2022年2月12日土曜日

Art Blakey & The Jazz Messengers / A Day With Art Blakey 1961 Vol 2

 

 1961年の1月に、Art Blakey & The Jazz Messengers は日本へ初来日公演が行われた。モダン・ジャズのバンドが日本公演をするのはこれが最初で当時社会現象にもなった歴史的な出来事となり、このアルバムが記録として残されています。どのぐらいの社会現象かというと寿司屋の出前の兄ちゃんが自転車に乗りながら、Moanin’を口ずさむとか、5年後のビートルズよりも勢いがあったとの記憶がある人いるとか。今の若者たちはジャズを全く聴かない人達には Art Blakey ?誰だ?って感じですが、この当時20~40代の人達はいま60~80代となっている訳でこの世代の日本人は、ジャズなんてふだんまったく聴かない人でも、Art Blakey の名前を知っている人は多い訳です。実際私の行きつけの「おでんバー」では年配の先輩方は、浪曲・演歌・ジャズを混合しながら楽しんで聴いている方がいらっしゃいます。
 このライブの舞台は大手町の「産経ホール」で、現在は産経新聞社の新社屋になっている。1月2日の新春のコンサートであり、日本で初の本格的モダン・ジャズ・コンサートであり大いに盛り上がっていたらしい。メンバーは前日の1月1日の夜10時10分の羽田着であったとのことだが、夜遅くの到着にも関わらずファンが詰めかけていたらしい。そして一夜明けてのライブではそのライブで日本人の度肝を抜き、日本人は彼らを非常に歓待したためブレイキーはいたく感動していたらしい。A Night In Tunisia のエンディングなんかはステージが終わるのが寂しいかのようなサービスの聞いた繰り返しの締めでしたしメンバーも満足のステージであったことは間違いないでしょう。 


 この頃のメッセンジャーズを聴いていると、音楽性も良いのですがド派手なパフォーマンスも聴くことで感じとることもできます。おそらくこの公演を見たりレコードで聴いて、ジャズ・マンを目指した人は多いんだろうと、そんなことをこのアルバムを聴いていて思い、米国のジャズではありますが何か日本の古き良き昭和時代の匂いも感じてしまいます。大きなホールでの録音ではありますが、何かあったかいコンサートであることも感じます。
 私、音源収集マニアではありますが、オーディオにはそれほど執着せずレコードプレイヤーも持ち合わせてはいません。つまり音源はCDな訳で、通常の購入は中古CD屋が多くを占めています。タワレコやディスク・ユニオンの新譜コーナーでも購入はしますが、廉価版のシリーズものか、どうしても欲しくて中古屋で見つからないものなどが新品購入では主流となってきます。中古CDだと大概は安いので、ジャケット見てあまり考えずに購入してしまうという冒険に対する罪悪感は少ないのですがこのアルバムのように、Vol1ではなくVol2 を先に購入してしまうという現象は頻繁に起こります。そして片割れを購入したと思ったら、既に所有しているものを購入してしまって最終的には新品で最初から買っといた方が安いなんてことも割とよくあります。(本でもノルウェーの森で似たようなことしてましたっけ)これについても、このVol2を中古屋で入手したので、Vol1を新品で購入しようとタワレコに行きましたが2枚をカップリングしたものはありましたが、Vol1の単体では置いてありませんでした。どうしようか悩んでいるところです。

drums : Art Blakey
bass : Jymie Merritt
piano : Bobby Timmons
tenor sax : Wayne Shorter
trumpet : Lee Morgan

producer : Yasuyuki Ishihara

recorded by: Tokyo Broadcast System (TBS) Radio Section.
recorded at: Sankei Hall, Tokyo, Japan January 2, 1961.

