2024年9月22日日曜日

Crème De La Crème Two / More Philly Soul Classics & Rarities


 札幌の桑園にあったビーバー ブックスという古本と古CDの販売店で購入したもので、ソウル系のCDの品ぞろえが良くて愛用していました。しかし桑園店は閉店してからは実店舗なくあちらこちらの即売会で異動店舗での営業を時々見かけていました。2020年のチェックでは、山鼻に実店舗も構えていらっしゃいました。現在は札幌市中央区南17条西8丁目に店舗を移転されたようです。また札幌に行った時によりたい店です。北海道出張で時間があれば最高なんですけどねえ。


 当時このお店の中古品は、帯のコメントのお勧めがとてもわかりやすく、内容が良いものは、しっかり価格が高めでした。少々高くても購入して失望することは、ほぼありませんでした。これも、そんなそんな購入の一枚で、Philly Soul がこれでもかと入ったオムニバスです。
 Philly Soul とは'70年代前半に一世を風靡したフィラデルフィア発のソウルで、ストリングスを使用した甘めのサウンドが多いのが特徴です。第2弾とのことですが、当然1枚目は持ってません。見かけたら購入しても良いのですが、遭遇する確率は相当低いと思われますので、この盤を大事に聴いていきたいと思います。



 登場アーチストの中で、知っているのは Ben E King ぐらいですね。まだまだ不勉強な分野です。そのほか Blue Magic ってグループは3曲が収録されていますが、かなり良い感じです。その他気に入ったのは、Sister Sledg / Mama Never Told Me モータウンが入った曲ですが、ボーカルの声がJacson5 ぽくて・・調べてみると、フィラデルフィア出身の黒人4姉妹のコーラス・グループです。おそらく末っ子がリードボーカルだと思いますがライブ映像ではもっと太めの声なので、幼い時の録音でしょう。またこのグループ3作目なんかは Nile Rodgers と Bernard Edwards のプロデュースですから私が知らないだけですね。それにしても1970年代のソウル・ファンクは無数の素晴らしいグループが存在しながらも消えていったものが多いのに今更ながら驚きます。
 Crème De La Crèmeは「クリームの中のクリーム」つまり最高の意とのこと🎶

1. Look Me Up (Album version) / Blue Magic
2. Pain Reliever / Sister Sledge
3. Happy Man (Pt.1) / Impact
4. Both Ends Against The Middle / Jackie Moore
5. Action Speaks Louder (Than Words) / Terry Collins
6. First Choice Theme 45 / First Choice
7. What Goes Around (Comes Around) / Black Ivory
8. When The Game Is Played On You / Bettye Swann
9. Each Morning I Wake Up / Major Harris
10. What A Man (Previously unreleased) / Jackie Moore
11. No Danger Ahead / Ben E King
12. Spinnin’ Top / Moving Violation
13. Mama Never Told Me (Tom Moulton Remix) / Sister Sledge
14. Answer To My Prayer / Blue Magic
15. Vivian’s Theme (Previously unreleased) / Vivian Reed
16. Loving You Is Mellow (Previously unreleased) / Aristocrats
17. Never Love Again / Holly Maxwell
18. Some Guys Have All The Luck / The Persuaders
19. Tired Of Being Alone (Previously unreleased) / Vivian Reed
20. You & Me (Got A Good Thing Going) / Margie Joseph & Blue Magic
21. Are You Ready For Love 45 / Spinners
22. That's The Way Love Should Feel / Dee Dee Bridgewater

Mama Never Told Me  / Sister Sledge




  

2024年9月21日土曜日

Dragon Ash / Harvest


 2003年Dragon Ash、5枚目のアルバムで、発売とそれほどタイムラグなく購入したものと記憶していますが、実はあまり聴いてはいません。当時話題となっていたバンドなので気になっていたこともあり買ってみたのですが、TVなどで見る映像ほどの良さがアルバムでは理解ができずあまり聞いてませんでした。それでも自分自身の経年変化で、聴けるようになっているかもしれないと、数年前に聞いてみたのですが、どのようなアルバムか今も覚えていないほど印象に残っていませんでした。


