2022年3月30日水曜日

Elvin Jones & Richard Davis / Heavy Sounds

 

 タワレコで見かけた「JAZZ THE BEST」シリーズでヘヴィ・サウンズの文字に惹かれて購入した一枚です。Elvin Jones といえば、John Coltrane の Africa / Brass、Tommy Flanagan / Overseas、Thad Jones / Motor City Scene なんかに参加していたドラマーですのでヘヴィというからには、まあ激しくアフリカンなリズムが強調されたアルバムかな?と予想していました。
 初試聴は、いつものいきつけ「おでんバー」です。おそがけで行ったのでマスター以外にも常連の音楽好きのKさんもいらっしゃいます。土曜日なので私服でお邪魔したので、「今日は持ってきたよねえ、何持ってきた?」と私のパターンは浸透してきています。でこれを出して見せるとマスターもKさんも声を揃えて、これは持ってるとのこと。マスターはジャケ写しか覚えていなくて、Kさん曰く、やばいヤツだった記憶があるとのことでドキドキします。


 しかし実際に聴いてみると期待していたほどのヘヴィさは無く、Kさんも購入当時に受けた印象とはだいぶ違うとのことでした。改めて聴き手も歳とともに変化していることと、脳内での保管状態について酒を飲みながらしばし歓談でした。この話題は定期的に酒のつまみになるのは、みんなが歳をとった証拠ですね。実に不思議なもんです。
 ドラマーの Elvin Jones にばかり気を取られていましたが、本作はベース Richard Davis とのリズム・コンビによる1967年の双頭リーダー作で、ドラムとベースの絶妙なコンビネーションこそ聴きどころ。そう考えると現代の様々な音楽を聴いてきた私にとっては。このアルバムは激しい意味のヘヴィではなく魅惑の低音のヘヴィなんですね。


 さて中身ですが、頭の Raunchy Rita についてはアシッドのはしりのような感じで混沌気味の曲となっています。Shiny Stockings は、最初に聴いた時にはわかりませんでしたが、何回か聴くうちにあのテーマのメロディが浮かぶような浮かばないようなモヤモヤした感じで、聴いているうちに Richard Davis の低音が心地よくなり、1曲目で、少し飽きてしまった Frank Foster のサックスも中々高度な音の選び方なのかな?と聞き入ってしまいました。ふむ。 M. E.については、Billy Greene のスムースなピアノが低音コンビとの対比が出て良い感じです。Summertime については、ベースとドラムのデュオなのですが、地味でありながらアルバムの中での存在感は抜群でした。そして目立つのがこれ、Elvin's Guitar Blues です。決してうまいギターではありませんが、エルビンの弾くブルースです。音楽はうまい下手ではなく魂ですね。サックスソロは無しであっさり終わっても良かったかもしれないな。と色物を2曲続けたところで Here's That Rainy Day でしっかりと締めくくりです。
 アルバムのジャケットでは、二人の喫煙ジャケットですが、Richard Davis は1977年から禁煙してるそうです。私は電子タバコにしてから紙の時より本数が増え禁煙はできそうにありません。

drums : Elvin Jones
piano : Billy Greene (1, 3, 5, 6)
Bass : Richard Davis
tenor sax : Frank Foster (1 to 3, 5, 6)

producer : Bob Thiele

1. Raunchy Rita
2. Shiny Stockings
3. M. E.
4. Summertime
5. Elvin's Guitar Blues
6. Here's That Rainy Day




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2022年3月29日火曜日

Dizzy Gillespie / At Newport

 

 いきつけの「おでんバー」で誰の演奏だか忘れたが A Night In Tunisia がかかりました。そこでふと思い出したのが、おそらく高校生時代にラジオをカセットに録音していた時に意図せずに偶然録音した A Night In Tunisia のこと。ジャズに興味は無かったのだがジャズフェスの録音でこの曲だけはカッコイイなとしばらく愛聴していたこと。もはや誰の演奏だかは思いだせませんが、最初にジャズに興味を持ったのはこの曲でした。20代になってからジャズに興味を持ちましたが、未だにその録音にはめぐり合わず A Night In Tunisia を聴いていて名演は多いのですが、あの当時興奮した録音にはまだめぐり合っていません。
 なんて話をマスターとしていたら、多分違うけど「このチュニジアも良いよ」と貸してくれたのが、このガレスピのライブです。
 

