2025年2月19日水曜日

Big Mountain / Unity


 アルバム購入当時も、ジャズ・フュージョン系を聴いていたので、普段はそちら系を聞いていたのですが、当時レゲエブームだったこともあり、関西の寝屋川で行われていたレゲエ野外フェスに、友人と毎年参加していたので、出演バンドのアルバムを事前購入して予習していたものの一枚。
 Big Mountain(ビッグ・マウンテン)は1991年にカリフォルニアのサンディエゴで結成されたバンドで、前身は、Rainbow Warriors(レインボー・ウォリアーズ)なるプロレスのような、いかつい名前でした。改名したバンド名も大物感ある名前ですが、いかつい音楽ではなく、若干ポップな感じがするのがこのバンドの持ち味かと思います。懐かしい音源ではありますが、現代の音楽に耳馴れした人でも、それほど古臭いとは思わずに聴けるサウンドかと思います。
 寝屋川での野外フェスでは、ほぼ酒を煽りに行っていたようなものなので肝心の演奏がどうだったかは、記憶にありませんが盛り上がっていたことは間違いないです。



 さて、懐かしのアルバムを再度聴きながらレビューしていきましょう。Fruitful Days ボブ・マーリー・タイプのレゲエで好きなヤツです。クセの強い英語がカッコ良く聞こえます。ブラスが入っていますがライナーに書かれてはいないのでキーボードでしょうか。ライブでは、そう少しチープなブラス音がキーボードで入ってる気がします。Border Town これも、緩いテンポの昔タイプで踊れなくてもリズムに身を任せるだけで気持ち良い横揺れが気持ち良い曲です。Upful & Right 完璧なコーラスの弾き語りフォークで、このバンドの実力を見せつけてくれます。Sweet Sensual Love ベースとドラムは打ち込みでした。気にしなければわかりませんが、確かにノリ的にはのっぺらしてるのかも知れません。I Would Find A Way かなりポップ路線でレゲエ的なリズムは隠し味程度です。こんな曲も混ぜてくるのがこのバンドのすごいとことですかね。Tengo Ganas ポップなメロディー、スパニッシュなギターのオブリガードで、レゲエのリズム。で、きっちり聴かせる。やっぱりすごいバンドだったんだなと思います。Baby, I Love Your Way そして、これが大ヒット曲ですね。Peter Frampton のカバーで、映画 Reality Bitesサントラに使われていたとのことですが、おそらく映画はマイナーで、Peter Frampton はバカ売れしていたものと思われます。原曲も聴き直しましたが、凄いフォークな感じですね。こちらのレゲエ・バージョンの方が頭に入りぱなしで忘れてました。改めて聴いても情感たっぷりのボーカル。元曲が好きなギタリストたちが参加したと思われる様々ギターの入れ方、ホーン部隊も入れて、かなりの大曲です。 Young Revolutionaries 大曲の後のギターとのデュオは聴く人に効きますね。仕掛けまでも素晴らしいです。Revolution ウォークマンに入ってるのをずっと聴いていて、ボブ・マーリーの曲と勘違いしていました。作曲者は Quino になってますね。Time Has Come ダブっぽい感じの古くないタイプのレゲエですかね。Big Mountain バンド名の曲なのでド派手なヤツが来るかと思ってましたが、素朴な曲でした。こんな曲があったことも忘れていましたが、よく聴くと味わい深いです。キーボードなどはプログラミングでしょうか。記載がありませんでした。Baby, Te Quero Ati (Spanish Version) 、Un Sensual Amor (Spanish Version)全世界で最も話されている言語はスペイン語と聞いたことがあるような気がします。そして、このリズムと音は外人の女の子がいるお酒が飲める場所に行くとマストなパターンですね。
 レゲエって反戦歌とか、哀しい歌のイメージあります。改めて聞いてもアレンジは非常にポップで、それっぽい曲名は、Border Town ぐらいです。でもアルバムの名前は Unity ですね。どうなんだろうな(深追いはしません)🎶