1. Nelly Bly
2. Dat Dere
3. Round About Midnight
4. A Night In Tunisia





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2022年2月11日金曜日

Donald Byard / Byrd Blows On Beacon Hill

 

 Donald Byard (ドナルド・バード) がデビュー当初に Transition に残したワンホーンの好盤で、1956年5月7日の録音。場所は Boston の高級住宅地の Beacon Hill にあったこのアルバムのエンジニアの Steve Fassett's の自宅のあったビルの中にあったスタジオです。スタジオ名はファセット・レコーディングなので氏の所有のスタジオなのでしょう。
 古き良き時代を感じる品行方正なバードのトランペットが非常に好印象で、メンバーにピアノのRay Santisi (レイ・サンティシ)、ベースは Doug Watkins (ダグ・ワトキンス)、ドラムに Jim Zitano (ジム・ジターノ) のワンホーン・カルテット編成です。


 バードとダグ・ワトキンスは生地のデトロイトから1954年にニューヨークへやってきて、この録音の1956年は1955年に活動を始めたザ・ジャズ・メッセンジャーの初期のメンバーとして、ダグ・ワトキンスとともに参加しています。
 Transition というレーベルも丁度1955年から始動しており、バードはこの創設間もないレーベルに Bird Jazz  (後に Fist Flight としてCD化)Byrd's Eye View、そして本作をの3作を残しています。このレーベル自体は2年間で14作をリリースして無くなってしまうレーベルなので3作を残したのはバードだけでした。
 その中でも特徴的に思えるのがこのアルバムで、ブルースやバップを避けてスタンダードを選曲し、技巧に走る演出は少ないのでかえって爽やかな印象を与えているんだと思います。特に印象的なのは1曲目の Little Rock Getaway で、ここら辺がモーダルな演奏が多いアルバム Fuego につながっているように思えます。Polka Dots And Moonbeams は美しいバラード曲で朗々とゆったりと吹かれるトランペットの表現力に、こういった音を詰め込まない演奏も魅力的だと改めて聴いていて思います。People Will Say We're In Love は Ray Santisi のピアノがフューチャーされ、バードは吹かずにピアノの音は少しこもり気味の録音となっています。しかしそのオフ気味の録音バランスがラフで自然体の録音と聞こえてくるのがマジックのような録音。If I Love Again は、やっとアップ・テンポになってきて、少し雰囲気を変えてきてます。カラッとしたミュート・トランペットで軽快。What's New はベースの Doug Watkins が主役となるバラードです。リーダーはバードですが、この曲にもバードは参加せず。曲も良いですが発想が自由だなあ。こうきて最後のアップ・テンポのアレンジの Stella By Starlight で締めくくるのもアイデアの勝利です。
 ジャケットの撮影場所はこのレコーディングスタジオの庭でしょうか?22歳のバードがカメラを見つめ残りのメンバーは古びたドアの前に椅子を並べているのも、なかなか素敵な構図となっています。いや、これも聴いてよかった🎵

trumpet : Donald Byrd
piano : Ray Santisi
bass : Doug Watkins
drums : Jim Zitano

producer : Tom Wilson

recorded at Steve Fassett's Home on Beacon Hill in Boston,  May 7, 1956.

1. Little Rock Getaway
2. Polka Dots And Moonbeams
3. People Will Say We're In Love
4. If I Love Again
5. What's New
6. Stella By Starlight





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2022年2月10日木曜日

Esperanza Spalding / Songwrights Apothecary Lab

 

 前作2019年の 12 Little Spells はヒーリング・アートと音楽の関係の探求をスタートさせたアルバムであり、今作もその方向性を追求した作品となっています。つまり私にはあまり縁が無いアートの世界を追求しているわけで私の音楽概念には全くない世界観が広がっています。あまり私の馴染みのない方向へと進化し続けるエスペランザなのですが、それでもこの人の音楽は何か奥深く興味が惹かれるものがありファンとしては、聴き続けるしかありませんね。


 アルバムの説明については最新の作品なので詳しい解説がありますので、そのまま掲載しておきます。でもどこにも解説が無いのが全ての楽曲には Formwela という曲名がナンバリングされて12曲あるのだが Formwela 12だけが欠落し「13」に飛んでいることです。おそらく何かのメッセージがあるのか、本当は12はあるのだがアルバムには収録しないでいるのか?謎解きのような感じなのですが、今のところそれに言及する解説が見つけられていません。 
====以下そのまま掲載
第62回グラミー賞「最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム」を受賞した前作『12リトル・スペルズ』から2年、待望の新アルバムをリリース!通算8作目となる本作はエスペランサの探究する音楽療法最新版。人々のストレスや悲しみを和らげるために、さまざまな分野の専門家と協議して作られた究極のヒーリング・アルバム。

