2025年1月20日月曜日

Art Blakey & The Jazz Messangers / Live at Bubbas '80

 

 Art Blakey and Jazz messengers は1954~1955年にかけてピアノのホレス・シルヴァーと結成されました。Moanin'(1958) が代名詞のバンドで、ジャズ史に名前を刻む多くのミュージシャンを輩出しましたが、そのアートブレイキーでも低迷期があり1970年代後半ぐらいから低迷期に突入し暗黒時代と呼ばれています。
 そして低迷期の脱出に、若き18歳のWynton Marsalis(ウィントン・マルサリス)の加入が一役買います。マルサリスのメッセンジャーズ入団は、1980年6月のボトムラインでのライブからで、このライブ録音はその半年後の 1980年10月11日フロリダ での録音。このライブを経てのスタジオ初録音は Album of the Year (1981年4月12日パリでの録音) 。ライナーノーツによると、この録音は1981年83年85年の3回にわたって、マルサリス名義でフーズ・フーと言うレーベルから発売されていて、それを一つのアルバムにまとめての再販となったものであるとのこと。
 もともとのマルサリス発売のアルバムには曲名やクレジットに誤りがあったらしいですが、このアルバムでもまずは重大な間違いを発見しました。アルバム・ジャケットをよく見ると「Messengers」が「Messangers」のになっています。再発盤であり関わった人も少ないのかもしれないですし、ジャケットの絵とかデザインもやる気は感じられず、まあご愛嬌でしょうか(CD自体にもMessangers の印字です)このレビューを書いていなければ私も気づかなかったとは思いますが、音楽業界の文字誤植は結構多いですが、私の勤める業界では誤植はご法度。かなり厳しくて製品名が間違っていたりしたら即回収、即改版ですね。

 

 と間違いを発見したところでアルバムですが、新しさは感じます。派手なメッセンジャーズの演奏が更に大袈裟な表現になっているようです。ブレーキー親分なんて関係ないといったようなマルサリスのトランペットの加入により、バンドの音の表情がはっきりしている感じがします。親分も懐が深くメンバーのネオ・ハードバップな解釈、新しい響きとアプローチに対してドラムはその新しい響きに反応しています。前半は様子見のような感じもしますが後半では完全に見切ってバンドをリードし鼓舞しているところはさすがです。また十八番である Moanin' の新しいアプローチが施されているところも新生メッセンジャーズの意気込みが感じられますが、ベースソロの前の親分のミスっぽいブレイクには少しニヤリですね。そして Charles Fambrough の輪郭がはっきりとしたブルンとした音色とベースラインも好みです。全体的にはロックにも似たような力強さを感じてとても良いアルバムですが、好みは分かれるかと思います。ブレイキーに限って言えば、初期のブレイキー親分の「どうだこの野郎!」的な演奏の方が好みかもしれません。(聴きこむと変わってくることもよくあるし、1年後には好みが変化することもあるので今のところはですが)🎶🥁

drums : Art Blakey
alto sax : Bobby Watson
tenor sax : Billy Pierce
trumpet : Wynton Marsalis
piano : Jimmy Williams
bass : Charles Fambrough

recorded in Fort Lauderdale, Florida, Bubba's Jazz Restaurant, October 11, 1980.

【Disc1】
1. Angel Eyes
2. Bitter Dose
3. Wheel Within A Wheel
4. Gipsy
5. Moanin'
6. Au Privave
7. Free For All

【Disc2】
1. One By One
2. My Funny Valentine
3. 'Round About Midnight
4. ETA
5. Time Will Tell
6. Soulful Mister Timmons
7. Blakey's Theme



▶ ETA


  

2025年1月19日日曜日

The Suicide Machines / Battle Hymns


 全曲3分以内、ほぼ2分以内の22曲収録の超ショートなマシンガン的なスタイル。1996年の1st Destruction By Definition に次ぐ2枚目のアルバムです。今聴いている音楽はジャズ系が多いのですが、若かりし頃は攻撃的なロックも聴いていましたし、実はスカ・パンクも大好きだったりして、少々それ系のアルバムも所有しています。Smash Mouth / Fush Yu MangKemuri / Little PlaymateKemuri / Alive the tracks from the last tour ”our PMA 1995-2007”Ska Ska Club / Twelve Ways To Go
 

