こんなアルバムは最初の曲のイントロを聴いた時から「すごく好き」なアルバムに分類されてしまいます。レトロな雰囲気のジャズ喫茶で煮詰まった珈琲を飲みながら、本を読んでいるふりをしながら、目を閉じて実は音楽しか聴いていないなんてシチュエーションが似合うアルバムです。ワンホーンで吹かれるおおらかでゆったりとしたテナーを伝統的なジャズのイディオムを用いてモブレーが歌っています。おそらく非常に多くのテナー・サックス・プレイヤーが教科書のようにしているはずです。
絶賛の Soul Station は1960年の録音で、ピアノ Wynton Kelly、ベース Paul Chambers、ドラム Art Blakey とお馴染みのメンツは最強の布陣です。 Wynton Kelly、 Paul Chambers とは、このアルバムを皮切りに1961年までに4作を録音しています。この年の終わりにフレディ・ハバードを加えたRoll Call、翌年1961年にはドラムはフィリー・ジョー・ジョーンズに交代、グラント・グリーンを加えたWork Out、Another Work Out です。楽しみですが買い物リスト増えてしまって収拾がつかないですね。
しかしテナー奏者としてHank Mobley は、いまいち注目度は低いとされているようでマイルス・デイビス・クインテットの Someday My Prince Will Come に参加した時にコルトレーンと共演したときに知名度はあがったもののコルトレーンとの比較で「モブレーいまいち」の評価がついてしまったとのことで日本では全く売れず「幻の名盤」となってしまっていたとのことでもったいない。まあ競争ではないのですが相手が悪かった。
しかしながら最初に絶賛したようにこのアルバムでは Remember では暖かい音色と、落ち着いたフレーズのオープニングから始まり Dig Dis や Soul Station のような流れるようなブルージーなオリジナル、そしてアップ・テンポのナンバー This I Dig of You や Split Feelin's など、じっくりと聴きたい構成となっています。まろやかテナーも悪くない🎵
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