2021年12月18日土曜日

The John Coltrane Quartet / Africa / Brass

 

 このころのコルトレーンですが、1960年春にはマイルス・バンドを脱退。本作にも参加の McCoy Tyner (マッコイ・タイナー)、Elvin Jones (エルビン・ジョーンズ) とバンドを結成してツアーを開始。10月には、このレギュラー・バンドで My Favorite Things、John Coltrane Plays the BluesColtrane's Sound などをレコーディングしています。そして3月にはマイルスの Someday My Prince Will Come にゲスト参加し、同年5月、7月にAtlantic から Impulse! へ移籍の第一弾のこのアルバムの録音となるわけです。



 このアルバムは当時、精神的に傾倒していたルーツ・アフリカをテーマに採り上げています。タイトルの Africa は16分の大作で激しいブロー。対比して美しいソプラノ・サックスの音色なのに混沌とした怪しい盛り上がりを見せる Green Sleevs、そして普通に聞こえるブルーステーマから始まり、ブラスの掛け合いやビッグバンド的な盛り上がりなどで違った側面を見せてくれる Blues Minor と3曲のみ録音の大作です。
 他サイトの批評で、Impulse! の代表作には、入っていませんでしたが力の入った演奏と楽曲の構成で、これまでに無かったものに挑戦する意欲とエネルギーが十分に感じられる力作であると思います。流して聴くよりはじっくり聴きたいものですね。

tenor sax : John Coltrane
piano : McCoy Tyner
bass : Jimmy Garrison
drums : Elvin Jones

1. Africa
2. Greensleeves
3. Blues Minor

▶ Africa




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2021年12月17日金曜日

土岐英史 / The Guitar Man

 

 今年2021年6月26日に亡くなったジャズ・サックスの土岐英史氏。私は生では演奏を聴いたことは無かったんですが、日野皓正クインテット、松岡直也とウィシングのメンバーとしてモントルー・ジャズ・フェスに出演、山下達郎のバッキングメンバー、山岸潤史、続木徹とともに活動していたチキン・シャックメンバーであったりと素晴らしい音楽作品を残された方でありました。土岐英史 公式HP  のライブスケジュールでは、2021年1/15(金)は調子が悪いので休みますと書いてありその後の3月までのスケジュールが書いてあります。癌で亡くなったので調子が悪かったんでしょうか、時がそこで止まっているようです。
 ソロ・アルバムは持っていなかったので、亡くなった後に行きつけの「おでんバー」でYouTube の土岐さんの作品を聴いていて、出くわしたのが Little Boys Eyes 。ツインギターにサックスのみというシンプルな構成ながら斬新なアルバムで、その後タワレコに行って直ぐに購入しCDで聴くともっと良かったのでこの Guitar Man の購入に至りました。


 The Guitar Man なのだからギタリストを取り上げたアルバムで間違いありません。このアルバムで土岐英史が組んだのは、関西のジャズギタリスト1936年生まれの御年84歳にして現役バリバリのギタリスト・竹田一彦です。ジム・ホール、ケニー・バレルと歳は同じで進駐軍のラジオ放送でスイング・ジャズを聴きながら腕を磨いたそうです。コピーは若い頃しかしなかったそうですが、このアルバムを聴くとバレルの影響はかなり感じます。
 このアルバムの録音の前日には京都の「RAG」でウォーミングアップを兼ねたライブを行ったそうです。それが功を奏してかアルバムでは終始リラックスした演奏で一体感のある演奏にコピーに合った「レジェンドたちがつくり出す至福の時間」は、その通りと唸ってしまいました。
 ライナー・ノーツでのオルガンの宮川淳のインタビューもなるほどです。
「このメンバーはミディアム・テンポの曲をシンプルに演ることの喜びを知っている。”似たようなような曲ばっかりでつまんねえな”と感じるメンバーが一人でもいたら成立しない。ジャズ・ミュージシャンとしての”体力”が試される。集中力、持久力、そして引き出し・・・だって、ひとりだけ途中で息切れするわけにいかないでしょ」
 含蓄のある言葉ですね

alto sax : 土岐英史 Hidefumi Toki 
guitar : 竹田一彦 Kazuhiko Takeda
organ : 宮川純 Jun Miyakawa
drums : 奥平真吾 Shingo Okudaira

1. The Guitar Man
2. Two Flowers
3. Everything Happens to Me
4. Breaking Dawn
5. Gee Baby, Ain't I Good to You
6. My One and Only Love
7. On the Trail
8. Blues in C