 なんで、このようなショートになったのかは、英語版 Wiki に書いてありました。アルバムの制作費28万ドルで、残ったお金を自分たちの懐に入れるためだと。すごいですね。当時のレートで3,300マンの予算を全額渡して好きに使えよってやり方のようです。もう一つは大物アーチストとツアー入れ過ぎて、大急ぎで録音したとのことも要因であるようです。つまりは、曲のアイデアを楽曲として膨らませる余裕がなかったんでしょう。


 Hymns とは「賛美歌」のことですので、アルバム名は「戦いの賛歌」でしょうか。まさに戦いのような激しい楽曲で、1st Destruction By Definition よりも速くて重い楽曲になっているようでカッコよいです。ただし全部スカが入っているかと言えば、そうではないのが進化なのかどうなのか、これ以降のアルバムを聴いたときにスカ要素がなくなっててビックリしたことも記憶にあります。
 1曲づつのレビューは、これもコメントしにくいので割愛します
【スカ系】 Someone, Give, Black & White World, High Society, Confused, Step One, Face Another Day, What You Say, Empty Room, Sides, 
【速めパンク系】 Hating Hate, Hope, Numbers, Pins and Needles, DDT, In the End, Speak No Evil, Independence Parade, Sympathy, Strike, 
【効果音系】 Punck, Jah
【お気に入り】 Give, High Society, Face Another Day, Empty Room, Independence Parade, Strike
 スカ系と速めパンク系は、ほぼ交互に入れているようですが、やっぱりスカ系の方に多め軍配があがってしまいます🎶

vocals : Jason Navarro
guitar, backing vocals : Dan Lukacinsky
bass, backing vocals : Royce Nunley
drums : Derek Grant

producer : Julian Raymond

1. Someone
2. Hating Hate
3. Give
4. Hope
5. Black & White World
6. Numbers
7. High Society
8. Pins and Needles
9. Confused
10. DDT
11. Punck
12. Step One
13. In the End
14. Face Another Day
15. What You Say
16. Speak No Evil
17. Empty Room
18. Independence Parade
19. Sympathy
20. Strike
21. Sides
22. Jah
▶ Give




  

2025年1月18日土曜日

Bill Evans with Jerermy Steig / What's New

 

 何となく手にしたBill Evans (ビル・エバンス)とフルートの Jerermy Steig(ジェレミー・スタイグ)のセッションですが、いつものエバンスと違います。繊細でリリカルな演奏が信条のエバンスが熱めの演奏を繰り広げています。Portrait In Jazz のような動の作品も聴いてきたのでびっくりする訳でもありませんが、こんな作品を聴いた時に何かを発見したようで楽しい気分になります。
 こんな演奏になった起爆剤は、ジェレミー・スタイグのフルートで思いっきり呼気を吹き付けて尺八のようなこすれ具合により結構アグレッシブな印象を受けます。フルートの音色とともに楽器から大量に漏れていく呼気の音、大きな息継ぎの呼吸音のインパクトは大きく、フレーズもロングトーンは少なく勢いで押す紋切り型です。呼応するビル・エバンスもこの音に対応するべくパッションが溢れるフレーズになりタッチも力強くなってきてテンポもきっちりとした拍になっています。きっとジャズに一家言あるオジサンと聴いてたら、これがジャズの面白いとこなんだと言われるんでしょうが、私の行きつけの音楽好きが多めのバーはビル・エバンス否定派が多いので、多分これは持っていきません(いや敢えてこれなら否定派に聴かせても良いかなという感じはしますが)
  ちなみにスタイグが、なぜこのような吹き方になったかというと1962年に交通事故に遭い顔面右側不随、片耳が聞こえなくなったため特殊なマウスピースを使用することが原因とのこと。エバンスがスタイグに出会ったのは1964年フロリダのデイトナビーチで演奏していたと言います。つまり結構大きい後遺症だったはずなのに2年でリハビリしてミュージシャンとして働いていたということで、考えてみればこれも凄いこと。てっきり、やり手プロデューサーのヘレン・キーンの仕掛けかと思いましたが、1968年にスタイグのアパートがビレッジ・バンガード、トップ・オブ・ザ・ゲートに近かったことからエバンス・トリオとのセッションに加わったのが縁とのことでした。調べていたらフルートとアートのオフィシャルサイト「His Flute Music and Art」を発見し多才な方だったのが伺えます。


