2021年3月24日水曜日
本日のCD Kemuri ♪ Alive the tracks from the last tour ”our PMA 1995-2007”
ノルウェイの森と10のオマージュ 兼松 光
実は村上春樹の作品でもっとも有名な「ノルウェイの森」を読んでいません。唯一読んだことがあるのはエッセイの「意味がなければスイングはない」で、これは村上春樹の独特の音楽観がうまく書かれていて結構面白かったのです。なので古本屋で見かけた、このCDブックにはふと足を止めてしまいました。帯を見たらチック・コリアも参加してるらしい。作者の「兼松 光」とは何者なのか知らないけど古本なんで安いし、せっかくなんで聞いてみることにしました。
作者の「兼松 光」は名古屋出身の音楽プロデューサーであり作詞家。海外では「flash(光)」で呼ばれているとのこと。 Kanematsu。ちなみにflashの名付け親はのピーター・バラカン氏です。大学卒業後は現在のシンコーミュージック・エンタテイメントに入社し、その過程でプロデューサーとなった人です。1978年にはフリーランスとして独立し、(株)フラッシュ・ミュージックし、キングレコードにプロデューサーズ・レーベル「フラッシュ・ミュージック・レコーズ」を作た人とのこと。設立の翌年には村上春樹の小説「ノルウェイの森」をイメージした海外録音企画アルバム「ノルウェーの森」(LAワークショップ)、「ノルウェーの森Ⅱ」(LAワークショップ with ニューヨーカー) を制作したのがこの本のネタ元です。アルバムを購入した人がこの本を買うことが前提なのか、アルバムについてはあまり詳しく書かれていなかったので、なぜこの本が作られたのか調べて理解するのに多少時間がかかってしまいました。
さて本題ですが、本作はそのプロデューサーの立場から村上春樹の「ノルウェイの森」をオマージュした作品を製作しようとした動機、またその立場での制作過程のミュージシャンとのやり取りなどが書かれています。面白いのはプロデューサーというのは企画を立てて、予算を組み(売上予測も当然するのでしょう)、予算に合わせたミュージシャンとの交渉を行い、スタジオなどのスケジューリングをして音楽を製作していく過程が書かれていることで、私のような食品会社のサラリーマンが企画をたてて商品開発して売っていくのと基本的には工程や考えは一緒であることも興味深かったです。しかしアメリカの音楽業界はミュージシャンは全くの仕事で金と時間をきっちりと決めてのビジネスとして音楽制作をドライにやっている裏側を知って、アメリカの一流ミュージシャンを使うということはこういうもんなんだなと感心しました。もう少しギャランティレベルの低いミュージシャンたちはどうなのか?なんてことも気になります。
CD収録曲については、本を読みながら聞くにはちょうど良い感じで、マイケル・ブレッカー参加のOn Slow Boat To China、カーティス・フラーのFive Spot After Dark が良い感じです。
話の中には、チック・コリア、マイケル・ブレッカー、ロン・カーター、ジェベッタ・スチール、ポール・ジャクソンJr、デビッド・ガーフィールド、ルイス・ナッシュ、ゲイリー・ミーク、ジェフ・ローバー、ケニー・ランキン、ジェフ・ポーカロ、リチャード・ティー、エリック・ゲイル 等々が登場します
収録曲は
1. On Slow Boat To China
2. Norwegian Wood
3. South Of The Border
4. Five Spot After Dark
2021年3月23日火曜日
本日のCD Nat King Cole ♪ Nature Boy
2021年3月22日月曜日
本日のCD Brian Melvin Featuring Jaco Pastorius ♪ Jazz Street Last Recording
2021年3月21日日曜日
本日のCD George Benson ♪ In Concert Carnegie Hall
2021年3月20日土曜日
本日のCD Zachary Breaux ♪ Groovin'
2021年3月19日金曜日
本日のCD Eric Dunbar ♪ Free Way
2021年3月16日火曜日
本日のCD John Coltrane ♪ Blue Train
君の膵臓を食べたい 住野よる
住野よるの作品を読んだのは「よるのばけもの」でした。ほんとの「ばけもの」の話なんですが「ばけもの」は怖くない「ばけものより人間の方が怖い」「無意識の行動って怖いもんだな」などなど非常に考えさせられることが多かった作品でした。
そして題名だけは知っていた2015年のデビュー作は、おそらく半年以上前に買ってあってやっと読み始めました。文体は「よるのばけもの」と同じで、本の題名からしても、そっち系の話かなと思っていたら、ちっともそちらのほうへ話はいかず、どうやら青春ものっぽい。
軽快に読み進めていましたが、途中で、これはシリアスな展開に最後はなるんだろうなと気づきます。予想は間違ってはいませんでしたが、これほどまでに感情を揺さぶられるとは思っていませんでした。
私は通勤や移動の電車、そして帰宅前に電車を降りてからドトールで珈琲を飲みながら本を読みます。今回も少しづつ読み進めてドトールの珈琲で少しほろ苦くなるところでやめて帰宅しました。しかし気になってしまい寝ころびながら読み進めると、別に悲しくない普通の話なのに、なんだか涙が少し涙が出てきます。そして途中から一気に涙と鼻水が溢れてきてしまい、最後まで一気に読み切りました。切りどころが悪かったら電車の中で泣いている「変なおじさん」になるところでした。歳をとると涙もろくなるとはいえ、危ない本ですね。
これから読む人のためにネタバレはせぬように細かいところは書きませぬので、未読の方はぜひ読んでください。読み手の性別、年齢の適合性はなく読める本であると思います。
2021年3月15日月曜日
本日のCD Weather Report / Mr Gone
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