2022年1月20日木曜日

Tommy Flanagan / Overseas

 

 録音は1957年8月15日、スェーデンはストックホルムでの録音で、このとき三人は、J.J.Johnson Quintetの一員としての訪欧しての録音ですがまだまだ無名の段階でした。ジャケットには沢山の「C」の文字ですが元々はスウェーデンの Metronome から発売の3枚のEPがオリジナルでタバコを吸っている写真などのデザインで、この「C」は、後にアメリカの Prestige が発売したものだそうです。どうやらこの「C」は「Over Cs」つまり「Over Seas」と駄洒落の文字らしい。


 さてTommy Flanagan (トミー・フラナガン)というとソニー・ロリンズの Saxophone Colossus 、ジョン・コルトレーンの Giant Steps 等のセッションに参加で有名で「名盤請負人」「名脇役」などと評されることが多い人です。サポートの方が有名なのでソロアルバムは目立たず(少ない?)キャリア後年は円熟したプレイが評されていますがこのフラナガン初のソロアルバムではハードバップの香りが漂よい躍動感に溢れ、実に堂々とたリーダーとして牽引しています。バランスが良くてジャズ・ピアノの素晴らしさが味わえる作品で聴けば聴くほど浸みてくる作品です。
 チャーリー・パーカーの Relaxin' At Camalliro から始まり、スタンダーズの Chelsea Bride を経て スリリングでコードが印象的なテーマや、攻めているけどあっという間に終わるVerdandi、ゆったりと時が流れるような Delarna の美しさにハッとして最後は Willow Weep For Meで終わる選曲も良い。
 ピアノのプレイの素晴らしさを思いながら何度も聴いているうちに実はピアノがバンドを引っ張っていると思ったらドラムの Elvin Jones (エルヴィン・ジョーンズ)も巧みなブラシプレイ、緻密に入れるスネアでの演出がフラナガンのピアノをハードな方向に導びいていたり、ベースのリトルは落ち着いてリズムキープしながら裏からこのバンドのサウンドを導いていることもわかります。トミー・フラナガンといえばこれですとも言えるアルバムです。これはリマスターなのでアウト・テイクも3曲収録されているのが嬉しいジャズを知りたい人へ推奨の逸品です🎵

piano : Tommy Flanagan
bass : Wilbur Little
drums : Elvin Jones

recorded August 15, 1957 in Stockholm

1. Relaxin' At Camarillo
2. Chelsea Bridge
3. Eclypso
4. Dalarna (Take 3)
5. Verdandi (Take 1)
6. Willow Weep For Me (Take 2)
7. Beats Up
8. Skål Brothers
9. Little Rock
10. Dalarna (Take 2)
11. Verdandi (Take 2)
12. Willow Weep For Me (Take 1)


▶ Dalarna



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2022年1月15日土曜日

George Duke / Reach For It

 

 George Duke (ジョージ・デューク)の私のイメージはコンテンポラリーなファンク系フュージョンのキーボードで単体ではアルバムを持っていませんでした。で中古CDで見かけたので聴いてみるかと購入してみたら、昔懐かしいフュージョン・サウンドであったり、松岡直哉とかはここら辺もルーツにあるのかと思うようなラテン・フュージョンが展開されていて中々楽しいアルバムでした。
 1946年生まれのデュークは、高校の頃は、彼はマイルス・デイヴィスやソウル・ジャズに影響されていたとのことですが、卒業後はサンフランシスコ音楽院に進みトロンボーンを先行、在学中はアル・ジャロウとクラブで演奏していたとのことです。1970年代に入るとCannonball AdderleyやQuincy Jones、Frank Zappa、Billy Cobhamのグループに参加していたとのことで、これも是非聞いてみたいので後で調べてみようと思います。


