「マラソン・セッション・シリーズ」を揃えようと思いはじめ購入した最後のCDです。マイルスは、Prestige Records からColumbia Recordsへの移籍にあたり1956年5月11日と10月26日の2回のセッションをおこない、そこから Prestige は合わせて4枚のアルバムを作成し1枚づつ発売し、日本では「マラソン・セッション」と呼ばれています。順を追うと57年「Cookin'」58年「Relaxin'」60年「Workin'」61年「Steamin'」 なので順番には購入ではなかったです。ちなみに Relaxin' に収録の曲は全て2回目の10月26日の録音となっていて、慣れてきたせいもあってか軽快で聴きやすい楽曲が多く演奏されています。セッションの中でも人気があると言われる Cookin' 収録曲の演奏もこの10月セッションとなっています。
さてRelaxin' ですが、他のアルバムにはないスタジオ内の会話が収録された箇所があります。 そこから伝わる“リラックス”した雰囲気が特徴がアルバム名の元となっているとか、噂はありますが本当かどうかは不明とされています。音量を上げないとわかりませんが確かに If I Were A Bell の前でボソボソ言っていて、私には聞き取れませんでしたが「演奏してみて曲名が何かはあとで言うよ」と言っているらしいです。するとイントロは Red Garland がピアノで学校のチャイムのメロディーを弾き、そこから始まります。全てワンテイクでの一発勝負の録音ということですが、テーマも含めたすべてが即興とは思えないので特定のメンバーにだけ言っているんだとは思いますがどうなんでしょう。続いて You're My Everything ではイントロをシングルトーンで弾き始めた Red Garland をMiles がヒュッと口笛を吹いて止める。 Miles が「ブロック・コードで弾いて」と言うと Red Garland がガツンとピアノを弾き始める。 これはかなりクールな瞬間です。 Woody'n Youでは演奏終了後に「OK?」どうやら誰かがダメ出しをしたようで直ぐに「Why?」。 その後で「・・Beer・・」だけ聞こえるのですがビールの栓抜きはどこだ? とコルトレーンが言っているとのこと。 確かに最後までリラックスした録音のようです。
演奏的には Oleo が一番のお気に入りで、Miles が出だしを誘導するとリハーサルっぽくピアノとベースが入ってきてドラムは様子を見るように休む。コルトレーンのソロで煽られるようにドラムが入ってくる。 ここでぐっと来てからドラムが何回も休んでベースの Chambers だけがリズムを刻んで Miles や Coltrane、Garland と絡んでいく流れはスリリングでとても心地良いですね。
このアルバム聞き直しながら細部の確認していたら楽しくなってきましたので、再度4作全部を聴けば発見が、またあるかもしれません🎶
trumpet : Miles Davis
tenor sax : John Coltrane
piano : Red Garland
bass : Paul Chambers
drum : Philly Joe Jones
Record Company – Prestige Records Inc.
Recorded At – Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey
Recorded on May 11, 1956 and October 23, 1956
1. If I Were A Bell (Frank Loesser)
2. You're My Everything (Harry Warren, Joe Young, Mort Dixon)
3. I Could Write A Book (Rodgers & Hart)
4. Oleo (Sonny Rollins)
5. It Could Happen To You (Jimmy Van Heusen And Johnny Burke)
6. Woody'n You (Dizzy Gillespie)
▶ Oleo