 印象に残る1曲目の Straight No Chaser はソロ部分に入ったフルートの辻斬りのような斬新さに心を奪われながら軽快なドラムとゴメスのソロも見事で緊張感溢れる演奏。ドラムのブラシ捌きは、聴いていて実に気持ちのよい演奏です。!Lover Man については落ち着いた曲だけにフルートのエモーショナルな部分が際立ちます。Autumn Leaves ではアップテンポにしている珍しい演奏で、エディ・ゴメスのソロが注目。そして Spartacus Love Theme 美しい進行とメロディの繰り返しの曲です。パッション溢れる曲が多いアルバムの中で一番動きの少ない楽曲なのに何か熱いものを感じさせてくれます。フルートも何か太いものを感じます。そのほか、聴いていてハッとするのは最後の So What でのフルートを吹きながら聞こえる声、呻き声(うめき声)かと思っていたら、最高潮に達したところでかなりハッキリとした声でフルートとはハモっています。ピアニストでは唸る方多いですが、フルートでもあるとは・・・ものすごい気迫が感じられましたね🎶🎹

piano : Bill Evans
flute : Leremy Steig
bass : Eddy Gomez
drums : Marty Morell

producer : Helen Keane
recorded at Webster Hall, N.Y.C.,on Jan.30, Feb. 3,4,5, and Mar.11,1969

1. Straight No Chaser (Thelonious Monk)
2. Lover Man (David, Sherman, Ramirez)
3. What's New (Haggart, Burke)
4. Autumn Leaves (Prevert, Mercer, Kosma)
5. Time Out For Chris (Evans)
6. Spartacus Love Theme (North)
7. So What (Hall, Davis)





  

2025年1月17日金曜日

Three Dog Night / Best Hits


 1968年デビューし1976年の解散までに21枚のシングルを発売。そのうち20曲が全米トップ40入りというスーパーグループです。その後1981年に再結成し、2002年が最後のアルバム発売となりました。バンド名を知らない人も多いと思いますが、この音を耳にしている人は多いはずです。私が小学生の頃までの活動であったため、曲は知っていたんですが、どのようなバンドかは詳しくは知りませんでした。てっきり黒人グループだと思っていましたが、このアルバムで白人系のバンドであると知りました。(唱法はサザン・ソウル系に分類されるらしいです)バンド名は「アボリジニが寒さの厳しい夜に3匹の犬と寝る」という風習にちなんでいるそうです。
 バンドは3人の男性ボーカルと4人の演奏者という構成で、曲によってリード・ボーカルが変わり、ヒット曲はすべて有能なソングライターの隠れた名曲をリメイクする極めて特異な独特のスタイルでした。


 あまりに曲数が多いので、全曲レビューはやめときます。
 Joy to the World はあまりにも有名。彼ら最大のヒットで6週連続全米No. 1 に輝き750万枚ものビッグ・セールス。作者の Hoyt Axton は、Heart Break Hotel をプレスリーと共作した Mae Boren Axton の実息。熱唱の Chuck Negron が非常に熱く、オルガンの響きも心地よいソウル調のロックです。昔聴いた時から忘れない一発で耳に残る名録音。
 Old Fashioned Love Song これは、日本でバカ売れになった曲で、全米では第4位のミリオン・セラーなので、ラジオで聴いて知ってました。 Chuck Negron は、前曲とは違ってしっとりと歌い込んでいます。郷愁を帯びた味のある楽曲の作者は Paul Williams。自身でも71年12月に便乗リリースし、そこそこ売れたらしい。
 Black and White、昔ラジオで聴いて大好きになった曲。彼らにとって5枚目のミリオン・セラーで3曲目の全米No1ヒット。パブリック・スクールにおける人種差別を禁止するというアメリカ最高裁の決定を称えるべく、アール・ロビンスンが55年にディビッド・アーキンと共に書きおろした作品で、Sammy Davis Jr も取り上げたけれどヒットに結びつかず、レゲエにリメイクしてヒットしたものです。
  オムニバスですが、曲順は年代順ではなくプロデューサーが考えられての構成のようで、意図はわかりませんが、ただの羅列でないところに好感の持てるベストになっています。作曲者と発表年にビルボードの最高順位を記載しました🎶

vocals : Chuck Negron , Cory Wells , Danny Hutton , Floyd Sneed 
bass : Joe Schermie
drums : Floyd Sneed
guitar : Mike Allsup
keyboards : Jimmy Greenspoon

