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2023年9月10日日曜日

Tower Of Power / Back To Oakland


 昔からの愛聴盤で、車を運転するとき、元気をつけたいとき 等で、ずっと聴いてきたかなりのヘビロテのアルバムです。CDなんで擦り切れることはありません。
 1974年に発表された通算4枚目で、ボーカルに Lenny Williams が加入して本格的にブレイクした1973年の前作 Tower Of Power に続くアルバムです。ボーカルのみならず強力なブラス・セクションも最高のノリで、ドラムの David Garibaldi ベースの Rocco は素晴らしく強力で緻密で切れの良いリズムを生み出し、タイミングが絶妙なジャキジャキのカッティングギターが追い打ち、ブラス・アレンジは言わずもがなの名作。
 当時、様々なバンドがありましたが、T.O.P. (タワー・オブ・パワー)は別格にファンキーでギラギラしていたに違いありません。



 それでは擦り切れるほど聴いてきた擦り切れないアルバムを再度聴きながらレビューです。Oakland Stroke は、Emilio Castillo、David Garibaldi、Stephen Kupka の共作のファンク魂全開のアルバム導入曲でもありますが、〆にも使われている、T.O.P. を体現するナンバーで Oakland は、バンドが結成された地です。Don't Change Horses (in the Middle of a Stream は、Johnny "Guitar" Watson、Lenny Williamsの共作。シングル・カットされたミディアム・テンポのソウルフルなナンバーです。超高速なカチカチのナンバーも良いですけど、ここらへんのメローなナンバーも聴きどころです。Just When We Start Makin' It は、Emilio Castillo、Stephen Kupka、Lenny Williams の共作のメロウ・バラード。情緒たっぷりで、渋いホーンをバックに Lenny Williams のボーカルが歌い上げるこれも名作。ストリングスも入ったアレンジも素晴らしいCan't You See (You Doin' Me Wrong) Emilio Castillo、Stephen Kupka、Lenny Williams の共作は、メロウなサビが気持ち良いファンクで、緻密なリズムと広がる世界観の対比も素晴らしい。Squib Cakes は、ボーカル無しのインスト・ファンクで、この曲をコピーしてジャムった、なりきりプレイヤーも多いであろう曲。このファンク感が、T.O.P. を体現するものかと思います。Time Will Tell は Emilio Castillo、Stephen Kupka の共作。これもシングル・カットされた楽曲で売れ線意識したソウル・バラードで、Lenny Williams のボーカルが素晴らしい。Man from the Past は、Emilio Castillo、Stephen Kupka、Lenny Williams の共作。昔懐かしい感じのソウル・ナンバー。目立った個性は無いように感じますが、このような曲ほどバンドの底力、アレンジ力が発揮されると感じます。Love's Been Gone So Long は、ギターの Bruce Conte 作のメロウ・ミディアム。失恋の歌ですかな。そよ風に吹かれながら物思いにふける印象で激しいとこはなしですが素敵。I Got the Chop は、Emilio Castillo、Stephen Kupka の共作。アメリカンで開放的でファンキーで、何しろ明るく楽しい。Below Us, All the City Lights も、Emilio Castillo、Stephen Kupka。こんな曲を連発でかけるなんて凄いですね。バラードです。そして最後は、また Oakland Stroke に戻って〆です。オープニングより13秒長い、1分5秒🎵

lead vocals : Lenny Williams
organ, pedalboard, piano,  clavinet, backing vocals  : Chester Thompson 
guitar, backing vocals : Bruce Conte
bass : Francis Rocco Prestia
drums : David Garibaldi
congas : Brent Byars
keyboad, piano, clavinet, sax, flute : Lenny Pickett
tenor sax, backing vocals : Emilio Castillo
trumpet, flugelhorn, bells, backing vocals : Greg Adams
trumpet, flugelhorn, trombone, bass trombone, backing vocals : Mic Gillette
baritone sax, english horn, backing vocals : Stephen Kupka

1. Oakland Stroke
2. Don't Change Horses (In The Middle Of A Stream)
3. Just When We Start Makin' It
4. Can't You See (You Doin' Me Wrong)
5. Squib Cakes
6. Time Will Tell
7. Man From The Past
8. Love's Been Gone So Long
9. I Got The Chop
10. Below Us, All The City Lights
11. Oakland Stroke

▶ Oakland Stroke

▶ Squib Cakes

▶ Can't You See


  