 本作 Reach for It は、George Dukeのソロ10作目で、もともとはジャズ畑の人ですが、Soul、R&B な色彩が色濃くでていて、キャリアの中では最大のヒット・アルバムとなったとのこと。USアルバム・チャートは25位、同R&Bアルバム・チャートでは4位となり、ゴールド・ディスクも受賞しています。まさに脂がのっている時のようで、ジャケ写も美女に頬を寄せられながら満面の笑みでフュージョン系ピアニストのアルバムでは異色な感じがします。タイトル曲 Reach For It はサンプリングには引っ張りダコの定番ネタでもあるとのこと。
 The Beginning は、シンセが不思議なサウンドのイントロでアルバム導入の効果音的な役割、続く Lemme At It は、Charles Johnson のギターがメインのジャズ・ロック的なフィーリングのフュージョンで Leon Chancler のドラミングとチックコリアの曲のようなシンセで、エレクトリック・バンドと間違いそうな曲(どちらが先なのか?)続いては サンタナか?松岡直哉かのラテン・フュージョンは Hot Fire では、ChanclerとManolo Badrena のラテン・パーカッションに乗って、Charles Johnson も Duke も実に良い仕事をしています。そしてタイトルの Reach For It では Parliament のようなリフのファンクで Stanley Clarke がここぞとばかりのベース・ソロが楽しい。Just For You では、Dukeがボーカルを執るメロー・ソウルで、フュージョン・バンドがアルバムに一曲はボーカルものを入れるのが流行っていた70年代を感じます。Omi (Fresh Water)は、トロンボーンがフィーチャーされた6/8拍子のブラジリアン・フュージョン。これは向井滋春に通ずるなあ。Searchin' My Mind は女性ヴォーカル陣によるブラコン的なテイストのポップな曲。さらに Watch Out Baby! は、細かい技が光るファンクでボーカルの入れ方も Parliament ですね。Diamonds は、またもブラジルに戻ります。コーラスのメロディ、ベースラインがカッコよく、Duke のシンセの音色がこのタイプの曲にはぴったり。そして、始まりはThe Beginning なので終わりは The End またもミステリアスなシンセだが、ブラジルからこの曲には多少の強引な感じがありかな。ボーナスには Bring It On Home が追加収録されていますが、これと The End を入れ替えた方がアルバムとしては収まりが良いような気もします。

ソロアルバムは初めてですが、今まで私の聞いてきた作品にどのように参加しているのか調べてみました。やはりソウルあり、フュージョンありですがラテン系の方が強めでしょうか。ナルホド🎵

Roberta Flack / Oasis (Brazil), David Sanborn / As We Speak (Port of Call), Incognito / Adventures (In Black Sunshine Mindin' My Business), The Brecker Brothers / Detente (Don't Get Funny With My Money , Squish, Baffled, I Don't Know Either), George Howard / Attitude Adjustment (Best Friend,  One Last Time, Attitude Adjustment, Adjusted Attitude), 渡辺貞夫 / Birds Of Passage (Salvador, Just A Touch, Burung Burung "Birds")

keyboards : Byron Miller (11), George Duke
guitar : Charles Icarus Johnson, Mike Sembello (8)
bass : Byron Miller (11), Stanley Clarke (8)
drums : Leon "Ndugu" Chancler
congas, bongos, percussion (miscellaneous) : Manolo Badrena
rototoms (remo-roto toms) : Leon "Ndugu" Chancler
timbales : Leon "Ndugu" Chancler
trombone : Raul De Souza (曲: 6)
vocals : Charles Icarus Johnson (曲: 4, 9), Deborah Thomas, Dee Henrichs, George Duke, Leon "Ndugu" Chancler (曲: 4, 8), Ms. Brazilplex (曲: 4), Sister Glory Glow Fly (曲: 4), Sybil Thomas

producer : George Duke

1. The Beginnin
2. Lemme At It
3. Hot Fire
4. Reach For It
5. Just For You
6. Omi (Fresh Water)
7. Searchin' My Mind
8. Watch Out Baby!
9. Diamonds
10. The End
【Bonus Track】
11. Bring It On Home