1. Joy to the World
 (Hoyt Axton) / 1971年 10thシングル (全米第1位)
2. Easy to Be Hard 
(Galt MacDermot, Gerome Ragni, James Rado) / 1969 4thシングル(全米第4位)
3. Family of Man 
(Jack Conrad, Paul Williams) / 1972 13thシングル(全米第12位)
4. Sure As I'm Sittin' Here 
(John Hiatt) / 1974 20thシングル(全米第16位)
5. Old Fashioned Love Song
 (Paul Williams) / 1971 12thシングル(全米第4位)
6. Mama Told Me (Not to Come)
 (Randy Newman) / 1970 7thシングル (全米第1位)
7. Try a Little Tenderness 
(Harry Woods, James Campbell, Reginald Connelly) / 1968 2ndシングル(全米第29位)
8. Shambala
 (Daniel Moore) / 1973 17thシングル(全米第3位)
9. Let Me Serenade You 
(John Finley) / 1973  18thシングル(全米第17位)
10. Never Been to Spain 
(Hoyt Axton) / 1971 13thシングル(全米第5位)
11. Black and White
 (David Arkin, Earl Robinson) / 1972 15thシングル (全米第1位)
12. Liar 
(Russ Ballard) / 1971年 11thシングル(全米第7位)
13. Out in the Country 
(Paul Williams, Roger Nichols) / 1970 8thシングル(全米第15位)
14. Show Must Go on 
(David Courtney, Leo Sayer) / 1971 19thシングル(全米第4位)
15. Eli's Coming
 (Laura Nyro) / 1969 5thシングル(全米第10位)
16. One Man Band 
(Billy Fox, January Tyme, Tommy Kay) / 1970 9thシングル(全米第19位)
17. One
 (Harry Nilsson) / 1969 3rdシングル(全米第3位)
18. Celebrate 
(Alan Gordon, Garry Bonner) / 1970 6thシングル(全米第15位)





  

2025年1月16日木曜日

Ella Fitzgerald With Count Basie and His Orchestra / Ella and Basie!

 

 1920年代から活躍しビッグ・バンド・スウィング・ジャズ時代を代表する一人のカウント・ベイシーとエラのスインギーな最高なコラボ・アルバムで、プロデューサーは Norman Granz アレンジには Quincy Jones が名を連ねています。本録音は1963年ですが、1957 年のアルバム One O'Clock Jump で既に一度一緒にレコーディングしています。また1979年のモントルーフェスでの共演は、A Perfect Match として発売されています。 

 

 声も若々しくノリも良いエラの歌声と、絶好調のベイシー楽団と完璧なアンサンブルで、
当然エラのリラックスしたスキャットも楽しく、ジャズ・スタンダードの定番曲で構成されています。喫茶店、TVなどでこのアルバムのバージョンが再生されていることは多かったのでしょう。既に今まで聴いたことがある演奏であることが聴いたとたんにわかるものも多い教科書のようなアルバムです。
 それでは改めてレビューしてまいります。Honeysuckle Rose 最初の印象はとにかくエラの声が若い。晩年の録音の方が聴いている数が多いので特にそう感じるのかもしれません。切れが良くアップテンポのベイシー楽団に合わせて若い感性でスキャットも気持ち良いです。短くても満足な録音です。Deed I Do ブルージーでグルーブよく歌うエラにクインシーのファンキー・アレンジが素敵です。1926年の歌曲でオールドな雰囲気も好きです。Into Each Life Some Rain Must Fall 1944年にAllan RobertsとDoris Fisherが作詞、作曲してエラがインク・スポッツと共演して当時ベスト・セラーとなった曲で、ソウルっぽく熱いエラも珍しいのではないでしょうか。Them There Eyes ビリー・ホリデイも得意としていた曲で得意のスキャットで前半盛、後半は Joe Newman のトランペットとの掛け合いスキャットが印象的です。ミュージカル映画でも見ているかのような熱演です。Dream A Little Dream Of Me  コンボ編成のアレンジでベイシーがオルガンを弾いています。1931年に出版されたシートミュージック歌曲で、エラはデッカ時代にサッチモとのデュオで録音したことがあります。Tea For Two 1924年のミュージカル No, No, Nanette の主題歌で、ドリス・デイのあたり曲ですがエラのスインギーなこの歌もまた魅力的。Satin Doll 大御所のスタンダードが連続してきます。1953年のエリントンの作品でエラもゆったりと艶のある声で歌い上げていますが、いささか迫力がありすぎてドリス・デイの方が魅力的かも。 I'm Beginning To See The Light 続けてエリントンの1944年作品です。ベイシー楽団で続けての演奏とはこれもまた一興。Shiny Stockings ベイシー楽団でよく演奏される曲でビッグバンドの定番曲ですね。ブレイクのドラムがカッコ良いです。歌詞はエラによるものでクインシーのアレンジもいかしてます。My Last Affair 1936年の Haven Johnson のバラード。エラのボーカルもノビノビとしていています。エンディングのしめかたも好きです。 Ain't Misbehavin' 邦題は「浮気はやめた」です。ゆったりと感情をこめて歌うエラの表情がこれもよく出ています。On The Sunny Side Of The Street ジャズ・スタンダードとしてはこれも有名な1930年の歌ですが、とても明るい曲でハッピーな曲です。
 これも以前聴いた時よりも感動的に良いアルバムで、ヘビロテの棚に入れておいても良いですね🎶