 あまりよく知らないので調べたことをおさらいしておきます。Harvest の意味は「収穫」で、ダンサー2人とギタリストが新たにチームに加わり、新たに復活を遂げた全ての意が「収穫=HARVEST」に表れている。リーダーは、Kj、降谷 建志のボーカル、ギターで、Dragon Ash楽曲のほとんどの作詞・作曲を担当。前妻はタレントのMEGUMI。父は俳優の古谷一行。そういえばそんなこと読んだ気がします。本作は降谷が、Dragon Ashにおける最高傑作であり、最も好きな作品と位置付けている。オリコン1位を獲得。年間で15.3億円を売上、アーティスト別売上39位にランクインなどなど、相当売れたアルバムのようです。
 で、数年ぶりにまた聴いてみますが、以前よりは聴けました。が私の心に残るほどのものは残念ながらあまりありませんでした。残念です。しかし音作りとか丁寧だしアイデアもあることは理解できるんでまた数年後に聞いたときに変わるかもしれない可能性はあるかな🎶

1. Intro
2. House Of Velocity
3. Posse In Noise
4. Revive
5. United Rhythm
6. Byakuya
7. Morrow
8. Landscape
9. Art Of Delta
10. Mob Squad (Ritmo Acelerado Rmx)
11. Episode 4
12. Massy Evolution
13. Day 6
14. Fantasista
15. Canvas
16. Gymnopedie #1
17. Harvest
18. Sukurimakori (Hidden Track)

▶  Harvest

▶ Morrow



  


2024年9月20日金曜日

濱口祐自 フロム・カツウラ 2014


 還暦を目前にしてメジャーデビューのギタリストで、私が存在をしったのは2014年のアコースティック・マガジンのインタビューでした。ちょうどその時にアコースティックギターに回帰していた時期で、youTube で動画を見て、なんと素晴らしいギターを弾く人かと感銘しての購入です。
 濱口氏のギターに対する姿勢、愛情、こだわりを、知れば知るほど、聞けばきくほど、見れば見るほど、自然体な音楽や生き方を語れるかっこいい60歳になりたいと、つくづく思いますが、最近ギターを手にしない日も多くなり、そんなかっこいい60歳にはなれそうにありません。
 濱口氏は、小学4年からギターをはじめ、東海大学体育学部時代にカントリー・ブルースにめざめ、その後、遠洋まぐろ漁船に乗り陸にあがって竹林パワーという店を開き、ギターを弾き続けています。ブルース、ラグタイム、ジャズ、クラシックと幅広く好きな音楽が自分のスタイルとされています。


 それでは、大好きな 濱口祐自 のアルバムをレビューします。ドクトル・Oのラグ は最も得意と思われるブラインド・ブレイク風のラグ・タイム。ドクトル・Oとは勝浦の隣町の新宮の大石誠のことで、貧しい人からお金を受け取らずに治療にあたりドクトル大石と呼ばれていたとのこと。エスニック・ウインドもラグ・タイムですが、名の通りエスニックな雰囲気のメロディーです。ジェロニモ 前曲よりもブルース的な音作りでありながらリズムが泥臭い曲で、エレキのスライドも多重録音されています。このような曲を延々と展開していく様々なアイデアが弾きながら即興ででてくるのがこの人のすごいところ。グノシエンヌ 1番 エリックサティのカバーです。ギターではなく古代の弦楽器を弾いているかのような響きです。おそらく、かなりの変則チューニングを施しているものと思われます。ビッグ・シティ・フェアウェル これもクラシック的な響きの味のある曲で完成されたメロディーが特徴で、ラグ・タイムだけでなく、このような曲をギター一本で作り上げてしまう達人を感じます。メドレー 秋の花びら / アメイジング・グレース きれいなギターの開放弦を使った響きの童謡のような秋の花びらから、誰もが知っているアメイジング・グレイスへつながります。様々な響きを角度からの研究は大事ですね。バンブー・ブルース 氏の愛する竹の賛歌といったところでしょうか。延々と聞いていられるのですが、これはあっさり終わります。ヘキサゴン・ブルース ライブ動画で見かけるノリの良いブルースです。ライブではテンポなども様々に演奏されている曲ですね。黒いオルフェ これも氏のギター独演の傑作で、結城貴弘の cello も入って荘厳な曲になっています。せつない香り 2分の小曲です。濱口氏はこのような引出しを無数に持っていて様々な楽曲に活かしているようです。テネシー・ワルツ これも日本人好みの有名な曲ですね。しっかりとブルースマンでありながら日本人のオジサンであることも親しみがわきます。ブルース・フロム・カツウラ 本腰を入れたブルース・ギターです。これも動画で様々なパターンの演奏を拝見しました。もう少し早めの演奏の動画は非常にスリリングでマネしたい演奏です。遠足 これも練習曲に名前をつけたのでしょうか。たくさんのバリエーションのひとつです。旗のもとに集まろう 浜風の中で遊ぶ少年たちを目を細めてみながらギターを弾いているような感じで作った感じの、平和で牧歌的な曲です。
 この人を聞いてからアコースティックへの憧れが強くなりました。何しろ生き方が音楽でわかるようなかっこよい演奏にすっかりファンです🎶

