2021年5月20日木曜日

本日のCD Jaco Pastorius ♪ Invitations


 これは生前に発表されたジャコの最後の公式リーダー作「ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンド」で1982年オーレックス・ジャズ・フェスティバルで来日のライブで武道館、横浜スタジアム、大阪ホールのなどの録音で構成されています。
 当初は「Twins I」「Twins II」として2枚のLPとして日本国内限定発売。後に世界発売向けとしてアメリカのワーナー・ブラザース・レコードが2枚のアルバムを1枚のアルバム・サイズに抜粋し、コンピレーション化したアルバムを「Invitations(本作)」として発売。さらに2007年には「Twins I & II - Live In Japan 1982」として24ビット、デジタル・リマスタリングされた音源が発売。まあLPという録音時間の物理的録音容量が少ない媒体から、CDという容量が大きい媒体で再発売する場合には特典つけなきゃ売れないという構造もわからなくはありませんが「ファン」何枚買わされるんだか?とは以前も書いております。
 オーレックス・ジャズ・フェスティバルとは、東芝が主催して1980-1983年まで開催されたジャズフェスティバル。プロデューサーは、George Wein(ジョージ・ウエイン)で、「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」「ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバル」、ロサンゼルスの「Playboy Jazz Festival」「Newport Folk Festival」 など数々のフェスティバルを立ち上げを行ったジャズプロモーターとして有名な方。
 このフェスは毎年ほぼ9月上旬に日本の各都市で行われていて、海外から4グループと日本のグループも参加。1982年のフェスの参加は「The Woody Herman Big Band」「Jaco Pastorius Big Band」「The Dave Brubeck Quarte」でした。
 当時CMも派手にやっていた記憶もありますが1982年当時の私は10代でありロック、パンクにまっしぐらで全くジャコには無関心。もう少し早くこの素晴らしさに気づいて見に行ければ良かったのに・・
 この時の演奏はすごく良いんですが、ツアー中のジャコの精神状態は悪くて広島湾にベース投げ捨てたり、バイク運転して戻ってきたら落車して気を失ってシャツの中からタコが出てくるとか日本でも奇行を繰り返していたというのは有名な話。また娘のメリーを「オール5のご褒美」として一緒に連れてきていたとのことです。きっと娘はスタッフの誰かが面倒を見ていたんでしょうが、偉大なるやばいオヤジですね。
 和傘をさしたジャコの姿。この手のジャケにしてはセンスが良いかな。

The Word of Mouth Sextet
bass : Jaco Pastorius 
trumpet  Randy Brecker
tenor & soprano sax, bass clarinet : Bobby Mintzer
steel drums : Othello Molineaux
drums, timpani : Peter Erskine
percussion : Don Alias

Special Guest
harmonica : Toots Thielemans

Word of Mouth Big Band
lead trumpet : Jon Faddis
trumpet : Elmer Brown, Forrest Buchtel, Ron Tooley
lead trombone : Wayne Andre
trombone, tuba : David Bargeron
bass trombone, co-conductor  Peter Graves
bass trombone : Bill Reichenbach
tenor & soprano sax, clarinet, alto flute : Mario Cruz
baritone sax, clarinet, alto flute : Randy Emerick
tenor alto & soprano sax, clarinet, piccolo : Alex Foste
tenor sax, oboe, english horn : Paul McCandliss
french horn : Peter Gordon, Brad Warnaar

1. Invitation
2. Amerika
3. Soul Intro / The Chicken
4. Continuum
5. Liberty City
6. Sophisticated Lady
7. Reza / Giant Steps / Reza (Reprise)
8. Fannie Mae
9. Eleven





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2021年5月19日水曜日

本日のCD Lee Morgan ♪ The Sidewinder

 

