L.A.ロキシー・シアターでのライブでレコード盤では2枚組。フュージョン系に転じてセールスも順調で脂がのっている時期のベンソンのライブ・アルバムです。1976年にワーナー・ブラザース・レコードに移籍、プロデューサーに Tommy LiPuma を迎えた Breezin' が大ヒットしシングルの This Masquerade のボーカルとのスキャットが名物となりました。これ以後ボーカル曲も積極的に取り入れ、ブラック・コンテンポラリー分野で認知されました。本アルバムは1977年録音の翌年発売のアルバムで当然プロデューサーは、Tommy LiPuma で代表作となるほどのヒット作となっています。
Weekend In LA. を「メローなロスの週末」という邦題は当時のベンソンがブラコンに転向した時に「メロー」というキーワードで売っていたからなんでしょうが、これに関してはあまりセンスを感じないのですが時代背景はこれで認識できます。
アルバムとしてかなり完成されていて、ベンソンのギターの上手さとブラコンでも適合してしまうギターのトーンの美しさと発音も堪能できますし、ブラコン歌手としての盛り上げ方も最高でヒットは当然の作品です。We All Remember Wes.はコンテンポラリーなフュージョン作品ですが、オクターブ奏法を駆使したウェスへの思いを感じ、On Broadway のボーカルは Donny Hathaway を感じながら、名物のボーカルとギターのスキャット、ホイットニーで有名な Greatest Love of All はベンソンがやるとこうなるのかとベンソンの良いところがたっぷりと聴けます。
ベンソンはギターも歌も一流ですが、歌に限って言えば私はジャズを歌うベンソンは好みではなく、このブラコンのベンソンはかなり好み。成功してからはベンソンは純粋に自分が好きな音楽を録音するようになるのですが、そういったものはマニア過ぎて正直聴きづらい部分もあったりします。それも含めてこうやって色々な音楽を背景も含めて聴きながら書いていると一流ミュージシャンが、商業的センスのあるプロデューサーと出会うとこうなるというところが非常に面白いです。
lead guitar, vocals : George Benson
acoustic piano, keyboards : Jorge Dalto
synthesizers : Ronnie Foster
rhythm guitar : Phil Upchurch
bass : Stanley Banks
drums : Harvey Mason
percussion : Ralph MacDonald
additional string ensemble arrangements : Nick DeCaro
producer : Tommy LiPuma
recorded live at The Roxy Theatre in West Hollywood, California, Sept. 30th, Oct. 1st & 2nd, 1977.
1. Weekend In L.A.
2. On Broadway
3. Down Here On The Ground
4. California P.M.
5. The Greatest Love Of All
6. It's All In The Game
7. Windsong
8. Ode To A Kudu
9. Lady Blue
10. We All Remember Wes
11. We As Love