2021年5月9日日曜日

ノルウェイの森 村上春樹

 

 

 今更ながら世界的に有名な作品「ノルウェイの森」を読んでみました。きっかけとしては古本屋で買った「ノルウェイの森と10のオマージュ」というCDブックで、ノルウェイの森をオマージュして書籍の形態でプロデュースした作品で、それほど本の中身の曲に感動してもないのですが、作者の兼松 光氏に、こんな情熱を持たせた原作がどれほどの名作なのか読なければなるまいと思ったわけです。

 で読み始めると出だしは青春小説で舞台は昭和の学生紛争の最後のほうでしょうか?淡々とした語り口で、主人公のワタナベトオルくんはドライな現代青年。出だしの直子との思い出は浮遊感のある描写で不思議な雰囲気でありましたが、すぐに昭和でレトロな寮生活の話となり青春小説としてはありかもしれないけど「世界の人がこれに感動するのか?」と上巻の半分以上は疑問を感じながら読み進める。キズキが17歳で自殺したのは主人公の心に残る事件ではあるが彼はドライな感覚なのでそれほど心配はない。しかし直子の入院により何かが変わってきた。ここら辺から話に引き込まれて行き後半の主人公に近い直子と対照的な緑が存在感を強めてきてぐっと引き込まれる。感情はあまり露わにしないワタナベくんが苦悩することにももどかしくも、共感するものがある。

 全体的には小説にありがちなパターンの伏線や仕掛けはなく、淡々と物静かに描かれているが。生きていれば必ず「喪失」はあって自然なことであり受け入れなけば人は生きていけないことを訴えるでもなく淡々と描いている青春、恋愛小説でありました。いきつけの「おでんバー」で常連さんやマスターと音楽や本、芸術の話題は多いので、この本のことも話題にしました。昔読んだことがある人も多かったのですが中身については忘れて思い出せない人が100%だったのは相当昔の作品であったせいか?割と平坦な感じのする作品だからか?印象的には薄い小説ではありますが10年後ぐらいに再読してみたい作品ではあります。私は覚えているんでしょうか?どんな気持ちでこれを読めるのか?気になる作品ではあります。

 作品中にでてくるノルウェイの森も直ぐには頭の中には浮かばないけど聞けば思い出せる曲という私にとっては印象の薄い楽曲


 作品中「ドイツ語の授業が終わると我々は新宿の街に出て、紀伊國屋の裏手の地下にあるDUGに入ってウォッカ・トニックを二杯ずつ飲んだ。」のくだり我々日本人のジャズ・ファンにはこれだけでくすぐるところでもあります。(海外の方にはわからないと思いますが)

CDとレコード

 


 私は音楽好きではありますがレコードプレイヤーは所有しておらずCDをPCのハードディスクに落としながらライブリを作成して、PCをプレイヤーにしてスピーカーはPCとは別にのもので聞くとか、Walk Man に落として聴くなどで楽しんでいます。

 住居環境が借家のマンションであるため、大音量で聞くこともできないので再生や音質にはこだわらずに楽曲を楽しむようにしているのですが、いきつけの「おでんバー」のちゃんとしたオーディオで聴くと同じ曲でも自宅では気づかなかった音が聞き取れたり臨場感が違うことは理解しているのですが、PCに落とした音源でもちゃんとした機器で聴けばそれほど大した差はないだろうと思っていました。

 ノエルカレフの「死刑台のエレベーター」を本で読みながら、マイルスのサントラを家で聴いていたら、マイルスがちっとも面白くなくて Walk Man に落とした音源を「おでんバー」のちゃんとしたオーディオで聴いたら全く違って聞こえて繰り返し聴くほどに印象が変わり、音楽用の録音機器なら良い音で保存できるのはさすが世界の Walk Man と思ったこともありました。一方で私が購入したサルサのCDを「おでんバー」のマスターが気にいって店のPCのハードディスクに録音して後で聴いたらCDの方が音質が良くてPCなどによってはハードディスクのデータでは音質が劣化するのかと気づいたこともあります。