 1958年作の「Candy」を聴いていて、丁寧なトランペットに発音とダンディな響きに感動して他のアルバム持ってませんか?と聞いたら速攻でこの「The Sidewinder」を薦められました。その時はほろ酔いでYoutubeで聞いてたんで後日買いに行こうと思って心に留めて置いたら、なんと未聴盤の山の中から既に購入済であるCDを発見しました。いつもの「しまった!重ね買いだ」は避けられたので良かったです。
 何回か繰り返し聞いてから「そういえば、サイドワインダーって聞いたことがあるけどなんだっけ? 」「ガラガラヘビ」「卑劣なヤツ」の二つの意味がありました。タイトル曲の曲調が挑戦的だから「ガラガラヘビ」だろうなと思ってたんですが、割と直ぐに解答が見つかりました。「"The tune kind of put in mind of the sidewinder - you know, the 'bad guy' on the television " There's a snake called the sidewinder, but I was thinking of the bad guy 」のテレビで見た〈bad guy〉のことだよとの記述あり「卑劣なヤツ」。やっぱり誰もが気になるとこなんですねえ。日本語版のライナー・ノーツには書いてなかったんですが、英語版のほうには書いてありました。読んだ方が勉強になるんですけど字が小さくて読みづらいので読まないことも多い英語版ライナーノーツに改めてなるほど。
 さてこのSidewinderは変わったリズムの上に明るいメロディが乗っているように聞こえるが風変りなメロディ、つまり8ビートを取り入れた演奏で、24小節構成のテーマの17~18小節目にメジャーコードからマイナー・コードへのコード転換が盛り込まれる曲で革新的なジャズ・ブルースと言われています。セールス的にはアルバム・チャートで最高25位、シングル・チャートで最高81位です。ジャズでのチャート入りは相当の大ヒットでした。
 ここからこの手のブルースはジャズ・ロックと呼ばれるようになったとのことですが、現代人は多種多様なジャズが聞けるため「ただのジャズじゃないの?」とあまりピンとこないですね。
 このアルバムは日本版でのボーナスとして「Totem Pole」の alternate take が収められています。オリジナル採用のほうが派手目で後者のほうが正統派ジャズっぽいものとなっています。オリジナルには少し荒削りのほうを採用したのはアルバム全体の方向性を考えてのことだったんだようですが、あえて変化があるほうを採用して対比するのもありだったのではないか?などと楽しみながらこれも聴いております。
 「Candy」以降にどのように変わっていくのかを聞きたかったLee Morgan。イメージとしては、「Candy」では真面目な好青年だったトランぺッターが、6年経った「The Sidewinder」で、チョイ悪オヤジになったような感じで、だいぶ雰囲気が異なるワイルドさを増した演奏となっています。ここに至るまでのアルバムが5、6枚ありますので、途中の過程を揃えて聴くことを楽しみに、中古盤探しにいかねば。

trumpet : Lee Morgan
tenor sax : Joe Henderson
piano : Barry Harris
bass : Bob Cranshaw
drums : Billy Higgins

1. The Sidewinder
2. Totem Pole
3. Totem Pole (alternate take)
4. Gary's Notebook
5. Boy, What A Night
6. Hocus-Pocus





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2021年5月18日火曜日

本日のCD David Sanborn ♪ Only Everything

 

 デッカに移籍の2010年の2作目。レイ・チャールズ、ハンク・クロフォードへのトリビュートの前作「Here And Gone」に続き、今回も長年の友人のフィル・ラモーンをプロデューサーに迎え、レイ・チャールズ、デビッド ”ファット・ヘッド” ニューマンへのオマージュ作品です。 トリビュート・アルバム発表の翌年の2009年に、サンボーンが幼いころに聞いていたレイ・チャールズ・バンドで活躍していたサックス・プレイヤーのハンク・クロフォード、デビッド ”ファット・ヘッド” ニューマン、リロイ・クーパーが相次いで亡くなっていることからのオマージュとのことです。
 もともとサンボーンは自分はブルース・マンと語っているだけあって、彼らの相次ぐ死は無念なことであったに違いありません。ちなみにレイ・チャールズが亡くなったのはだいぶ前の2004年6月10日のこと。
 したがって今回のアルバムは、2曲目のOnly Everything以外のみサンボーン作曲(ガールフレンドSofiaと孫娘Genevieveのため)であとはカバーとなっています。アルバムのサウンドの核となるのはこの頃のツアーメンバーでもあったオルガンのJoey DeFrancesco(ジョーイ・デフロコ)でハモンドの音色でブルージーかつアーシーなサウンド。1988年にマイルスのアルバムに参加した時に「50年代にどさ周りを積んだかのプレイをする奴だ」と言わしめた人らしいです。ドラムには安定のSteve Gadd(スティーブ・ガッド)が起用。
 このアルバムを買った日に、いつもの行きつけのバーによって酒を飲みながら他のアルバムを聴いていたら不覚にも眠ってしまい、封を開けていたこのアルバムはマスターと常連さんが先に聞いていた。感想は「期待していたサンボーン・サウンドではなく、面白くなかった」でありました。みなさんフロントにサンボーンがバリバリと出てきて吹きまくるファンキーフュージョンを期待していたのだと思いますが、私は最近のサンボーンにそれを期待してはいけないことは十分承知のうえの購入。
 サンボーンを聴きこんでいる「いちファン」としては昔の思い出話を語ってくれているような気楽な気持ちで作ってくれたようなオールド・スクールな渋めジャズで企画ものとしてこれは、強い気持ちで「あり」と断言します。日本版のボーナス2曲ついてますし。