guitar : 濱口祐自
bass, percussion : 久保田麻琴
drums : 伊藤大地
cello : 結城貴弘

1. ドクトル・Oのラグ
2. エスニック・ウィンド
3. ジェロニモ
4. グノシエンヌ 1番
5. ビッグ・シティ・フェアウェル
6. メドレー 秋の花びら / アメイジング・グレース
7. バンブー・ブルース
8. ヘキサゴン・ブルース
9. 黒いオルフェ
10. せつない香り
11. テネシー・ワルツ
12. ブルース・フロム・カツウラ
13. 遠足
14. 旗のもとに集まろう





  

2024年9月15日日曜日

Jessica Lauren / Siren Song


 これは Jessica Lauren(ジェシカ・ローレン)の1994年のデビューアルバムでした。イギリスのJazz-Funk系を主とする女性キーボード奏者で、動画とかを見てるとこのアルバムよりもう少しジャズよりな感じのものが多いようです。
 程よくジャジーでファンクで、たまに聞き直して「かなりいいじゃないか」と思っては、何回か聞いてその良さを確認しながらも、しばらくすると存在を忘れてしまう少し幸が薄い不思議な魅力?のアルバムです。フュージョンやアシッドを中心に集めてた時のコレクションなんで、購入から20年くらいは経っていると思われます。
 改めて参加ミュージシャン見てたらギタリストの Tony Remy の名前もあります。ブラコン系にジャズ的なギターをトッピングしたアシッド系のサウンドで自身のアルバム Boof! 、Incognito Eleven に参加など。さらにベースの Stuart Zender も気になって調べたら Jamiroquai の Travelling Without Moving に参加。サックスの Ed Jones は Incognito のサックスでした。好きな音だと思っていたらやはりでした。


 なるほど、私がアシッド系に凝った時期を懐古させてくれる一枚。再度聴きながら楽しくなってきます。アシッド・ジャズ系の音作りなんだけど昔風のフュージョンぽさもありブラスの使い方もまさに私のツボであります。さてレビューです。Leo Rises 日本の超絶テクバンドフュージョン Aribaba かと思いましたが、バッキングだけが似ていました。ひたすらファンクな Jessica Lauren のクラビのバッキングに Chris Bowden のサックスがウネウネとソロを続ける大好きなパターンです。Fire Monkey は、またブラス・アンサンブルが楽しい日本のフュージョンバンド風で、こんな作風が昔流行っていました。学生時代に戻ったようでな感じが懐かしい。ピアノでスキャットもよし、ソロ一発目がトロンボーンも良いですね。その後のトランペットのハイトーン・ソロも素晴らしい。Siren Song タイトル曲は静かにアシッドなベースから始まり、エレピで怪しげなテーマが演奏され、Ragga のソウル風ボーカルで味付けです。When You Call My Name バラードで ボーカルは Ragga 聞き取れないくらいのささやき系で最初入ってますが、ほぼインスト曲でジャムのような感じです。エンディングでもささやきが聴けます。Serengeti は、インコグ的なインストで Stuart Zender の、ベースラインはそれ系です。ここでも Ingrid Mansfield-Allman のボーカルは歌詞無しで楽器的な使い方ですね。Just A Dream ラテンなナンバーで、これも日本っぽい。Juliet Roberts のボーカルがメインですが、これも日本人が好みな感じがとても良し。Dance For Lotte これもラテンですが、松岡直哉が好きだったんでしょうか。とてもそんな雰囲気です。Dangerous Curves ラテンのリズム続きです。ジャズフォーマットに近いフュージョンで、非常に馴染みやすい感じです。最後にどんな曲を持ってくるのかで、作り手の趣味がわかります。Freefall は、フュージョン的なジャムセッションです。
 基本、好きな部類に昔から属しておりヘビロテです。楽曲自体の作りこみよりノリ重視なところがまた良いです🎶