1. Fruitful Days / Brett Fovargue, James McWhinney, Quino
lead vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney, Shani Harriott
keyboards : Billy Stoll
guitar : Tony Chin
bass : Lynn Copeland
drums : Lance Rhodes
producer : Bruce Caplin, Quino

2. Border Town / Lance Rhodes, Quino
lead vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney, Shani Harriott
keyboards : Billy Stoll
guitar : Tony Chin
bass : Lynn Copeland
drums : Lance Rhodes
producer : Quino

3. Upful & Right / James McWhinney, Quino
lead vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney, Shani Harriott
guitar : Adam Lipanski
producer : Bruce Caplin, Quino

4. Sweet Sensual Love / Quino 
lead vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney, Shani Harriott
guitar : Tony Chin
bass, keyboards, programmed by : Kevin Flournoy
drum programming : Tony Moore
timbales, bongos : Nengue
Producer : Kevin Flournoy

5. I Would Find A Way / Diane Warren
lead vocals : Quino
backing vocals : Alex Brown, Jackie Gouche, James McWhinney, Khris Kellow, Monalisa Young, Quino, Shani Harriott
rap (rap vocal) : James McWhinney
keyboards, synth (bass) : Khris Kellow
organ : Jim Cox
guitar : Dean Parks, Paul Jackson Jr., Tony Chin, Waddy Wachtel
bass : Freddie Washington
drums : Ed Greene
percussion : Luis Conte
producer : Steve Lindsley

6. Tengo Ganas / Lance Rhodes, Quino
lead vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney, Shani Harriott
electric guitar : Tony Chin
Acoustic Guitar – Django Porter
bass, keyboards, programmed by : Kevin Flournoy
drum programming : Tony Moore
congas : Lengue
Saxophone – Brandon Fields
producer : Kevin Flournoy

7. Baby, I Love Your Way / Peter Frampton
lead bvcals, backing vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney
arranged by (rhythm track arrangement), programmed by, keyboards : Aaron Zigman
guitar (Duarte Eddy) : Ron Fair
guitar (Skank) : Tony Chin
acoustic guitar : John Goux
bass : Abraham Laboriel
drums : Abraham Laboriel Jr., John Robinson
percussion : Steve Forman
alto sax : Warren Hill
trombone : Bill Reichenbach
trumpet : Jerry Hey
flute, tenor sax : Larry Williams
programmed by (additional programming) : Erik Hansen
producer, arranged by, Recorded by : Ron Fair

8. Young Revolutionaries / Quino
lead vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney, Shani Harriott
guitar : Dean Parks
producer : Bruce Caplin, Quino

9. Revolution / Quino
vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney, Shani Harriott, Tony Chin
keyboards : Billy Stoll
guitar : Tony Chin
lead guitar : Jimmy Dale
bass : Lynn Copeland
drums, percussion : Lance Rhodes
producer : Bruce Caplin, Quino

10. Time Has Come / Lynn Copeland, Quino
lead vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney
keyboards : Billy Stoll
guitar : Tony Chin
bass : Lynn Copeland
drums : Lance Rhodes
producer : Lynn Copeland

11. Big Mountain / Jerome Cruz, Quino
lead vocals : Quino
backing vocals : James McWhinney, Shani Harriott
acoustic guitar : Calvin Banks
producer : Bruce Caplin, Quino

12. Baby, Te Quero Ati (Spanish Version)
mixed by : Tom Lord-Alge
producer, arranged by, recorded by : Ron Fair
translated by (spanish lyrics) : Giancarlo Cruz, Jose

13. Un Sensual Amor (Spanish Version)
translated by (spanish lyrics) : Eddie Arias, Pietro Carlos






  