2023年9月3日日曜日

The Impressions / It's All Right



 1958年に結成された Curtis Lee Mayfield の在籍していたソウル・ボーカル・グループで、前身はThe Roosters と言うグループで、シカゴに移ってから、Jerry Butler と Curtis  Mayfield で、Jerry Butler & The Impressions になり、Jerry Butler が脱退後に、The Impressions となりました。Curtis  Mayfield も脱退しましたが、メンバーを変えながら2018年まで活動していています。また、このバンドは1960年代のヒット曲はアフリカ系アメリカ人公民権運動のシンボルともなり、1998年の「ピープル・ゲット・レディ」がグラミーの殿堂入りとなっています。
 ボーカル・グループと言えば、ソウル界では The Wispers 1963-現役、日本ではハイファイセット1974-1994、ジャズ界では、マンハッタン・トランスファー1969-現役(1971年にいったん解散)、New York Voices 1986-現役、と大御所にまでなれば、インプレッション以外も、ボーカル・グループはジャズも含めて息の長いバンドが多いような気がします。肉声を楽器として使用するため不機嫌な声で歌っていたら仕事になりませから、楽器メインのバンドよりも、メンバーのコミュニケーションが円滑に回りやすいのでしょうか中々興味深い傾向ですね。


 このアルバムはライナーノーツも無く紙が一枚だけ入っている廉価版です。ググって見ても公式で発売されているようでは無いので、後発で発売したベスト盤のようなもののようです。序盤戦 Amen~Gypsy Woman までは、1961~1964年の全盛期のシングルを収録し、その後は編集者の趣味で選曲しているようです。
 シングル発売は、Amen 1964、It's All Right 1963、Keep On Pushing 1964、Gypsy Woman 1961 となっており、ここらへんはファンや年配の方によってはお馴染みの曲ですね。私はリアルタイムでは聞いておりませんが、今は亡き母の子守歌の一つがなんと、Amen、It's All Right だったんで、このメロディは頭の中に深く刻まれており、すごく懐かしく聴けます🎵

tenor vocals, guitar : Curtis Mayfield
tenor vocals : Fred Cash
baritone and bass vocals : Sam Gooden
tenor vocals : Arthur Brooks
tenor vocals : Richard Brooks

1. Amen
2. It's All Right
3. Keep On Pushing
4. Gypsy Woman
5. A Woman Who Loves Me 
6. See The Real Me
7. Talking About My Baby
8. I love You
9. Woman's Got Soul
10. You Always Hurt Me


Amen



  

2023年8月25日金曜日

Return Of Jazz Funk Special / Jazz Funker Never Dies


 これはジャズファンクを集めだした最初のころに購入の、老舗のレーベル P-Vine のジャズファンク・オムニバスの2枚組です。聴きなおしてみても、改めて中身の濃いオムニバス。ジャズ・ファンク初心者にしては中々良い買い物をしていたようで、自分を褒めてあげたい選択でした。このオムニバスに収録されている曲も、当時は全く知らなかったものも多かったのですが、今ではアルバムごと購入している曲も多く、もう私もジャズ・ファンク初心者からは脱却しているものと思っております。
 「Return Of Jazz Funk」は、足かけ8年にわたって88タイトルものリリースを出し続けてきたP-Vine名物企画だそうで、その集大成が、この「Return Of Jazz Funk Special / Jazz Funk Never Dies」となるらしく道理で中身が洗練されてスペシャルなわけです。


 アルバムの構成も単なるおすすめ曲の羅列ではなく、DISC 1 には、ベスト・オブ・ジャズファンク10 曲、DISC 2 にはそのカバー10 曲が収録の構成となっており、1枚目を聴いて、そうそう、これこれ!と思いながら聴く。2枚目を聴いて、オー、このバージョンもあったな。こっちを先に知っていたんだったな。と言う楽しみ方ができます。そしてDISC 1の本家をもう一回確認してみよう!なんて聞き方もできるわけでで、これは楽しい。 私、現在 車は保有してませんけど、こんなのが車に積んであるとノリ良くいろんな曲が聴けて良いんですよね。出張の時のレンタカーにも使えそうです。
 私の場合、 Monkey Hips And Rice、Confusion の冒頭2曲については Soulive、 The New Mastersounds の方を先に聴いていました。 Backwoods Sideman については本家の Buddy Rich がやっぱり好き。Music Is The Message はLes Demerle のボーカルが素晴らしくてBoston Hornsと甲乙はつけがたい。Nathan Davis / African Boogie は忘れてましたが曲自体が中々スリリングで良い曲でした。割と煽られて聴く系の楽しいオムニバスで P-Vine というレーベルならではの良作🎵