 最近びっくりしたのはジョニ・ミッチェルのアルバム「Shadows and Light」。購入したCDを「おでんバー」で聴いたらマスターが「これはレコードで持ってるよ」とCDをかけ終わった後にレコードを聴いたらレコードの方が臨場感があって全く違って聞こえます。こういった聴き比べはマスターもしたことがなくて驚きだったようです。

 ちなみにこの時普通に音楽を聴くけどそれほどこだわりの無い常連さんが同席されていてマスターと私のはしゃぎっぷりに不思議な顔をされています。違いは歴然としているとマスターと私は聴き分けていたのですが彼にとっては同じ音で、この違いが全く聴き分けられないようでした。人間による感性の違いにも、また驚きでした。この世界深いですね。

2021年5月8日土曜日

本日のCD Aretha Franklin ♪ Aretha Now

 

 アトランティック移籍から「I Never Loved a Man the Way I Love You」「Aretha Arrives」1967年「Lady Soul」1968年に続くAtlantic第四弾です。このアルバムも発売は1968年ですから1年に2枚ペースのアルバム制作で、この時代はジャズ界に限らず量産型の音楽ビジネスですね。これだけレコーディングしても才能とアイデアが消費されてしまっているように見えないところはアーティスト、プロデューサーに感心してしまいます。
 このシリーズは5枚組の廉価版で古い順に聞いており2作目「Aretha Arrives」は飛んでしまっているので聞いておりませんが、「Lady Soul」と比べるとぐっとサウンドは明るくポップになって大きな変化を感じます。
 ライナーノーツは安売り紙ジャケなので入っていなくてジャケット裏面に印刷されているものには録音年月日は書かれていませんでしたが、You're A Sweet Sweet Man、Hello Sunshine、 A Change は前作の「Lady Soul」のレコーディング・セッションで録音されていたものらしいです。と思って聞いてみると参加ミュージシャンのクレジットにギターのBobby Womackは無いし、女性のコーラスは入っているのに妹Carolyn Franklin、コーラスグループ The Sweet Inspirations も書かれていませんでしたので、Wikiを信用してミュージシャンは手持ちのライナーノーツとは異なるものに書き換えておきます。
 このアルバムもシングルで「Think」が先行発売されています。この楽曲は当時の夫テッド・ホワイトとの共作で歌詞は自由をテーマとなっていてサビはFreedomと何回も繰り返し力強く歌い上げています。ブルース・ブラザーズのPVでもアレサ本人が出演しているものが印象的で最近ではローラさん出演のウイスキーのCM曲にも使用されています。この曲がリリースされたのは1968年5月2日です。黒人の人権運動のリーダーであったキング牧師が暗殺されたのは4月4日の1か月前。キング牧師の「Free at last! Free at last! Thank God almighty, we are free at last!」の演説にリンクしていると書かれているものも見受けられますが作曲が完成してコンセプトをレーベルと打ち合わせレコーディング、プレスで1か月は、あまりにスピーディであるので、そこは神話のような気もします。しかしタイミング的には、この歌も当時の人権権運動の原動力となったのは間違いないのでしょう。
 政治的にも音楽的にも激動の時代に多くの人々に愛された一枚は力強い。

vocals, piano : Aretha Franklin
backing Vocals : Aretha Franklin, Carolyn Franklin (6, 8, 9) , The Sweet Inspirations
electric piano, organ : Spooner Oldham (exept 2, 9)
guitar : Jimmy Johnson (exept 2, 7), Tom Cog bill (1, 3, 10),  Boby Womac (6, 8, 9)
bass : Jerry Jammot (1-5, 7, 10), Tom Cog bill (6, 8, 9)
drums : Roger Hawkins
tenor sax :  King Curtis, Andrew Love, Charles Chalmers, Seldon Powell
tenor sax, flute : Frank Wess
baritone sax : Floyd Newman, Willie Bridges (1, 3-5, 7, 10), Haywood Henry (6, 8)
trumpet : Wayne Jackson, Mel Lastie, Joe Newman
bass trombone : Tony Studd