Jessica Lauren / electric piano (1, 3 to 9), acoustic piano (2, 6), oberheim OB8 (3)
roland JV80 (3, 5), clavinet (1, 5)
guitar : Jeremy Shaw (7), Tony Remy (1, 4, 6)
bass : Graham Silbiger (1, 4, 8), Nick Tideman (3, 6, 7, 9), Stuart Zender (5)
drums : Frank Tontoh (1, 8), Nick van Gelder (2 to 7, 9)
percussion : Jessica Palin (5), Thomas Dyani (1 to 4, 6 to 8)
Ed Jones / alto sax (5), soprano sax (3), tenor sax(8, 9), flute (7)
alto sax : Chris Bowden (1, 2, 4, 6 to 9)
tenor saxophone : Scott Hamilton (2, 4, 7, 9)
trumpet : Claude Deppa (2, 4, 6, 8, 9)
trombone : Andy Rogers (2, 4, 7, 9)
vibraphone : Orphy Robinson (4)
vocals : Juliet Roberts (6), Ragga (3, 4)
backing vocals : Ingrid Mansfield-Allman (5)

producer : Stuart Baker
recorded at Falconer Studios 1994

1. Leo Rises
2. Fire Monkey
3. Siren Song
4. When You Call My Name
5. Serengeti
6. Just A Dream
7. Dance For Lotte
8. Dangerous Curves
9. Freefall






  

2024年9月14日土曜日

Jaco Pastorius / Word Of Mouth


 これはジャコがウェザー・リポートに在籍中の1980年に録音したジャコ自身がリーダーとしては2作目のソロ・アルバム。このアルバム制作にはいろいろと裏話(今となっては表ですが)があります。このアルバム「Word Of Mouth」の制作の契約発売のレーベルは Warner Bros(ワーナー・ブラザーズ)1枚目のデビュー作「Jaco Pastorius(ジャコパストリアスの肖像)」は Epic Records (エピック)で、当時加入していたしていた Weather Report(ウェザー・リポート)のレーベルである Columbia(コロムビア)にはこのジャコのソロ制作の印象は裏切り行為のように映り印象は当然良くありませんでした。
 ワーナーは、話題のジャコのアルバム制作なので期待もあり、ロサンゼルス交響楽団から31人を雇って「John And Mary」「Three Views Of A Secret」に9,000ドルかけたが、ボツにしてその中から7人を選んで9回のオーバーダブで63人編成に仕上げなおしたり、ニューヨーク、ロサンゼルス、フロリダとあちこちで録音しオーバーダブで仕上げるなど予定した予算を大幅にオーバーしたとのこと。制作サイドにはかなりの迷惑をかけているようで、雑誌インタビュー記事などからは、このアルバムの制作の構想はかなりの前からあったことは間違いないですが、ウェザー・リポート加入での名声と成功、ドラッグと酒に侵されたジャコの正常な金銭感覚は失われてたようで、制作サイドも翻弄されていたようです。
 発売の結果、評論家の間では評判は良く日本ではゴールド・ディスクを獲得。しかしアメリカでは5万枚の売り上げだけで終わり、ワーナーの目論見は大誤算の結果となりました。