【DISC 1】
1. The Wooden Glass Featuring Billy Wooten / Monkey Hips And Rice
2. Ivan Boogaloo Joe Jones / Confusion
3. Buddy Rich / Backwoods Sideman
4. Richard Groove Holmes / No Trouble On The Mountain
5. Roy Porter Sound Machine / Panama
6. Night Blooming Jazzmen / Nam M'yoho Ren-Ge Kyo
7. Jimmy Mcgriff / Groove Grease
8. Les Demerle / Music Is The Message
9. Nathan Davis / African Boogie
10. Jimmy Mcgriff / Fat Cakes

【DISC 2】
1. Soulive / Monkey Hips And Rice
2. The New Mastersounds / Confusion
3. The Sound Stylistics / Backwoods Sideman
4. Osaka Monaurail featuring Shirley Davis / No Trouble On The Mountain 
5. Funkshone / Panama (Funkshone New Version)
6. Speedometer / Nam M'yoho Ren-Ge Kyo
7. Big Organ Trio / Groove Grease
8. Boston Horns / Music Is The Message
9. David Pastorius & Local 518 / African Boogie
10. Speaker Sgt. / Fat Cakes





  

2023年7月23日日曜日

Marvin Gaye / In Concert


 Marvin Gaye(マービン・ゲイ)は1939年生まれで、1984年に亡くなっています。学生を終えて、モータウンに雇われた時はドラマーで、ソロシンガーとしていくつかの作品を出すうちに、少しずつシングルの売上も伸び始め、ヒット曲の I Heard It Through the Grapevine の1967年に録音され1969年のヒット。実はこれは Marvin Gaye のオリジナルとと思っていましたが、最初の録音は Smokey Robinson & The Miracles で、Gladys Knight & The Pips が1967年にシングルでは先にヒットしていたようです。ちなみにこの頃モータウンの社長の実の姉であるアンナと結婚しています。その後1971年の What's Going On のヒットを皮切りに、Mercy Mercy Me、Let's Get It On、Got to Give It Up、I Want You などが有名です。
 

 この時代のシンガーであるので、ベトナム戦争や公害、貧困といった社会問題を取り上げた歌詞は、やはり楽曲のテーマでありマーヴィン自身はセルフ・プロデュースを行うことにより自分の主張を盛り込んでいったことも偉大な功績で、後にダニー・ハサウェイやスティーヴィー・ワンダー、カーティス・メイフィールドなどのアーティストにも大きく影響を与えたようです。しかし存命中は薬物依存、その後破産などアメリカらしいパターンで、最後は両親の喧嘩の仲裁に入って拳銃に打たれて死亡とのこと・・壮絶な人生です。
 ちなみにこのCDは、廉価版なのでライナーノーツは、ペラペラで曲名ぐらいしか記載は無いのですが、ググっていたら Recorded live in 1983 in Indianapolis at the Indianapolis Speedway Stadium とあります。つまりこのアルバムは亡くなる一年前の録音です。バカでかい会場らしく録音状態は、かなり良くないです。曲もブツブツ切れたり、マービン・ゲイがイントロで手を叩くとマイクがボンボン鳴るなんてのも入ってます。
 遠いところで聞いてるような気になるのが残念で、音が悪いのはしょうがないとして処理が悪いと興覚めでした。記録としては「あり」ですが、アルバムとしてはどうか?

1. I Heard It Through The Grapevine
2. Come Get To This
3. Let's Get It On
4. God Is My Friend
5. What's Goin' On
6. Inner City Blues
7. Joy
8. Medley / Ain't Nothin Like The Real Thing / Heaven Must Have Sent You / Let's Be Friends / If This World Were Mine
9. Rockin' After Midnight
10. Distant Lover
11. Sexual Healing





  

2023年6月11日日曜日

Bootsy Collins & The Bootsy's New Rubber Band / Keepin' Dah Funk Alive 4-1995


 最近の音源はジャズに偏っていますが、私こういったものも好物であります。いかれたファンクは好きですか?ハイ好きで~す。ジャケ写でも解りますが、Bootsy Collins は同じみのいかれたベーシストで 基本いかれたファンクの人なので、やってることは P-FUNK でやっている音楽性とほぼ同一です。このいかれた見た目の Bootsy ですが、経歴としては1951年生まれジェームス・ブラウンのバックバンドJB’sに在籍と、ここら辺まともなように見えます。しかしドラッグでベースが蛇に見えて、ステージから逃走して首に・・まあ親玉もドラッグはバリバリで2回も逮捕されている人だけに、このぐらいでビックリはしません。親玉はドラッグやっても仕事はちゃんとしてるさ、ステージから逃走はいかんよってことですねか。そして現在はPファンク主要メンバーとして活躍する王道の経歴です。