1. Think
2. I Say A Little Prayer
3. See Saw
4. Night Time Is The Right Time
5. You Send Me
6. You're A Sweet Sweet Man
7. I Take What I Want
8. Hello Sunshine
9. A Change
10. I Can't See Myself Leaving You





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2021年5月7日金曜日

本日のCD Aretha Franklin ♪ Lady Soul

 

 アトランティック・レコード移籍3作目1968年作品。本作ではギターに Bobby Womackさらにクレジットには「The guitar obbligato on Good To Me As I Am To You is by Eric Clapton of  “Cream”」と書いてあるようにクリームで売れっ子だったクラプトンが参加しています。リズム隊で参加ではなくオブリガードで参加なので別トラックで被せた録音なのでしょうか?いずれにしろアトランティックもお金をかけて本気で売り出しにきた様子がうかがえます。
 まずはシングルで稼いでアルバムは後で作るのがこの時代の特徴で「A Natural Woman」は、先行で全年9月にシングル発売されBillboard Hot 100で8位、R&Bシングル・チャートで2位の好記録となり、その2か月後に「Chain Of Fools」はHot 100で2位、R&Bチャートで1位と大ヒットとなります。この曲は Don Covay の書下ろしで当初はオーティス・レディングに提供しようと考えていたがデモを聴いてアレサに変更となったとのことです。同年12月に残りの曲はレコーディングされ Bobby Womack, Eric Clapton が参加となるわけです。なるほど
 また、アレサの妹Carolyn 姉 Erma もレコーディングに参加しておられるはずですが、なぜかライナーノーツに姉の名前は記載なしです。Whitney Houston の母の Cissy Houston が在籍していたThe Sweet Inspirations は記載されています。

vocals, piano : Aretha Franklin
backing Vocals : Aretha Franklin (1, 5, 6), Carolyn Franklin (except 7), The Sweet Inspirations (except 7)
electric piano, organ : Spooner Oldham
vibraphone : Warren Smith (10)
guitar :  Bobby Womack(2, 4, 6, 8, 9), Jimmy Johnson (1, 2, 4, 6, 8, 9), Joe South(1, 2, 4, 9)
guitar : Eric Clapton (7)
bass : Tom Cogbill
drums : Roger Hawkins (except5) gene christian(5)
tenor sax : King Curtis (2, 4, 6, 8, 10)
tenor sax, flute : Frank Wess ( 2 - 4, 6 - 10)、Seldon Powell(2, 4, 6, 8, 9, 10)
baritone sax : Haywood Henry (2, 4, 6, 8, 10)
trumpet : Bernie Glow (2, 4, 6, 8, 10), Joe Newman (2, 4, 6, 8, 10), Mel Lastie (2, 4, 6, 8, 10)
bass trombone : Tony Studd (2, 4, 6, 8, 10)

1. Chain Of Fools
2. Money Won't Change You
3.  People Get Ready
4. Niki Hoeky
5. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman
6. Since You've Been Gone (Sweet Sweet Baby)
7. Good To Me As I Am To You / guitar(obbligato) : Eric Clapton
8. Come Back Baby
9. Groovin
10. Ain't No Way