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2021年12月16日木曜日

Stevie Rayvaughan / Live Alive


 Stevie Rayvaughan (スティービー・レイボーン) 1986年にリリースされたライブアルバムです。1982年にデビット・ボウイのレッツダンスのギタリストに起用されてから一躍注目され、5枚のスタジオ録音でのアルバム、そしてこのLive Aliveを発表し、1990年35歳、ヘリ事故で急逝してしまいました。
 TV用に録られた音源ですが、このアルバム自体はSRV自身が「あのときは調子悪かった」と言っていた時のLIVEですが、スタジオ盤とは違うプレイの熱気とアドリブで、この図太い音でグイグイ引っ張るレイボーンのプレイはスカッとします。この時期ヤク中がひどかったらしくキレがない演奏だったという評判もあります(私には十分ですが)
 私が彼を知ったのは、亡くなった後です。ジャズをやり始めてしばらくロックから遠ざかっていたのですが、 FMでジミヘンバリのぶっ飛んだ彼のギタープレーを耳にしたら直ぐに購入してしまったものです。スローなブルース系の曲が多く、好みとしてはもう少しアップテンポのほうがなーとは思いますが、なんと言ってもすべての曲において彼のブルースギターは圧巻。すごすぎます。
 名だたるミュージシャンは、アル中、薬物中毒が多いものです。私は、アルコール飲み過ぎると、演奏はグチャグチャになるのでライブ前には、飲みすぎないようにメンバーにはよく注意されます。プロっていう人種はアルコール・薬物で活性化することもあるようなのが素人とは違うところなんでしょうか。
 いつものレパートリーの他、長ったらしいジミヘンの Voodoo Chile とかスティービーのSuperstition とかボーナス的に聴けるのも楽しいですねえ。

guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
bass  : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton
guitar, bass : Jimmie Vaughan (8,9,12,13)
keyboards : Reese Wynans

producer : Stevie Ray Vaughan & Double Trouble

1. Say What!
2. Ain' T Gone 'N' Give Up On Love
3. Pride And Joy
4. Mary Had A Little Lamb
5. Superstition
6. I'm Leaving You (Commit A Crime)
7. Cold Shot
8. Willie The Wimp / guitar, 6-String Bass – Jimmie Vaughan
9. Look At Little Sister
10. Texas Flood
11. Voodoo Chile (Slight Return)
12. Love Struck Baby
13. Change It






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2021年12月15日水曜日

Bryan Adams / Unplugged


 このMTVアンプラグドライブは、1997年9月26日の New York の the Hammerstein Ballroom (ハマーステイン・ボール・ルーム) で400人ぐらいの観客の前でおこなわれたもので、バンドメンバーに加えて Michael Kamen が指揮するジュリアード音楽院の16人のオーケストラがバックで演奏しています。
 クオリティの高いエンターテイナーなので満足度は高いです。勢いあるロックや、しっとりと泣かせる歌などを巧みに取り混ぜながら生のオケを入れることで、絶妙の抑揚をつけてライブにドラマ性を持たせています。元々の楽曲のギターリフの音は、エレクトリックでありながらアコギに近いシャープな音だなと思っていましたのでアンプラグドになってもそれほど違和感はありません。このアルバムはブライアンアダムスの他のヒットアルバムと比較すれば話題にも上らなかったし地味で余り売れなかった部類かなと思いますが相変わらずのパワーを感じる良い演奏ですね。これは名盤🎵

 

vocals, guitar, dobro, harmonica : Bryan Adams
piano, organ : Patrick Leonard
piano, organ, accordion : Tommy Mandel
guitar, mandolin, dobro, slide guitar, harmony vocals : Keith Scott 
bass, harmony vocals : Dave Taylor
drums, harmony vocals : Mickey Curry
percussion, harmony vocals : Danny Cummings
uilleann pipes, low ehistle : Davy Spillane

【Students Of The Juilliard School Of Music】
violin : Amy Kauffman, Ani Gregorian, Ara Gregorian, Cornelius Dufallo, James Tsao, Jennifer Newell, Lyris Hung
violin (soloist) : Angella Ahn
viola : Alejandra Mahave, Ed Malave, Tania Halko
cello  : Darrett Adkins, Maria Ahn, Nina Lee, Raphael Bell
double bass : Peter Donovan

recording of the MTV Unplugged session.
recorded completely live at "The Hammerstein Ballroom", NYC, 26 September, 1997.