 音楽好きの集う「おでんバー」では評判の悪いジャコですが、自宅では思いっきり聴けますので、久しぶりに聴きながらのレビューです。Crisis 混沌とした楽曲になっていますが、それもそのはず。参加ミュージシャンたちは、互いの音を聴かずにパストリアスのベース・トラックに合わせて演奏したトラックを、ミキシング時に重ね合わせたからです。ある意味フリージャズのようなエネルギーの塊りとなっています。アンサンブルをコラージュしたフリージャズのような熱気のある仕上がりになっている。3 Views of a Secret ジャコの代表曲の一つでもあります。Weather Report でも演奏されていた曲です。Toots Thielemans のハーモニカがとても効果的で印象的です。ジャコがおかしくなってしまってからも、Toots Thielemans は、この曲をあちこちのライブで吹いていてくれているほど気にいってくれているようです。Liberty City このビッグ・バンドでの演奏を念頭に置いて書かれた曲です。ジャコによるホーン・アレンジもしっかりと構想を練ったものです。リズム楽器なしの最初のホーン部隊のイントロはノリよく、イントロが終わるとジャコのフレットレスを活かしたフレーズとパーカッション、ジャコの愛するスチールドラムもしっかりと脇を固めていますし、Toots Thielemans もしっかりとオブリガード。アコースティックピアノは、Herbie Hancock しか弾いていないようなので、このピアノはハンコックですね。今更発見です。Chromatic Fantasy は、バッハのチェロのための練習曲を自身のベース運指の練習曲としていたパストリアスの録音です。左手の運指と右手のピチカートによる壮絶なテクニックで、後半は組曲のように曲が付けられています。Blackbird 学生時代に最後のあるアルペジオのようなベースを猛練習、破壊的なベースソロまでもコピーしようとしていたベーシストがいたのを思いだします。メロディ・パートはToots Thielemans が又も大活躍です。続いてはロックのようなディストーションをかけた Word of Mouth です。最初はジャコのソロで後半からエンディングにかけてはビッグ・バンドによる演奏となります。ジャコはこの前半ソロをファンサービスと思ってやりだすと、いかれてしまう時もあったようで、ドンドン過激な演出になっていったようです。John and Mary は、ジャコの2人の子供の ジョンとメアリーの笑い声や歌声がちりばめられていたり、お父さんの歌声も録音されている曲で、Wayne Shorter のソプラノ・サックスも花を添えています。いかれたオヤジさんでしたが子煩悩ではあったようです。
 録音内容としては秩序のあるフリージャズのような Crisis で幕開けするこのアルバムは、聴いていると情熱的であり、何かの情景が浮かびそうな美しさ、幻想的であり、せつなさもあり荒々しさもある素晴らしい作品ですが、Warner としては Weather Report 級の売り上げを期待していたのでしょう。十分良いアルバムではありますが、ジャズ・ビッグバンドの形式では購入層もウェザー・リポートで取り込んでいたアメリカのロック世代の若年層には響かなかったということ。その意味では音楽性のほかセールスのセンスにも優れた Weather Reort は偉大なバンドであることもわかります🎶

horn & string arrangements, electric bass, synthesizer : Jaco Pastorius
conductor, String Arrangement : Michael Gibbs

【Basic Tracks】
harmonica : Toots Thielemans
drums : Jack DeJohnette, Peter Erskine
acoustic piano : Herbie Hancock
keyboads : Richard Hilton, Tim Devine
lyricon : Tom Scott
percussion : Bruno Castellucci, Don Alias, Robert Thomas, Jr. 
steel drums : Leroy Williams, Othello Molineaux, Paul Horn-Muller
trumpet : Bob Findley, Chuck Findley, David Weiss, Snooky Young)
flugelhorn : Warren Luening
tromborne : Charles Loper, James E. Pugh, Lew McCreary
trombone, tuba : David Bargeron
bass trombone : Bill Reichenbach, David Taylor
french horn : Brad Warnaar, John Clark, Peter Gordon
tuba : Tommy Johnson
tuba, bass horn : Roger Bobo
piccolo, flute : James M. Walker
soprano alto flutre : Hubert Laws
sax : George Young
soprano sax : Wayne Shorter
tenor sax : Michael Brecker
baritone sax : Howard Johnson
basoon : David Breinenthal
【Strings】
conductor : Jules Chaikin
violin, cocert master : Gerald Vinci
violin : Stuart Canin, William Hymanson
viola : Denyse Buffum
double bass : Arni Egilsson, Bruce Bransby
【vocalist】
Alfie Silas, Edie Lehmann, Jim Gilstrap, John & Mary Pastorius, John Lehman, Marti McCall,Myrna Matthews,Petsye Powell,Zedric Turnbough,
【unknown】
Allan Harshman,David Duke,Deborah Sabusawa,Dennis Karmazyn,Harvey Michael,Schaps,Jeff Reynolds,Jerry Hudgins,Mike Butcher,Ray Kelley,Ricky Schultz,Robert Cowart,Russell Schmitt,Simon Levy

