2022年11月13日日曜日

Hidefumi Toki Quartet / Toki

 

 サックス奏者、土岐英史の1975年発売の初リーダーアルバムで 日本のブルーノートとも謳われる Three Blind Mice からの発売です。1970年6月に設立された日本のジャズ専門レーベルでレーベル設立以降、およそ130枚のアルバムをリリースされていて、このアルバムは tbm-46 と書いてあるのでレーベル46枚目のアルバムであることがわかります。
 さてThree Blind Mice 「3匹の盲目ねずみ」とは、イギリス(イングランド)に伝わる古いマザーグース。様々な歌詞が存在し、古いものでは1609年の出版物も確認されています。
 Three blind mice. Three blind mice.See how they run. See how they run.They all ran after the farmer's wife,Who cut off their tails with a carving knife,Did you ever see such a sight in your life,As three blind mice.
 尻尾を切られた盲目のネズミが、その尻尾を切った農家のおかみさんを追っかけまわすという可愛いいっぽい雰囲気にホラーな内容です。


 さて日本の熱いジャズシーンを記録してきたもので、亡くなってから、その偉大さを改めて確認し最近、土岐英史のアルバムを何枚か購入させていただいている一枚です。1975年の和ジャズって「そうそうこんな感じだよな」って土岐さんのソプラノの使い方が懐かしくもここら辺のジャズやフュージョンを聴き、まねごとをしていた私の大学時代を思い出させてくれるような演奏でした。
 特に1曲目の Lullabye For The Girl は土岐英史のオリジナルで、渡辺香津美が参加していることもあって特に印象深い11分の名演です。ドラムの Steve Jackson の緻密なドラムも時代の和ジャズの雰囲気を出していると思います。続く Darkness も土岐英史のオリジナルでフュージョン時代も感じるバラード。Blues, When Sunny Gets Blue はスタンダードででメンバーが縦横無尽に吹きまくり、弾きまくり、叩きまわる安定感があります。Blues では渡辺香津美のブルース・ギターが素敵でした。締めはリーダーの土岐英史のオリジナル Old Song Blues では、渡辺香津美のギターと井野信義のベースの持ち味を引き出しているオールドなスタイルのブルースで土岐英史は、やはりギタリストが好きなサックス奏者なのだと思わせてくれます。
 録音は1975年5月17日東京アオイ・スタジオ。清々しい季節での録音です。若かりし頃の土岐さんの意気を感じる昭和のジャズ・フュージョン時代を感じれる良いアルバムでした。

alto sax, soprano sax : Hidefumi Toki  土岐英史
guitar : Kazumi Watanabe 渡辺香津美
bass : Nobuyoshi Ino 井野信義
drums : Steve Jackson スティーヴ・ジャクソン

producer : Takeshi Fujii 藤井
Recorded May 17, 1975 at AOI Studio, Tokyo.

1. Lullabye For The Girl
2. Darkness
3. Blues
4. When Sunny Gets Blue
5. Old Song Blues



▶ C Minor


  

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