 さてこのアルバムは1994年の東京の Jungle Club のライブ収録の2枚組。Bernie Solo、One Nation Under A Groove、P-Funk を除くすべての曲はブーツィー・コリンズが書いた、または共作した曲となっています。後で音は被せてあるようですがライブとしての録音状態、アレンジなどの完成度は非常に高いアルバムです。
 さてレビューですが、Introが終わると Ahh... The Name Is Bootsy, Baby 最初から飛ばすタイプの曲ではなくフレーズのループで次第に盛り上がっていきます。 Bootsy? (What's The Name Of This Town?) も似たようなグルーブで、歌ではトキオのフレーズがひたすら繰り返されます。Psychoticbumpschool ここらへんでテンポ・アップしてアレンジも凝ったものになります。曲調としては Larry Graham でもよくある感じ。The Pinocchio Theory はシンセが駆使された軽めのファンク。この音の刻み方と展開は大好きなパターン。そして、Hollywood Squaresb に続くメドレー的な展開ですが音がブツッと切れます。メドレーではなく編集の都合上かもしれませんが気になる。フルートも入れた怪しい雰囲気の曲でこれもカッコ良いんですけどね。Bernie Solo は Bernie Worrell のソロパート、One Nation Under A Groove は、少し軽めにアレンジされていますがお馴染みの曲で、安心感あります。続いて P-Funk (Wants To Get Funked Up) 、Cosmic Slop、Flash Light、ここらへんで有名曲を入れて盛り上げていこうってこと。Bootzilla も盛り上げタイプで、Roto-Rooter はどっかで聴いたことあるな。Larry Graham スタイルってことか。そして2枚目に I'd Rather Be With You は、バラードタイプのファンク。しんみりやっているかと思いきや、メンバーの笑い声が途中で聞こえるので誰かのソロの時に何かおもろいことやって、ふざけている模様です。A Sacred Place (RIP) は、JB’sタイプの昔ながらのファンク。Medley: Stretchin' Out / Touch Somebody では「スキンシップの時間がやってまいりました。髪の毛をひっぱったりサングラスをとったりしないでください」との日本語のMCがあります。その後は延々と同じフレーズのループですが会場は大いに盛り上がっているんだろうなあと、うらやましい限り。Night Of The Thumpasorus Peoples ここらへんから混沌としてきますね。これを待ってましたって感じで客は最高に盛り上がっているに違いありません。Keepin' Dah Funk Alive 4-1995 最後になります。ライブのを締めくくるセッションみたいな感じですね。
 ほぼ、同じようなアレンジですから、しつこいと言えばしつこい。これが好きな人には、たまらないグルーブに頭の中で変化する音の薬です🎵

Vocals : Bootsy Collins, Mudbone Cooper, 
Henry Benifield, Michael Gaitheright
bass : Bootsy Collins
bass : Flip Cornett
Keyboards : Joel "Razor Sharp"
Keyboards : Greg "Daddy Ducking" Fitz
Keyboards : "Ill-Legal Alien" Bernie Worrell
guitar : Gary "Dirty Mugg" James
drums : Frankie "Kash" Waddy
Horns : Don Bynum, Larry Hatcher, Reggie Calloway, 
Rick Gardner, Vince Calloway

producer ("Live" Recording produced by) : At'c Inoue
album was recorded at: Jungle Club (June 24, 25 1994, Tokyo, Japan).

【Disc1】
1. Intro
2. Ahh... The Name Is Bootsy, Baby
3. Bootsy? (What's The Name Of This Town?)
4. Psychoticbumpschool
5. The Pinocchio Theory
6. Hollywood Squares
7. Bernie Solo
8. One Nation Under A Groove
9. P-Funk (Wants To Get Funked Up)
10. Cosmic Slop
11. Flash Light
12. Bootzilla
13. Roto-Rooter

【Disc2】
1. I'd Rather Be With You
2. A Sacred Place (RIP)
3. Medley: Stretchin' Out / Touch Somebody
4. Night Of The Thumpasorus Peoples
5. Keepin' Dah Funk Alive 4-1995





  

2023年5月27日土曜日

Tower Of Power / Souled Out

 