2025年2月18日火曜日

Lazy Lester / Harp & Soul


 レイジー・レスターはルイジアナ生まれのブルース・ハーピストで、このアルバムはユルい雰囲気のロッキン・ブルースやカントリー・ブルース。ルイジアナあたりのこの地方のブルースには独特な味があり、この手のブルースは「スワンプ・ブルース」と呼ばれてます。
 本作は長い間ブランクのあった彼の復帰作です。1933年生まれで本名は Leslie Johnson。1950年代の半ば頃から、地元ルイジアナのブルース・ファンの間で注目を集めるようになった。ある日ライトニン・スリムとのセッションでレギュラーのハーピストの代理を務めたことがきっかけとなりソロ作をレコーディング。その際プロデューサーのジェイ・ミラーは彼のリラックスした演奏スタイルから、彼のステージ・ネームを「Lazy Lester」と名付けてプロのキャリアはスタートします。彼はセッション・プレイヤーとして、スリム・ハーポやジョニー・ウィンターといったアーティストたちの作品にも引っ張りだこで、ジョニー・ウィンターの1961年の初期のセッションにその名を刻んでいます。
 しかし彼は1960年代以降は、人種分離や差別に挫折、また作曲によるロイヤリティをジェイ・ミラーに搾取され、音楽業界に懐疑的になり20年間ほどは肉体労働などに従事して過ごしていました。そういった訳で一度現場から離れるも、後年になってからザ・キンクスによる「I’m A Lover, Not A Fighter」のカバーやファビュラス・サンダーバーズなどのバンドが彼の楽曲をカヴァーしたことで、キング・スネイクやアリゲーターといったレーベルが再び注目され、再び活動を再開し1988年に本アルバム「Harp & Soul」を発表となりました。


 演奏スタイルとしては、お気楽で舌っ足らずな発音の歌い方で、コブシを効かせた歌い方はせずにお気楽な感じです。ハープも当然上手いんですが決して技巧派ではなく、長い間ブルースをやってきた年輪を感じさせる音が好感です。ギター・ソロも、かなりカッコ良いタイプです。
 それではレビューしていきます。I Done Gone Over It シャカシャカと軽快なリズムのドラムのロック・ブルースです。ライトで気負わないリラックスした演奏は、このバンドの円熟味を感じます。Take Me In Your Arms 2曲目はバラードで、ゆったりとしたラブソングのようです。レスターのブルース・ハープも、ほのぼのとしていて草原の中でオジサンが気持ちよく歌っているかのよう。I'm Your Man ブルースマンが良くやる名曲です。ズシズシくるリズムですが、マディ・ウォーターズとかより、やはり軽量。重いヤツが好きな人には物足りないかも。でも演奏はうまい。Patrol Wagon Blues 伝統的なパターンのブルースですね。patrol wagon とは囚人を運ぶ護送車。なるほどそういう歌なので、のんきな感じは少な目です。Dark End Of The Street フォーク・ブルースっていうんですかね。ほのぼのっぽい曲調です。Raining In My Heart 続く曲も前曲と似たような曲調です。田舎っぽくて古き良きアメリカって感じが良い。ギターの音色がキュンときます。Bye Bye Baby 大好きなブギーです。ノリ良しですが他のブルースレジェンドより迫力は少な目の軽量級は否めない。Bloodstains On The Wall ほのぼのブルースですが、少し悪ぶって歌ってますね。良いですよ。Alligator Shuffle 曲名通りのシャッフル・ブギー。インストで、かなりカッコ良い。Five Long Years ゆっくり目のゆったりブルース。本来はこの人向きではないような気もしますが、良い出来で気に入りました。
 ホンワカ系のノスタルジックな曲の方が、この人の持ち味は出るような気がします。バンドの演奏とのバランスは非常に良いですが、個人的にはガシガシしたブルースの方が好きかも🎶

harmonica, vocals : Lazy Lester
piano : Lucky Peterson, Teo Leyasmeyer
bass : Bob Greenlee
guitar : Ernie Lancaster, Kenny Neal, Pete Carr, Robert "Town Crier" Thomas
Kenny Neal
drums : Denny Best, , Floyd Miles
Washboard : Fred Reif

producer : Bob Greenlee

1. I Done Gone Over It / Jones, Blackwood
2. Take Me In Your Arms / Johnson
3. I'm Your Man / Mc Daniel
4. Patrol Wagon Blues / Miller
5. Dark End Of The Street / Penn & Moman
6. Raining In My Heart / Moore & West
7. Bye Bye Baby / Johnson & West
8. Bloodstains On The Wall / Patt
9. Alligator Shuffle /  Johnson
10. Five Long Years / Boyd