■オレゴン州ワスコ、ポートランド、そしてニューヨークのローワー・マンハッタンで行われた癒しのための音楽実験の場「ソングライツ・アポセカリー・ラボ」にて音楽療法、神経科学、黒人音楽、イスラム神秘主義、南インドのカーナティック音楽など様々な分野の専門家とのコラボで生まれた楽曲を収録。
■前作『12リトル・スペルズ』からヒーリング・アートと音楽の関係の探求をスタートさせたエスペランサだが、今作では自身による研究のみならず、プロフェッショナル、研究者の指導の下に音楽を作りたいと、ソングライツ・アポセカリー・ラボを2020年2月に設立。ラボはエスペランサがハーバードで教えているコースでもあり、その生徒、ミュージシャン仲間、音楽療法、神経科学、演劇セラピーなどを研究する人々から成り立っていて、音楽の何が人間を助けるのかを研究するのを目的にしている。
■ラファエル・サディーク、フェリックス、コーリー・キング、そしてエスペランサ自身がプロデュースを務めている。

bass, piano, vocals : Esperanza Spalding
piano : Leo Genovese
piano, synthesizer, vocals, xylophone, producing : Phoelix
guitar : Chris Sholar, Matthew Stevens
sax : Wayne Shorter, Aaron Burnett
drums : Francisco Mela
drums, percussion, vocals : Justin Tyson
eagle-bone whistle : James Greeley
bell : Lamont Hamilton
conch shell : Steve Turre
vocals : Corey King, Ganavya Doraiswamy, Thrive Choir

1. Formwela 1
2. Formwela 2  (featuring Ganavya Doraiswamy)
3. Formwela 3
4. Formwela 4
5. Formwela 5 (featuring Corey King)
6. Formwela 6 (featuring Corey King)
7. Formwela 7
8. Formwela 8
9. Formwela 9
10. Formwela 10
11. Formwela 11
12. Formwela 13





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2022年2月9日水曜日

The Headhunters / Survival Of The Fittest

  

 Herbie Hancock (ハービー・ハンコック) のメガヒット作 Head Hunters(1973年) のレコーディングメンバーが、ハンコック抜きでそのままバンドを結成したバンドが名前もそのまま Headhunters(ヘッドハンターズ)。そのデビュー作がこの Survival of the Fittest となっています。1975年はこのメンバーでツアーに出ていて6~7月には日本公演も行っているが、このアルバムの録音との後先は不明らしい。


 いつものように購入してから最初に聴いたのは、ちゃんとしたオーディオで大音量で聴ける「おでんバー」でした。この日は Esperanza Spalding と Head Hunters、それに Donald Byrd を持ち込みでした。どれを最初に聴くか?マスターと相談した結果、この Head Hunters は2番手にしました。Esperanza を聴いて所感を語り合い、このアルバムをかけて1曲目 God Made Me Funky は全くのどす黒いファンク!リズムボックスのように刻まれるドラムから、ワウのかかったギターが入ってきた時点でゾクゾクします。そしてお決まりのベースのファンクフレーズが被さってきて、念仏のようにボーカルが静かに入ってきて Pointer Sisters(ポインター・シスターズ)がバック・ボーカルの、のっけから私の好みですがマスターはそうでもないようで、静かに自分の珈琲にお湯を注いでいます。どうやらマスターはクラシック・ソウル系には反応するがここら辺のファンクには無反応で、顧客である私に気を使ってか批評はまず言わないのです。ということで私はひとりでニヤニヤしながらノリノリで聴くこと続行です。Jamiroquai、Too Poetic、The Fugees なんかにもカバー、サンプリングされている名曲とのこと。続く Mugic は、アフリカンなパーカッションを前面に押し出してはいるが Weather Report にもありそうなな仕上がりで、アフリカン・パーカッションはおそらく好きなはずではあるが、Weather Report 否定派のマスターはやはり微動だにせず。Here And Now は最初は Joyce Jackson のフルートで始まりますが、二部構成の楽曲で後半はアフリカ路線のファンクに乗せた、Bennie Maupin のフリーキーなサックス・プレイが好印象。Daffy's Dance は Blackbyrd McKnight のしつこいチャカポコ・ギターで、ブレッカーとエレクトリック・マイルスが中途半端にミックスされたような曲でこのマイナーさが何かを刺激してくる感じです。Rima は、浮遊感のある幻想的なスピリチュアル・ファンクでした。そして最後はダークなファンクに戻る If You've Got It, You'll Get It。途中でかなり気にいったとマスターに言うと「そうですか。それは良かった」(これは全く響いていないなと・・)
 混沌としたジャズ・ファンク創成期から一歩進んだ感じがかなりはまる一枚で、あまりにも気に入ったので、このレビューを書きかけでタワレコに行ったんですが、他のアルバムは置いてなかったんですよね。中古でも網を張っとかないと難しそうなとこですかね。2022年始まったばかりですが、おそらく2022年に買ってよかったと記憶に残るぐらいの素晴らしさでした🎵