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2022年1月13日木曜日

Charlie Sexton / Don't Look Back


 イケメンだったため、当時はアイドル的な扱いだったと思うけど、音はかなり硬派であったCharlie Sexton (チャーリーセクストン)はテキサス出身のギタリスト。歌い方やバキバキのハードなギターがカッコよくて割合と好きでした。


 1985年の18歳でデビューアルバムから3年後の1989年に本作は発売され、アルバムタイトルは Charlie Sexton 、邦題は Don't Look Back (ドント・ルック・バック)です。前作はギラギラした80'sっぽいサウンドだったが、本作ではナチュラルでストレートなアメリカンRockは、この貫録で20歳か?と驚きます。
 再度聴き直して新たにこのカッコよさに改めて聞き入り、タイトル曲の Don't Look Back に実はバッキング・ボーカルに Bryan Adams (ブライアン・アダムス) が参加していたことを知りました。サビは確かにブライアン・サウンドになっていて一人で盛り上がり、PVでは白いTシャツにジーンズで登場です。イメージ的には上の写真のように髪を盛り上げてパンクロック風がイメージだっただけに、清楚なイケメン風アピールにもデビュー当時 EDWIN のCMにも出てたそうでナルホド💡です。


 さて容姿はともかくとして、ストレートでエッジの効いた Don't Look Back、Blowing Up Detroit、For All We Know、Battle Hymn Of The Republic、カントリーロック風の始まりの Save Yourself なんかも好感で、地味目の Seems So Wrong も、ダークで独特の雰囲気があり味のある曲かと思います。
 当時カセット・テープで聴いたことを思い出し、懐かしく思いだします🎵

guitar, vocals : Charlie Sexton
backing vocals : Diva Gray, Lani Groves, Robin Clark
Keyboards, guitar (additional) : Tony Berg
synthesizer : Larry Fast
bass : Carmine Rojas
drums : Gary Ferguson
percussion – David Van Teighem
chamberlin : Patrick Warren
tenor sax : Lenny Pickett
baritone sax : Lino Gomez

producer : Bob Clearmountain, Tony Berg

Don't Look Back / Backing Vocals – Bryan Adams
Seems So Wrong
Blowing Up Detroit
I Can't Cry
While You Sleep
For All We Know
Battle Hymn Of The Republic / Backing Vocals – Tonio K.
Bass – Tony Berg
Question This
Save Yourself / Backing Vocals – Rick Danko
Bass – Charlie Sexton
Cry Little Sister Backing Vocals [Chorus] – Jasmine Villette




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2022年1月12日水曜日

George Benson / Tenderly


 1989年に発表したスタジオ・アルバムで、全曲スタンダードを、McCoy Tyner (マッコイタイナー)、Ron Carter (ロンカーター)、Louis Hays (ルイヘイズ)、Al Foster (アルフォスター)等の最高のメンバーでスタンダードをコンテンポラリーなジャズに仕上げている作品です。長年の共同作業者であるベテラン音楽プロデューサー、Tommy LiPuma (トミー・リピューマ) がプロデュース。
 アルバムとしては、オーケストラの入ったボーカル曲あり、スタンダードなコンボスタイル、ソロギターもなんかもあり多彩なベンソンを楽しむことができます。ただ私的にはベンソンのボーカルはそれほど好きではないので、タイトル曲のケニー・バレル風の Tenderly はやはり一番の推し。Stella By Starlight はお手本として数々の教則本に採譜されている通りの名演。最後の I Could Write A Book なんかも、コンパクトにまとまったコンボの王道スタイルが素敵だと感じます。