  

2025年2月17日月曜日

Orquesta De La Luz / Somos Diferentes


 私が、サルサをはじめとするラテン音楽を聴くようになったのは、学生時代のジャズ研仲間が、サルサのバンドを組んでいたのが始まりでした。この音楽は、本来は踊るのが前提の音楽だと思いますが、私全く踊れないので聞く専門です。
 以前に、外国大使館の建国記念日に夜通しサルサ・パーティが開催されるとのこと。ここに友人が外国人とともに組んでいた出演するというので、見に行きますと、おばあちゃんが若者に負けず、サルサで楽しそうに踊っているのを見て、やはりダンス音楽なのだと再確認するととに、おばあちゃんのカッコ良さに感動、俺も踊れたらと一瞬思いましたが、実践はしていません。


 友人は、本格的にやっていたのですが、私は学生時代の最後ぐらいから影響を受けて聞き始めた入門としては、当時勢いのあった、このオルケスタ・デ・ラ・ルスでした。泥臭さがなくて複雑なリズムと緻密なホーンセクションで、スペイン語なんてわからんけど、その響きも素敵で、日本語の曲もあったりしましたし、原宿のクロコダイルで見たライブはキラキラとしていたことを覚えています。


 Somos Diferentes とは「サルサ新時代」の意で、オルケスタ・デ・ラ・ルスは本場ラテンアメリカでもヒットを飛ばしたバンド。日本でもサルサ・ブームを巻き起こし、TVの特集なども組まれ、様々な日本人ラテン・バンドが結成され、まさに当時の流行「サルサ新時代」を自ら作っていったバンドでした。そんなサルサの熱気も段々と冷めていき、今では若干マイナー音楽となっちまいました。
 次のブームがまた来るのはいつ来るのでしょうか?ブームでなくても、私はずっと聞いてますけどね🎶


vocals, chorus : Nora
vocals, chorus, percussion, congas, bongos : Carlos Kanno
piano, synthesizer, chorus : Satoru Shionoya
bass : Hiroshi Sawada
timbales : Yoshiro Suzuki
congas : Gen Date
bongos : Yuichi Nakagawa

trombone : Hideaki Nakaji, Taisei Aoki
trumpet : Shigeru Terauchi, Yoshihito Fukumoto
trumpet, mellophone, flugelhorn – Shiro Sasaki

Guest
alto sax : Masato Honda (5), Yoshinari Takegami (5)
tenor sax :  Masakuni Takeno (5)
baritone sax : Dairo Miyamoto (5)
chorus, synthesizer,  synthesizer bass : Sergio George (3, 7)
strings : Aska Strings (3, 4)

producer : Orquesta De La Luz, Sergio George
recorded by : Akio Oguri

1. Amor de Secreto / Nora
2. Salsa con Sabor (Album Mix) / Nora
3. Somos Diferentes / Pablo D. Ruiz
4. Soy Esa Mujer (Album Version) /  Carlos Kanno, Nora, Sergio George
5. 恋に死ぬ~マンボ・デ・ラ・ルス (Album Version) / Shiro Sasaki
6. Dime que te pasa (Album Mix) / Satoru Shionoya
7. Hazme Sonar / Sergio George
8. Seven De Septiembre / Shiro Sasaki
9. Salsa y Control / Jose Lebron





  

2025年2月16日日曜日

A Tribute To Curtis Mayfield / People Get Ready


 カーティスが亡くなる6年前の1993年リリースのトリビュート・アルバムで、発売時カーティスは未だご存命でした。なんでこのアルバムが作られたかと言えば、1990年にコンサート会場で、照明機器の落下事故で首を骨折し半身不随となったため、その激励のためのアルバムです。