 1956年~1958年にかけて、ガレスピーは中東親善音楽使節に任命され、国の援助の元にビッグ・バンドを率いてヨーロッパ・南米・アジアなどをめぐる中東ツアーを行ていました。そのビッグ・バンドのメンバーで1957年7月6日に Newport Jazz Festival に出演した脂の乗ったライブです。メンバーには、Benny Golson(ゴルソン)Lee Morgan(モーガン)Wynton Kelly(ウィントン・ケリー)といった大物が、このバンドに在籍していたのは知っていましたが、その録音を聴くのはこれが初めてでこの演奏はまさに素晴らしいの一言。オリジナルは6曲目の Cool Breeze まで収録され、この再発CDでボーナストラックが3曲追加されています。
 なにしろノリにノッているので、明るく楽しくノビノビと、元気一杯で、Gillespie の明るいアナウンスで会場も大騒ぎの状態です。明るいだけの大騒ぎかでもなく、Manteca、I Remember Clifford、Cool Breezeなどの中盤ではしっかり締まった演奏で、Carioca、 A Night In Tunisia でしっかりと仕上げてくれているのも良い。ビッグバンドの厚みのあるバックと熱いアドリブが繰り広げられビッグバンドの魅力そのものでもあります🎵

trumpet : Dizzy Gillespie
piano : Wynton Kelly
bass : Paul West
drums : Charles Persip
sax : Benny Golson, Billy Mitchell, Ernie Henry, Jimmy Powell, Pee Wee Moore
trumpet : Carl Warwick, E.V. Perry, Lee Morgan, Talib Dawud
trombone : Al Gray, Chuck Conner, Melba Liston

1. Dizzy's Blues
soloist 
trumpet : Gillespie
piano : Wynton Kelly
baritone sax : Pee Wee Moore
trombone : Al Gray
2. School Days
Soloist 
piano : Wynton Kelly
tenor sax : Billy Mitchell
vocals : Gillespie
3. Doodlin'
soloist 
trumpet : Gillespie
baritone sax : Pee Wee Moore
4. Manteca Theme
soloist 
trumpet : Gillespie
tenor sax : Benny Golson
5. I Remember Clifford
soloist 
trumpet : Gillespie
6. Cool Breeze
Soloist 
trumpet : Gillespie
tenor sax : Billy Mitchell
trombone : Al Gray
【Bonus】
7. Selections From "Zodiac Suite"
8. Carioca
9. A Night In Tunisia





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2022年3月28日月曜日

The Yardbirds / Gold


 The Yardbirds のバンド名は、チャーリーパーカーのあだ名が由来となっていて、Yardbirds という単語自体は「囚人」「雑務を割り当てられる軍隊入隊者」という意味を持っています。
 バンド自体の創設は1962年で、当初のメンバーは、ボーカル・ハープの Keith Relf、ドラムの Jim McCarty、ベースの Paul Samwell、リズムギターのChris Dreja、リードギターのTony 'Top' Topham で結成されています。アルバム・デビューは Five Live Yardbirds(1964年)でした。


 メンバーの入れ替わりは激しくギタリストは、Eric Clapton、Jeff Beck、Jimmy Pageと入れ替わりながらヒットを飛ばすこととなります。

【1962-1963年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Paul Samwell-Smith
rhythm guitar , bass : Chris Dreja
guitar : Tony 'Top' Topham

【1963-1965年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Paul Samwell-Smith
rhythm guitar , bass : Chris Dreja
guitar : Eric Clapton

【1965-1966年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Paul Samwell-Smith
rhythm guitar , bass : Chris Dreja
guitar : Jeff Beck

【1966年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Chris Dreja
guitar bass : Jeff Beck
guitar : Jimmy Page

【1966-1968年】
vocal : Keith Relf
drums : Jim McCarty
bass : Chris Dreja
guitar : Jimmy Page

1. For Your Love
2. Heartful Of Soul
3. Shapes Of Things
4. Still I'm Sad
5. Evil Hearted You
6. Good Morning Little Schoolgirl
7. A Certain Girl
8. Got To Hurry
9. Ain't Got You
10. Jeff's Blues
11. I Wish You Would
12. I'm A Man
13. Stroll On
14. Train Kept A Rolling





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2022年3月27日日曜日

The Doors / Light My Fire


 ネット検索で、このCD検索してもヒットしませんでした。購入当時は、てっきり Light My Fire の正式アルバムと思っていたのですが、正式の Light My Fire は、Elektra Recordsと言うレーベルの発売で11曲入でした。しかし、これはCHARLYと言うレーベルで、なんと21曲入りです。どうやら Light My Fire と言う名前のベスト盤のようです。


