2024年10月12日土曜日

The Who / Who's Better Who's Best / The Very Best Of The Who


 The Who はパンクの元祖でありビートルズ風もあったりしますが、他のロックバンドとは違う発明品みたいな要素が多いと常々感じます。誰でもそうですが最初から発明品を創造できたわけではありません。 The Who の前身は The Detours (ディトゥアーズ)というベンチャーズ、シャドウズ、ビートルズのコピーバンドでしたが、同名のバンドが存在したため The Who と改名したようです。そして1964年7月に High Numbers というバンド名でモッズ系でシングル・デビューして不発。同年10月にEMIのオーディションを受け不合格となり、1月にはブランズウィックと契約しThe Who でやっとデビューとなります。当時から大音量、ギター、アンプ、ドラムを破壊するパフォーマンスだったとのこと。


 さて、このアルバムはベスト盤。アルバムとしての曲の集合体を聴くとヒット曲だけではわからない発見があったりしますが、このベスト盤は持っていても、これだけで楽しめる良品です。往年の名曲などは押さえてあるし、並び順も良いと思います。改めて聴いてみてもメロディーはポップであったり、クラシカルであったりするが、どれもバンドのサウンドは破壊的。もちろんピート・タウンゼントのギターが爆発しているのですが、ギターの音を歪ませて激しさを感じさせるのではなく、力いっぱい叩きつけるように弾くギター、はじけるブンブンするベース、全て力強く叩ききる手数の多いドラムがそのサウンドは、今聴いても凄みを感じます。


 定番の My Generation は言うまでもない名曲、出だしはこれで文句はありません。ビートルズっぽい Anyway, Anyhow, Anywhere、The Kids Are Alright が続きますが段々と熱くなって激しいサウンドとなるのが、The Who だなって改めて思います。そして名曲 Substitute です。このブンブンするベースとドラムの強烈なところが聴きどころ。そして何か劇場仕立てのような I'm A Boy、Happy Jack ここらへんも The Who を、かなり感じられる名曲。Pictures Of Lily は、可愛らしいメロディーなのにハードになり、ブレイクのボーカルソロのような部分とeuphonium(ユーフォニウム)のブオンブオンの音で最高に盛り上がり、ワンポイント素晴らしい発想です。そして I Can See For Miles はまた演劇のようなドラマチックな展開もたまりません。Who Are You は今聴いて思いだしました。そうでしたシンセで始まるんですね。これもドラマチックで、ボーカルのエフェクト加減と力み方が素晴らしい。段々とここら辺からビートルズっぽいとかは無くなって、The Who の色が濃ゆくなってきてます。そしてMy Generation と同じくらい私が好きな、Won't Get Fooled Again、改めて聴くとこの曲のギターリフは中々凝っています。Magic Bus も、昔すんごく聴きました。生ギターが、この曲にものすごく合っててサイケな部分もあってこれも名曲。I Can't Explain も聴いてたですね。Pinball Wizard は昔レコード持ってましたっけ。実家のどこに埋もれているのか?気になります。 I'm Free、See Me, Feel Me も外せないとこですね。Squeeze Box だけは記憶に無かった曲です。Join Together、You Better, You Bet は記憶から飛んでいましたが聴いて思いだし・・・ません。締めくくりは、Baba O'Riley ですか。なんかコンサートを聴いてたような気分になります。いや良かった🎵



vocal : Roger Daltrey
guitar : Pete Townshend
drums : Keith Moon
bass : John Entwistle 

1. My Generation
2. Anyway, Anyhow, Anywhere
3. The Kids Are Alright
4. Substitute
5. I'm A Boy
6. Happy Jack
7. Pictures Of Lily
8. I Can See For Miles
9. Who Are You
10. Won't Get Fooled Again
11. Magic Bus
12. I Can't Explain
13. Pinball Wizard
14. I'm Free
15. See Me, Feel Me
16. Squeeze Box
17. Join Together
18. You Better, You Bet
19. Baba O'Riley





  

