そしてモンクのソロ。ラウンド・ミットナイトの出だしで、この音源は聴いたことがあるような録音だと、マスターと二人とも同意してこの盤をかけ終わった後でYouTube検索してみましたが、どうやら記憶違いのようで悩みながら一杯。1954年作品だったので初期のモンク作品でした。このあと直ぐに1957年の Himself をかけてみたのですが、全く違います。やはり Himself の方がかなり流暢に弾かれています。初期の音数の少ない素朴さはそれはそれで良いのですからモンクに乾杯です🍻
改めてメンバーはHank Mobley(ts), Donald Byrd, Lee Morgan(tp), Horace Silver(p), Paul Chambers(b), Charlie Pership(ds) とトランぺッターを2人配置しています。サックスの調子は基本テナーとソプラノはB♭、トランペットも同じくB♭です。通常は管楽器は調子の違う楽器でバンドを編成することによってアンサンブルを構成するのですが、あえて同じB♭3管編成は珍しい発想です。ライナー・ノーツでは「そのような音域の制限から、クローズド・ボイシングと、ユニゾンのメロディライン、3度を使った3声のボイシングを取り入れた」と書いてあります。楽器をやらない人には何のこっちゃで、楽器をやる人はフーンと思っていただけるのかと思います。
収録曲は、なんと4曲という割と1曲が長めのアルバムです。1曲目の Touch And Go は騒がしいファンファーレ風のイントロとブレイクがウルトラQみたいな怪獣が出てきそうな感じで始まります。テーマには簡潔な3音のラテン風味のフレーズが使われていて、Horace Silver の切り込み隊長からエキサイティングなソロ、続いては Lee Morgan 18歳にしては早熟な演奏は相変わらず。続いてはモブレーのソロはアダルトに控えめに始めて段々と饒舌になり、Donald Byrd の鋭きソロに引き継いで、Paul Chambers のよくあるアルコ・ソロ、Charlie Persipドラム・ソロは簡潔にまとめてます。そこからはトランぺッター二人の乱れうちです。続いて Double Whammy も明るいテーマの曲ですが少しアダルト。ソロ回しはMobley→Morgan→Byrd→Silver→テーマ→Persip、 そしてまたもや Byrd⇔Morgan の合戦で、うん楽しい。Barrel Of Funk はミディアムテンポのスイング。今度のソロ回しは、Byrd→Mobley→Morgan。Silver のピアノソロは管のソロの後の良い休息になっていて好感。 Mobleymania は曲名に自己愛を感じる明るめのテーマの楽曲。Mobley のこのアルバムでの作曲はこの雰囲気での一貫性を感じます。ここでは Morgan のソロから始まり、今までの演奏で体がほぐれてきたかのように全体的に流れるように流暢なプレイが繰り広げられる熱気あふれる演奏です。
「曲は古臭いけどギターの音は適度にギラギラしてフレーズも現代的なとこもあるなあ」となり「余裕でギター弾いて、わざとたどたどしく弾いたりフレーズとか遊んでるしサービス精神旺盛ですな」そして「このノリは、ピアノのあの人に似てるんじゃね?」などと思い始める。 ピアニストのあの人はニューオリンズのブルース・ピアニストの「Professor Longhair」です。と思って調べてみるとやはりこの人もニューオリンズを拠点に活動していたギタリスト、音楽キャリアとしては1951年~1958年の短い間で肺炎で死去しています。Professor Longhair は1949年初レコーディングで1964年ぐらいまでが最盛期で、1975年のポール・マッカートニーが彼をクイーン・メアリー号船上のプライベート・パーティーの演奏「Live On The Queen Mary」あたりで復活の人。やはり活動の盛期は被っています。
もともとはゴスペル・シンガーで1950年のデビューから後にブルース・シンガーに移行して、ギターとアンプを100メートル以上のコードで繋ぎで、観客の間を演奏して歩くなどのパフォーマンスで人気だったようで、このアルバムには収録されていませんが 「Feeling Sad」を発表、そして1953年に Ray Charles がピアニストして参加し、タイトル曲の「Things That I Used To Do」がリリースされR&Bチャートで14週連続1位の記録の大ヒットとなります。 がカバーするこれを機に大躍進と言いたいところですが、ヒットが出ずにレコード会社の移籍や契約解除が続いたとのことです。でもこの大ヒットしたタイトル曲は、ブルース旧大御所にもカバーされブルース・スタンダードのひとつとなっています。
このアルバムからギターにエイドリアン・スミスが加入して前作以上にハードでヘヴィなサウンド。インストナンバーのオープニング The Ides Of March はマーチのリズムでヘビーメタルは斬新でした。続くWrathchild の開放弦を利用したベースリフは最高です。Murders In The Rue Morgue は「エルム街の悪夢」と訳されていたが何故ここで婉曲な表現の必要であるのか? Another Life の曲展開は天才的、Genghis Khan はハードロックのお手本のようで、 Innocent Exile は ボーカル Paul Di'Anno 吠え方が最高で、Killers のドラマチックな展開、Prodigal Son でハードだけが売りではないセンスを見せつけ、Purgatory でツインギターならではのカッコよさ、Drifter のギターのみイントロから曲に入ってのパンク的な激しいリズムは思わず頭が動く。などと捨て曲がなくて、これほどまでに全ての曲に思い入れがあるアルバムはそうはありません。
