コルティーホは1950年代半ばからプエルトリコや中南米全域で活躍していて、その後のサルサに大きな影響を与えます。最初のアルバムは、真冬のニューヨークにラテン楽団がコートを着て写っているジャケットの「En New York」1959年リリース。「En New York」のほうが勢いが断然ありますが、こちら Danger のほうが親しみやすさがあります。
最初は Moliendo Cafe(コーヒー・ルンバ)です。最初に聞いた時には、井上陽水・西田佐知子・荻野目洋子がカバーしているコーヒー・ルンバと同じとは気づきませんでしたが、何回か聞くうちに、なるほど・・そうだと気付きます。しかし最初のテーマ以降はボーカルのアドリブのようになるのでしょうか?日本人歌手との解釈の違いがあるなあと感じます。また Mentirosa Conmigo ですが、Louisiana Mama に似ているような気がします。アメリカン・ポップス の サルサ・バージョン かと思いますが、別曲でしょうか? Louisiana Mama は、1961年の Gene Pitney の楽曲で、日本でも同年に飯田久彦が歌ってヒットしています。コードとサビは何となく、それっぽいですし、このアルバム制作が1962年ということからも、それっぽいのですが調べてもよくわかりませんでした。
今年2024年2月に脳幹出血のため緊急搬送された渡辺香津美氏の1980年リリース作品です。渡辺香津美が何しろ若い。そして黄色で統一したジャケットはインパクト抜群。テクニカルなギターとポップに味付けされたフュージョン・サウンドで大ヒットしました。レコーディング・メンバーも海外の売れっ子ミュージシャンばかりで、世界的なギタリスト渡辺香津美の人脈の広さを感じます。録音は1980年3月4日から26日のニューヨーク。サポートメンバーとしてYMOの最初の世界ツアー参加していた「YELLOW MAGIC ORCHESTRA TRANS ATLANTIC TOUR」が1979年10月16日にロンドンで始まり、1979年11月6日にニューヨークで終了後のレコーディングです。そして、このアルバム発表後の1980年夏には、レコーディングに参加したMike Mainieri、Marcus Miller、Warren Bernhardt に Omar Hakim のバンドで日本国内の「トチカ・ツアー」が敢行されています。さらに2010年の東京JAZZでは、渡辺香津美 TOCHIKA2010 featuring TOCHIKA ALL STARS として、30年ぶりの同メンバーによる演奏が行われています。ちなみにアルバム・タイトルは、愛犬であった北海道犬の「図知華(トチカ)」に由来とのこと。
さて、懐かしのアルバムのレビューです。このオープニングは上がります。 Liquid Fingers とてもノリの良いファンキー・フュージョンで、これぞ世界に通用するカッコよさではないでしょうか。Black Canal は、ずっしりとしたドラム、ベースに低音の単音リフから、段々と湧き上がってくるフレーズで、Michael Brecker はこの曲にはいないけど、それ系の曲です。当時の流行りのサウンドなんで Marcus Miller の味でもあるかもしれないですね。そしてタイトル曲は To Chi Ka ですが、柔らかなオベーションによるギター演奏で、Mike Mainieri のビブラホンも優しい、いかにも渡辺香津美らしい楽曲です。Cokumo Island は、向井滋春のフュージョン時代にあったようなラテンも感じる音使いが懐かしい。そして Unicorn は、売れましたね。これは若い頃の渡辺香津美の代表曲です。テーマも印象的ですがエキゾチックなスケールとアウトしたフレーズも織り交ぜながら縦横無尽のギターソロが魅力です。いやいや尖ってます。Don't Be Silly も良い曲です。雰囲気はまさに Don't Be Silly バカ言うなよって感じの砕けた感じが心地よい曲です。Sayonara は、Tony Levin のフレット・ベースがしんみりと響いてくる曲です。Manhattan Flu Dance は、渡辺香津美のこの時の得意なパターンですね。
世界の渡辺香津美が強力メンバーで作り上げた若き日の傑作です🎶
guitar, guitar synthesizer : 渡辺香津美
rhythm guitar : Joe Caro (1,2,5,6)
keyboards : Kenny Kirkland (Keyboards 1,2,5,6/acoustic piano 2)
登場アーチストの中で、知っているのは Ben E King ぐらいですね。まだまだ不勉強な分野です。そのほか Blue Magic ってグループは3曲が収録されていますが、かなり良い感じです。その他気に入ったのは、Sister Sledg / Mama Never Told Me モータウンが入った曲ですが、ボーカルの声がJacson5 ぽくて・・調べてみると、フィラデルフィア出身の黒人4姉妹のコーラス・グループです。おそらく末っ子がリードボーカルだと思いますがライブ映像ではもっと太めの声なので、幼い時の録音でしょう。またこのグループ3作目なんかは Nile Rodgers と Bernard Edwards のプロデュースですから私が知らないだけですね。それにしても1970年代のソウル・ファンクは無数の素晴らしいグループが存在しながらも消えていったものが多いのに今更ながら驚きます。
Crème De La Crèmeは「クリームの中のクリーム」つまり最高の意とのこと🎶
1. Look Me Up (Album version) / Blue Magic
2. Pain Reliever / Sister Sledge
3. Happy Man (Pt.1) / Impact
4. Both Ends Against The Middle / Jackie Moore