alto sax : David Sanborn
vocals : James Taylor (7), Joss Stone  (4)
organ : Joey DeFrancesco
drums : Steve Gadd
tenor sax : Bob Malach
baritone sax : Frank Basile
trumpet : Tony Kadleck
bass trombone : Mike Davis

arranged by : Gil Goldstein (1,3,4,5,7)
producer : Phil Ramone

1. The Peeper
2. Only Everything (For Genevieve)
3. Hard Times
4. Let The Good Times Roll
5. Baby Won't You Please Come Home
6. You've Changed
7. Hallelujah, I Love Her So
8. Blues In The Night
【Bonus】
9. Sometimes I Feel Like A Motherless Child
10. Davenport Blues





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2021年5月17日月曜日

本日のCD Aretha Franklin ♪ Live At Fillmore West

 

 5枚組の廉価版の第1弾の最後のアルバムになります。次の第2弾からライブだと思っていたら、最後はこのシリーズの最後はライブでした。
 このライブは1971年3月5日から7日の3日間行われたサンフランシスコの Fillmore West でのライブの録音です。結論、冒頭からガツンとくるアレサの歌唱は大迫力でキング・カーティス率いるキングピンズの演奏がこれまた最高の出来です。キングカーティスはアレサの前座とバック・バンドの両方を務め、このライブを収録した自身の名義のアルバムも出しているようなので、これは改めて入手することと今聞きながら決めました。アレサは通常のツアーでは異なるメンバーでのツアーバンドを組んでいたのを、プロデューサーの Jerry Wexler(ジェリー・ウェクスラー)がキング・カーティスを起用(ザ・キングピンズともMemphis Hornsとも記載があるものがありどっちが正しいかわかりませんが)することを進言して決めたとのことでこの名盤が生まれたのです。最近アーティストの実力も大事ですがプロデューサーのセンスでも変わるもんだなとその重要な役割にも感心します。
 バンドの演奏形態やと盛り上げ方は、Donny Hathaway 「Live」に似ていると思ってチェックしましたが、ギターの Cornell Dupree だけ同じであとは違うメンバーでしたが、プロデューサーは、やはりこのアルバムと同じ Jerry Wexler。ダニーのアルバム・リリースは1972年なんでほぼ同時期の録音の発見で思わずニヤリです。
  オープンニングは高速「Respect」ごりっとしたソウルグルーブの「Love The One You're With」ゴスペルな「Bridge Over Troubled Water」ファンキー「Eleanor Rigby」メロウな「Make It With You」、シャッフルの「Don't Play That Song」、ブルージーな「Dr.Feelgood」は最後は得意のゴスペル調。ライヴのハイライトは「Spirit In The Dark 」でリプライズでは、観客としていたレイ・チャールズがゲスト参加。ショーとしても完璧なステージだったんでしょう。
 聞きながらここまで興奮してしまう一枚は、そうそう無いです。脱帽ですのでアレサ未体験の方はこのアルバムからどうぞ。

vocals, Fender Rhodes : Aretha Franklin
backing vocal : Brenda Bryant, Margaret Branch, Pat Smith
piano : Ray Charles (9), Truman Thomas
organ : Billy Preston
guitar : Cornell Dupree
bass : Jerry Jemmott
drums : Bernard Purdie
congas : Pancho Morales
sax, leader (Orchestra) : King Curtis
horns : Memphis Horns