1. Summer Of '69
2. Back To You
3. Cuts Like A Knife
4. I'm Ready
5. Fits Ya Good
6. When You Love Someone
7. 18 Til I Die
8. I Think About You
9. If Ya Wanna Be Bad - Ya Gotta Be Good / Let's Make A Night To Remember
10. The Only Thing That Looks Good On Me Is You
11. Little Love
12. Heaven
13. I'll Always Be Right There

▶ 
Summer Of '69




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2021年12月14日火曜日

Lenny Kravitz / Is There Any Love Your Heart


 ファンキーなプリンスといったイメージの Lenny Kravitz (レニー・クラビッツ) のこのアルバムの邦題は「愛ある日々を」・・今更レビュー書き直してて「愛はどこにあるのか」が幸せに意訳されているのが少し気になりますね。
 最近あまり見ないですが、ファンク・ロックの他、ストレートなロックで攻撃的な歌い方が結構好きでした。1964年5月26日ニュ-ヨ-ク生まれギター他なんでもやマルチなミューシャンです。前に経歴を見ていたら印象的だったので、WIKI から経歴を抜粋します。父親は東欧系ユダヤ人の血を引くNBCテレビのプロデューサー、母親はマイアミ出身バハマ系で、後に女優となるロキシー・ローカー (Roxie Roker)。1974年に母親の仕事の都合で一家はロサンゼルスに移住、その後ビバリーヒルズ高校 (Beverly Hills High School) に入学。と裕福な家庭でハングリー系では無いようです。体つきはマッチョ系ですね。


 といっても、私レニクラのファンという訳ではありません。これはレンタル屋の払い下げCDをお買い上げしたものですが、ファンクのイメージよりツェッペリンの方の色が濃く、全体的に楽曲のクオリティが予想していたよりも高かったことで満足の一枚です。

1. Is There Any Love In Your Heart
2. All I Ever Wanted 
3. More Than Anything In This World
4. Spinning Around Over You
5. Stop Draggin' Around (Live)
6. My Precious Love (Live)
7. Always On The Run (Live)
8. Believe (Live)




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2021年12月13日月曜日

平井堅 / Ken's Bar


 ほぼ洋楽で構成されている私の音源コレクションの中でも日本人のボーカル物はかなり珍しいかと思います。他では山下達郎とUAのシングルぐらいかと思います。きっかけはTVで、このアルバムを取り上げたドキュメント番組をみてなんと新譜で購入してしまいました。(平井堅 はこのほかにも「歌バカ」も購入していますが、それぐらいです)現在ではⅢまで発売されて 15th Anniversary Special なるものまで発売されているようですね。息の長い活動をされているようです。
 さてこの Ken's Bar は番号はついていませんが最初のアルバムで、元々は小さなライブハウスでのやるときのカバーを中心にお酒を飲みながら聞けるKen's Barなるライブだったとのことで、それをスタジオで再現したとのこと。大きな古時計のピアノは 矢野顕子、 The Rose では塩谷哲 が参加、見上げてごらん夜の星を では 坂本九 との疑似共演も気持ちが入っています。曲はアコースティックで収録したカバーソングを収録していて、Bette Midler の The Rose 、Norah Jones の Don’t Know Why、ダニーハザウェイの You’ve Got A Friend では、娘の Lalah Hathaway (レイラ・ハザウェイ) が参加しているのは今回聴き直して知りました。


 私の所有するギター譜にいくつか古時計のアレンジがあります。この当時流行った「古時計」ですが、それ以来でしょうか、ギタリストなどでこの曲をカバーしたりしている人は多く多いですがボーカリストではあまり聴かないような気がします。
 平井堅のこのファルセットは好きなんですが、聞き続けると飽きるかもしれないかなあ、ちょと聴くとすごく良い

1.Open
2.Even If 〜Instrumental〜 / piano : Peter Cincotti
3.The Rose / piano : Satoru Shionoya
4.One Day / piano : Masaru Suzuki
5.Lovin' You / acoustic Guitar : sigenji
6.What A Wonderful World / acoustic guitar : Juana Molina
7. You've Got A Friend  
 / vocals : Lalah Hathaway, acoustic guitar : Paul Jackson Jr.
8. Intermission / piano : Masaru Suzuki
9. 大きな古時計 /  piano : Akiko Yano
10. Faith / acoustic Guitar : Masato Ishinari
11. When You Wish Upon A Star  
 / acoustic Guitar : Masahiro Itami, piano : Makoto Kuriya, bass : Yasuhiko "Hachi" Sato, percussion : Masatoshi Kainuma
12. ABC 
 / acoustic guitar : Masato Ishinari, bass : Tomohiko Okanda, percussion : Hideaki Sakai, piano : Masaru Suzuki
13. Don't Know Why / bass : Tony Scherr
14. Close
15. 見上げてごらん夜の星を
 /  acoustic guitar : Masayoshi Furukawa, piano : Akimitsu Homma, bass : Chiharu Mikuzuki, flute : Tadasuke, harp : Tomoyuki Asakawa, percussion : Mataro Misawa, strings : Naoto Strings, synthesizer : Takahiro Iida, trombone : Satoshi Sano, vocals : Kyu Sakamoto