2024年10月11日金曜日

Soul Jazz Grooves


 ニューヨークの High Note Records というレーベルの Soul Jazz のオムニバス。Prestige、Muse Records などの名門レーベルでプロデューサーを務めた Joe Fields と子息の Burney Fields が1997年に立ち上げたレーベルです。ストレートな現代ハードバップとコンテンポラリー系のジャズ作品を中心に、Kenny Burrell、Pat Martino などのビッグネームの作品をはじめ、Eric Alexander、Tom Harrell、Houston Person、Joey Defrancescoなど実力派の作品も手掛けるレーベルで、オムニバスを中心とするマイナーレーベルではありません。
 選曲、プロデュースは David Jayes氏で、ライナーノーツはありませんが、下記のメッセージが書かれており、レーベルのお勧めオムニバスの自信が伺えます。
 If you're buying this record.. probably artist names such as Gene Ammons, Hank(Craw ford, Jack McDuff, Cannonbal Adderley, and Ray Charles an among yourfavorites.This set evokes that 'groove' of the great Soul-Jazz artists who wwereheard regularly  y on radio and jukeboxes across the country. 'Soul-Jazz' brought together best of the blues, gospel and soul then added that extra spice of jazz to create its irresistible grooves. The heirs of Soul-Jazz royalty are all here. Feellh' good will never go oul of slyle.
 

 R&B、ブルース、ファンク、ソウル等、あらゆるブラック・ミュージックの要素を取り込んだジャズが、ソウル・ジャズと呼ばれるスタイル。設立当初からの、数多くのソウル・ジャズの名演を選りすぐり、強烈なグルーヴを感じさせるパフォーマンスを楽しめるアルバムです。
 1曲目は Charles Earland のリズム&ブルースから始まったので、ブルースマン?かと思ったら、ラスト曲ではジャズ・ブルースをやられているオルガニストでした。他"Papa" John DeFrancesco、Melvin Sparks は2曲、Jimmy Ponder、Reuben Wilson、Rodney Jones は1曲づつ。
 知っているのは Melvin Sparks ぐらいで、私の所有音源では、Lou Donaldson / Hot Dog でゲスト参加。Soulive & Karl Denson / Spark! のタイトルの Spark! は Melvin Sparks であったりと、ジャズ・ファンクの教祖的な方のようです。
 ジャケットからして期待していたのは、力入り過ぎてコテコテの油ギッシュでダサい曲とか、人間の理解を超えるような難解な曲とか、こんな演奏でマイナーなのか?超メジャー級じゃないかみたいなことだったんですが、無難なジャズファンクが主体で、インパクトは少ないかと思っていたら、「Let the Music Take Your Mind」 「Hot Barbeque」もニュー・マスターサウンズで聴いたことがあるなって思い始めて、原曲の発見もあり・・・なるほど面白くなってきた🎶

Original recordings produced by Charles Earland, 'Papa' John DeFrancesco & John DeFrancesco, Jr., Mansoor Sabree & Samuel Burick, Cecil Brooks Ill, Melvin '.I in hoe, DeFrancesco, Jr. and Rodney Jones

compilation produced by David Jaye

1. Honky Tonk / Charles Earland
2. 160 Million Dollar Chinese Man / "Papa" John DeFrancesco
3. Get 'N' It / Melvin Sparks
4. Please Give Me Someone to Love / Jimmy Ponder
5. Movin' On / Reuben Wilson
6. It's Your Thing / "Papa" John DeFrancesco
7. Hot Barbeque / Melvin Sparks
8. Let the Music Take Your Mind / Rodney Jones
9. She's a Bad Mama Jama / Melvin Sparks
10. Will You Love Me To / Charles Earland



  

2024年10月6日日曜日

David Sanborn / Back Street


 サンボーンの通算8作目の、1983年作品。プロデュースは Marcus Miller, Michael Colina, Ray Bardani の3人のアルバム参加ミュージシャン。いつもそうですが、ほぼセルフ・プロデュースは無く、プロデューサーによってアルバムの方向性を変えていくのがサンボーンの手法のようです。
 基本的には、プロデュースの3人によってプログラムされたサウンドですが、サンボーンのサックスの魅力をを最大限に引き出しアダルトに、シンプルに聞かせてくれる作りとなっています。プログラムされたではありますが、A Change Of Heart のような派手さは無いのが特徴でしょうか。