 2023年の現在で、結成から43年の、未だメンバーを入れ替えながら活動してる息の長いバンドの Tower Of Power(T.O.P)の1995年アルバム。1970年にデビューなのでこのアルバムの発売時で25年。最新アルバムは Step Up (2020年) ですが、これは持っていません。
 ボーカルは Brent Carter で力強い太い声。嫌いな声ではないが、T.O.P. で聴くと若干の違和感があるかな。(好みの問題ですね)
 アルバムを聴いていると、曲名は違うのですが何処かで聴いたフレーズやリフ・パターンのオンパレードです。サウンドは、いつもの T.O.P. より重めでしょうか。まあファンなんで好きですけど Back To OaklandBump City とかの細かで緻密な細工が施されているサウンドの方が好きかなあという感じです。ちなみに、いつもの「おでんバー」の音楽好きの面々は T.O.P. には、ほぼ無反応でした。この手のファンクを聴いて心は踊らないようです。残念。


 古参の結成当初からのメンバーは、テナーの Emilio Castillod、バリトンの Stephen "Doc" Kupka だけになってしまっていますが、メンバーを変えながら息の長い活動を続けているバンドです。曲調も、細かいストロークを中心としたブラスの細かなアレンジのファンクの形態はずっと継承されていますが、リズム隊のメンバーが入れ替わったり、ボーカルが変わったりすることで少しづつ色がか変わっているのを聴くのもこのバンドの楽しみの一つ。ただ今回聴いて思ったのは、楽曲のパターンや元ネタは結構一緒で何かに類似した曲が多いのは嬉しいような気もするが少し残念な感じでもありました。あとものアルバムについて調べていると、メンバー以外のアレンジャーを登用しているのがわかり、これがこのアルバムの多様性を広げているのか、一貫性はあるものの少し物足りなさを感じる要素になってきているような気もします。Barry Danielian (1, 5, 7 to 10, 12), Bill Churchville (2 to 4), Dave Eskridge (6, 11), David Mann (1, 5, 8 to 10, 12)
 さてレビュー行きましょう。Souled Out はタイトル曲なんですけど、インコグにこんな曲があったような気がします。いつもの T.O.P. よりポップな感じもします。Taxed To The Max も歌メロが聞いたことがあるような部分があり、これは T.O.P. の昔の曲の中からかな? まさかのアイデアの枯渇?ベースラインは好きな感じですが全体のアレンジは今風。Keep Comin' Back についてはラテン的な要素も感じるポップです。コーラス部分は昔からのパターンの使いまわしですね。Soothe You は柔らかい感じのバラードです。昔だったらこのパターンのバラードでもリズム隊はもっと緊迫感のある細かなリズムを入れてきていたような気がします。Do You Wanna (Make Love To Me) は、昔のあったパターンですが、このお決まりのパターンは好きです。ベース・ラインも好きです。こうゆう曲をジャムりたいですね。Lovin' You Forever は、またソウルっぽいポップっぽい曲になります。でも歌メロの基本はいつもの奴ですか。Gotta Make A Change は、細かい16ビートが気持ち良い曲です。この速さでやる16が気持ち良いです。変拍子っぽいキメを入れてあるところも私にはかなりツボです。このアレンジは中々のものですが曲の進行は少し単調かなあ。Diggin' On James Brown は昔からやってるヤツですね。安心して聴けます。Sexy Soul は、サザンソウル風です。このぐらい昔風に振り切っていれば気持ち良いですね。Just Like You はミドル・テンポのソウルで少しナンパな感じがします。歌メロにインコグ系が入ってるのが気になるかな。Once You Get A Taste は、なんか軽いですね。Undercurrent は、最後なんでファン・サービス的なブラス・アレンジが気持ち良いボーカルレスの曲。バンドとして進化は必要だとは思うけど T.O.P. は、この路線でいいんじゃないのかなって思います。過去に素晴らし過ぎるアルバムが多いので少し辛口になってしまったような気もします。これが T.O.P. じゃなかったら合格ってしてるんですけどね🎵

【Tower of Power】
Brent Carter : lead and backing vocals
Emilio Castillo : tenor saxophone, backing vocals, lead vocals (8)
Stephen "Doc" Kupka : baritone saxophone
David Mann : alto saxophone, tenor saxophone, horn arrangements (1, 5, 8, 9, 10, 12), tenor sax solo (8, 9, 12)
Bill Churchville : trombone, trumpet, flugelhorn, horn arrangements (2, 3, 4), lead trumpet (2, 3, 4, 6, 9, 11), trumpet solo (7), trombone (11)
Barry Danielian : trumpet, lead trumpet (1, 5, 7, 8, 10, 12), horn arrangements (1, 5, 7-10, 12), flugelhorn solo (6), trumpet solo (12)
Nick Milo : keyboards, Hammond B3 organ solo (2), Minimoog solo (3)
Carmen Grillo : guitars, guitar solo (11), backing vocals
Rocco Prestia : bass
Herman Matthews : drums, percussion, hum-drum (12)
【Additional musicians】
Jeff Lorber : clarinet (2, 5), guitars (5)
Lenny Castro : percussion (3, 4)
Brandon Fields : saxophone (3, 4)
Dave Eskridge : horn arrangements (6, 11)
Bob Franceschini : horn arrangements (7)
Ozzie Melendez : horn arrangements (7)