 カーティスは、1942年にシカゴで生まれました。その町で幼いころからゴスペルに親しみ10代半ばから教会で歌っていたと言われています。その時期にインプレッションズのメンバーと出会い、1957年にグループ結成。最初の頃は For Your Precious Love でヒットを飛ばしたが、その後3年間もヒット曲に恵まれず、ABC-パラマウントと1961年に契約し、11. Gypsy Woman を発売し久しぶりのヒット。そして1963年に 6. It`s All Right がヒットし、1964年に黒人の誇りの応援歌 Keep On Pushing がヒット。1965年、4. People Get Ready がヒットは連発されています。これらは当時の黒人差別への批判であり、社会的・政治的な意識を当時の社会に変革を求める歌となっていることも大きな特徴であるかと思われます。1. Um, Um, Um, Um, Um, Um はカーティスが作り1963年に Major Lance が歌ってヒットさせた曲であり、2. He Will Break Your Heart は、1960年の Jerry Butler & The Impressions のヒット曲、3. Choice Of Colours は、1969年の Impressions でのヒット。5. Got A Right To Cry は、調べたけれどわかりませんでした。7. We People Who Are Darker Than Blue は、1970年のカーティスのソロ。8. I Gotta Keep On Moving は、1964年の Impressions、9. You Must Believe Me も同様の1964年、10. I'm So Proud は、1963年の Impression でした。
 他でも書いたことがありますが、私の幼少期の母が歌ってくれる子守歌は Impressions でした。意味も解らず聴いていましたが、歌詞が音として頭の中に残っていて大人になってから聴いて、これかだったのかと懐かしさもあります🎶

1. Um, Um, Um, Um, Um, Um
Don Covay & Angela Strehli
2. He Will Break Your Heart
Delbert McClinton 
3. Choice Of Colours
Jerry Butler
4. People Get Ready
David Sanborn & Jonathan Sanborn
5. Got A Right To Cry
Angela Strehli
6. It`s All Right
Huey Lewis & The News
7. We People Who Are Darker Than Blue
Michael Hill & Vernon Reid
8. I Gotta Keep On Moving
Bunny Wailer
9. You Must Believe Me
Don Covay
10. I'm So Proud
Steve Cropper & Lani Groves
11. Gypsy Woman
Kim Wilson




  

2025年2月15日土曜日

Ragtime Crazy / The Best Of Ragtime Blues Guitar


 ラグタイム・ブルース・ギターがわんさかです。全22曲の充実のクレイジーな1枚です。超有名どころは、ブラインド・ボーイフラー、ブラインド・ブレイク、チャーリー・パットンなど含め、チキンウイルスン&スキーターヒントン、ベイレスローズ、ウイリーウォーカー、ブラインドウイリーマクテル、カーリーヴィーヴァー、シルベスターウィーバー、カーヴァーボーイズ、などなど知らない人もいっぱい居ます。
 ラグタイムは、もともとピアノ中心の音楽であり、ベース音の流れとメロディーをギター一台で表現するのは大変です。それを同時に弾く曲芸のような演奏を6弦しかないギターで発展させたのがラグタイム・ギターなのです。
 もともと私もラグタイムを聴いていたわけではありません。趣味のギターでアコースティック・ブルースでもやろうかと、日本人フィンガーピッカーのバイブルと思われる内田十紀夫の教則本で練習していたら、先人の話と練習曲がわんさかでてきます。しかし原曲はちっとも聴いていないと、たまに戦前ブルースやラグタイムのアルバムを勉強用に購入しています。ただ惹きつけられるものが、どれほどあるかと言えば原曲よりは現代人のギタリストが youtube 等で演奏されている動画の方に感動を覚える方が多いです。

Country Blues Guitar 打田十紀夫
 
 
Ragtime Guitar 打田十紀夫

 改めて、この時代のギターを聴くと、結構ストローク気味に弾きながら当てる弦を変えながらラフに弾いていると思われるものも多いように感じます。現代に近い細かい芸を披露してくれるのは、Bayless Rose、Curley Weaver、William Moore あたり。Blind Blake は歌も含め、現代に近く録音もきちっとしてます。Blind Boy Fuller はエンターテイメント性も高い。さすが名手です。
 慣れてくれば即興でもできるようになると、教則本やプロは書いていますが、私にはまだまだ即興は遠い世界であります🎶