electric guitar, vocals : Dewayne McKnight
electric bass : Paul Jackson

drums, vocals : Mike Clark
bass drum, bells, percussion : Baba Duru
percussion : Harvey Mason
djembe : Zak Diouf
djeme, percussion (long drum, cowbell, sleigh bells, guiro, maracas, quica,belafon, tamborim, bongos, caxixi, shekere, gankoqui & agogo, berimbou, pandeiro, hindewhu, congas, cabasa, marimbula, balinese gongs), vocals : Bill Summers
saxello, bass clarinet, tenor sax, piano, vocals : Bennie Maupin

producer : David Rubinson, Herbie Hancock

recorded at Wally Heider Studios, San Francisco

1. God Make Me Funky
vocals : Paul Jackson, Pointer Sisters
2. Mugic
3. Here And Now
flute : Joyce Jackson
4. Daffy's Dance
5. Rima
alto flute : Joyce Jackson
6. If You've Got It, You'll Get It





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2022年2月8日火曜日

Belinda Carlisle / A Woman & Man


 いつ買ったのかは定かでありませんが、ベリンダカーライルといえばGO-GO'sです。昔は可愛かった彼女も、大人の女性になったのかとジャケットの写真を見ての、おそらく中古CDのラックで見ての購入でしょう。GO-GO'sの時と印象はだいぶ違います。


 GO-GO'sは、Jane Wiedlin (ジェーン・ウィードリン)と Belinda Carlisle (ベリンダ・カーライル)によって1978年に結成されパンク/ニューウェイブで活動、1980年に Beauty and the Beat でデビュー。1982年 Vacation、1984年 Talk Show を発表し1985年に解散しています。
 つまりこのアルバムは Belinda Carlisle がソロになってから11年後のアルバムとなりますので、それは印象が違うはずです。GO-GO'sは当時は軽めのパンク的なノリの良さでしたが
このアルバムでは軽めのソフトロックで、細かめのビブラートをかけた、鼻に少し引っ掛けるようなあの歌声で軽めに聞けます。こうして聴くと声は低めの人でした🎵

1. In Too Deep
2. California
3. A Woman And A Man
4. Remember September
5. Listen To Love
6. Always Breaking My Heart
7. Love Doesn't Live Here
8. He Goes On
9. Kneel At Your Feet
10. Love In The Key Of C
11. My Heart Goes Out To You





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2022年2月6日日曜日

George Benson / Weekend In LA.


 L.A.ロキシー・シアターでのライブでレコード盤では2枚組。フュージョン系に転じてセールスも順調で脂がのっている時期のベンソンのライブ・アルバムです。1976年にワーナー・ブラザース・レコードに移籍、プロデューサーに Tommy LiPuma を迎えた Breezin' が大ヒットしシングルの This Masquerade のボーカルとのスキャットが名物となりました。これ以後ボーカル曲も積極的に取り入れ、ブラック・コンテンポラリー分野で認知されました。本アルバムは1977年録音の翌年発売のアルバムで当然プロデューサーは、Tommy LiPuma で代表作となるほどのヒット作となっています。