1. Respect
2. Love The One You're With
3. Bridge Over Troubled Water
4. Eleanor Rigby
5. Make It With You
6. Don't Play That Song
7. Dr. Feelgood
8. Spirit In The Dark
9. Spirit In The Dark (Reprise)
10. Reach Out And Touch (Somebody's Hand)





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2021年5月16日日曜日

本日のCD Aretha Franklin ♪ Spirit In The Dark

 

 アレサ・フランクリンが1970年に発表した、ベスト・アルバムのひとつと高評価を受けるアトランティックでの9作目。1961年のアトランティック移籍から9年間なのに2~5枚の超ハイペースなのでスタジオ・アルバムとしては17枚目となっています。これで音楽家としての寿命が擦り減らないのが、また凄いなと感服するところでもあります。
 シングルカットは Ben E King のカバーの Don't Play That Song でR&Bで堂々1位、Hot 100で11位、Spirit In The Dark はビルボード・Hot 100で23位、R&Bで3位とのことでアレサ流に昇華した曲ではありますがBen E King のカバーの勝ちですが、ヒット・チャートへの入り方が貫録です。
 前にも書きましたが5枚組の廉価版から古い順に聞いており、その中の4枚目となります。古いものから順番に聞いているのでその進化が楽しみなところで、このアルバムでは原点回帰のようなアレサのゴスペル的なアプローチ、約半数の曲でジム・ディキンスンらによるディキシー・フライヤーズが参加していることによるサウンドに厚みとアレサへの新たな刺激があり、ちょっと聞いただけではわからない参加ミュージシャンの多さもアルバム出せば売れてしまうアレサへのレーベルの意気込みを感じてしまいます。(そんなに多重録音してるようにも聞こえませんがとにかく参加ミュージシャンが多い)ド・ブルースなどがアルバムを地味目にしているとは思いますが、それが奥行きで素晴らしいアルバムになっています。
 個人的には、ストーンズで聞いたことあるようなブルースロックの When The Battle Is Over とかも好きです(デュアン・オールマンがギターでした)メインギターはコーネル・デュプリーですね。バック・ボーカルからはアレサ姉妹は消えて、ホイットニー・ヒューストンのお母さんの所属する The Sweet Inspirationsは2曲だけの参加になっています。

Aretha Franklin / vocals (5,  1-4, 6-12), piano (1-6, 8-12)
background vocals : Margaret Branch (1-2, 7-8, 11) , Brenda Bryant (1-2, 7-8, 11) Evelyn Green  (3, 9-10, 12), Wylene Ivy (3, 9-10, 12), Almeda Lattimore (1-3, 9-12)
Pat Lewis (3, 9-10, 12), The Sweet Inspirations (4, 6)
organ : Dave Crawford (8-9, 12)
bass : Harold "Hog" Cowart (8-9, 12)
guitar : Cornell Dupree (8, 11-12), Buzz Feiten  (1), Duane Allman (7), Jimmy O'Rourke  (9)
drums : Ray Lucas  (8, 12), Ron "Tubby" Ziegler (9)

The Dixie Flyers
drums : Sammy Creason (1-2, 4, 6, 10)
additional keyboards : Jim Dickinson (1-2, 4, 6, 10) Michael Utley :  (1-2, 4, 6, 10)
guitar : Charlie Freeman :  (1-2, 4, 6, 10)
bass : Tommy McClure (1-2, 4, 6, 10)

Muscle Shoals Rhythm Section
keyboads : Barry Beckett (7, additional on 3, 5, 11)
guitar : Eddie Hinton (3, 5, 7, 11) Jimmy Johnson :  (3, 5, 7, 11)
bass : David Hood (3, 5, 7, 11)
drums : Roger Hawkins (3, 5, 7, 11)

1. Don't Play That Song
2. Thrill Is Gone, The (From Yesterday's Kiss)
3. Pullin'
4. You And Me
5. Honest I Do
6. Spirit In The Dark
7. When The Battle Is Over
8. One Way Ticket
9. Try Matty's
10. That's All I Want From You
11. Oh No Not My Baby
12. Why I Sing The Blues