1. Crisis (Jaco Pastorius)
2. 3 Views Of A Secret (Jaco Pastorius)
3. Liberty City (Jaco Pastorius)
4. Chromatic Fantasy (Johann Sebastian Bach)
5. Blackbird (Lennon-McCartney)
6. Word Of Mouth (Jaco Pastorius)
7. John And Mary (Jaco Pastorius)

Crisis




  

2024年9月13日金曜日

The Bonnie Raitt Collection


 女性ながら様々なブルース・セッションなどでお見かけする方で、女性スライドギターの草分け的存在として知られています。実際私もスライド・ギターを練習していた時には動画などは参考に見させていただいていました。これは、そんなスライドを練習している時代に札幌の中古屋のCDワゴンで見かけたときに購入と記憶しています。
 1949年生まれのギタリストでありシンガー。1971年からブルース、ロック、フォーク、カントリーの要素を取り入れた音楽で、多数のアルバムをリリースし続けて評論家からは評判が良かったものの、セールス的にはほとんど成功していませんでした。しかし1989年アルバムの Nick of Time がヒットし、Luck of the Draw (1991年)と続けてヒットが出ます。Longing in their Hearts (1994年)に至っては数百万枚をセールスし、グラミー賞もこれまでに10回受賞の大御所。このアルバムに収録の曲は、不遇の時代の Warner Brothers 1971年~1986年のアルバムからのセレクションで、ライナーノーツには、ご本人の解説、思い出が掲載されている丁寧なつくりのコレクション・アルバムとなっています。


 1stアルバム Bonni Raitt は、4トラックのレコーダーを使って行われ、ジュニア・ウェルズ、そしてサックスのA.C. リードのブルースが参加し、濃厚なブルースですが声が若いです。2ndアルバム Give It Up のミュージシャンはフリーボ(ベース、チューバ、ギター)エリック・カズ でカバーと自作で構成されています。Give It Up Or Let Me Go はスライドのイントロから始まるカントリー・ブルース、Under The Falling Sky はサザンロック風など多彩。3rdの Takin' My Time リトル・フィートのメンバーが参加し、このアルバムの Guilty はソウル・バラードで味わい深い歌声。Streetlights の Angel From Montgomery は、John Prine のカバーのカントリー・ブルース。Home Plate の Sugar Mama まで来るとバンド・サウンドもだいぶリッチになってきていてエリック・クラプトン風のブルース・ロックがカッコ良い。The Glow では更にコマーシャルなロック・サウンド。Nine Lives では、レゲエの True Love Is Hard To Find なんかも収録されていて、売れ線のライトなロック調の No Way To Treat A Lady まで収録されていますが、こうやって聴いてくると売れ線はつまらなく感じてしまいます。と、ここまで来て1stの歌声と比較すると初々しい歌声が、貫録あるミュージシャンへと進化してきたことがよくわかります。ファンというほどでもないので、こうやって年代を追って変化を聴けるアルバムは面白い🎶

1. Finest Lovin' Man /  Bonnie Raitt (1971)
2. Give It Up Or Let Me Go / Give It Up (1972)
3. Women Be Wise / Bonnie Raitt (1971)
4. Under The Falling Sky / Give It Up (1972)
5. Love Me Like A Man / Give It Up (1972)
6. Love Has No Pride / Give It Up (1972)
7. I Feel The Same / Give It Up (1972)
8. Guilty / Takin' My Time (1973)
9. Angel From Montgomery / Streetlights (1974)
10. What Is Success / Streetlights (1974)
11. My First Night Alone Without You / Home Plate (1975)
12. Sugar Mama / Home Plate (1975)
13. Louise / Sweet Forgiveness (1977)
14. About To Make Me Leave Home / Sweet Forgiveness (1977)
15. Runaway / Sweet Forgiveness (1977)
16. The Glow / The Glow (1979)
17. (Goin') Wild For You Baby / The Glow (1979)
18. Willya Wontcha / Green Light (1982)
19. True Love Is Hard To Find / Nine Lives (1986)
20. No Way To Treat A Lady / Nine Lives (1986)





  