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2021年5月6日木曜日

本日のCD Wendell Harrison ♪ An Evening With The Day Devil


 改めて聞き直しているこのアルバムの存在を全く忘れていました。カルト宗教を連想させるジャケットそしてタイトルは「悪魔との夜」オリジナル発売年は1972年で Wendell Harrison はテナー奏者のクレジットですが覚えていません。
 どんなアルバムだったのか聞き始めると1、2曲目はフリージャズです。あれ全部フリージャズのアルバムだったっけか?と聞き進めると3曲目以降はフリーではないのですがモードでもない異次元のようなジャズであったり、怪しい雰囲気で悪魔のささやきのごとき朗読があったりします。そして現代音楽のようなマーチングになり最後の曲はなんと現代ファンクになります。
 確実に私の趣味ではなく、スピリチュアルで異様なエネルギーが発散され、なかなかのカオスで一人で飲みながら聞いていたら悪酔いしそうな感じです。好きな人はローソクの明かりで聞いてるんでしょうか?でもこの手のアルバムは、はまる人はズブっとはまるんだろうとは予想できます。
 聞き終わったところでWendell Harrisonを深堀してみると、このスピリチュアル・ジャズという分野の方でこのアルバムのレーベルTribeをトロンボーンのPhil Ranelinとともに1972年に創設した人でした。この手のスピリチュアル・ジャズはブラック・ジャズとも呼ばれているようです。ちなみに他の演奏動画ではWendell Harrisonは普通のジャズの演奏もやっていらっしゃいます。
 たまに行きつけのバーでフリージャズが延々とかかるので、最近はフリージャズを聞いても違和感はありません。しかしこのアルバムの最初のレビューを書いた2018年8月では私の音楽の趣向にはフリージャズの選択肢はなく、どうやってこのアルバムにたどり着いたのかは全く覚えていません。呪術にでもはまったのでしょうか?私の感覚にはないヤバい世界

tenor sax : Wendell Harrison
electric piano : Charles Eubanks
bass : William Austin
drums : Ike Daney
trumpet :Charles Moore
trombone : Phil Ranelin
flugelhorn : Marcus Belgrave
vocals (poetry) : Black Messengers, Oba, Vajava

1. Mary Had An Abortion
2. Where Am I
3. Vol II Angry Young Men - Part I
4. Vol II Angry Young Men - Part II
5. Consciousness
6. Rebirth
7. Farewell To The Welfare





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2021年5月5日水曜日

本日のCD Kenny Burrell ♪ Guitar Forms


 邦題は「ケニーバレルの全貌」1965年の作品です。トラディショナル・ブルース、フラメンコ、モダン・ブルース、クラシック、ボサノバ、モダン・ジャズとバラエティ豊かな内容で、イージー・リスニング的でバラエティ豊かで楽しめるんですが、若干チグハグなところに時代を感じて思わずニヤついてしまうアルバムです。原題は様々なギターワークで「Guitar Forms」だったのが訳者によって「ケニーバレルの全貌」はわかりやすいですが何かの本のようなタイトルですな。
 わかりやすい正統派のギターなので私のようなギター演奏愛好家にとっては、ケニー・バレルは聞くだけだけではなく先生のような存在でもあります。このアルバムのグリーン・スリーブスはソロギターで静かに始まり、その後でバンドが加わってスイングする王道のような展開であるせいか雑誌や教則のなかでもスコアでもよく目にします。聞きなれたメロディにジャズアレンジが効いているせいもあるんでしょう。ただ改めて聞きなおすと少し時代が古いベタな感じが少しイモっぽいかもしれないですね。(良いとか悪いとかは超越してですが)
 クレジットを見直していたらプロデューサーがCreed Taylorという方、イージーリスニング系の方らしくなるほど。同じギタリストのウェスとかでも現代の私たちからしたらなんでこんなイージーリスニングやってるんだ?と思ってしまう音源もあり、これは良し悪しとかプロデューサーの技量とかではなく時代の流れ、流行りなんですね。またアルバムのタイトル下に書いてあるGil Evansは、Lotus Land、Moon And Sand、Loie、Last Night When We Were Youngにアレンジとコンダクターで参加しています。このアルバムを聴く限りではケニーバレルとの相性はあまりよくないかな。

guitar : Kenny Burrell
 (1, 3, 9)
piano : Roger Kellaway
bass : Joe Benjamin  
drums : Grady Tate
congas : Willie Rodriguez
 (2, 5, 6 to 8)
arranged by, conductor : Gil Evans
bass : Ron Carter
drums : Charlie Persip, Elvin Jones
soprano sax : Steve Lacy
alto sax : Lee Konitz
alto flute, flute, bass clarinet : Ray Beckenstein
tenor sax, bassoon, flute : Bob Tricarico
tenor sax, oboe : Richie Kamuca
trombone : Jimmy Cleveland, Jimmy Knepper
trumpet : Johnny Coles, Louis Mucci
english horn, flute : George Marge
flute, english horn : Andy Fitzgerald
french horn : Julius Watkins, Ray Alonge
tuba : John Barber

