2023年9月17日日曜日

P-Funk / Guitar Army Tributes To Jimi Hendrix


 本作は、George Clinton(ジョージ・クリントン) 監修の Jimi Hendrix(ジミ・ヘン)トリビュート・アルバムです。Eddie Hazel(エディ・ヘイゼル)Michael Hampton(マイケル・ハンプトン)DeWayne Stephen "Blackbyrd" McKnight(ブラックバード)の P-Funkギタリスト、そして James Glass、Ras Kente と言う私にとっては謎?の顔ぶれ。
 Eddie "Maggot Brain" Hazel(エディ・ヘイゼル)はジミ直系のスタイルで、P-Funk のカラーを決定づけてきたギタリスト。ジミ・ヘンと同じ所へ旅だったのは、1992年12月23日(wikiでは Eddie Hazel のミドルネームに "Maggot Brain" がついてます)Michael Hampton は、ジャズ・ソウル・ロック・ブルースと様々な分野に精通したP-Funk 全盛期以降のエディに次ぐギタリストです。Blackbyrd McKnigh は、The Headhunters にも参加していたギタリストで、ジャズテイストを聴かせたアバンギャルド性が魅力なギタリスト。そして正体不明な James Glass は、デトロイトでローカル・ブルースマンとしてジョン・リー・フッカーと共演し、サン・ラにも参加していたことがあるらしい。もうひとり、Ras Kente もデトロイトをベースに活動しているレゲエ畑出身とのこと。
 アルバム自体は100%オリジナルで、P Vine からの要請に、George Clinton が二つ返事でOKして実現とのことです。曲は単なるカバーだけではなく、ジミがモチーフの曲も多数あり、全てニューレコーディングの安直なトリビュートではないようです。
 
 

 さて、レビューです。Scuse Me While I Kiss The Sky はラップの John Sinclair がメインで、ギターは Ras Kente です。サイケなサウンドのギターはジミの直系と言うよりは発展形。レゲエ出身とは思えないロックなギターに ラップはファミリーからのトリビュートと納得ですがうーん。次は、安定の Eddie Hazel による Purple Haze 他のアルバムかライブで聴いたことがある安定の曲で、厳密には Purple Haze ではない、っぽいファンクですがセンスは抜群でエディーやっぱり大好きです。Pleasure With The Dirt Devil は、今までで一番ジミっぽい仕上がりです。高ぶるボーカルにはジミにプリンスが混ざっているが、それは高揚するときの表現としては正しい。Positivity は、全てのパートが Michael Hampton の宅録のような感じです。ジミ・フリークな現代ファンク・ミュージシャンの宅録みたいで全てこの感じだったら飽きる感じです。Look Now Baby は、James Glass と、そのハウス・バンド The Get To Gettin' Band による正統派なブルースで、このアルバムの中では浮いている感じです。Fly On は、Blackbyrd のいつもの王道パターンです。このグシャグシャ感とジミの音を、十分に感じるギターがたまりません。王道は、ワンパターンですが飽きることはありませんね。Reflections On Jimi Part 1 は、御大 George Clinton の発案によるラジオDJ的なもの、つなぎにしては3分22秒と長い。Funky Kazoo は、ジミと言うよりはプリンス的なテイストを感じるマニアックな楽曲。悪くはないんだけど。そう、こんなのもファンカデリックなんだよなあ。The Wind Cries Colours は、Ras Kente による作品で、なるほどレゲエです。レゲエに乗せたアコースティック・ギターが延々と7分35秒です。もはやジミの匂いは感じません(笑)Get To The Gettin'  は、James Glass。ただのブルースギタリストかと思っていたら、俺だってファンクはできるぜって感じの主張を感じますが、録音の加減かギターの音がペラペラなのが残念。でもまあ面白い。Future Past は、重厚なファンク・ロックですね。悪くはないですが、音の割に中身が薄目かな。Should'A Known は、ワシャワシャにギターを被せたファンク・ロックですが、これもかなりチープな感じの仕上がりで、ひねりは無いですね。しょうがない。で、Reflections On Jimi Part 1 は、先の Part2 よりは短めの1分2秒で、もはや後半はダレダレな感じです。最後は、Debbie Does To Voodoo Child で、ラップによって締めくくりですが、Voodoo Child は、どこにいるのか?心の中にいるのか、サウンド面からは全く不明なのが凄い。
 ジミヘン好き、ファンク系に興味もあるギタリストにとってはニヤリとしてしまうアルバムではありますが、??というところも、かなりあり好きでない人にとっては少し脂っこいかもしれない🎵

【guitar】 
Eddie Hazel、Blackbyrd、Michael Hampton、James Glass、Ras Kente、

producer : George Clinton
recorded New Orleans, Lousiana; East Detroit, Highland Park, Michigan USA 1994

1. Scuse Me While I Kiss The Sky / John Sinclair
2. Purple Haze / Eddie Hazel
3. Pleasure With The Dirt Devil / Blackbyrd
4. Positivity / Michael Hampton
5. Look Now Baby / James Glass And The Get To Gettin' Band
6. Fly On / Blackbyrd
7. Reflections On Jimi Part 1 / George Clinton
8. Funky Kazoo / Michael Hampton
9. The Wind Cries Colours / Ras Kente
10. Get To The Gettin' / James Glass And The Get To Gettin' Band
11. Future Past / Randall Lynch And Allen Lynch
12. Should'A Known / Randall Lynch And Allen Lynch
13. Reflections On Jimi Part 1 / George Clinton
14. Debbie Does To Voodoo Child / Point Black





  

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