【The Count Basie Orchestra】
piano, organ : Count Basie
clarinet, alto saxophone : Marshal Royal
flute, tenor saxophone : Eric Dixon
flute, alto saxophone, tenor saxophone : Frank Foster, Frank Wess
baritone saxophone : Charlie Fowlkes
trumpet : Sonny Cohn, Al Aarons, Joe Newman, Don Rader
trombone : Benny Powell, Urbie Green, Henry Coker, Grover Mitchell
trombone, trumpet : Flip Ricard
guitar : Freddie Green
double bass : Buddy Catlett
drums : Sonny Payne

arranged by : Quincy Jones, Benny Carter
producer, recording supervisor : Norman Granz
recorded in New York City, July 15th & 16th, 1963.

1. Honeysuckle Rose (Andy Razaf, Fats Waller)
2. Deed I Do (Walter Hirsch, Fred Rose)
3. Into Each Life Some Rain Must Fall (Doris Fisher, Allan Roberts) 
4. Them There Eyes (Maceo Pinkard, Doris Tauber, William Tracey)
5. Dream A Little Dream Of Me  (Fabian Andre, Gus Kahn, Wilbur Schwandt)
6. Tea For Two (Irving Caesar, Vincent Youmans) 
7. Satin Doll (Duke Ellington, Johnny Mercer, Billy Strayhorn) 
8. I'm Beginning To See The Light (Ellington, Don George, Johnny Hodges, Harry James) 
9. Shiny Stockings (Frank Foster, Ella Fitzgerald) 
10. My Last Affair (Haven Johnson) 
11. Ain't Misbehavin' (Harry Brooks, Razaf, Waller) 
12. On The Sunny Side Of The Street (Dorothy Fields, Jimmy McHugh)





  