1. Downstairs
2. Lotus Land
3. Terrace Theme
4. Excerpt From ”Prelude#2"
5. Moon And Sand
6. Loie
7. Greensleeves
8. Last Night When We Were Young
9. Breadwinner





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ワード・オブ・マウス ジャコ・パストリアスの最後に言葉 松下佳男

 
 
 好きな音楽をかけられるので主としては音楽好きが常連の「おでんバー」で言われた。別に何をかけても自由なんだけど「ジャコの説明にあまり熱を込められてもねえ。実は私それほどジャコは好きではないんですよ」とマスターに打ち明けられた。
 したがって私は一人でジャコの音楽を聴き、本を読みその短い生涯で残したものを追うのであります。音楽は音なんだから自分の感性に合うものだけ聞いてればよいと思っていたんですが、歳をとってきてからは、その背景にあるものや考えなども理解して聞いたり、ジャズミュージシャンの多い音楽性の時代による変遷を時間軸で追ってみることもしています。
 断片的に雑誌やCDのライナーノーツで読んでいて、ジャコという人はジャンキーで破滅したベーシストぐらいしか知識はありませんでした。しかしもともとは酒もタバコもやらない子煩悩な人間があっと言うまに破滅していくのは本などを読んでから知り、強烈なインパクトがあります。
 そんなジャコの状態を書き留めた本はビル・ミルコウスキー著「ジャコパストリアスの肖像」で読んで少し悲しくなってください。この本は「ADRIB」やベースマガジン系の雑誌でのジャコへのインタビューを中心とした内容が掲載してあるので、ジャコの音楽に対する考えかたなどが書かれています。同じようなインタビューで若干違う答えだったり、論理が依然とは違ったりするのは普通の人でもあること、ましてや目まぐるしく価値観の変わる音楽業界にいて、ドラッグや精神疾患に病んでいた人なんですからそれは致し方ない。インタビューなので湿っぽい話もなく前向きなジャコに会えて良かったです。お風呂に入りながらゆっくりと読み進めました。

2021年5月4日火曜日

本日のCD indigo jam unit ♪ Demonstration


 indigo jam unit結成の2005年のデビューアルバムで、レコーディングは全て一発録音の快作はクラブ・ジャズ好きにはとってもお勧めです。
 クラシック、ジャズ、ファンク、ラテンのミックスされたインストで、ぶっといウッドベースとヒップなドラムにジャズなピアノが基本のラウドなジャズ・サウンド。
 メンバーは関西在住で、ピアノ樽栄嘉哉、ウッドベース笹井克彦、パーカッション・ドラム和佐野功、ドラム清水勇博で、このアルバムでは、ドラムが2人が交代します。清水氏は手数も多く盛り上がるところでは、ものすごい煽りを入れるタイプで、和佐野氏はタイト&パワフルなドラムでグイグイ行くタイプでこの違いでアルバムの楽曲の気持ちよさが増しますが2016年夏で活動を休止。
 1曲目のGiant Swingはプロレスの技「giant swing」とジャズを掛け合わせたネーミングだとか、ベースのリフの上下運動がかなり気持ち良くて私の音楽のツボにピッタリはまってしまいます。かと思えばSnowの透明感のあるアレンジが出てきて、ラテンのTeardrop、しっとりメローなThe Empty Screen.と、グイグイいくのがイメージですが、色々な表情を持つ全てがindigo jam unit

Piano : Yoshichika Tarue
Double Bass : Katsuhiko Sasai
Drums : Takehiro Shimizu
Drums, Percussion : Isao Wasano

