます Renegade Brass Band とのコラボ。ここまでやるとは感心してしまいます。何でもやってしまう器用なバンドだこと。Nick Pride & The Pimptones と交互に演奏して最後はバンド入り乱れてのソロ合戦と大合唱が楽しい。99 Reasons 跳ねるリズムで乾いた声の巨漢の黒人ボーカルを想像してしまう Lane Thomas Hewitt がボーカル。ちょっと調べて見ただけではお姿見つけられませんでした。Hex On My Soul なんと最後は一青窈タイプの女性ボーカルで、ファンクではなく、しっとりと歌い上げて終わりです。私の魂に呪いをかけて、というタイトルでこの曲はニヤリとする趣向です。
 音楽は楽しくやるもんだぜ。の勢いがあります。このアルバム以外も聴いておきたいと思いましたが、もしかしたら、これが最高傑作かもしれないとも思えます。良盤の太鼓判🎶

guitar : Nick Pride
bass guitar : Ian Paterson
drums : Oscar Cassidy
percussion : Oscar Cassidy
baritone sax : Tom Quilliam
flugelhorn : Keith Nicholson
soprano sax : Tom Quilliam
tenor sax : Tom Quilliam
trombone : Chris Hibbard
trumpet : Keith Nicholson

producer : Nick Pride, Oscar Cassidy

1. Rejuiced Phat Shake
2. Take Care Of My Love
featuring : Susan Hamilton
3. Second Hand Wife
featuring : Jess Roberts
4. Why Does My Man Got To Be So Tough?
featuring : Beth Macari
5. Soul Food Strut
6. Everything's Better In The Summertime
featuring : Karen Harding
7. Non Stop
featuring : Dubbul O
8. Walkin' Out The Door
featuring : Lyndon Anderson
9. It's A Love Thing
featuring : Courtney Velecia
10. Interlude
11. Wanna Treat You Right
featuring : Micky Moran Parker
12. Go With It
featuring : Renegade Brass Band
13. 99 Reasons
featuring : Lane Thomas Hewitt
14. Hex On My Soul
featuring : Courtney Velecia





  

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