The Song Book は、ジャズのスタンダード集のこと。1964年録音の、ワン・ホーン・カルテットによるスタンダード集。タフ・テナーと呼ばれ「お下品」と評されることもある独特な力強いサックスと Flanagan の優美なピアノが Ervin に惑わされることも無く絶妙なコントラストでジャズらしいダイナミックさ、Richard Davisのベースはズンズンと気持ちよくリズム隊の出来は見事。また、Alan Dawsonのドラミングに関する評価の高さがあちらこちらに散見されるのでそれにも着目して聴いてみたい。Booker Ervin の作品は、私は That's It! しか持っていませんので楽しみなところです。
それでは全編スタンダードで固めた6曲構成をレビューです。The Lamp Is Low は、強いビートでぐんぐん迫るベースに、小気味よい Flanagan のピアノも長めのソロに大満足、最高にスウィングする Dawson の太鼓は確かに素晴らしい。息をもつかさないスピード感あふれる曲展開です。ドラムの録音状態はかなり良いので細かな表情がよくわかるうえにドラム・ソロが素晴らし過ぎました。最後はフェイドアウトなのかフェイドアウト風なのか?これも面白い。Come Sunday は、アダルトなエリントンの楽曲。しっとりとした演奏で1曲目との対比がグッときます。All The Things You Are 有名なところが出てきました。誰もが耳になじんでいる曲こそ、どのような展開なのか注目ですが、しっかりとこのアルバムの親方の Ervin が奇をてらうことなく実に楽しい進行でバンドを引っ張っていきます。曲中にダレてしまいそうなところで、音使いを変えたりしてスイングするところもお洒落な感じです。ドラミングも超スタンダードに少しづつ変化を与えてくれているかと思ったらフェイド・アウトです。どうやら先ほども風」では無かったようです。Just Friends も、スタンダードなだけに息のぴったりあったスムースな演奏が聴いていて気持ち良い。Yesterdays も言わずもがなの名曲。最近この曲を聴くことが多いような気がしますが、この演奏は結構心に残る感じがします。テナー独特のエロっぽさがありますが、それほど大袈裟なわけでもなくサラッと吹いています。ブットいサックスの後の Flanagan のピアノ・ソロの美しさが際立ちます。どこまでも聴いていたいですが曲には終わりがあるものしょうがない。Our Love Is Here To Stay で最後になりますが、サラッと終わる感じですね。ライブ・ハウスで聴いていて最後に締めくくる感じです。
ドラムの素晴らしさはわかりましたが皆さん褒め過ぎじゃないのか?トータルで聴きごたえが評価したい。最初にガツンと持ってきて、落として、中盤はお馴染み曲でリラックスして聴いてもらい。最後はハッピーなスイングで仕上げといった構成で非常によくできたアルバムでした🎵
tenor sax : Booker Ervin
piano : Tommy Flanagan
bass : Richard Davis
drums : Alan Dawson
producer, design, photography : Don Schlitten
recorded on February 27, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.
1. The Lamp Is Low
2. Come Sunday
3. All The Things You Are
4. Just Friends
5. Yesterdays
6. Our Love Is Here To Stay