1. Rag,Mama,Rag - Blind Boy Fuller
2. Piccolo Rag - Blind Boy Fuller
3. Jitterbug Rag - Blind Boy Fuller
4. D.C.Rag - Chicken Wilson & Skeeter Hinton
5. Jamestown Exhibition - Bayless Rose
6. Black Dog Blues - Bayless Rose
7. South Carolina Rag - Willie Walker
8. Mama,Let Me Scoop For You - Blind Willie McTell
9. Georgia Rag - Blind Willie McTell
10. Tricks Ain't Walking No More - Curley Weaver
11. I'm Busy And You Can't Come In - Sylvester Weaver
12. Guiter Rag - Sylvester Weaver
13. Wang Wang Harmonica Blues - Carver Boys(feat.Joshua White)
14. Shake It And Break It (But Don't Let It Fall Mama) - Charley Patton
15. Barbershop Rag - William Moore
16. One Way Gal - William Moore
17. Ragtime Crazy - William Moore
18. Ragtime Millionaire - William Moore
19. Blind Arthur's Breakdown - Blind Blake
20. Diddie Wa Diddie - Blind Blake
21. Dry Bone Shuffle - Blind Blake
22. Shake It Baby - Blind Boy Fuller





  

2025年2月14日金曜日

Miles davis / My Funny Valentine in Concert

 

 先に聴いた「Four & More」は超高速バップに圧倒されました。そこで知ったのが、このアルバムと実は対であること。このアルバムに収録の「My Funny Valentine」はあまりにも有名なので聞いたことがありますが、アルバム一枚を聴いたことは多分ジャズ喫茶とかであったような、無かったような曖昧な記憶です。このアルバムは、1964年ニューヨークのリンカーン・センターのフィルハーモニック・ホールで行われた2公演の一部で、バラードを「My Funny Valentine」に高速バップは「Four & More」の2枚に収録され「静」と「動」として対をなす傑作とされていると言われています。


 最近トランぺッターのアルバムが好きで好んで聴いていますが、演奏はできないのでテクニックについては詳しくは知りませんでが、トランペットにはビブラートを付ける奏法と付けない奏法があることは最近「小川隆夫著のマイルス・デイビスの真実」のマイルスが高校時代に教わったエルウッド・ブキャナンから教わったくだりで知り、なるほど、そう思って聞くとマイルスの音はまっすぐです。改めて聴く「My Funny Valentine」は緊張感のあるイントロから始まる15分で、マイルスのハーフトーン、ノンビブラートはめちゃくちゃかっこ良い響きで、支えるメンバーの演奏もやはり決まっています。その中でもこのアルバムでもマイルスを除く花形はやはりハンコックに聞こえます。ハンコックのピアノは、エレガントなクラシックっぽい響きは瑞々しくこのアルバムではぴか一目立ってます。そして「All of You」はイントロからマイルスのミュート・トランペットの表現力」の豊かさに耳を奪われます。続くGeorge Colemanのテナーは、ゆっくりとよく考えながら心から染み出すような音がマイルスと対比的で、曲としても演奏に説得力があるこれまた好演。「Stella by Starlight」もマイルスのソロは攻撃的で挑発的です。序盤途中で雄叫びを上げる観客がいますが既に序盤で感極まってのこと、それぐらい深く響く。「All Blues」については、リズムセクションの丁寧さとマイルスのミュートプレイの妙から始まり、ミュートを外し解き放たれたマイルスの力強さの対比が良くて迫力ある。「All of You」では思慮深いソロパターンはテナーのコールマンだったが、この曲ではハンコックに引き継がれてからコールマンへと渡される。「I Thought about You」はマイルスの作曲で自身の考える世界が自由に表現され展開する。単調なようで微妙な抑揚が感じられます。
 このアルバムも最初に聴いた時には、世で言われるほど名アルバムなのか理解できませんでしたが、聴きこむにつれて発見も多く、この構成やパワーは古くささに色あせるようなものではない深いものを感じました。参りました。「Four & More」と対で、愛聴させていただきます🎶
 
trumpet : Miles Davis
tenor sax : George Coleman
piano : Herbie Hancock
double bass : Ron Carter
drums : Tony Williams

producer : Teo Macero
recorded at Lincoln Center "Philharmonic Hall", NYC on February 12, 1964.