 George Bensonは、1943年3月22日生まれなのでこのアルバム制作時は46歳。1963年20歳でジャズ・オルガンの Jack McDuff のバンドに加入しソウルジャズ系をプレイ。1964年、マクダフのサポートでリーダー作 The New Boss Guitar Of George Benson を発表(これもいつか手に入れときたいです)1968年にはマイルス・バンドに参加し、1970年からはフュージョン系に転じますが、ジャズ、ブラック・コンテンポラリーと全てにおいて超絶なギター・テクニックとセンスで多様な作品を残されています。またThis Masquerade、以後はボーカリストとしても活躍されています。
 間違いなく現代のジャズギターの基盤を作り上げた黒人ギター界最高峰のギタリストの一人であり、どこかエロい笑顔が素敵なジョージ・ベンソン。ジャズの王道ギタリストであり歌のレベル以上にギターが歌い、ボーカルも素晴らしい方ですが私はこのボーカルはあまり好みでは無く、ジョージ・ベンソンはあまり持っていませんでしたが、最近はそんなベンソンも心地よく聞こえたりしてたまに聴いています。 このアルバムは、5枚組のお買い得パッケージのうちの一枚です🎵


uitar : George Benson (1 to 5, 7, 8)
vocals : George Benson (1, 3 to 6, 8)
bass : Ron Carter (1 to 6, 8)
drums : Al Foster (6), Herlin Riley (2-5) , Louis Hays (1,6)
percussion : Lenny Castro (4, 5)
piano : McCoy Tyner (1 to 6, 8)

producer : Tommy LiPuma

1. You Don't Know What Love Is
2. Stella By Starlight
3. Stardust
4. At The Mambo Inn
5. Here, There And Everywhere
6. This Is All I Ask
7. Tenderly
8. I Could Write A Book





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2022年1月9日日曜日

Mariah Carey & Whitny Houston / When You Believe From The Prince Of Egypt


 旧約聖書のエジプト脱出を描いたアニメーション映画「The Prince Of Egypt」の主題歌で、98年度アカデミー賞最優秀主題歌賞を受賞した When You Believe のシングルです。映画自体は見ていませんが、PVなどは当時かなり流行っていたので、中古屋で見かけて思わず懐かしさに手が伸びた一枚です。
 改めてこの曲の作者を見ていたら作曲は BabyFace、Stephen Schwartz で、作詞は Stephen Schwartz 
 Babyface は、MTV Unplugged やクラプトンの Change The World などで知っていましたが、Stephen Schwartz は馴染みがありません。調べてみるとミュージカルやアニメ映画方面でかなり著名な作詞作曲家のようです。(どのようなミュージカルかは全く私に見識はありませんが) 



 改めて聴き直して楽曲の素晴らしさはもちろん、マライアとホイットニーの二人のカップリングは豪華すぎる名曲に仕上がっています。どちらかの一人で歌っていても確実にヒットしたものと確信できますが、二人が歌うことによって曲の奥行きが増し、掛け合いにより次から次へと音が押し寄せてくる素晴らしいものになっています。
 アルバム・バージョンは二人の声がたっぷりと堪能出来て、テレビトラック・バージョンは、二人のボーカル抜きで楽曲を聴かせる構成です。信じていれば奇跡は起こると静かに力強く歌い上げる名曲です。ホイットニーはお亡くなりになったので、二度とこのカップリングは起こりえないと思うと更に浸みる歌ですね🎵

Mariah Carey & Whitney Houston : When You Believe (Album Version)
Mariah Carey & Whitney Houston : When You Believe (TV Track)
Mariah Carey : I Am Free
Whitney Houston : You Were Loved





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2022年1月8日土曜日

Ron Everett / The Glitter Of The City

 

