2022年11月15日火曜日

Lee Konitz / Motion

 

 サックスによるワンホーン・トリオで、ピアノが無い分和音感は薄くベースが曲を引っ張ている。それもテーマを演奏しないスタンダードということで、漫然と聴いていると、そのことを忘れてしまうが曲名を追いながら聴いていくと何を聴いているのかが解らなくなり、ある意味聴き手にとってこの趣味趣向が理解できない人には苦しいアルバムかも知れませんが、ジャズとはインプロビゼーションである、インプロの無い音楽はジャズ風なだけあると言った熱い発言の方にはたまらないアルバムかも知れません。


 もっか私が 所有する Lee Konitz 音源と言えば Lee Konitz with Warne Marsh, Lee Konitz with The Bert Van Den Brink Trio / Dia Logues, Lee Konitz Hein Van De Geyn / Meeting Again など。正直聴きだしたのは巨匠が 2020年4月15日による肺炎で享年92歳で亡くなってからで、行きつけのおでんバーが追悼でしばらく Lee Konitz が多めでかかっていたことにからなので、それほど傾倒しているわけではありませんでした。こういった和音よりもベースなどの旋律による演奏手法は Lee Konitz の師匠である ピアニスト Lennie Tristano の影響であるらしく、あまり私は Lennie Tristano を聴いていないので、これから聴いてみて勉強しても良いかなとも思っています。
 メンバーは、アルトサックスが Lee Konitz 、ベース Sonny Dallas、ドラムは Elvin Jones ですが、最初は Nick Stabulas がドラムだったが出来栄えに満足できなかったためにElvin Jones で再び収録が行われたとのこと。クールでいながらも緊張感のあるドラムワークは良く歌っていると感じます。本来はあるはずテーマが最初から無し、コード進行のみがアドリブの素材であるというコンセプトで挑んでくるフレージングとそのニュアンスを三人が呼応するこのパフォーマンス。
 そもそも原曲がわからないのに原曲名を記載することに意味があるのか?果たしてコード進行が原曲と一致しているのか? 聴きながらも色々と考えるとそれも面白い一枚ですが、小難しいことは考えずにまず聴いて感じるのが良いのでしょう。

alto sax : Lee Konitz
bass : Sonny Dallas
drums : Elvin Ray Jones

producer : Creed Taylor

recorded New York City, August 29th, 1961.

1. I Remember You
2. All Of Me
3. Foolin' Myself
4. You Don't Know What Love Is
5. You'd Be So Nice To Come Home To
6. Out Of Nowhere
7. I'll Remember April
8. It's You Or No One





  


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