ボブマーレイのベスト盤シリーズの一枚目で、このシリーズで4枚出ていたものを購入しています。シリーズでは「Volume One - Stir It Up」「Volume Two - Riding High」「Volume 3 - Soul Shakedown Party」「Volume four - Stir It Up」と識別しています。何故識別と書いたかと言うと、どこかのレーベルがかなり適当につくっていると思われるからで、名前や表記がバラバラでかなり面白いことなっているのでに識別という言葉を使いました。
まず、このシリーズの中身ですが、CD裏に曲が書いてあるだけのペラペラの紙が入っているだけの、あっさりとした作り。ジャケ写にはこの盤ではよくジャケットを見ると「Volume One」の表記ですが 「Stir It Up」 の記載はありません。シリーズ全部見てみると3枚目だけ Volume 3 のアルファベットではない「数字」表記となっています。何故 「Stir It Up」と識別しているかと言えば、ハードディスクに落とす際に、ジャケットに書いていない Stir It Up というディスク名が現れたからです。Volume four ではディスク名が Stir It Up と1枚目と同じ名前になっているのも、かなり愛嬌があります。
ネット検索でも Bob Marley Volume One、Bob Marley Collection ではヒットせず、Bob Marley Stir It Up で検索ヒットしました。しかし検索では、亜種が数種類存在していてジャケット写真が異なっているものがあり収録曲も異なっているものがあったり実に多種多様です。
とにかく、Pファンクのメンバーが盛り上がっていた1977年のツアーの録音で、ライブコンセプトはスペースオペラSFで、リーダー、ジョージ・クリントンがスペースシップから1曲目で登場、途中で観客総動員でマザーシップを召還。こちらはそんなライブを見ることもできなくて聴くしかないのですが、観客の熱狂が伝わってきて会場で死人でも出ているのではないか?失神者は何人だ?と思わせるほど大いに盛り上がるライブだが、このアルバムの演奏者にいる Eddie Hazel、Bootsy Collins は実際にはライブに参加していなくてオーバーダブとスタジオ収録での参加であるらしい・・とのことだが、噂ばかりでどれがどうなっているのかは実際は不明。
さて話がとびとびになったので収録曲に戻りますが、ハイライトは「Mothership Connection」でマザーシップを呼び込む大合唱、そして「Swing Down,Sweet Chariot」ではグレンがゴスペル丸出しで会場を教会に変える。バック・ヴォーカルもグレンを盛り立てる。曲の最後にマザーシップの轟音は着陸です。Dr. Funkensteinではクリントンがマザーシップのステップを降りてきて観客はまたも盛り上がる。後半は熱いソロ合戦で Gamin' On Ya! のドラムは手数が多すぎて字余りになってしまったり演奏者も大興奮。ラストの Night Of The Thumpasorus People でマザーシップを見送る「ガガクガっ」のバックコーラスと掛け声で最高潮になり録音レベルは振り切れています。
vocals : Calvin Simon, Debbie Wright, Fuzzy Haskins, Garry Shider, George Clinton, Glen Goins, Grady Thomas, Jeanette Washington, Ray Davis
backing vocals : Dawn Silva, Gary Mudbone Cooper, Lynn Mabry
bass : Bootsy Collins, Cordell Mosson
drums, percussion : Jerome Brailey
guitar : Eddie Hazel, Garry Shider, Glen Goins, Michael Hampton
horns : Fred Wesley, Maceo Parker, Richard Griffith, Rick Gardner
keyboards, synthesizer : Bernie Worrell
producer : George Clinton
recorded live at the Los Angeles Forum, January 19 1977 & The Oakland Coliseum, January 21 1977 except 4, 9 recorded at Hollywood Sound (Los Angeles) & United Sound (Detroit) studios.