 The Doors のバンド名は「知覚の扉(the doors of perception)」と言う本の題名を元にと名付けられています。1954年発行のAldous Leonard Huxley(オルダス・ハクスレー)の著書で、幻覚剤によるサイケデリック体験の手記と考察となっています。ハクスリーは、幻覚剤のメスカリンによる実験に自らが幻覚剤のモルモットとなり、この時の主観と客観が合一する経験をこの著書で記述した学術書であります。
 ボーカルの Jim Morrison は、ドアーズ結成前から様々なドラッグを服用と多量の飲酒でどんちゃん騒ぎ、時にはレコーディング時も酔っぱらっていたという筋金入りのジャンキーですからバンド名にも納得です。有名な話では1969年3月のマイアミでのコンサートで彼はズボンを下げ自慰行為を見せたという容疑で公然わいせつ罪で逮捕され、1971年におそらくヘロインの過剰摂取にて変死しています。
 とんでもないバンドですが、Light My Fire 他、独特のテイストでスキャンダラスな行動とカリスマ性だけではない音楽性は素晴らしいと思います🎵

1. Light My Fire
2. People Are Strange
3. Love Me Two Times
4. Breake On Through
5. Soul Kitchen
6. The Cristal Ship
7. Twentieth Century Fox
8. I Looked At You
9. End Of The Night
10. Take It As It Comes
11. Back Door Man
12. Alabama Song
13. Horse Latitudes
14. You're Lost Little Girl
15. Moonlight Drive
16. Unhappy Girl
17. Strange Days
18. My Eyes Have See You
19. I Can't See Your Face In My Mind
20. When The Music's Over
21. The End





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2022年3月24日木曜日

Bruce Springsteen & The E Street Band / Live Collection


 私の中古盤購入であるあるの4曲しか入ってないEP盤でした。スプリングスティーンに関係は無いですが、EP とは、Extended Playの略で昔のレコードがLP=33回転/分に対し、シングル、EP=45回転/分で若干音質がLPより劣るけれどもお徳用商品だったようです。CDに回転数は関係ないですが、これがCDの形態でもミニ・アルバムやマキシシングルに相当
同時にEPの名も残っている・・とのことです。


 さてブルース・スプリングスティーンと言えば1999年にロックの殿堂入りした偉大なミュージシャン。私にとっては1980年の The River(ザ・リバー)、Hungry Heart(ハングリー・ハート)、1984年 Born in the U.S.A.(ボーン・イン・ザ・ユー・エス・エー)などが記憶にある名曲ですが、残念ながらこれには収録されていません。
 1973年リリースのデビューアルバム Greetings from Asbury Park, N.J. からの For You 、同じく1973年の2枚目 The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle からの Rosalita (Come Out Tonight) は、ライブの定番曲で熱いコール・アンド・レスポンスで会場は盛り上がって、この曲は9分57秒の大団円。Fire は1978年 the Pointer Sisters(ポインター・シスターズ)のカバー。最後の Incident on 57th Street(57番街の出来事) も、2枚目 The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle からの曲で、スパニッシュのジョニーという不良少年とプエルトリカンのジェーンという少女の一夜の出会いと別れの歌で閉めています。期待していた曲はこのライブよりずっと後の曲のようですね。最初からのスプリングスティーンのファンには定番の曲のようです🎵


vocals, guitar : Bruce Springsteen
sax : Clarence Clemons
organ : Danny Federici
bass : Garry Tallent
drums : Max Weinberg
keyboad : Roy Bittan
guitar : Steve Van Zandt

1. For You
2. Rosalita (Come Out Tonight)
3. Fire
4. Incident On 57th Street


▶ For You 




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2022年3月22日火曜日

Art Blakey And The Jazz Messengers / A Night In Tunisia


 Bobby Timmons が作曲した Moanin' が発売されたのは1958年。 その翌年 サックスのBenny Golson がバンドを離れ Hank Mobley が加入、同年の秋に Wayne Shorter 加入し初のレコーディングとなったのがこの1960年発表の A Night In Tunisia で看板曲の1つである「チュニジアの夜」を、ドラム・ソロを中心としてドカドカと激しく叩きまくるアレンジで新たにリメイクしています。
 この曲を書いたのは、ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie) で、ガレスピとブレイキーが Billy Eckstine のビッグ・バンドに在籍していた時。Tunisia は北アフリカの地中海に面した国で遥かかなたのアメリカでこの曲は書かれています。何故この題名になったのかは未だ不明のようです。