1. Giant Swing
2. Scene-Cartaincall
3. Ka I Ka
4. Palette
5. Snow
6. Back Shot
7. 7th Feeling
8. Teardrop
9. The Empty Screen.
10. Throb
11. Hopes Of Yesterday





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2021年5月3日月曜日

本日のCD The Hard Bop! ♪ No Room For Squares Ⅳ


 BlueNoteの名盤からの12曲オムニバスです。名前の通りの中身でハード・バップばっかり集めています。そもそもなんですが、ジャズのハード・バップって激しめのジャズって認識ぐらいしか私にはないんですが、そもそも何なんでしょう?
 戦前の1930年代から1940年代の流行のビッグバンドの形態のジャズは「スイング・ジャズ」と呼ばれベニー・グッドマン、デューク・エリントン、カウント・ベイシー、グレン・ミラーなんかですよね。スイングジャズは、スウィングのリズムが特徴のダンスミュージックでしたが、大人数の編成であるため、アドリブやソロの要素よりもアンサンブルに重点が置かれていたわけです。
 そしてこの大人数のバンド形態は1940年代あたりから少人数の即興演奏を主体とする「ビバップ (bebop)」へと変化していきます。形式としては決まったテーマを演奏し、コード進行に沿った形でアドリブを順番に行う形式が主で「スイング・ジャズ」は聞く側が楽しむダンス・ミュージックだったのが、ビバップは演奏側が楽しむものとなり技術や芸術性を楽しむものに変化してきました。
 そして1950年代からニューヨークなどで演奏されるビバップはハード・バップと呼ばれる形態になっていきます演奏スタイルになっていきます。私たちが所謂ジャズと感じるサウンドのイメージですね。ハード・バップは特にソロ部分のアドリブをよりホットでドライブさせたものでフレーズが重要視されたため、メロディーとして使える(成立する)音を使うためビバップよりも、融通性のないメロディーやフレーズになりやすいらしいです。つまりはアウトなフレーズは邪道だったわけですね。
 さらには、この制限された音の呪縛から使える音の解釈を変えたモード・ジャズに移行していきましす。と色々見ながら書きましたのでおそらく本筋は外れていないはずです。ふう
 また1954年のアートブレイキーの「A Night at Birdland Vol. 1」あたりから「ハード・バップ」という言葉が使われだしたようでアフロ・キューバン・ジャズもハードバップに含まれるって書かれます。
 まあ音楽のジャンル分けってのは時に曖昧なので雰囲気でも良いのかと思いますが・・

1. Sonny Rollins / Wail March
2. Clifford Jordan / Beyond The Blue Horizon
3. Hank Mobley / Mighty Moe & Joe
4. Sonny Clark / Shoutin' On A Riff
5. Bud Powell / Blue Pearl
6. John Coltrane / Locomotion
7. Curtis Fuller / Little Messenger
8. Horace Silver / Safari
9. Lee Morgan / C.T.A.
10. Lou Donaldson / Blues Walk
11. Louis Smith / There Will Never Be Another You
12. Kenny Burrell / Phinupi