  それでは、大好きなサンボーンの Back Street をレビューします。I Told U So ハイラムとのポップでロックなコラボ楽曲です。若干ナンパな気もしますが売れ線の曲は、とても心地よいです。When You Smile at Me ほぼ、打ち込みのバッキングにサンボーンがサックスをのせたメローな楽曲でロングトーンのサックス・ソロの部分が痺れます。Believer こちらは、かなりナンパな感じがするマーカス提供らしい楽曲です。ここらへんのイズムが A Change Of Heart に引き継がれていますね。ボーカル部分は不要との声もあるかと思いますが、それも含めてマーカスです。Backstreet プロデュースはしないものの、今回のアルバムにサンボーンは積極的に楽曲を提供しています。これはアルバムのタイトル曲でもあり、楽曲としては良く練られた曲です。Tear For Crystal A サンボーン、マーカスの共作のバラードです。聴き直していると一番出来が良いとも思えてきました。Bums Cathedral これも次回以降につながる楽曲で、アレンジがナンパで良いです。Blue Beach ブルースと言う名前のレゲエナンバーです。これも捨てがたい良曲ですね。Neither One of Us 最後は雰囲気のある曲で締めですね。カバー曲で Jim Weatherly のポップスですが全く違う雰囲気で仕上げていて、違う曲に聞こえます。サンボーンのセンスの良さが光ります。
 派手さは無いけど、アルバムとしての曲のバランスよくサンボーン好きにとってはたまらないです🎶🎷

alto , soprano sax : David Sanborn
bass (fender, fretless, moog) , piano (rhodes) , synthsizer (jupiter-8) , guitar (solo, rhythm, electric, acoustic), steel drums, percussion,effects (vocoder), chair, tympani: Marcus Miller
bass (moog) , piano (fender rhodes), guitar (solo, rhythm, electric) : Hiram Bullock (1)
synthesizer (obx-a, jupiter-8), piano (acoustic), effects (vocoder) : Michael Colina (1,2,4,6)
drums : Steve Gadd (1,4)
congas, percussion : Ralph MacDonald (2,7)
backing vocals : Barry Johnson (3), Luther Vandross (1), Marcus Miller (1), Tawatha Agee (1), Yvonne Lewis (1)
backing vocals, arranged by : Marcus Miller (1,3)

art direction : Simon Levy
artwork (back cover illustration) : Desiree Rohr
Artwork (front cover collage) : Lou Beach

producer : Marcus Miller, Michael Colina, Ray Bardani
This album is dedicated to Jonathan Sanborn.

1. I Told U So (David Sanborn, Hiram Bullock)
2. When You Smile at Me (David Sanborn)
3. Believer (Marcus Miller)
4. Backstreet (David Sanborn)
5. Tear For Crystal, A (David Sanborn, Marcus Miller)
6. Bums Cathedral (David Sanborn, Michael Colina)
7. Blue Beach (David Sanborn, Marcus Miller)
8. Neither One of Us (Jim Weatherly)

I Told U So



Blue Beach


  