2025年1月15日水曜日

James Cotton / 3 Harp Boogie


 長い間、聴いていなかったのですが、アルバム名から James Cotton、Billy Boy Arnold、Paul Butterfield の三人のハーピストが全曲に参加しているアルバムだと思っていましたが、ホーンが入っている曲と、アコギとハープのみの曲があるようで全てに三人が参加ではないようでどうやら違います。マイナーなアルバムのせいか、解説しているサイトも、ほぼ皆無で長い英語のライナーノーツを読んでいくと最後の方に、異なる二つのソースでできていると書いてあり解説ありましたが、どの曲がそれに該当するかは書いてありません。(聴いたらわかるだろってことですね。おそらく)
The tracks that comprise this disc hail from two highly disparate sources. The acoustic material was recorded circa 1962-63 by producer Norman Dayron in a setting that was very informal by any standards—an apartment on Chicago's South Side. It places Cotton smack dab in the sympathetic company of brash youngbloods Paul Butterfield and Elvin Bishop and relative veteran Billy Boy Arnold, whose old Vee-Jay catalog was about to receive a shot in the arm from the Yardbirds.
 この聴きどころは、やはり3人のハープが聴ける acoustic material で、Norman Dayron のシカゴのアパートで録音したとのこと。ここで、この三人が録音とは仲良き事、素晴らしいと言いたいところで、所持音源の検索しましたが、このアルバム以外では Billy Boy Arnold が参加しているものは、ありませんでした。
 調べてみると Arnold は、1935年イリノイ州シカゴ生まれ。Sonny Boy WilliamsonⅠ に大きな影響を受けてクラブでの音楽活動を開始、1953年で初録音し Bo Diddley のバンドにも在籍。代表曲は1955年 I Wish You Would とのこと。James Cotton も1935年生まれ、Paul Butterfield は1942年生まれでこの時代のブルース業界では後輩になります。ちなみにこの音源録音時1963年は、コットン、アーノルドは28歳、バターフィールドは19歳で白人の若いブルースマンが先輩の黒人大御所と演奏していますが自身のバンド Paul Butterfield Blues Band 同年に結成しています。 写真掲載しときます。James Cotton, Billy Boy Arnold, Paul Butterfield の順です。



 それでは、改めて聴いてレビューです。Jelly Jelly ブルース・ピアノのイントロから始まる典型的なブルースで、コード進行と歌メロは Stormy Monday 等で使われているものと同じですね。ブルースとはそう言うもんです。ジャケットが古臭いですが、録音は結構良いです。エレクトリック・マテリアルと書かれているホーンも入った気持ち良いブルースですが、気になるのは、後半4分ぐらいのところから入ってくるホーンはトランペットのようなんですが、ミュージシャンのクレジットはトロンボーンのお二人。トランペットのような発音をしているのか、楽器を持ち換えているのか、違うミュージシャンが参加しているのか。 South Side Boogie 2、3曲目はアコースティック・マテリアルです。シカゴのサウス・サイドのアパートでの録音と書いてあるので、それがこのセッションの名前になっています。Elvin Bishop のアコースティックでのブギーなギターのノリが素晴らしい。やっぱり名手です。それに合わせて3人がハープを被せてきて最高のセッションです。So Glad You're Mine 先のブギーは楽器のみですが、これは歌ものになります。ボーカルは御大 James Cotton です。年齢を重ねたかのような28歳に聞こえない声質は、この時点から。Good Time Charly ここでエレクトリック・マテリアルに戻ってきますが、一気ににぎやかな音になるので、音量を上げて聴いていたらビックリするかと思いますので気を付けて。Diggin' My Potatoes コットンの他のアルバムでもよく聞いているナンバーですが、アコースティックのみの演奏もオツなものがあります。テンポはバンドでやっている時と余り変わりない早めです。短くて残念。There's Something On Your Mind そしてエレクトリック・マテリアルです。やはりビックリします。スタジオ録音ですが語り部分が長くて気持ち入ってるのがビンビンきます。V-Ford Blues  車のフォードがテーマのブルースですね。Mose Allison のバージョンを聴いたことがありますが全く印象が違います。コットン氏にかかると曲が似通ってくるのかもしれません。Turn On Your Love Light またもやフル・ボリュームのソウル・タイプの演奏にビックリします。こういったノリの演奏は珍しいかもしれません。Dolly Put The Kettle On 最後はアコースティック・マテリアルからの録音で、延々と続くセッションを連想させるよう1分46分でフェイドアウトの終わり方が余韻を残します。
 アコースティックとエレクトリックの落差がありすぎて、聴きながらビックリするアルバムでした。三人のハーピストのアパートでのセッションが素晴らしいので世に出したかったけど、尺が足りなかった結果この構成?のような気がします🎶

① Acoustic Material Recorded in Chicago 1963, Produced by Norman Dayron
2, 3, 5, 7, 9 (determined by listening)
harmonica, vocals: James Cotton 
harmonica: Paul Butterfield 
harmonica: Billy Boy Arnold
guitar: Elvin Bishop