5. Action Speaks Louder (Than Words) / Terry Collins
6. First Choice Theme 45 / First Choice
7. What Goes Around (Comes Around) / Black Ivory
8. When The Game Is Played On You / Bettye Swann
9. Each Morning I Wake Up / Major Harris
10. What A Man (Previously unreleased) / Jackie Moore
11. No Danger Ahead / Ben E King
12. Spinnin’ Top / Moving Violation
13. Mama Never Told Me (Tom Moulton Remix) / Sister Sledge
改めて参加ミュージシャン見てたらギタリストの Tony Remy の名前もあります。ブラコン系にジャズ的なギターをトッピングしたアシッド系のサウンドで自身のアルバム Boof! 、Incognito Eleven に参加など。さらにベースの Stuart Zender も気になって調べたら Jamiroquai の Travelling Without Moving に参加。サックスの Ed Jones は Incognito のサックスでした。好きな音だと思っていたらやはりでした。
なるほど、私がアシッド系に凝った時期を懐古させてくれる一枚。再度聴きながら楽しくなってきます。アシッド・ジャズ系の音作りなんだけど昔風のフュージョンぽさもありブラスの使い方もまさに私のツボであります。さてレビューです。Leo Rises 日本の超絶テクバンドフュージョン Aribaba かと思いましたが、バッキングだけが似ていました。ひたすらファンクな Jessica Lauren のクラビのバッキングに Chris Bowden のサックスがウネウネとソロを続ける大好きなパターンです。Fire Monkey は、またブラス・アンサンブルが楽しい日本のフュージョンバンド風で、こんな作風が昔流行っていました。学生時代に戻ったようでな感じが懐かしい。ピアノでスキャットもよし、ソロ一発目がトロンボーンも良いですね。その後のトランペットのハイトーン・ソロも素晴らしい。Siren Song タイトル曲は静かにアシッドなベースから始まり、エレピで怪しげなテーマが演奏され、Ragga のソウル風ボーカルで味付けです。When You Call My Name バラードで ボーカルは Ragga 聞き取れないくらいのささやき系で最初入ってますが、ほぼインスト曲でジャムのような感じです。エンディングでもささやきが聴けます。Serengeti は、インコグ的なインストで Stuart Zender の、ベースラインはそれ系です。ここでも Ingrid Mansfield-Allman のボーカルは歌詞無しで楽器的な使い方ですね。Just A Dream ラテンなナンバーで、これも日本っぽい。Juliet Roberts のボーカルがメインですが、これも日本人が好みな感じがとても良し。Dance For Lotte これもラテンですが、松岡直哉が好きだったんでしょうか。とてもそんな雰囲気です。Dangerous Curves ラテンのリズム続きです。ジャズフォーマットに近いフュージョンで、非常に馴染みやすい感じです。最後にどんな曲を持ってくるのかで、作り手の趣味がわかります。Freefall は、フュージョン的なジャムセッションです。
これはジャコがウェザー・リポートに在籍中の1980年に録音したジャコ自身がリーダーとしては2作目のソロ・アルバム。このアルバム制作にはいろいろと裏話(今となっては表ですが)があります。このアルバム「Word Of Mouth」の制作の契約発売のレーベルは Warner Bros(ワーナー・ブラザーズ)1枚目のデビュー作「Jaco Pastorius(ジャコパストリアスの肖像)」は Epic Records (エピック)で、当時加入していたしていた Weather Report(ウェザー・リポート)のレーベルである Columbia(コロムビア)にはこのジャコのソロ制作の印象は裏切り行為のように映り印象は当然良くありませんでした。
ワーナーは、話題のジャコのアルバム制作なので期待もあり、ロサンゼルス交響楽団から31人を雇って「John And Mary」「Three Views Of A Secret」に9,000ドルかけたが、ボツにしてその中から7人を選んで9回のオーバーダブで63人編成に仕上げなおしたり、ニューヨーク、ロサンゼルス、フロリダとあちこちで録音しオーバーダブで仕上げるなど予定した予算を大幅にオーバーしたとのこと。制作サイドにはかなりの迷惑をかけているようで、雑誌インタビュー記事などからは、このアルバムの制作の構想はかなりの前からあったことは間違いないですが、ウェザー・リポート加入での名声と成功、ドラッグと酒に侵されたジャコの正常な金銭感覚は失われてたようで、制作サイドも翻弄されていたようです。