2024年10月5日土曜日

Herbie Hancock and Wayne Shorter / 1+1

 
 元々は、1996年にワシントンD.Cで行われた、セロニアスモンクジャス協会設立10周年 記念コンサートで披露したニ人のデュオが評判となったことから、このアルバムの企画が持ち上がったということです。しかし二人のデュオとしては、このアルバム制作から17年前に遡る1979年7月26日に、豪雨の田園コロシアムで行われたライヴアンダーザスカイでの V.S.O.P 公演のアンコールで偶発的に披露された演奏が、歴史的名演として語り継がれています。録音はハンコックの自宅、Garage Sale Studios、Imua Music というところで行われ、日本から録音エンジニア鈴木智雄氏が参加しています。鈴木氏はハンコックとVSOPの時からの付き合いで、マイルスの Agarta, Pangaea のエンジニアでもあります。
 さて私の行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」では、Herbie Hancock、Wayne Shorterともにあまり人気がないので、ビニールを剥いで最初の視聴をするときに、あまり歓迎ムードではありませんでした。しかし、この二人ののデュオ・アルバムであれば、中身はどうであれ聴いてみたいと、見た瞬間に握りしめてしまったので強行突破で聴いてみました。思ったより周りの反応は良かったのですが、聴いていると段々飽きてくるねの評価で、私もそんな気がしていました。中古とはいえ購入した私としては認めるのは悔しく惨敗は認めませんでしたが、店で聴くのと家で再度聴くのでは印象が大きく変わる事もよくあるため、再度聴き直すと、どうなのか気になるところ。


 それでは、レビューしてみましょう。A Wood Sylph おそらく Eric Satie 的と言えば的確なんでしょうか。不思議な世界感があります。ピアノとソプラノ・サックスだけの音の世界に聞き入ってしまいます。 続く Aung San Suu Kyi は、ミャンマー民主化運動の指導者であり、現在同国の国家顧間であるアウンサンスーチー氏に捧げられたグラミー賞を受賞しています。アルバムが発表された1996年は、1989年から続いていた自宅軟禁から解放された次の年でもあります。東洋的な音階で始まりテーマもわかりやすい曲で、混沌の中から静かに解放されていくような響きを感じ、どっしりとした力強さも感じます。Sonrisa はハンコックの持ち曲で、1978年録音の ソロビアノ・アルバム「The Piano」にも収録されている曲で、リズミカルなピアノと開放的な響きが交互に繰り返され、Wayne Shorter のサックスも熱い。Memory Of Enchantment は オランダのピアニスト Michiel Borstlap(ミケル・ボルストラップ)の作品で二人の作曲以外の作品の演奏はこの曲だけです。なにしろ曲の広げ方がすごいですね。セロニアス・モンク コンベティションで最優秀作曲賞に輝いている曲だそうです。ただ4曲聴いてきましたが緊張感のある曲が続くので少し疲れます。Visitor From Nowhere は二人の共作ですが、段々と熱が入ってきます。Joanna's Theme は、次の曲 Diana とともに Wayne Shorter の Native Dancer への収録曲。前者は1974年の映画「Death Wish」のために書いた曲で、後者は、その時のアルバムに参加したパーカッションの Airto Moreira の娘にささげられた曲であるとのこと。Visitor From Somewhere は5曲目の Visitor From Nowhere と対をなす曲名がつけられています。イントロとテーマが同じで展開を変えているようです。同じ曲を演奏したら両方よかったんで名前を変えて収録したんでしょうか。Manhattan Lorelei は、少しリズミカルにジャズ調になったような気がします。 Hale-Bopp, Hip-Hop はセッション風の曲で、このぐらいの俗っぽい流れの方が安心します。
 聴き始めると正座して神妙に聴かなければならんのかな、と思わせるエモーショナルで、スピリチュアルな演奏でした。感動的ではありますが、1音1音の密度が濃すぎるような気がします。ネガティブな意味ではなく、何回か聴いて慣れたころに、もっと良さが感じられるよいな気がします🎶

piano (acoustic piano) : Herbie Hancock
soprano sax : Wayne Shorter

recorded by (assisted by) : Alvin "A-1" McGill, Darrell Smith
recorded by, engineer  : Tomoo Suzuki

producer : Herbie Hancock, Wayne Shorter
recorded at Garage Sale Studios, Los Angeles, California
tracks 1, 2, 7: Imua Music (BMI)
tracks 3, 6, 10: Hancock Music (BMI)
track 4: Pentagon via Lipservices Music (BMI)
tracks 5, 8, 9: Hancock Music (BMI)/Imua Music (BMI)

Herbie Hancock performed on a 9 foot, Model D, Steinway piano. 
Wayne Shorter performed on a Yamaha soprano saxophone.