② Electric Material Recorded in Chicago 1967, Produced by Barry Goldberg, Michael Bloomfield and Norman Dayron
1, 4, 6, 8 (determined by listening)
harmonica, vocals: James Cotton 
guitar: Luther Tucker 
piano: Alberto Gianquinto 
bass, vocal: Robert Anderson 
drums: Sam Lay Tenor 
sax: Delbert L. Hill Baritone 
sax: McKinley Easton 
trombone: Louis E. Satterfield 
trombone: John M. Watson

producer : Michael Bloomfield

1. Jelly Jelly
2. South Side Boogie
3. So Glad You're Mine
4. Good Time Charly
5. Diggin' My Potatoes
6. There's Something On Your Mind
7. V-Ford Blues
8. Turn On Your Love Light
9. Dolly Put The Kettle On





  

2025年1月14日火曜日

東京パノラマ マンボ ボーイズ / マンボ天国


 デザインに昭和の匂いがする 「東京パノラマ マンボ ボーイズ」ですが、サルサを集めていた時期はあるけれどマンボに興味は無かったので、このバンドの存在を知る由もなく、おそらく20年以上前の衝動買いでした。
 でも知らなかったというのは勘違いでした。聴いてわかったのですが「ア~ ウッ!」という掛け声は「マンボのビート」でフジテレビの『ライオンのごきげんよう』のテーマソングでしたし、パチンコなんて曲も、どこで聴いたのか?知っていました。


 基本DJとパーカッション2人というスタイルで昭和のキャバレーの和風マンボ専門で活動していて、ラテン音楽にDJを導入は斬新なクラブ・ミュージックとしても注目を集めていたようです。曲のテーマがふざけているのにマンボしか演奏しないコミックバンド風ですが、演奏は本気度の高いガチで素晴らしいバンドです。
 1993年 惜しまれつつ解散も、2006年何故かフジロックフェスティバルにて14年ぶりに復活し、2007年にライブ活動、2008年にはマンボインペリアル、マンボデコの2枚のアルバムを出しています。

 

 テイチクさんのプロフィールは、おそらく2008年ぐらいから更新無し。東京パノラママンボボーイズ 公式ブログ (2011年を最後に消息不明と思っていたら、東京パノラママンボボーイズ 2022 パーレスクでの乱痴気ライブ活動を確認です🎶👏

 

 

 ジャケットも、昭和薫るアート作品。楽曲については、youtube より掲載しておりますので、私のレビューより現物を聴いて楽しんでいただけた方が、その素晴らしいエンターテイメントをご理解いただけると思いますので、あしからず🎶

DJ : コモエスタ八重樫 DJ
percussion : パラダイス山元 
oercussion : ゴンザレス鈴木
vocals : Pablo Minami
voice (cuttie voice) : Lily Fukaura (21)
chorus : Kazuko Kawashima, Miwa Sugai, Risa Ohki
piano : Naoki Kitajima, Shinichi Shiokawa (3, 4, 18)
guitar : Hisamasa Kojima
bass : Tohru Kase
drums : Koichi Suzaki
alto sax : Shigeo Nukita
tenor sax : Masamiki Takano
baritone sax : Etsuo Yamada
trumpet : Eric Miyashiro, Hitoshi Yokoyama, Kenji Yoshida, Mitsukuni Kohata
trombone : Michio Kagiwada, Shizue Hirano

producer : Comoesta Yaegashi, Gonzarez Suzuki, Paradise Yamamoto, Tokyo Panorama Mambo Boys
recorded at Avaco Creative Studios

1. マンボ・ボンド
2. マンボのビート
3. スピーク・アップ・マンボ
4. マンボ・マニア
5. ワン・レイニー・ナイト・イン・東京
6. グリーン・オニオン
7. ヒット・ザ・ボンゴ
8. チャ・チャ・チック
9. パチンコ
10. 赤坂の夜は更けて
11. ピーター・ガン
12. ザ・グース
13. 夏の夜のサンバ
14. コーヒー・ルンバ
15. メドレー (マンボ・メドレィー)
a.マンボ / b.エル・マンボ / c.マンボ第8番 / 
d.南京豆売り / e.セレソ・ローサ / f.ティコ・ティコ
16. コセ・コセ・コセ
17. 大学マンボ
18. パトリシア
19. ネグラ・ミ・チャチャチャ
20. タブー
21. キー・ハンター(非情のライセンス)
22. サーフ・バード
23. 太陽の彼方に
24. ボンゴ天国
25. ティン・ティン・ディオ





▶ ザ・ガードマン&カサショフ PV