producer : Emilio Castillo, Jeff Lorber

1. Souled Out
2. Taxed To The Max
3. Keep Comin' Back
4. Soothe You
5. Do You Wanna (Make Love To Me)
6. Lovin' You Forever
7. Gotta Make A Change
8. Diggin' On James Brown
9. Sexy Soul
10. Just Like You
11. Once You Get A Taste
12. Undercurrent





  

2023年3月31日金曜日

James Brown / Live At The Apolo


 James Brown (JB) の1962年アポロ・シアターでのライブ。ここで、既にあのエンターテイメントが確立されていることがわかる名盤です。ポップ・チャートの2位まで上昇し66週にわたって同チャートのトップ10位圏内に留まり、JBのアルバムの中でもポップ・チャートで最も好成績だった作品です。それほどコレクターな訳ではありませんが、JBの作品はと段々とリズムとパフォーマンス重視となってきているような気がしますが、この作品は非常にソウルを感じるJB29歳の作品です。おそらく今の日本ではJBは硬派なオヤジがウイスキー片手に楽しむような音楽となっているのに、この音源ではJBはアイドルだったのかと思うほどにアポロ・シアターが女子の悲鳴で溢れていて当時の人気っぷりがわかります。私のJBのイメージは脂ぎった汗かきのオジサンのイメージですが、当時の若き日のJBの写真では確かに当時は脂ぎっている感じではなくカッコいいですね。


 さて、このアルバムですが、オープニング・ファンファーレでMCによる“煽り”は Are You Ready For Star Time!! そこから観客もハイテンションです。そして傑作「I'll Go Crazy」で幕開けし、シャウトしながら客を更に煽ります。「Try Me」は、後の演奏より昔のソウルという感じで中々好感。そして客のギャルたちのギャーという叫び声で熱狂がわかります。「Think」も、高速でたたみかけクラッピング入り(これは後入れかな)「I Don't Mind」ではしんみりと歌い上げ観客のボルテージを下げときます。でも、きっとサビのシャウトで失神しそうな女の子はいるに違いありません。そして「Lost Someone」のイントロでは、延々とループするテーマで、JBのシャウトで徐々に観客の熱が帯びていき、上げて下げて歌ではじっくりと聴かせる最高の演出、「Please Please Please , You've Got The Power」のメドレー、Please Please Please は既に7年前にR&Bチャートのトップ5の名曲です。そして Night Train でクロージングですが、いかにもショーの終わりを感じさせるダンサブルな曲。とにもかくにもこのアルバムではステージの演奏の他、観客席の熱狂ぶりも録音されていて、聴くものもそのステージが想像できる名盤です🎵

lead vocals : James Brown
baritone/bass vocals (and keyboards on "Lost Someone") : Bobby Byrd
first tenor vocals : Bobby Bennett
second tenor vocals : Lloyd Stallworth
【Famous Flames】
music director, trumpet : Lewis Hamlin
bass : Hubert Perry
drums : Clayton Fillyau
guitar, road manager : Les Buie
organ, MC : Lucas "Fats" Gonder
tenor sax : Clifford MacMillan, St. Clair Pinckney
tenor sax, baritone sax : Al "Brisco" Clark
alto saxophone : William Burgess
trombone : Dickie Wells
trumpet : Roscoe Patrick, Teddy Washington

1. Opening Fanfare
2. I'll Go Crazy
3. Try Me
4. Instrumental Bridge1
5. Think
6. Instrumental Bridge2
7. I Don't Mind
8. Instrumental Bridge3
9. Lost Someone Pt.1 
10. Medley(Please Please Please , You've Got The Power)
11. Night Train


▶ Think



  