1. Meridianne - A Wood Sylph (Wayne Shorter)
2. Aung San Suu Kyi (Wayne Shorter)
3. Sonrisa (Herbie Hancock)
4. Memory Of Enchantment (Michiel Borstlap)
5. Visitor From Nowhere (Herbie Hancock, Wayne Shorter)
6. Joanna's Theme (Herbie Hancock)
7. Diana (Wayne Shorter)
8. Visitor From Somewhere (Herbie Hancock, Wayne Shorter)
9. Manhattan Lorelei (Herbie Hancock, Wayne Shorter)
10. Hale-Bopp, Hip-Hop (Herbie Hancock)





  

2024年10月4日金曜日

Shiro Sasaki & Caoba Big Band / Peace!


 1987年リード・トランペットとして Orquesta De La Luz に加入。そのほかドリカム、B'z、浜田省吾バンド、米米クラブ、熱帯ジャズ楽団、BIG HORNS BEE、山下洋輔Special Big Band、DCPRG(ex)、Far East Jazz Emsemble等に参加する、売れっ子トランぺッターの佐々木史郎氏。 
 その佐々木史郎氏を中心に2001年に高円寺JIROKICHI のカウントダウンライブを機に結成されたビッグ・バンドが、Caoba Big Band です。メンバーは、元T-SQUAREサックス奏者、本田雅人、DIMENSIONの初代ドラマーの石川雅春、などのファンク、フュージョン、ジャズ、スタジオ等の人気ミュージシャンが集結したドリーム・ビッグ・バンド。1930年代スイング時代のダンスフロア・ビッグバンドの現代版として進化し続けています。


 それでは、レビューしていきます。やたらカッコ良い Dujii が一発目ですが、この曲は Kool and the Gang の初期の楽曲で、オリジナルに近いアレンジのファンクサウンドですが、本家よりもスピーディでカッコ良いサウンドです。Ride On こちらもファンクなフュージョンですが、拍子の置き方を変則的にしたアシッドな雰囲気な曲です。後半のテンポアップも気持ち良いです。X File は、怪しげなリフのフュージョン曲ですが、佐々木史郎氏の作曲ですから、あのアメリカのSFテレビドラマで使われている曲?訳ないですよね。でも聴いたことあるメロディーです。次いで、Peace! でテーマ曲になります。正統派にジャズファンクがビッグバンドでストレートに楽しい曲です。ブラス部隊のキュルキュルと言うキメが、楽しい曲です。ZURI ZURI 変わった名前の曲ですが、曲自体は普通で、Weather Report をわかりやすくしたような曲です。佐々木史郎のハイトーン・ソロも音数は少ないけどカッコ良かったです。キーボードの青柳誠氏の作曲。New Morning 得意のモロなラテン曲です。痺れます。細かなリズムとキメが素晴らしい。Groove Society こちらはラテンから離れて一般的に楽しい曲。曲名の通り非常にグルービーなノリです。Twilight Express 2006年4月2日から2008年3月30日までテレビでやっていたあの番組に関係あるのか?そこらへん調べるのもめんどくさいので記憶だけしときます。GO★GO 楽し気なネーミングの通り、アップテンポなビッグ・バンドな曲で、昭和の香りがメロディーに漂います。 Royal Street Blues アメリカでよくあるニューオリンズジャズ的なブラス・バンドな曲です。ただよくあるブラスバンドの演奏より洗練されています。お祭り騒ぎですね。
 熱帯ジャズよりファンクよりなビート重視、圧倒的なソロ、強烈なリズム、アレンジ等々、素晴らしくかっこよいのだが、動画などが全く見当たらないのが惜しまれます🎶🎺

trumpet:佐々木史郎、佐久間勳、小林太、五反田靖
alto Sax:本田雅人、吉田治
tenor Sax:アンディーウルフ、臼庭潤
baritone sax:山本一
keyboad:青柳誠
drums:石川雅春
bass:土井孝幸
percussion:玉木正昭
guitar:田中義人