 タワレコをプラプラしていたら、シンプルなジャケットに購買意欲をそそる煽り文句の書いてある帯をしたアルバムが置いてあります。
 その内容と存在感から、最も刺激的なブラック・ミュージック・アルバムのひとつに数えられる『The  Glitter Of The City』。ドープでディープでパワフルでエモーショナル。艶やかなブラックネスと威圧感すらあるファンクネスがあざなわれ、凄まじい突出感で迫ってくる。ロン・エヴァレットはR&Bグループ、カステルズのシンガーとして活動し、のちにジャズ・トランぺッターに転向したミュージシャン。フィラデルフィアを拠点に活動し、本作も当地のミュージシャンとともに作り上げられた。ハンドメイドのジャケットに収められたオリジナル盤は、当時レコード店で売られることなく、現在では数枚その存在が確認されているのみである。英Jazzman Recordsが数年の調査を経て再発にまで辿り着き、何とその過程で未発表のマスターテープも発見。その音源もボーナストラックとして収録されている。正に桁違いのこの刺激、とことん味わいたい。(尾川雄介)
 かなりの気合が感じられるコメントに興味をそそられ聴いてみると悪くない。とびっきり良いという訳では無く悪くない印象でした。
 オリジナルのアルバムはリーダーでトランペットの Ron Everett が自主レーベル Vagabond King から1977年の4月4日に8枚のテストプレス。同年の12月7日に500枚がプレスされたとのことで、手売りとメール・オーダーでの発送による販売だったとのこと。相当のレア・アイテムです。タワレコにもジャズ・コーナーに置いてあり、カテゴリー的にはジャズに分類されるようですが私にとっては完全にジャズ・ファンク、アシッド・ジャズの流れに感じます。私の教科書のようなジャズ・ファンク・アルバムの FUNK. INC / CHIKEN LICKIN' は1971年 1972年のリリース、Donald Byrd / Black Byrd は1973年、Grant Green / Shades of Green は1971ですから、このアルバムが録音される5~6年前には流れは始まっていたわけでジャズ・ファンク元祖というほどではありません。


 トランペットでボーカルの Ronald Everett は西フィラデルフィア出身で通っていたサルツバーガー中学がクワイアで有名な学校でありベーシスト、シンガーとして活躍していて、卒業の16歳とともにトランペットも独学で学び始め、The Castelles というボーカル・グループを結成して1953年に初レコーディングし、My Girl Awaits Me が10万枚の売り上げたとのことで、ここではベーシスト、シンガーのままでした。そして彼は大学にも通いながらストリート・パフォーマーを続けこのアルバムの制作となります。


 エバレットは、戯曲やミュージカルの楽曲をメインにフィラデルフィアで活動を続けミッキー・リアルという名前で本を自費出版するなど常に何かを発信し続ける人だったようです。このアルバムもジャズ、ジャズ・ファンクという枠ではなくソウル調の楽曲であったり、ドラムやパーカッションが無理やりボサやサルサ系のリズムを混ぜてきたりと聴いていてニヤリと楽しめます。不要にボーカルにいきなりエコーを突然かけてくるところもバランスを考えない思い付きにも愛すべきB級品の風格を感じます。リズム隊はしっかりとしているのですが、トランペット、サックスなどの管楽器は感情の向くままに吹いているので、若干技巧的にアウトな訳では無く調子っぱずれになっているところなどもあり、演奏技術に優れているものではないところも味の一つになっています。好き嫌いは非常に分かれるところではありますが、私はこのタイプのダサ・レアな奴も好物の一つですので満足の一枚でした。この手のアルバムは一聴では違和感があるのですが、聴き続けるほどに味が出てくるものと認識しています。

1. Royal Walk
trumpet, voice : Ron Everett
alto sax : Jimmy Savage
alto sax, baritone sax : Bobby Zankel
trumpet : Bill Walsh
flugelhorn : Hakim Yusef Sadiz
bass : Lenard Fletcher Bey, William P. Bennett
piano : Dennis Fortune
Percussion, Bongos : Ron Mitchell Howerton

2. Glitter Of The City (Song By Tahira)
trumpet : Ron Everett
voice : Tahira
sax : Jim Miller
piano : Charles King
bass : Bean Chandler
drums : Nate Jones
congas : Adib
guitar : Warren Marcus

3. Tipsy Lady
piano, voice : Ron Everett
bass : Earl Womack
drums : Lex Humphries

4. Mood Two Latin For You
trumpet : Ron Everett
sax : Jim Miller, Robert Shabazz
piano : Charles King
guitar : Warren Marcus
bass : Bean Chandler
congas : Adib
drums : Nate Jones

5. Pretty Little Girl
piano, voice : Ron Everett
bass : Earl Womack
drums : Lex Humphries

6. Musicman New Rock Joy
voice, trumpet : Ron Everett
sax : Jim Miller, Robert Shabazz
piano : Charles King
guitar : Warren Marcus
bass : Bean Chandler
congas : Adib
drums : Nate Jones