1. My Funny Valentine
2. All of You
3. Stella by Starlight
4. All Blues
5. I Thought about You





  

2025年2月13日木曜日

Boston Horns / Funkafized


 この手のファンク・バンドを買い続けてもキリがないぐらいアメリカのファンク・バンドの層は分厚いと感じます。その名の通り、ボストンを拠点に活動する重量級ファンクバンドです。このバンドは購入して気に入ったので、Givin' up Food for Drink (2008) も後に購入のハズレがまずないだろうと言うことが想定される安心・安全な演奏力の高いバンドです。
 T.O.P.よりも重量を感じるホーン・アンサンブルで、タイトなリズム隊。キャッチーで陽気なファンク・グルーブを備えています。


 ボストン・ホーンズは、ヘビー・メタル・バンド“エクストリーム“のサポートなどで活躍していたユニット、”ヘヴィ・メタル・ホーンズ”のメンバーだったギャレット・サヴルク(tp)とヘンリー・ダグラス・Jr(sax)の二人が中心となり、1999年に結成された。とのこと。結構な実力派であり、メジャー・シーンにも出演しているのに、宣材の写真などには余りお金をかけていないし、メンバーの服装も極めて一般的なカジュアルなものであり、サウンドとのギャップはかなり感じます。アルバムジャケットは凝ったデザインではありますが、、。T.O.P. も、そうですが大所帯のブラス・ファンク・バンドは維持費が大変なようです。


 それではレビューしていきます。Funkafized タイトル曲が先頭にくるタイプのアルバム。気合が最初から入ります。キャッチーなT.O.P. タイプのインスト・ファンクで、ライブとかでも頭に持ってくるタイプですね。Garret Savluk のペットがカッコ良いです。Sing a Simple song は、モロに Sly & the Family Stone のカバーで、Nephrokl がリードボーカルですかね。太い声は Kit Holliday でこの声だけ参加です。モロコピですがギターソロだけ現代風です。PFWB 今までは煽りでしたが、ここで落ち着いた大人のジャズ・ファンク。Dipper Mouth ブラス・バンド風なドラム・ソロと思ったらホーン・アンサンブルも結構それで、ニューオリンズ風ブラスバンドによくあるやつです。実に様々な一面を見せてくれてゴリゴリのテクニックだけでないところがこのバンドの魅力でもあります。Remember who you are もスライ・ナンバーのカバーで、Back On The Right Track に収録されていた曲で一時引退状態にあったスライの復帰作です。Nasty Riders ここでまたアーバン・ソウルとジャズ・ファンクが融合したようなインストに戻ります。Big Alice ジャズ・ベーシストの、チャールズ・ミンガスの1973年のアルバム「ミンガス・ムーヴス」のレコーディング・セッションで録音されながらも、当時は発表されず、1993年にCD化されたときにボーナス・トラックとして収録されたというレアなナンバーですが、ファンクチューンされています。最後は Dipper Mouth (reprise) で先の曲はブラス・バンドでしたが、これは完全にブラス・バンドで、ドラム・ベース抜きのブラスと陽気な生コーラス。
 本編はここで終了で、ボーナストラックは Ain't Nothing to it ソウライブやレタスでホーンの賛歌をしていた Sam Kininger が参加しています。続いて Blues For Ben、Dyno-Mite の2曲が収録。
 そして別の CD が付いていて1曲だけ収録されています。CDのデータには曲名は Holy Of Holies 演奏者は Jennifer Crawford とあります。曲はゆるーい南国的な調子のファンクで、熱いところはあまりないワンコード。ジャケット、ライナーノーツにも記載はないプレゼントみたいなもんでしょうか。得した・・のかな・・🎶

lead vocal : Nephrokl
keyboad : Jeremy Parker
guitar : Jeff Buckridge
bass : Dave Walker
drums : Peter Mact Lean
sax : Henley Douglas
sax : Dan Abreu
trumpet : Garret Savluk
trombone : Squantch

alto sax : Sam Kininger (9)
background vocals : Kit Holliday (2)
tuba : Joseph Wright (8)
percussion : Amado Rodriguez