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2021年12月12日日曜日

Take6 / He is Chistmas


 順番にレビューでこのアルバムの紹介となるわけで、特に12月のクリスマス・シーズンだからというチョイスではありません。が本作は Take6の3作目でグラミー賞も受賞したアルバムで、とにかくメジャーなクリスマスソングを、これでもか!と収録。また Take6 のオリジナルの曲もあり、素晴らしいコーラスが堪能できます。
 肉声も楽器の一つであると実感できるのが Take6の魅力で、メンバー全員の優れた表現力によってその間のとりかたとリズムなどが生き生きと感じられます。1曲目に収録の Silent Night から、スローなブルース調のイントロ、ブレイクと、めまぐるしく変わる表情にただのクリスマスではないなと実感できます。Oh! He Is Christman はポップなんですがゴスペル的でもあり讃美歌のような響きも感じられます。The Impressions からの Amen も大好きな曲ですが、これはトラディショナルな感じのアレンジですが、クリスマスをテーマにアルバムに収録されるとまたぐっときます。大人な夜を過ごせそうなアルバムです。お酒はやっぱりワインが似合うかなあ。家にはありませんが・・


 そして、このアルバムを聴くと実はクリスチャンでありながら最近教会へ行っていないな・・とハッと思います。私は四谷の上智大学の横の教会、イグナチオ教会に幼少から学生時代まで通っていました。当然、聖歌・讃美歌を歌う機会は多くて自分たちで歌って作るコーラスのハーモニーの楽しさも教会で覚えました。人の声って重ねていくと、ハーモニーが化学反応みたいになるところが面白いなあと。
 たまに行けば皆さん笑顔で迎えてくれます。でも外人の神父や修道士には「何やってるよ~、教会こないで、信者は教会に来て教会をささえないとダメだよ~」そうなんだよねえ。

【vocals】
Alvin Chea
Cedric Dent
Claude V. McKnight III
David Thomas 
Joey Kibble, Mark 

1. Silent Night
2. Oh! He Is Christman
3. Hark! The Herald Angels Sing
4. Away in a Manger
5. Amen
6. Little Drummer Boy
7. 'twas da Nite
8. Sweet Little Jesus Boy
9. God Rest Ye Merry Gentlemen
10. O Come All Ye Faithful 


▶ Amen



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2021年12月11日土曜日

Ronny Jordan / The Antidote

 

 1992年の Ronny Jordan のデビュー作で、当時ラップなどには全く興味がなかったのに愛聴になってしまった一枚。1985年ごろから Acid Jazz が英国の音楽シーンに現れて Jazz と打ち込みのクラブ系のリズムが融合してきたムーブメント。今聴いても素晴らしいセンスだと思います。
 Acid Jazz と言えば、踊れるジャズとして Lou Donaldson 「Alligator Boogaloo」、Donald Byrdの「Black Byrd」などがあります。ここら辺はファンクとジャズの融合でした。


 その後踊れるジャズ Acid Jazz として出てくるのは、ジャズとソウルやヒップホップを融合させた The Brand New Heavies、Incognito などなど
 そんな音楽の影響もあってか、Benson系のJazzyなギター・ジャズ演奏が繰り広げられる構図よりジャズよりではありながら、ヒップ・ホップなどを自然にとり入れてしまった。オルガン、ベースによるイントロに、ストリート系のグルーヴにRapが加わった Get To Grips。Jazzyでオルガンとのユニゾンでセンス抜群の Blues Grinder。そして何よりもテンポ早めでGroovy、スピード感のあるピアノソロでマイルスがこうアレンジされてしまうのかと思わずニヤッとしてしまう So What。これにはノック・アウトされてしまった人が多数いるはずで、私もインパクト大で昔からの愛聴盤となっています。

guitar : Ronny Jordan
organ : Hugo Delmirani、Adrian York
double Bass : Arnie Somejee
piano : Joe Bashorun
flute : Philip Bent
vocals : Isabel Roberts
rap : IG (Dodge City Productions) (1, 4)

1. Get To Grips
2. Blues Grinder
3. After Hours (The Antidote)
4. See The New
5. So What
6. Show Me (Your Love)
7. Nite Spice
8. Summer Smile





▶ So What


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