  Weekend In LA. を「メローなロスの週末」という邦題は当時のベンソンがブラコンに転向した時に「メロー」というキーワードで売っていたからなんでしょうが、これに関してはあまりセンスを感じないのですが時代背景はこれで認識できます。
 アルバムとしてかなり完成されていて、ベンソンのギターの上手さとブラコンでも適合してしまうギターのトーンの美しさと発音も堪能できますし、ブラコン歌手としての盛り上げ方も最高でヒットは当然の作品です。We All Remember Wes.はコンテンポラリーなフュージョン作品ですが、オクターブ奏法を駆使したウェスへの思いを感じ、On Broadway のボーカルは Donny Hathaway を感じながら、名物のボーカルとギターのスキャット、ホイットニーで有名な Greatest Love of All はベンソンがやるとこうなるのかとベンソンの良いところがたっぷりと聴けます。
 ベンソンはギターも歌も一流ですが、歌に限って言えば私はジャズを歌うベンソンは好みではなく、このブラコンのベンソンはかなり好み。成功してからはベンソンは純粋に自分が好きな音楽を録音するようになるのですが、そういったものはマニア過ぎて正直聴きづらい部分もあったりします。それも含めてこうやって色々な音楽を背景も含めて聴きながら書いていると一流ミュージシャンが、商業的センスのあるプロデューサーと出会うとこうなるというところが非常に面白いです。

これも5枚組のお買い得の一枚

lead guitar, vocals : George Benson
acoustic piano, keyboards : Jorge Dalto
synthesizers : Ronnie Foster
rhythm guitar : Phil Upchurch
bass : Stanley Banks
drums : Harvey Mason
percussion : Ralph MacDonald
additional string ensemble arrangements : Nick DeCaro

producer : Tommy LiPuma
recorded live at The Roxy Theatre in West Hollywood, California, Sept. 30th, Oct. 1st & 2nd, 1977.

1. Weekend In L.A.
2. On Broadway
3. Down Here On The Ground
4. California P.M.
5. The Greatest Love Of All
6. It's All In The Game
7. Windsong
8. Ode To A Kudu
9. Lady Blue
10. We All Remember Wes
11. We As Love





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2022年2月1日火曜日

Lee Morgan / Leeway


  1960年4月28日の Van Geler Studio での録音で、この時期のアート・ブレイキー・ファミリーの録音の多さには改めて驚くばかりだが、どれも似たような素晴らしい録音でこの時期の録音には心が躍ってしまいます。ジャズ・メッセンジャーズに在団中に出したリーダー・アルバムですが、4曲とも全てが熱い演奏なのは、やはり御大のブレイキーの存在によるところでしょうか。


 BlueNote の Lee Morgan (リー・モーガン) といえば、やはりジャズ・ロックを形成したと言われるがいまいちピンとこない The Sidewinder が有名。私は品行方正な初期の Candy のほうが好印象ではあります。Candy は1958年で19歳の時のワンホーンでの作品でした。このアルバムのモーガンは20歳になって少し色男的な悪っぽい感じに変化したのは、2年間でものすごい量の経験を積んできたのと、フロントに Jackie McLean を起用したことも大きいように思います。リズムセクションは、ピアノがBobby Timmons、ベースはPaul Chambers、そしてタイコがArt Blakeyとお馴染み過ぎるメンバーです。
 この時代の録音が密集して残されているのは、リーダーが誰になるかで少しづつ変化を加え、レコード会社もこのメンバーなら売れるからとリーダーに厚めのギャラを支払っているからの量産なのでしょうか?ジャズが巨大なビジネスとなっていたこの時代は素晴らしい。
 3拍子で始まる These Are Soulful ドライな哀愁を帯びた Suite、The Lion and the Wolff はブルーノート創業者への感謝を込めた作品でしょうか。そして不良っぽい雰囲気の Midtown Blues は苦しそうに吹くリーの高音トランペットが色っぽいですが、これはモーガンの調子の悪さ、下り坂も意味しているようで、この1960年以降の3年間は行き詰まりを見せ、そして3年後の復活の The Sidewinder が吹きこまれる。ここではリーのプリッとした不良っぽい音に、マクリーンのダークで重い音色は王道のコントラストで絶妙な絡みを見せ、まさにハードバップの醍醐味が味わえます。🎵

trumpet : Lee Morgan
piano : Bobby Timmons
bass : Paul Chambers
drums : Art Blakey
alto sax : Jackie McLean

producer : Alfred Lion

recorded at the Van Gelder Studio, New Jersey on April 28, 1960.

1. These Are Soulful Days
2. The Lion And The Wolff
3. Midtown Blues
4. Nakatini Suite





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