1. P-Funk (Wants To Get Funked Up)
2. Dr. Funkentstein's Supergroovalisticprosifunkstication Medley
小曽根真のトリオ演奏もきちんと聴くことは無かったんですが、No Strings Attached なんかはセンスの良いジャズブルースで結構良いかもしれません。また Dear Oscar はその曲名通りの Oscar Peterson への思いを込めた曲なのでしょう。流れるような繊細なアドリブが気持ち良い曲で、本物の演奏も2曲が選曲されていますが、バラード1曲ビッグバンドの歌物1曲。またピアニストの選曲らしく、ビル・エバンスもしっとりとした2曲を入れて小曽根真の好きなビル・エバンスはこれなのかと理解。Elis Regina は良く聴く可愛らしいボサノバなのですが曲名は知りませんでした。Michael Brecker では、かなり人とは違うことを意識した選曲なのではないでしょうか。
リトル・ウォルターは、シカゴ・ブルースでハーモニカをアンプリファイドさせた奏法を定着させた人です。ギターのアンプを歪ませたオーバー・ドライブ・サウンドをブルース・ハープに応用して、そのサウンドを武器に Chicago Blues 界に激しくてアーバンなノリの良い Blues を持ち込みました。発表した自身のリーダーアルバムは1964年~1970年で5枚、存命中は3枚と少ないですが数々のセッションでその音は記録されています。
最近わかったんですが、ベースのWillie Dixon はこの時代に派閥を形成しているようで数々のアルバムに顔を出しています。このアルバムでもベースが参加する曲は全て Willie Dixon がベースを弾いています。リズム隊としては ギターの Dave Myers と Louis Myers の兄弟ギターはお手本のようなブルースギターで ドラムのFred Below との息もあっていて素晴らしく、基本的にタイトな演奏は彼らに任せてギタリストがディストーション・ギターであばれる役目を Little Walter が定番パターンのようです。
米国に古くから伝わるTraditional Gospel Song「This Train」をWillie Dixonが改作した「My Babe」は最高にかっこよく、これが始まると心躍ります。そしてトラディショナルなロック・ブルース「You're So Fine」デビュー・シングルのヒット・ナンバー「Juke」はテーマ部分のトリッキーなところが気分良い名曲。スイングするインスト「Off The Wall」定番「Tell Me Mamma」はロカ風2ビートのドラムのカツンカツンに乗せて軽いとこが良い
しかし彼は1960年代以降は、人種分離や差別に挫折、また作曲によるロイヤリティをジェイ・ミラーに搾取され、音楽業界に懐疑的になり20年間ほどは肉体労働などに従事して過ごしていました。そういった訳で一度現場から離れるも、後年になってからザ・キンクスによる「I’m A Lover, Not A Fighter」のカバーやファビュラス・サンダーバーズなどのバンドが彼の楽曲をカヴァーしたことで、キング・スネイクやアリゲーターといったレーベルが再び注目され、再び活動を再開し1988年に本アルバム「Harp & Soul」を発表となりました。