1. Dujii (Richard Westfield)
2. Ride On (Shiro Sasaki)
3. X File (Shiro Sasaki)
4. Peace! (Shiro Sasaki)
5. ZURI ZURI (Makoto Aoyagi)
6. New Morning (Kuno Schmid, Willi Gaerthner)
7. Groove Society  (Shiro Sasaki)
8. Twilight Express  (Shiro Sasaki)
9. GO★GO  (Shiro Sasaki)
10. Royal Street Blues  (Shiro Sasaki)

Caoba Big Bandの動画は見当たりませんでした





  

2024年9月29日日曜日

Humble Souls / Thoughts & Sound Paintings


 購入動機は覚えていないが、おそらくアシッドジャズの帯がかかっていたから、ジャケ買いしたことと思われますが、それほど私の好みではありませんでした。ジャズ+ラップ+クラブ音楽、ダブのパターンです。
 ボーカルの Simon Anniky(サイモン・アニキー)とベースの Hugh Brooker(ヒュー・ブルッカー)のユニットで、このユニットでは唯一のアルバムのようです。Hugh Brooker は、Acid Jazz の Night Trains というグループの中心人物であり、ギターの Simon Bartholomew は The Brand New Heavies (BNH) のギタリストです。ジャケットの内部は斬新な白黒モノトーンの世界です。


 さて久しぶりに聴いてみるかと、音楽好きの集う「おでんバー」でかけてみましたが、皆様の反応は予想通りの今一なものでしたが、私的には、久しぶりに聴いて前よりはグンと印象が良かったので再度聴きながらのレビューです。Beads, Things & Flowers はメロディカを使用したダブで、昔は嫌いでしたが今はそんなこともないパターンです。ただ同じフレーズが延々と繰り返されるのでクラブとかでひたすら踊るには良いかもしれませんが、一人で夜聴いているのはつらい。Bridge Into The New Age は、よくあるヒップ・ホップのパターンで、リフはカッコよい感じで途中でのトランペットや、楽曲の展開は仕掛けは BNH の Simon Bartholomew のアイデアでも、あるのかなと思われる楽曲です。How Now のブラス・アンサンブルと女性ボーカルの感じは、かなりBNHなので少しうれしい感じであります。Quiet Dawn は、フワフワしながらもソウルを感じる女性ボーカル入りのかなりアシッドな路線です。Tomorrow's People の、トランペットの入れ方は私もPCで宅録するときによく使う手法で、今回聴いて相当シンパシーを感じました。Fly Away は、かなりDJ路線に戻りますので、昔だったら聞かないパターンですが、ロックな感じの部分と合わせて聴いているとかなり耳に残る楽曲です。Keys To The Power ダブのリズムと Bag's Groove のメロディーを取り入れた曲で、ジャズファンも興味を引いてしまう仕掛けが入っています。Watch My Garden Grow エレクトリックなキーボードから入り、かなりのBNHです。フルートを入れるのもBNHにあったパターンです。大好きかもしれない。Hitch Hike ロックなリフとファンクな感じも入れたラップですが、少しレッチリも感じます。Humble Soul はグループ名ですね。アコースティック・ギターで始まり、フォーク・ロック+ソウル+ラップな曲です。かなり良いかもしれません。Thoughts & Sound Paintings こちらは、テーマ曲ですね。生ドラムっぽいプログラミング・ドラムとシリアスなバッキングにホーンが斬新です。今一のような気もするけど作ってるときに気持ち良いパターンの感じが共感します。Gliding With The Moonlight エスニックな路線で最後は締めくくるようです。ヨーロッパでこのパターンがクラブでかかっていることも多いイメージがあります。女性ボーカルが最後にアクの強い歌い方になるのがエロいですね。
 なんやかんやで、聴きなおしたら結構はまりました。ヘビロテの棚には入らないかもしれないけど、たまに聞きます。多分もっと好きになるような気がします🎶

vocals : Simon Anniky, D.J.(12) , Ian Simmons, Marie Jamilla, Spider
electric piano : Cyril Maccamann
melodica : C.J. 
programmed by : James Johnstone
acoustic guitar : Antony Clark
guitar : Simon Bartholomew
bass, vocals : Hugh Brooker
sax : Ollie Moore
trumpet : Dave Priseman
flute : Edie Parker
congas : Paul Gunter