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反省だなあ ショックです いや恐ろしい

  昨日、「四谷いーぐる」のオーナー後藤雅洋氏の書いた本を読んで

「インターネットの普及で誰もが自分の意見を開陳できるようになり、それが文化状況を活性化させた反面、身体経験の伴わない文字情報の氾濫が問題になってきている。ジャズで言えば、ロクに聴き込みもしないで評論家面する輩が増えてきた。」 これは私のことかと忠告を聞いたつもりでありました。

 が、その日のSoulive / Turn It Out のレビューでジョンスコが、いつものうねるフレーズでジャムっているのに、ジョン・スコのゲスト参加だが存在感がないとか書いてしまい失態してしまいました。

 実は現在の最近のレビューは、このブログで始めたころに結構いい加減に書いていたレビューを書き直している過去記事のリマスターを行っています。だいたい3年前に聴いたアルバムを今、再度聞き直してレビューも更新している感じです。

 普段は眠ってしまって聞かなくなってしまった名盤を再度聞いて、自分自身の経年変化も楽しんでいるのですが過去記事をコピペしながら修正するもんで、新しく加えたものと内容がダブっていたり文章のつなぎが変だったりすることはよくありますが、その時の体調や精神状態で、修正がメタメタだったりすることもしばしば。そんな時には見えた後で密かにしまったと思って密かに修正していることも多々あります。

 今回は、ジョンスコの参加は2曲だけだったのですが、アルバムの再聞き込みの時におそらく曲を勘違いして聞いてジョンスコは参加していない曲を聴いて、ジョンスコは参加していないぐらい存在感が薄いとしてしまったようです。ジョンスコ・ファンにとってはバカにしているような発言となってしまいツイッターでのご指摘で気づいた次第です。

 後藤雅洋氏の「ロクに聴き込みもしないで評論家面する輩が増えてきた」を次の日にやってしまった訳ですから、我ながら、いや恐ろしい💦

 このブログは同じアルバムを持っている人に、どんなアルバムだったか懐かしんでもらったり、そんなこともあるのかと聞いたことがないアーチストを聴くきっかけにしていただいたりして欲しいと思ってレビューを書いております。

 自分にとっては、記憶力が劣化していく中、音楽体験だけは劣化させたくないのと、ただ単に聴くだけより録音の背景を知って聞いた方がより深く楽しめたり、年代を追ってアルバムを聴いてその変化に驚いてみたり今まで嫌いだった「世界史」を勉強しているような気分でも書いています。

 何よりも役に立つのは、自分の所有している音源が把握できるので、CD屋に行ってアルバムをダブって買うミスを防げることです。(防げないこともシバシバ発生はしていますが)

 幸いにして面白がって読んでいただける方も徐々に増えてきていますので、それを励みにしております。素人の書くレビューなのですが不適格はあっても、不正確はあってはならないとは思って続けてまいります。

 読んでいただいているかた、ご指摘事項ありましたら遠慮せずにこのブログにてコメントいただけると非常にありがたいです_(._.)_

2021年5月15日土曜日

本日のCD Soulive ♪ Turn It Out


 ソウル・ジャズ系のバンドも数多く聞いてきましたが、このバンドのアルバムも随分そろえてしまいました。おしゃれ系でなくて泥臭くて時々イモっぽくて古臭いのがとても好感のあるオルガン・ジャズ・ファンクのバンドですね。気になってしまう理由にはオルガンサウンドがとても心地よいのもあるかなあ。
 このアルバムの前に自宅スタジオ録音のゲットダウンというインディーズのアルバムもあるようで(探さねば)すが、実質的なデビューアルバムはこれで私が多分最初に買ったソウライブのアルバムであります。シンプルにソウライブの音楽性が伝わってきて愛聴させていただいております。デビュー盤と言っても発売レーベルは VelourRecordings というギタリストのErick Krasno(エリック・クラズノー)の兄ジェフ・クラズノーが設立したというインディーズレーベルで、この後に BlueNote と契約して「Doin’ Something」を発売がメジャーデビューとなります。
 ジャムバンドらしくスタジオ録音とライブが混ざっていて、さらに4, 7曲目にはジョン・スコのゲスト参加しています。オルガンとともにうねるギターで存在感出してます(→多分曲を勘違いしていて、もう少し存在感があっても良いのに(笑)と思うくらい何の違和感もなくこのバンドに溶け込んでいます なんて発言していましたが訂正です💦 お恥ずかしい。ツイッターでご指摘いただき感謝しております)

