先日は、ディスコサウンド時代の Future Shock を懐かしんで聴いていたら、かなり脂ギッシュだったので口直しにジャズ時代の若い頃を聴いています。18年前の録音とはいえ余りの落差に同じ人とは思えません。さて、このアルバムのタイトル「Empyrean Isles」は古代宇宙論でいうところの 「天空の島」 、ギリシャ語が語源で「火と光の世界」だそうで、何やら難しくも謎めいたアルバム名です。1964年、Herbie Hancock は24歳のリーダー4作目です。1963年から始まる第2期のマイルス・デイビス黄金クインテットから、Wayne Shorter、Miles Davis が抜けて、ベース Ron Carter、ドラム Anthony Williams のリズム隊がそのまま、コルネットで Freddie Hubbard が加わった形です。
コルネットという楽器に馴染みなく聴いている分には、ほぼ管楽器奏者でない私にとってはトランペットと区別はつきません。ググって見ると形状も、ほぼトランペットと思いきや、比較してみればトランペットよりズングリしています。管の巻きの数が多いので管長は同じでもコルネットの方が楽器が小型になるとのこと。音としては、倍音はトランペットの方が多いようです。
それでは、再度聴きながらレビューです。One Finger Snap は、モードを使ったナンバーで、ひたすら吹きまくる Freddie Hubbard のコルネットから始まります。こういった突っ走る系は聴いていてスリリングで楽しいです。Oliloqui Valley は爽やかなナンバーですが、これもコードをモード的に処理する手法です。オーソドックスに聴こえながらも非常に力の入った演奏かと思います。Cantaloupe Island は、私には全くロックに聞こえませんが、ジャズ・ロックと言われるタイプの曲です。ここら辺からハービーの音楽に対するアプローチがファンク路線に行く伏線にあたるのでしょう。かなり有名な曲で、あちことで演奏されていますが、本アルバムが最初の録音のようです。The Egg は、一つのモードとパターンが繰り返されていく中で、次第に変わっていくモチーフが抽象的で印象的な作品です普通のジャズの形ではなく斬新な試みを施しているのが、聞き流しているだけでは気づけなかったことが再度の聴き直しではわかります。最後で、このアルバムの一番の長尺でした。
ジャケット・デザインが、写真をモノクロにして色付けする手法ですので!と思いみて観ると、やはり Reid Miles でした。ここら辺でも楽しめますね🎵
piano : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Anthony Williams
cornet : Freddie Hubbard
design (cover) : Reid Miles
recorded by : Rudy Van Gelder
producer : Alfred Lion
recorded on June 17, 1964.
1. One Finger Snap
2. Oliloqui Valley
3. Cantaloupe Island
4. The Egg
2. Oliloqui Valley
3. Cantaloupe Island
4. The Egg
5. One Finger Snap [Alternate Take]
6. Oliloqui Valley [Alternate Take]
▶ The Egg