2024年9月12日木曜日

黒い性・白い性 Black / White SEX グレース・ハルセル


 1972年に発刊された、米国ジャーナリストで大統領報道担当官も務めた
グレースハルセルのリポートです。
 自らの肌を黒く染めた女性ジャーナリストの話は、TVドキュメントを昔見たことがありますので、おそらくこの人のことだったのかと思われます
 TVでの印象はそれほど強くなく、変わった人もいるもんだぐらいにしか思っていませんでした。
 しかし、このころのアメリカは
1963年 キング牧師のワシントン行進
1965年 ベトナム戦争本格化
1968年 キング牧師殺害
 著者は未だ人種差別の残る社会で生きてきた人です。おそらくセックスのことも女性が大っぴらに話をするのもタブーだった時代に、人種差別を切る観点でこの著を出版するのは相当なエネルギーと決意があったことと思います。
 著書の中身は、セックスの角度から歴史観点からの宗教、黒人から見た白人、白人から見た黒人、など、テーマは複雑な話題です。最初は、興味津々で読み始めました。しかし、色々な迷信や考え方、生き方があるとは思うものの、理解するは、かなり難解な内容でした。
「著名な学者などの他人の言葉」と「登場人物の言葉」「著者の考え」が交錯しているため
これは偏見だと他人が言っているのか、登場人物がそう思っているのかが解らなくなるのも難解な要因です。さらに外国文学の訳書にありがちな比喩が長いことや、文章のセンテンスが長すぎて何を言っているのかさっぱり?に近いものでもありました。
 しかし、黒人白人抜きで色々な環境に、おかれている人のセックス観が書かれていることは興味深い作品ではあります。今では中々手に入らない著作でしょう。
 出版はサイマル出版会で、1998に廃業しているが、理論・人間・問題・話題・外国語
にカテゴリー分けして出版している尖った出版社だったようです。これはB980なので、当時980円での販売であったようです。🎶


  

2024年9月8日日曜日

Yousuke Onuma / Jam Ka 2.5 The Tokyo Session


 グアドゥループの民族音楽“グォッカ”をジャズに取り入れたプロジェクトの「Jam Ka」。2010年発表の「Jam Ka」は、ニューヨークにて録音、 2016年の「Jam ka Deux」は、パリでした。今作は、東京録音のライブ盤。2017年 Jam ka Deux ツアー最終日の翌日スタジオに入り、ライヴ・セッション形式で一発録りしたアルバムです。
 タイトルの 数字 ですが、楽曲がライブを重ねることで進化することを確信し、ツアー後にアルバム曲の進化したバージョンを記録したいと思ったことによるスタジオ・ライヴ。ツアーで次の可能性を見せるためなど、過渡期の作品と位置づけての2.5としたとのこと。
 メンバーは、Jam KaJam ka Deux でも参加していたベースの Reggie Washington、Ka やドラムを担当の Arnaud Doimenm、Olivier Juste、ピアノの Gregory Privat など、ほぼ同じメンバーでの録音です。

 

 

 それでは、レビューです。Moai’s Tihaiは、Jam Ka Deux の収録曲で少し早めで、リズムはより現代的なアレンジで、Reggie Washington のベースはファンクしていて小沼氏のギターも歪み強めです。初心者にもとっつき易い曲ですね。Flyway は一枚目の Jam Ka からの収録曲。元曲よりも、Ka のリズムをより強くした演奏となっています。小沼のギターの音も元の曲は爽やかなトーンであったものを、少しモコモコさせたりして表情をよりつけています。Beyond the Sea / Le Bonheur は Jam Ka Deux の収録曲でもありますが、よりフリーなピアノイントロとなっています。Le Bonheur はまた違うテーマで Gregory Privat 作曲ですので Jam Ka Deux とはほぼ違う曲になっています。Gradation Part 4 は、ka奏者と小沼の完全即興演奏となっています。Jam Ka で Part1,2、Deux でPart3、そしてこのアルバムで Part 4 となっています。会話している演奏なのがよくわかる演奏です。The Elements これも Jam Ka Deux の収録曲ですが、元の曲のアレンジも凝っていましたが、こちらの方がバンドらしいグルーブが良く表れている重厚な演奏になっています。
 こちらのスタジオセッションの方が、やりたいこと、やってきたことが凝縮されているんでしょう。直感的にバンド演奏を楽しめる内容となっております🎶

guitar : Yosuke Onuma
keyboad , piano : Gregory Privat
bass : Reggie Washington
ka ,drums : Arnaud Doimen , Olivier Juste

1. Moai’s Tihai
2. Flyway
3. Beyond the Sea / Le Bonheur
4. Gradation Part 4
5. The Elements