2023年3月17日金曜日

Quincy Jones / Q's Jook Joint


 ミュージシャンとしてはトランぺッターしてジャズ界で活躍し1960年代からはプロデューサーとして、ブラックミュージック界、アメリカのポピュラー音楽界の重鎮としてしたQuincy Jones。クインシー・ジョーンズを聴くといつも思うのは、ヒットする音楽をつくる方程式を持っている人ってイメージです。同時に思い浮かぶのが Incognito の Bluey で、同じような方程式を持っている人のイメージ(ブルーイはプレーヤーなので同じではないですか)
 それにしても久しぶりに、このアルバムを聴きます。発売されたのは1995年ですが、発売を待っていてのリアル・タイムで購入ではないはず。いつどこで購入したのかは思い出せないですね。可能性が高いのは札幌在住時代の、ソウル・ファンク系が充実していた中古レコード屋かなあと思ったりしながら聴いております。だとすると2015年ごろだから発売から20年以上経ってからの購入で、私的には新しめの音ですが実際は新しくはないですね。クインシーと言えば「愛のコリーダ」マイケル・ジャクソンの「スリラー」が思い浮かびますがマイケルの若い時との2ショット写真を発見しました。アルバムのジャケ写はマフィア感漂いますが、この写真はお若いですね。懐かしい。


 1989年に同じように多数のミュージシャン、それも大御所ばかりを集めた Back on The Block の時はグラミー賞などでプロデューサー・オブ・ザイヤーを受賞、それほど当時は勢いがあり、脂ののっていた時期だったと思いますが、それから5年、さすがにあれほどの勢いは感じられませんが、著名ミュージシャンの参加数の多さ、若手の起用もありながら、これだけのアーティストが集えるのは大御所クインシーにしか成し得ないことですし、これも充実の1枚で、甘くて、かっこよい。
 さてアルバムを再度聴き直して参りましょう。ヒット作のリメイクで Jook Joint Intro オープニングはショーに駆け付けるメンバーの慌ただしい様子を演出しているようで、その流れで次の曲 Let the Good Times Roll ビッグ・バンドによるショーの幕開けの演出。挨拶のようにボーカルが変わっていき、Stevie Wonder、U2のBono,、Ray Charlesなどなど。Cool Joe, Mean Joe (Killer Joe) インスト曲で、Keyboard ソロだけで Herbie Hancock 参加。耳覚えがある曲ですが調べてもよくわかりませんでした。同名の映画があるようで常識破りにエロ映画っぽいです。クインシーとはおそらく関係ない?You Put A Move On My Heart もともとイギリスのソウル・シンガー、マイカ・パリによってレコーディングされたもの。ボーカルは当時名前が未だ知られていなかったのカナダ人 Tamia が起用の透明感ある歌声が素晴らしい。Rock With You は Michael Jackson のヒット曲ですね。Brandy が可愛らしく色っぽく歌い、ラップでHeavy D。懐かしい~けど新しくなっちまった。Moody's Mood For Love では、James Moody と Take 6 のしっかりTake6サウンドの甘いハーモニー。Stomp はブラザース・ジョンソンへの提供曲。デッキブラシなどでリズム、サウンドを奏でるグループ Stomp が「Stomp」Chaka Khanがバックでシャウト。Jook Joint Reprise ここで Ray Charles が Funkmaster Flex と共にビッグ・バンドで再度登場と思ったら56秒。Do Nothin' Til You Hear From Me はJazzyな楽曲を Phil Collins が歌い Jerry Hey がトランペット。ヂューク・エリントンの作曲でした。Is It Love That We're Missin' は、現代的なネオ・ソウルで、セクシーな Gloria Estefan と これぞブラックの甘い歌声の Warren Wiebe で間違いなく誰が聴いてもカッコイイヤツです。Heaven's Girl は R.Kelly、Ronald Isley、Aaron Hall に Charlie Wilson のバラードっぽい曲です。楽曲的にはよくあるパターンだけど参加者の実力で極上に引き上げられている感じ。Stuff Like That はファンキー・ビートに Charlie Wilson、Brandy、Chaka Khan が登場。Ray Charles、Charlie Wilson、Brandy、Ashford & Simpson が豪華に花を添えていて、チャラい曲だけど良い曲なんですよね。Slow Jams は SWV、Babyface、Barry White、Portrait でBabyface から始まるバラード。曲の展開の仕方が上手すぎ。At The End Of The Day (Grace) は トーツ・シールマンのハーモニカが美しい。グッときます。Jook Joint Outro で、Barry White、Tamia がエンディング。
 売れ筋の曲に、これぞ売れるブラック・フレイバーを振りかけて、極上のミュージシャンがこぞって参加の、いくら金がかかってるんだかわからない超大作です。