 出だしの A Night In Tunisia は、かなり派手でダイナミックなドラムソロから始まります。若干おおげさ過ぎて過剰な演出かとは思いますが、ジャズ喫茶のでかいスピーカーで迫力を聴いてみたいもんで気迫のサービスには頭が下がります。2曲目 Sincerely Diana になると急に質素な演奏になります(Tunisia が派手すぎただけで静かなバラードという訳ではありません)この落差が印影となってまた強烈な印象です。ブレイキーの当時の奥様、ダイアナのためにショーターが書いた曲です。確か奥様は日本人もいたことと記憶してますので、何回か結婚されているようですね。So Tired はティモンズ作曲のベーシックなブルースですが、ティモンズとブレイキーの安定したコンビ的で心を落ちけて聴ける内容ですがショーターのテナーが私には音選びを迷っているようなソロに聞こえてしまって、これはこれで貴重だなと思っています。あと曲名で思うところとしてはティモンズは一回脱退することも思うとブレイキーのへの辞意を現した曲名でもあるんですかねえ。YAMA は山を意味する曲名で Lee Morgan の作曲で妻のヤマモトの頭文字であるようです。曲のイメージでは落ち着かれた方のように見受けられます。そう思って聞くとモーガンのソロも丁寧に気持ちがこめられたソロのような気がします。Kozo's Waltz も「小僧のワルツ」モーガンの作曲です。これはモーガンの家のペットのプードルの名前だそうです。Tunisia でド派手に始めながらも、なんか音楽活動も充実、家庭も円満を自慢しているようなアルバムでもあるようです🎵

drums : Art Blakey
piano : Bobby Timmons
bass : Jymie Merritt
tenor sax : Wayne Shorter
trumpet : Lee Morgan

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

1. A Night In Tunisia
2. Sincerely Diana
3. So Tired
4. Yama
5. Kozo's Waltz



▶ Yama


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2022年3月21日月曜日

Hank Mobley / A Slice Of The Top

 

 一聴して感じるのは正調で凛々しいサウンドで、とても良質なこと。チューバ、ユーフォニウムなどを加えた5管オクテットからなる8人編成のモブレーの力作です。
 このアルバムは1966年3月18日に Blue Note で録音されたのですが、1979年まで封印されていたアルバムとのこと。理由はよくわかりませんが、Blue Note Records は、この録音の1966年に米リバティー・レコード社に売却されていることが原因なのでしょうか?一方でライナーノーツでは、この売却によってこのレコーディングメンバーの大アンサンブルが実現したのではないか(予算が使えるようになった?)とも書かれていますが、発売されなかった理由については書かれていませんでした。


 さて地味な再発盤なのかジャケットが寂しすぎるのが惜しいこのアルバム、冒頭から大絶賛してしまいましたがホント素晴らしい。そして第一に感じたのは、これだけの大編成の管がいながら、ピアノの存在感が非常に大きいことです。マッコイ・タイナー良いですね。
 曲の紹介ですが、スタンダードで There's A Lull In My Life を演奏しているほかは全てモブレーのオリジナル。印象的なアクの強いテーマではないものの、すんなりとテーマを味わってメンバーがスムーズにアドリブに入っていけていて素材的に優れてるのが特徴的と思います。Hank's Other Bag は、ユーホとチューバから入りながら流れるようにテーマには入り込み、まずはマッコイ・タイナーの技に聞き入ります。Cute 'N Pretty はチューバの低音がテーマの部分で効果的に響き牧歌的な印象を与えながらも情熱的な曲となっています。 A Touch Of Blue、 A Slice Of The Top については、モーダルなアプローチで若干流すような感じもしないでは無いですが、各自のソロは天下一品。1966年のナイト・クラブで酒を飲みながらこんな曲を聴いていて騒いでいたら気持ちよく酔えたに違いない。チューバやユーフォニアムなどの多彩な楽器の中でのモブレー節が楽しいアルバムです。

tenor sax : Hank Mobley
piano : McCoy Tyner
bass : Bob Cranshaw
drums : Billy Higgins
alto sax : James Spaulding
trumpet : Lee Morgan
euphonium : Kiane Zawadi
tuba : Howard Johnson

producer : Alfred Lion

recorded on March 18, 1966 at Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey.

1. Hank's Other Bag
2. There's A Lull In My Life
3. Cute 'N Pretty
4. A Touch Of Blue
5. A Slice Of The Top





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