1. Beads, Things & Flowers
2. Bridge Into The New Age
3. How Now
4. Quiet Dawn
5. Tomorrow's People
6. Fly Away
7. Keys To The Power
8. Watch My Garden Grow
9. Hitch Hike (The Feeling)
10. Humble Soul
11. Thoughts & Sound Paintings
12. Gliding With The Moonlight






  

2024年9月28日土曜日

Roland La'serie - Cortijo Y Su Combo - Ismael Rivera / Danger

 

 コルティーホ楽団、イスマエル・リベーラが、このアルバム発売当時の1962年に人気だったキューバの歌手ローランド・セリエを迎えて制作したアルバムです。
 コルティーホは1950年代半ばからプエルトリコや中南米全域で活躍していて、その後のサルサに大きな影響を与えます。最初のアルバムは、真冬のニューヨークにラテン楽団がコートを着て写っているジャケットの「En New York」1959年リリース。「En New York」のほうが勢いが断然ありますが、こちら Danger のほうが親しみやすさがあります。


 最初は Moliendo Cafe(コーヒー・ルンバ)です。最初に聞いた時には、井上陽水・西田佐知子・荻野目洋子がカバーしているコーヒー・ルンバと同じとは気づきませんでしたが、何回か聞くうちに、なるほど・・そうだと気付きます。しかし最初のテーマ以降はボーカルのアドリブのようになるのでしょうか?日本人歌手との解釈の違いがあるなあと感じます。また Mentirosa Conmigo ですが、Louisiana Mama に似ているような気がします。アメリカン・ポップス の サルサ・バージョン かと思いますが、別曲でしょうか? Louisiana Mama は、1961年の Gene Pitney の楽曲で、日本でも同年に飯田久彦が歌ってヒットしています。コードとサビは何となく、それっぽいですし、このアルバム制作が1962年ということからも、それっぽいのですが調べてもよくわかりませんでした。
 サルサと言えば、日本で外人と半々のメンバーのバンドで演奏している友人がいます。彼のバンドのライブは、演奏場所は地方巡業ではローカルなライブハウスが多く客はほぼラテン系外人さん。みなさん聴きに来るのではなく踊りに来ている感じです。彼に聞いたところでは、皆さん普段はまじめに働いて酒も控えめにして、こうして週末のライブなどで踊り狂いながら発散させているとのこと。
 スペイン語の響きはこのリズムに良くなじみます。日本語で歌うサルサを聴くとなぜか昭和の香りが匂って、この躍動感は生まれませんよね。言葉の響きで感じるリズム感も変わるのは、またこの音楽の面白いところ。
 ライナーノーツによると、このアルバムの収録後コルティーホとリベラは麻薬不法所持で捕まって楽団は解散したとのこと🎶

1. Moliendo Cafe / Rock Rumba (Jose Manzo Perroni)
2. En Mi Viejo San Juan / Bolero (Noel Estrada Suarez)
3. Mentirosa Conmigo / Rock (Robert Gonzalez)
4. Severa / Guaracha (D.R)
5. Sola Y Triste  / Bolero (Aamando Valdespl)
6. Yo Te Cantare / Popurri (D.R)
7. La Maquina Y La Madama / Plena  (Robert Gonzalez)
8. Los Carretoreros / Guajira (Rafael Hernandz Marin)
9. Llorando Me Dormi / Rock (Bobby Capo)
10. El Mar De Lima / Plena (Ismael Rivera, Rafael Cortez)
11. Maria Conchita / Guaracha (Rogelio Vetez)
12. El Pescador / Guaracha (RLorenzo Barselata)
13. Di Donde Estas / GUaracha (Ismael Rivera, Rafael Cortez)



