全曲カバー曲でまとめられたアルバムで、ピーター・バラカン氏によれば、このアルバムはソウル/ファンクのグループとしてのアイズレー・ブラザーズが、ロック畑に「お返しする」という趣旨のもの。確かにアルバムタイトルの Givin' It Back は曲としてはアルバムに入っていません。ジャケ写も The Brothers Isley では、新興宗教のような赤い服でしたがアコギを抱えてフォーク・グループ風になっているのは、また何かイメージが違うような気がしますが(まだこっちのほうが良い)
この頃は年に一枚のペースでアルバム作成していたので、商業的に売れることを意識していたのか、カーティス・メイ・フィールドあたりも意識しているような歌い方をしているのかと思っていましたが。改めて聴きながら時代背景を考えれば、当時ベトナム戦争で暗澹としたアメリカ社会を批判するような、メッセージ性の強い曲が選曲されていることからも、ルーツに感謝しながら当時のアメリカに対して物申すといった意味も強いような気がします。白人アーチストの曲が多いのも敢えて白人・黒人の垣根を超える意図もあったのかもしれません。
Ohio/Machine Gun は、ジミヘンを意識したアーニーのギターとロナルドの力の入ったボーカルが印象的。Fire And Rain はアーシーなソウルでありながら、途中からフォーキーになる意外性の展開が凄い。ボブ・ディラン Lay Lady Lay は力を抜いてカントリー・ソウル。Spill The Wine ではラテンを取り入れながらも、しっかりアイズレー・サウンドに昇華しているラテン・ソウル。そしてこのアルバムでは一番アイズレーらしいファンクナンバー Nothing To Do But Today になって、このアルバムのコンセプトっぽくない曲調なのですが、何か安心感があります。そして私も大好きなビル・ウィザーズの Cold Bologna は、歌い方アレンジはマンマですね。このパターンのギターも歌いまわしも大好きと思って聞いていて参加アーチスト書いてたら Bill Withers 本人の参加でした(もう一回聴こう)ラストは2曲目のスティーヴン・スティルスのカバー Love The One You're With で、アレサ、ミーターズもカバーしている名曲で締めくくりです。異色作ではありますが良かったです。聴き直して満足🎵
お買い得5枚組ですが
時代を追って一気にアーティストの変化が聞き比べられるので面白い
lead and backing vocals : Ronald Isley
backing vocals : O'Kelly Isley Jr. and Rudolph Isley
lead guitar rhythm guitar, drums : Ernie Isley (1-5, 7)
bass guitar : Marvin Isley
piano : Chris Jasper
lead guitar, rhythm guitar : Chester Woodard (1-5, 7)
lead guitar : Bill Withers (6)
organ : Milton Westley
flute : John Mosley
drums, percussion : George Moreland
congas : Gary Jones (1-6)
congas : Buck Clarke (7)
1. Ohio / Machine Gun (Neil Young / Jimi Hendrix)
2. Fire And Rain (James Taylor)
3. Lay Lady Lay (Bob Dylan)
4. Spill The Wine (Eric Burdon & War)
5. Nothing To Do But Today (Stephen Stills)
6. Cold Bologna (Bill Withers)
7. Love The One You're With (Stephen Stills)