producer : Quincy Jones

1. Jook Joint Intro
featuring : Funkmaster Flex, Queen Latifah, Shaquille O'Neal, Tone Loc
vocals : Barry White, Bono, Brandy, Chaka Khan, Charlie Wilson, Gloria Estefan, James Moody, Patti Austin, Ray Charles, Siedah Garrett, Stevie Wonder
2. Let The Good Times Roll
vocals : Bono, Ray Charles, Stevie Wonder
3. Cool Joe, Mean Joe (Killer Joe)
featuring : Queen Latifah, Tone Loc
vocals : Nancy Wilson
4. You Put A Move On My Heart
vocals : Tamia
5. Rock With You
featuring : Heavy D
vocals : Brandy
6. Moody's Mood For Love
vocals : James Moody, Take 6
7. Stomp
featuring : Coolio, Luniz, Melle Mel, Shaquille O'Neal, Yo-Yo
vocals : Chaka Khan, Charlie Wilson
8. Jook Joint Reprise
featuring : Funkmaster Flex
vocals : Ray Charles
9. Do Nothin' Till You Hear From Me
vocals : Phil Collins
10. Is It Love That We're Missing
vocals : Gloria Estefan, Warren Wiebe
11. Heaven's Girl
producer : R. Kelly
vocals : Aaron Hall, Naomi Campbell, R. Kelly, Ronald Isley
12. Stuff Like That
vocals : Ashford & Simpson, Brandy, Chaka Khan, Charlie Wilson, Ray Charles
13. Slow Jams
vocals : Barry White, Portrait, SWV, babyface
14. At The End Of The Day (Grace)
vocals : Barry White
15. Jook Joint Outro
vocals : Barry White, Tamia





  

2023年3月10日金曜日

Sly And The Family Stone / Stand!


 1969年リリースの4thアルバムで、全米で300万枚以上を売り上げ1960年代を代表するアルバムの1枚。ローリング・ストーン誌の『オールタイム・ベスト・アルバム500』においては第121位にランクイン、1968年11月に先行販売のシングル Everyday People は、4週間全米シングルチャートの第1位となっています。
 次作の1971年「暴動」 There's a Riot Going On は、ドラッグまみれになりながらオーバーダブなどでほぼスライが独りで創りあげたアルバムで暗くヘビーなアルバムで評判は必ずしも良くないようです。しかし、このアルバムはバンド全員で作ったハイテンションで解りやすいサウンドになっていて、この落差を楽しむのも面白いのではないでしょうか。


 本アルバムは前述したとおり、バンド・サウンドの勢いに乗っているゴリゴリ・ファンクもあり、ポップ路線もありで、とにかく力強いサイケなサウンドですのでスライの入門として、ここからハマってる人もおそらく多いのではないでしょうか。サウンドの要は何よりも絶好調のラリー・グラハムの強いベースラインで、聴いているうちにどんな人間の気持ちをも高揚させ、体を揺らせる効果があります。そして全体的に多用されるワウとボコーダーがサイケな気分にさせてくれます。
 捨て曲が無いのも名アルバムの要因の一つでしょう。Sing a Simple Song、I Want to Take You Higher はアップテンポに気分を高揚させてくれて You Can Make It If You Try、Stand! などはメッセージ性が強い曲です。また Everyday People、Don't Call Me Nigger, Whitey には政治的・社会的なテーマがあります。特に Don't Call Me Nigger, Whitey という人種差別撤廃を旗に掲げている曲がありながらも黒人の自立を説くブラックパンサーはスライに対して、白人のグレッグとジェリーをバンドから追い出し、もっと黒人寄りの曲を作るように圧力を掛けたと言われており、この時代の背景の複雑さには相変わらず考えさせられるものがあります。やはりこの時代の音楽を聴くには、吉田ルイの名著「ハーレムの熱い日々 BLACK IS BEAUTIFUL」を読み直すとより深いものになるような気がします。 
 本作の発表後の8月には、愛と平和と人種統合の理想を背景にウッドストック・フェスティバルに出演した。アルバム・タイトルの Stand! はこの時代の人種差別などへのメッセージでもあり、ダンスフロアで人々を踊らせながらも Stand! と人種問題への提起を行うアルバムでもあるのが意味深です🎵

vocals, organ, guitar, piano, harmonica : Sly Stone
vocals, guitar : Freddie Stone
vocals, bass : Larry Graham
trumpet : Cynthia Robinson
trumpet : Greg Errico
background vocals : Little Sister (Vet Stone, Mary McCreary, Elva Mouton)

1. Stand!
2. Don't Call Me Nigger, Whitey
3. I Want to Take You Higher
4. Somebody's Watching You
5. Sing a Simple Song
6. Everyday People
7. Sex Machine
8. You Can Make It If You Try

▶ Stand!