このアルバムはソウライブ2枚目だそうで1枚目はゲットダウンという自宅スタジオ録音のものがあるらしい(探そうっと)

guitar : Erick Krasno
drums : Alan Evans
organ : Neal Evans

Tracks 4 & 7 recorded at Velour Studios, New York City
Tracks 2 & 8 recorded live at Baby Jupiter, NYC
Track 6 recorded live at the Haunt in Ithaca, NY
Track 5 recorded at Applehead Studios in Woodstock, NY

guitar : John Scofield (4, 7)
alt sax : Sam Kininger (5)
bass : Oteil Burbridge (8)

1. Steppin’
2. Uncle Junior (Live)
3. Azucar
4. Tabasco
5. Rudy’s Way
6. Jesus Children (Live)
7. Nealization
8. So Live!
9. Arruga De Agua
10. Turn It Out
11. Hidden Track





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ジャズ喫茶のオヤジは なぜ威張っているのか 後藤雅洋

 


 私が初めて入ったジャズ喫茶は、渋谷のSwing。ジャズ研に所属していた学生の時は足繁くえはないけど「ジャズ喫茶」と言う響きにあこがれて、大人の空間に入って見たくて当時のジャズ研仲間と入り浸りました。Swingでジャズ喫茶を理解した気になっていた私ですが、四谷の「いーぐる」に行ってジャズ喫茶のこだわりや作法を知りました。

 ジャズ研ではない先輩に誘われて未だ明るいうちに店内に入るとSwingと同じような空間を想像していた私は暗くないことにびっくり。そして音の良さにびっくりいたしました。リクエスト制度は無く、会話禁止のルールに緊張しておりました。もともと私は音楽はプレイして楽しむタイプなんで楽曲自体を楽しむ人で、音の良さとか再現性などに関心はないのですが「いーぐる」が極上であることは直ぐにわかりました。

 そんな思い出のある「四谷いーぐる」のオーナー後藤雅洋氏が30年以上に渡りジャズに携わってこられたジャズ喫茶から見たジャズ感を書かれています。

 まだ全部読み切っていませんが、著書の冒頭にこうあります。

「インターネットの普及で誰もが自分の意見を開陳できるようになり、それが文化状況を活性化させた反面、身体経験の伴わない文字情報の氾濫が問題になってきている。ジャズで言えば、ロクに聴き込みもしないで評論家面する輩が増えてきた。」

 !!! 私のことか・・ 私のように駄文をブログで綴っているものにとって、きつい忠告分が書かれております。

 「威張っているつもりがない」と書かれていますが本の題名が「何故威張っているのか」なんですから、威張っていることは自覚しておられるのは重々承知で相変わらずの紋切り型の辛口コメントに恐縮しつつ、少しづつ楽しみながら読ませていただいています。

2021年5月14日金曜日

本日のCD The Aristcrats ♪ Boing!


 高校生とかのころはプログレとかも聞いてたりしたんですけど、年をとるにつれ縁が無くなってきて、すっかりご無沙汰していました。多分この方たちはフュージョンとかではなく、そっち系に分類されるんだと思うんですが、まあ分類はどうでもよいですね。
 とにかくスリーピースのあきれるぐらいのハイレベルな演奏、アレンジ共に素晴らし過ぎてビックリして購入してしまったアルバムです。
 Guthrie Govan(ガスリー・ゴーヴァン)はASIAのAURAにセッション参加や GPS と言うユニットで来日もしているギタリスト。Bryan Beller(ブライアン・ベラー)はSteve VaiやDweezil Zappaなどとの共演が多くMarco Minnemann(マルコ・ミンネマン)はドイツ出身で Terry Bozzio、Chad Wackermanとの共演、Eddie Jobsonのプロジェクト UKZ、UK Reunion などに参加。とにかくメンバーは担当の楽器の表現方法を知り尽くしてしまったような名手が揃っているので、楽器をやっていない人が聞けば「とてもうまいバンドですね」なんですが、楽器をやっている人が聞くと「!信じられない」に変化するのではないでしょうか。
 上手すぎるがゆえに、まずは各楽器のテクニックに耳が行ってしまいますが楽曲の組み立てのハイセンスなところも唖然としてしまいます。とにかく引き出しが多い方たちなので1曲の中で音質の変化があり、クリーンからメタル系、ジャズ、ラテンまで詰め込んでしまっています。人間はどこまで進化できるか?と究極の形とも思えるバンドですね。

guitar : Guthrie Govan
bass : Bryan Beller
drums : Marco Minnemann

1. Boing!... I'm In The Back
2. Sweaty Knockers
3. Bad Asteroid
4. Get It Like That
5. Furtive Jack
6. I Want A Parrot
7. See You Next Tuesday
8. Blues Fuckers
9. Flatlands