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2021年5月2日日曜日

本日のCD Jaco Pastorius ♪ Word Of Mouth


 これはジャコがウェザー・リポートに在籍中の1980年に録音したジャコ自身がリーダーとしては2作目のソロ・アルバム。
 このアルバム制作にはいろいろと裏話(今となっては表ですが)があります。このアルバム「Word Of Mouth」の制作の契約発売のレーベルはワーナー・ブラザーズ。1枚目のデビュー作「Jaco Pastorius(ジャコパストリアスの肖像)」はエピック。当時加入していたしていたウェザー・リポートのレーベルであるコロムビアにはこのジャコのソロ制作の印象は裏切り行為のように映り印象は当然良くなかった。
 制作では、ロサンゼルス交響楽団から31人を雇って「John And Mary」「Three Views Of A Secret」に9,000ドルかけたが、ボツにしてその中から7人を選んで9回のオーバーダブで63人編成に仕上げなおしたり、ニューヨーク、ロサンゼルス、フロリダとあちこちで録音しオーバーダブで仕上げるなど予定した予算を大幅にオーバーしたとのことで、制作サイドにはかなりの迷惑をかけているようで、雑誌インタビュー記事などからは、このアルバムの制作の構想はかなりの前からあったことは間違いないですが、ウェザー・リポート加入での名声と成功、ドラッグと酒に侵されたジャコの正常な金銭感覚は失われてたようです。
 発売の結果は評論家の間では評判は良く日本ではゴールド・ディスクを獲得。しかしアメリカでは5万枚の売り上げだけで終わり、ワーナーの目論見は大誤算となったとのこと。
 録音内容としては秩序のあるフリージャズのようなCrisisで幕開けするこのアルバムは、聴いていると何かの情景が浮かびそうな美しさ、幻想的であり、せつなさもあり荒々しさもある素晴らしい作品ですが、ワーナーとしてはウェザー・リポート級の売り上げを期待していたのでしょう。十分良いアルバムではありますが、ジャズ・ビッグバンドの形式では購入層もウェザー・リポートで取り込んでいたアメリカのロック世代の若年層には響かなかったということ。ジャコの衝動的な計画性のない録音はいただけないですが、ワーナーにもその期待は外れてもしょうがないだろうとは思いますね。
 
1. Crisis
2. 3 Views Of A Secret
3. Liberty City
4. Chromatic Fantasy
5. Blackbird
6. Word Of Mouth
7. John And Mary





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2021年5月1日土曜日

本日のCD Aretha Franklin ♪ I Never Loved A Man The Way I Love You

 

 邦題は「貴方だけを愛して」1967年3月に発表したスタジオ・アルバムで、アトランティック・レコード移籍第1弾。アレサはコロンビア・レコードから1961年にジャズ色が強いポピュラー歌手としてデビューしていたが売れていなかったが、このアルバムからゴスペル・フィーリングを打ち出して成功したアルバムとのこと。このアルバムからは I Never Loved a Man (The Way I Loveb You)とDo Right Woman - Do Right Manが先駆けて録音されて、アルバムよりも先行して発売されています。
 バック・ボーカルのCarolyn Franklinはアレサの妹で Erma は姉で三人での姉妹によるコーラスやキング・カーティスによるサックス・アシストも絶妙です。出だしはRespectでオーティス・レディングのカバーでイメージチェンジを見事に図っているのではないでしょうか。
 なお私の持っている盤は5枚組でアレサを一気に体験できる Original Album Series なんですがアレサのボーカルのレベル調整が小さめで奥に引っ込んでしまっているような気がします。

vocals, piano : Aretha Franklin
backing vocals : Carolyn Franklin (1, 2, 5, 6, 9), Cissy Houston (2, 9), Erma Franklin (1, 2, 5, 6, 9)
electric piano : Spooner Oldham (3, 4)
organ : Spooner Oldham (1, 6, 7, 9, 11)
guitar : Chips Moman (3, 10), Jimmy Johnson (1, 3 to 6, 9 to 11)
bass : Tommy Cogbill
drums : Gene Chrisman (4, 7, 8), Roger Hawkins (1 to 3, 5, 6, 9 to 11)
tenor sax : Charles Chalmers (1 to 8, 10), Joe Arnold (3), King Curtis (1, 2, 4 to 8, 10)
baritone sax : Willie Bridges (1, 2, 4 to 8, 10)
trombone : David Hood (3)
trumpet : Ernie Royal (7), Ken Laxton (3), Melvin Lastie (10)
vibraphone : Arif Mardin (11)
cornet : Melvin Lastie (1, 2, 4 to 8)

1. Respect
2. Drown In My Own Tears
3. I Never Loved A Man (The Way I Love You)
4. Soul Serenade
5. Don't Let Me Lose This Dream
6. Baby, Baby, Baby
7. Dr. Feelgood
8. Good Times
9. Do Right Woman — Do Right Man
10. Save Me
11. A Change Is Gonna Come





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