音楽好きの集う「おでんバー」では評判の悪いジャコですが、自宅では思いっきり聴けますので、久しぶりに聴きながらのレビューです。Crisis 混沌とした楽曲になっていますが、それもそのはず。参加ミュージシャンたちは、互いの音を聴かずにパストリアスのベース・トラックに合わせて演奏したトラックを、ミキシング時に重ね合わせたからです。ある意味フリージャズのようなエネルギーの塊りとなっています。アンサンブルをコラージュしたフリージャズのような熱気のある仕上がりになっている。3 Views of a Secret ジャコの代表曲の一つでもあります。Weather Report でも演奏されていた曲です。Toots Thielemans のハーモニカがとても効果的で印象的です。ジャコがおかしくなってしまってからも、Toots Thielemans は、この曲をあちこちのライブで吹いていてくれているほど気にいってくれているようです。Liberty City このビッグ・バンドでの演奏を念頭に置いて書かれた曲です。ジャコによるホーン・アレンジもしっかりと構想を練ったものです。リズム楽器なしの最初のホーン部隊のイントロはノリよく、イントロが終わるとジャコのフレットレスを活かしたフレーズとパーカッション、ジャコの愛するスチールドラムもしっかりと脇を固めていますし、Toots Thielemans もしっかりとオブリガード。アコースティックピアノは、Herbie Hancock しか弾いていないようなので、このピアノはハンコックですね。今更発見です。Chromatic Fantasy は、バッハのチェロのための練習曲を自身のベース運指の練習曲としていたパストリアスの録音です。左手の運指と右手のピチカートによる壮絶なテクニックで、後半は組曲のように曲が付けられています。Blackbird 学生時代に最後のあるアルペジオのようなベースを猛練習、破壊的なベースソロまでもコピーしようとしていたベーシストがいたのを思いだします。メロディ・パートはToots Thielemans が又も大活躍です。続いてはロックのようなディストーションをかけた Word of Mouth です。最初はジャコのソロで後半からエンディングにかけてはビッグ・バンドによる演奏となります。ジャコはこの前半ソロをファンサービスと思ってやりだすと、いかれてしまう時もあったようで、ドンドン過激な演出になっていったようです。John and Mary は、ジャコの2人の子供の ジョンとメアリーの笑い声や歌声がちりばめられていたり、お父さんの歌声も録音されている曲で、Wayne Shorter のソプラノ・サックスも花を添えています。いかれたオヤジさんでしたが子煩悩ではあったようです。
1949年生まれのギタリストでありシンガー。1971年からブルース、ロック、フォーク、カントリーの要素を取り入れた音楽で、多数のアルバムをリリースし続けて評論家からは評判が良かったものの、セールス的にはほとんど成功していませんでした。しかし1989年アルバムの Nick of Time がヒットし、Luck of the Draw (1991年)と続けてヒットが出ます。Longing in their Hearts (1994年)に至っては数百万枚をセールスし、グラミー賞もこれまでに10回受賞の大御所。このアルバムに収録の曲は、不遇の時代の Warner Brothers 1971年~1986年のアルバムからのセレクションで、ライナーノーツには、ご本人の解説、思い出が掲載されている丁寧なつくりのコレクション・アルバムとなっています。
1stアルバム Bonni Raitt は、4トラックのレコーダーを使って行われ、ジュニア・ウェルズ、そしてサックスのA.C. リードのブルースが参加し、濃厚なブルースですが声が若いです。2ndアルバム Give It Up のミュージシャンはフリーボ(ベース、チューバ、ギター)エリック・カズ でカバーと自作で構成されています。Give It Up Or Let Me Go はスライドのイントロから始まるカントリー・ブルース、Under The Falling Sky はサザンロック風など多彩。3rdの Takin' My Time リトル・フィートのメンバーが参加し、このアルバムの Guilty はソウル・バラードで味わい深い歌声。Streetlights の Angel From Montgomery は、John Prine のカバーのカントリー・ブルース。Home Plate の Sugar Mama まで来るとバンド・サウンドもだいぶリッチになってきていてエリック・クラプトン風のブルース・ロックがカッコ良い。The Glow では更にコマーシャルなロック・サウンド。Nine Lives では、レゲエの True Love Is Hard To Find なんかも収録されていて、売れ線のライトなロック調の No Way To Treat A Lady まで収録されていますが、こうやって聴いてくると売れ線はつまらなく感じてしまいます。と、ここまで来て1stの歌声と比較すると初々しい歌声が、貫録あるミュージシャンへと進化してきたことがよくわかります。ファンというほどでもないので、こうやって年代を追って変化を聴けるアルバムは面白い🎶
1. Finest Lovin' Man / Bonnie Raitt (1971)
2. Give It Up Or Let Me Go / Give It Up (1972)
3. Women Be Wise / Bonnie Raitt (1971)
4. Under The Falling Sky / Give It Up (1972)
5. Love Me Like A Man / Give It Up (1972)
6. Love Has No Pride / Give It Up (1972)
7. I Feel The Same / Give It Up (1972)
8. Guilty / Takin' My Time (1973)
9. Angel From Montgomery / Streetlights (1974)
10. What Is Success / Streetlights (1974)
11. My First Night Alone Without You / Home Plate (1975)
12. Sugar Mama / Home Plate (1975)
13. Louise / Sweet Forgiveness (1977)
14. About To Make Me Leave Home / Sweet Forgiveness (1977)