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2021年5月12日水曜日

本日のCD Lee Morgan ♪ Candy


 1958年録音の作品でワンホーン・カルテットでの録音はこれだけしかないですが、なんといっても芸術的にどうだとか、あのソロが良いとかいうのとは別の次元の、実にイキな演奏は聞いてみてほしい。と改めて聞き直して気づいてしまいました。これは他のも聞かなければいかんです。
 とにかくトランペットの発音が品行方正でメロディも含めてダンディな響きで、この録音時はまだ19歳だったということにもかなりの驚きです。ティーンにして、このダンディズムにはおそれいります。全体の構成は軽く軽快であり聞きやすくて平坦でありながらクオリティが平均的に高いので、落ち着いた気分で本を片手に珈琲を飲みながらといったシチュエーションが似合うアルバムではないでしょうか。
 多作な人なのでこの後も多くの作品を残していますが、この頃のLee Morganの状況を見ていたら、前年の18歳でDizzy Gillespie のビッグバンドに参加していましたが直ぐに解散、またコルトレーンのBlue Train への参加、Art Blakey のメッセンジャーズへの参加し Moanin ' のレコーディングなど1957年’58年はミュージシャンの起点となる大事な年であったようです。じっくりと聞きながら「ああジャズっていいな」ってストレートに誰もが感じられるおススメです。

trumpet : Lee Morgan
piano : Sonny Clark
bass : Doug Watkins
drums : Art Taylor

1. Candy
2. Since I Fell For You
3. C.T.A.
4. All The Way
5. Who Do You Love I Hope
6. Personality
7. All At Once You Love Her





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裏カジノディーラー 田村佳彰

 


 古本屋で常に物色している分野はこのサブカル本。決して我々一般人が踏み入れられない分野の事柄には興味津々であります。普段はカルトやマニアな本が多いのです、今回は「裏カジノディーラー」という直接的なタイトルのサブカルです。

 この本を読んでいるとまるでカジノが合法のように錯覚してきますが裏稼業です。何故裏稼業に入ってしまったのか?という部分では普通に就職するような気分で「かっこいい」職業だなと思って入ったという軽いノリで、以降様々な店の開店や経営に携わりプロとしてのプライドをビジネスマン的にもっておられるのが田村さんの凄いとこで、全く警察のお世話にもなっておられないようで、そこらへんも賢い立ち回りをしておられると感心しますが、決して踏み入れてはならない世界であることはよくわかりました。

 そしてギャンブルは確実に胴元が儲かる構造で、客は絶対に勝てない構造になっていることも学習できました。(当然胴元が儲からない店は直ぐにつぶれてしまうようで、優秀な従業員を集めなければ潰れる店も多いようなことも書いてあり妙に納得してしまいました)

 バカラのルールは良く知りませんが比較的、頭脳戦であるとのことは何かの本で読んだことがありますが毎日やっているディーラーや様々な手口を持っている店にはまず勝てないのはなるほど。

 一般人にも読めるように書いてはありますがルーレットやバカラのルールはさっぱりわからず、何が書いてあるかよくわからない箇所もありますが総じて面白く読めました。

 一方でいつになったら実現するのかわからない日本の合法カジノについて思うところもあります。裏カジノが成り立つのは先に書いたような手口をカジノが持っているからで、日本のように規制の多い社会では射幸性を気にして規制をしそうです。そんなカジノなんか作ったら潰れる店がいっぱいできるか、面白くもないカジノができてしまうような気がしてなりません。まあ私は競馬などもやらずパチスロと麻雀ぐらいなのでこの世界には足を踏み入れることはないとは思いますが余計な詮索でした。