7. Let Your Spirits Be Free
trumpet : Ron Everett
sax : Jim Miller, Robert Shabazz
piano : Charles King
guitar : Warren Marcus
bass : Bean Chandler
congas : Adib
drums : Nate Jones

【Bonus Tracks】
8. Fanfare For Coltrane
9. Untitled No. 4
10. Untitled No. 5






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2022年1月7日金曜日

The Singers Unlimited / A Capella

 

 私が初めてアカペラに興味を持ったのはマントラのウェザー・リポートのカバー曲の Bird Land でウェザー・リポートを後で聴いて、これがマントラの元曲のバンドなのかとウェザーリポートに感動しつつ、マントラの再現性の高さにビックリしたものでした。自身でアカペラ曲を多重録音して楽しんでいたこともあり、コーラス・グループにも一定の興味があり前述の Manhatten Transfe (マンハッタン・トランスファー)、 New York Voices(ニューヨーク・ボイセス)、Take6 (テイク・シックス) などを聴いていますが、その先駆者がこのグループ The Singers Unlimited でした。
 1967年に元ハイ・ローズのメンバーの Gene Puerling (ジーン・ピュアリング) が Don Shelton (ドン・シェルトン) とともにシカゴで結成したグループで、Oscar Peterson (オスカー・ピーターソン) の薦めによりドイツのMPSレーベルと契約し、1971年にピーターソンとの共演した In Tune でデビューを果たし、1981年までの間に15枚のアルバムを残しています。デビュー当初はアメリカにおけるコマーシャル媒体製作のために結成されたグループが発展したものであると言われています。ライブ演奏を想定しない、それぞれのパートを重ね録りする、1人が複数パートを歌って4声を越えるハーモニーを作るなどでハーモニーを構築して複雑で透明感のあるコーラスを創り出しています。


 収録曲の Both Sides Now は先に書いたジョニ・ミッチェルのナンバーで、ジュディ・コリンズのヒットでも有名な曲です。ジョニのフォーキーで爽やかな曲を、深遠なコーラスワークで静かに表現しています。ジョニは静かで爽やかな歌い口の中に力強い部分がありましたが、彼らのまた違った角度からの表現の違いは比較して聞いているとまた格別の味わいがあります。その他 Here, There And Everywhere、Michelle、The Fool On The Hill はビートルズのナンバー。Emily はアンディ・ウイリアムスのヒット曲。Try To Remember はミュージカルの ファンタスティック の中のヒット曲で、ロマンティックなメロディーとこれをまとめ上げるコーラスワークはまた良いです。
 さて、このアルバムを購入して最初に聴いたのはいつもの行きつけの「おでんバー」でした。家で聴く小さな音量の時とは違って、大音量で聴くこのコーラス・ワークは緩やかに変化する細かなハーモニーの流れがとても新鮮に心地よいものでした。また楽曲の完成度の高さにもビックリはしたのですが、アレンジが一辺倒ではあります。聴いていて非常に心地よいので酒を飲みながら集中しているとアルファ波が発生してきて・・・心地よい睡眠に入れます。マスターも私もしんみりと聴いていたらいつのまにか二人の会話は無くなりウツラウツラとしてしまいました。1曲づつの完成度は非常に高くて楽しめるのですが、仕掛けも少なくて刺激も少なめ。しんみりと上質のアカペラ音楽に浸りたいときには最適ではあり、聴いた後に心が豊かになるアルバムです。

vocals : Bonnie Herman, Don Shelton, Len Dresslar
vocals, producer, arranged by, conductor : Gene Puerling

producer : Hans Georg Brunner-Schwer

1. Both Sides Now
2. London By Night
3. Here, There And Everywhere
4. Lullaby
5. Michelle
6. The Fool On The Hill
7. Emily
8. Since You Asked
9. More I Can Not Wish You
10. Try To Remember





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