Severa


  

2024年9月27日金曜日

渡辺香津美 / To Chi Ka


 今年2024年2月に脳幹出血のため緊急搬送された渡辺香津美氏の1980年リリース作品です。渡辺香津美が何しろ若い。そして黄色で統一したジャケットはインパクト抜群。テクニカルなギターとポップに味付けされたフュージョン・サウンドで大ヒットしました。レコーディング・メンバーも海外の売れっ子ミュージシャンばかりで、世界的なギタリスト渡辺香津美の人脈の広さを感じます。録音は1980年3月4日から26日のニューヨーク。サポートメンバーとしてYMOの最初の世界ツアー参加していた「YELLOW MAGIC ORCHESTRA TRANS ATLANTIC TOUR」が1979年10月16日にロンドンで始まり、1979年11月6日にニューヨークで終了後のレコーディングです。そして、このアルバム発表後の1980年夏には、レコーディングに参加したMike Mainieri、Marcus Miller、Warren Bernhardt に Omar Hakim のバンドで日本国内の「トチカ・ツアー」が敢行されています。さらに2010年の東京JAZZでは、渡辺香津美 TOCHIKA2010 featuring TOCHIKA ALL STARS として、30年ぶりの同メンバーによる演奏が行われています。ちなみにアルバム・タイトルは、愛犬であった北海道犬の「図知華(トチカ)」に由来とのこと。


 さて、懐かしのアルバムのレビューです。このオープニングは上がります。 Liquid Fingers とてもノリの良いファンキー・フュージョンで、これぞ世界に通用するカッコよさではないでしょうか。Black Canal は、ずっしりとしたドラム、ベースに低音の単音リフから、段々と湧き上がってくるフレーズで、Michael Brecker はこの曲にはいないけど、それ系の曲です。当時の流行りのサウンドなんで Marcus Miller の味でもあるかもしれないですね。そしてタイトル曲は To Chi Ka ですが、柔らかなオベーションによるギター演奏で、Mike Mainieri のビブラホンも優しい、いかにも渡辺香津美らしい楽曲です。Cokumo Island は、向井滋春のフュージョン時代にあったようなラテンも感じる音使いが懐かしい。そして Unicorn は、売れましたね。これは若い頃の渡辺香津美の代表曲です。テーマも印象的ですがエキゾチックなスケールとアウトしたフレーズも織り交ぜながら縦横無尽のギターソロが魅力です。いやいや尖ってます。Don't Be Silly も良い曲です。雰囲気はまさに Don't Be Silly バカ言うなよって感じの砕けた感じが心地よい曲です。Sayonara は、Tony Levin のフレット・ベースがしんみりと響いてくる曲です。Manhattan Flu Dance は、渡辺香津美のこの時の得意なパターンですね。
 世界の渡辺香津美が強力メンバーで作り上げた若き日の傑作です🎶

guitar, guitar synthesizer : 渡辺香津美
rhythm guitar : Joe Caro (1,2,5,6)
keyboards : Kenny Kirkland (Keyboards 1,2,5,6/acoustic piano 2)
oberhiem, keyboards : Warren Bernhardt (Oberhiem 2,4,5,6,7 / keyboards 4,7,8)
bass : Marcus Miller (1,2,5,6)
bass : Tony Levin (fretless 4,7 / bass 8)
drums : Steve Jordan (1,2,5,6)
drums : Peter Erskin (4,7,8)
vibes : Mike Mainieri (3,5)
percussions : Sammy Figueroa (4,7)
tenor sax : Michael Brecker (4,8)

producer : Mike Mainieri

recorded & mixed by Doug Epstine at Media Sound, New York City, March 4-26, 1980

1. Liquid Fingers
2. Black Canal
3. To Chi Ka
4. Cokumo Island
5. Unicorn
6. Don't Be Silly
7. Sayonara
8. Manhattan Flu Dance

▶ 
Liquid Fingers


▶ Unicorn