2022年11月27日日曜日

Horace Silver Quintet / The Styungs Of Silver

 

 アート・ブレイキーを入門編としてファンキー・ジャズを好んで聴くようになってから、やはりこの人は欠かせないですが、私自身ソロ作品は未だそれほど聴きこんでいる訳では無く少しづつ集めている状態で、もっか3枚。これで4枚目です。6 Pieces Of Silver、 The Horace Silver Quintet / Horace-ScopeThe Horace Silver Quintet / Song for My Father で、最初に購入したのは Song for My Father でした。
 1928年生まれで作曲でも「ソング・フォー・マイ・ファーザー」「ザ・プリーチャー」「ニカの夢」「シスター・セイディ」など数多くのお馴染みの作品を残しています。家系はポルトガル系で父親からの影響で、西アフリカのカーボベルデ共和国の民謡を聴いて育ったとのこと。


 所謂名盤と言われる 6 Pieces Of Silver の次作として録音された作品で Blue Note での5作品目です。初録音は1956年 New Faces New Sounds (Introducing the Horace Silver Trio) ですが、後にアートブレイキーのリーダー作として曲を追加して Horace Silver Trio and Art Blakey-Sabu として発売されているので私は5作目と理解しています。
 ハード・バップ全盛期の録音らしくファンキーさとノリの良さが楽しく聴きやすいサウンドです。前作 trumpet が Donald Byrd だったのが今作は Art Farmer となっていて、tenor Sax Hank Mobley、drums Louis Hayes は継続です。アドリブ云々もあるのだろうが、何よりサウンドのまとまり感を感じる名演です。余裕を感じながらも若々しさもあり、選曲も良く統一感のある飽きのこないアルバムです。
 オープニングは No Smokin' で、ホーンとピアノの掛け合いとスムーズかつスピーディななリズム隊の流れが気持ち良い。The Back Beat は、2拍、4拍が強調されるビートを強調するリズム主体の曲で、曲の構成は16小節×2、8小節ブリッジ、8小節エンディングでホレスシルバーでは珍しい構成とのことだが違和感は全くない。Soulville はオーソドックスなマイナー・ブルースで、ライナー・ノーツに書いてあるホレス談では「メロディーはずっと2拍子でソロから4拍子」とあります。そこらへんが古臭くもありカッコよくもあります。Home Cookin' もモダンな雰囲気があり泥臭くもあるが美しい曲です。ホーンがイントロでテーマをこなしソロはアートとハンクがやり皆が戻ってきてワイワイとテーマに戻り温かでチームワークの良さが感じられます。Metamorphosis は15+15+16+15小節のAABA形式の変則だが違和感は全く感じさせなくてすんなりと耳に入ってくる名演でスピーディーで流れるようなスムーズな進行。ここまでは全てホレス・シルバーの作曲で最後の締めはスタンダードの My One And Only Love で静かなサロンで聴いているかのようなゆったりとした温かな演奏で締めくくられている。これがまた良い出来です。
 ホレス・シルバーのピアノは派手ではないけど自然な感じが良いですしこのアルバムは構成のセンスの良さが感じられお薦めです。

piano : Horace Silver
bass : Teddy Kotick
drums : Louis Hayes
tenor sax : Hank Mobley
trumpet : Art Farmer

producer : Alfred Lion

recorded on May 8, 1957 at the Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
originally issued as Blue Note BLP 1562 and BST 81562

1. No Smokin'
2. The Back Beat
3. Soulville
4. Home Cookin'
5. Metamorphosis
6. My One And Only Love





  

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