1. Funkafized / Garret Savluk
2. Sing a Simple song / S.Stewart
3. PFWB / Garret Savluk
4. Dipper Mouth / Herbie Mann
5. Remember who you are / S.Stewart, H.Banks
6. Nasty Riders / Garret Savluk
7. Big Alice / Don Pullen
8. Dipper Mouth (reprise) / Herbie Mann

【Bonus Tracks】
9. Ain't Nothing to it feat.Sam Kininger / H.Douglas jr.,  G.Savluk, M.Rush
10. Blues For Ben / Luca Frederickson
11. Dyno-Mite (Instlumental Version) / Garret Savluk





  

2025年2月12日水曜日

New Jersey Kings / Party To The Bus Stop


 マイルスの On The Corner をオマージュしたジャケットで、ブラス・バンドっぽいノリでもあると思いますが、マイルス風エレクトリック・ファンクジャズ作品でもなく、ブオンブオンとホーン部隊だけで編成されている訳でもなく、UKアシッド・ジャズ作品です。リーダーは James Taylor のプロジェクトによる New Jersey Kings の1992年リリースのファースト・アルバムで、The James Taylor Quartet の変名バンドとのこと。James Taylor と言っても、あのシンガーソングライターの方ではなく、こちらはイギリスのハモンド・オルガンのミュージシャンですので、そこら辺を間違えてはいけませんので紛らわしいだらけの作品で、たまにしか聴かないのに、かなりの優秀作ですので棚は移動しときます。


 それでは優秀作を再度聴きながらレビューしていきます。The Monkey Drop ワウの効いたギターとブットいベースがファンクして、オルガンサウンドが効いてます。Get Organized は、Baker Brothers でありそうなリフで、メチャクチャ好みです。フルート・ソロからオルガン・ソロ、サビのギターの、チョーキングしながらカッティングするギターなども美味しい。Solid こちらも、Baker Brothers、Soulive系です。チャクチャクと刻むワウのギター、オルガンで、今度はサックスがソロのメインです。サビの盛り上げかたもワンパターンな気がしますが様式美の範疇です。Sweet Cakes 跳ねるジャズ・ファンク・サウンドです。相変わらず一辺倒なサウンドですが、ここの曲で何となく録音がホールのようなところで録られているようなリバーブがありますが録音場所などの記載は見当たりません。 Sweet Shirley 安定のジャズファンク・サウンド。ここまで来ると、どのリフが好みか?程度の類似性が感じられます。The Latin One 曲名にもあるように、聴いているとラテン系のリズムを使っています。日本語版のライナーノーツに何か情報がないか読んでいると、原盤にもなんも書いてなくて、「ニュージャージー州のレコード会社に埋もれていた過去のバンドの発掘音源」などと冗談で書かれていたようですが「冗談である」とは書いていないようで、嘘か誠かはマニアにしか判別できない紛らわしいヤツのようです。All Wrapped Up は聴いたことあるヤツです。 Melvin Sparks のジャズファンク・チューンをカバーでノーザン・ソウル風に解釈です。Charlie's Groove おそらくライブとかでもラストに使われそうな曲です。

ライナーノーツには何も書いてありませんが、New Jersey Kings のメンバーは下記です(ドラムはどちらでしょう?)

keyboad : James Taylor
guitar : David Taylor
bass : Gary Crockett
drum : Andrew McGuinness
drum : Neil Robinson
sax, flute :  John Willmott

producer : The New Jersey Kings
illustration : Matt Deighton ←発売の AcidJazz レーベルの所属ギタリスト

 オールドジャズファンクの名盤、復刻と帯に冗談を書かれていたら私は信じてしまいます🎶

1. The Monkey Drop
2. Get Organized
3. Solid
4. Sweet Cakes
5. Sweet Shirley
6. The Latin One
7. All Wrapped Up (Melvin Sparks)
8. Charlie's Groove