2021年12月12日日曜日

Take6 / He is Chistmas


 順番にレビューでこのアルバムの紹介となるわけで、特に12月のクリスマス・シーズンだからというチョイスではありません。が本作は Take6の3作目でグラミー賞も受賞したアルバムで、とにかくメジャーなクリスマスソングを、これでもか!と収録。また Take6 のオリジナルの曲もあり、素晴らしいコーラスが堪能できます。
 肉声も楽器の一つであると実感できるのが Take6の魅力で、メンバー全員の優れた表現力によってその間のとりかたとリズムなどが生き生きと感じられます。1曲目に収録の Silent Night から、スローなブルース調のイントロ、ブレイクと、めまぐるしく変わる表情にただのクリスマスではないなと実感できます。Oh! He Is Christman はポップなんですがゴスペル的でもあり讃美歌のような響きも感じられます。The Impressions からの Amen も大好きな曲ですが、これはトラディショナルな感じのアレンジですが、クリスマスをテーマにアルバムに収録されるとまたぐっときます。大人な夜を過ごせそうなアルバムです。お酒はやっぱりワインが似合うかなあ。家にはありませんが・・


 そして、このアルバムを聴くと実はクリスチャンでありながら最近教会へ行っていないな・・とハッと思います。私は四谷の上智大学の横の教会、イグナチオ教会に幼少から学生時代まで通っていました。当然、聖歌・讃美歌を歌う機会は多くて自分たちで歌って作るコーラスのハーモニーの楽しさも教会で覚えました。人の声って重ねていくと、ハーモニーが化学反応みたいになるところが面白いなあと。
 たまに行けば皆さん笑顔で迎えてくれます。でも外人の神父や修道士には「何やってるよ~、教会こないで、信者は教会に来て教会をささえないとダメだよ~」そうなんだよねえ。

【vocals】
Alvin Chea
Cedric Dent
Claude V. McKnight III
David Thomas 
Joey Kibble, Mark 

1. Silent Night
2. Oh! He Is Christman
3. Hark! The Herald Angels Sing
4. Away in a Manger
5. Amen
6. Little Drummer Boy
7. 'twas da Nite
8. Sweet Little Jesus Boy
9. God Rest Ye Merry Gentlemen
10. O Come All Ye Faithful 


▶ Amen



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2021年12月11日土曜日

Ronny Jordan / The Antidote

 

 1992年の Ronny Jordan のデビュー作で、当時ラップなどには全く興味がなかったのに愛聴になってしまった一枚。1985年ごろから Acid Jazz が英国の音楽シーンに現れて Jazz と打ち込みのクラブ系のリズムが融合してきたムーブメント。今聴いても素晴らしいセンスだと思います。
 Acid Jazz と言えば、踊れるジャズとして Lou Donaldson 「Alligator Boogaloo」、Donald Byrdの「Black Byrd」などがあります。ここら辺はファンクとジャズの融合でした。


 その後踊れるジャズ Acid Jazz として出てくるのは、ジャズとソウルやヒップホップを融合させた The Brand New Heavies、Incognito などなど
 そんな音楽の影響もあってか、Benson系のJazzyなギター・ジャズ演奏が繰り広げられる構図よりジャズよりではありながら、ヒップ・ホップなどを自然にとり入れてしまった。オルガン、ベースによるイントロに、ストリート系のグルーヴにRapが加わった Get To Grips。Jazzyでオルガンとのユニゾンでセンス抜群の Blues Grinder。そして何よりもテンポ早めでGroovy、スピード感のあるピアノソロでマイルスがこうアレンジされてしまうのかと思わずニヤッとしてしまう So What。これにはノック・アウトされてしまった人が多数いるはずで、私もインパクト大で昔からの愛聴盤となっています。

guitar : Ronny Jordan
organ : Hugo Delmirani、Adrian York
double Bass : Arnie Somejee
piano : Joe Bashorun
flute : Philip Bent
vocals : Isabel Roberts
rap : IG (Dodge City Productions) (1, 4)

1. Get To Grips
2. Blues Grinder
3. After Hours (The Antidote)
4. See The New
5. So What
6. Show Me (Your Love)
7. Nite Spice
8. Summer Smile





▶ So What


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2021年12月8日水曜日

Donald Byrd / Places And Spaces

 

 こんなファンク・アルバムが Blue Note ? というレア・アイテムではないでしょうか。Donald Byrd (ドナルド・バード)のファンク・アルバムです。
 Blue Noteには、Off to the Races (1959年)~次のアルバム Caricatures まで在籍して25枚のリーダー作を残しています。ハードバップのトランペッターだったドナルドですが、Black Byrd(1973年)あたりからファンクの要素をとりれた作品を発表し、これは1976年の作品。グルーヴとは何かを追求、模索していた頃の作品で、青空に浮かぶ飛行機と雲の動きをコマ落としでとらえた爽快感のあるジャケットも爽快。
 お勧めは、2曲目 Wind Parade, 5曲目 You and the Music でさりげないバックグラウンドの Kay Haith 女性ボーカルが心地好い感じです。同じくバックグラウンド・ボーカルのLarry Mizell & Fonce Mizell は兄弟でもともとはジャズ・ボーカルの人らしい。


そしてこのアルバムで特筆すべきミュージシャンは、なんといってベースの Chuck Raineyドラムの Harvey Mason の強力なリズム隊ですかねえ。

 

 ファンとしてはこれが、ドナルド・バードのファンクなんだよなあと、飽きの来ない演奏内容ではありますが、一般的にコンテンポラリーなファンク・アルバムとして売れ線かと言えばそうではないかもしれません。


trumpet, flugelhorn, vocals : Donald Byrd
backing vocals : Kay Haith, Larry Mizell & Fonce Mizell
tenor sax : Tyree Glenn, Jr.
trombone : George Bohannon
trumpet : Raymond Brown
clavinet, trumpet : Fonce Mizell
piano : Larry Mizell
electric piano : Skip Scarborough
guitar : Craig McMullen, John Rowin
electric bass : Chuck Rainey
drums : Harvey Mason
congas : King Errisson
congas, percussion : Mayuto Correa
whistler : James Carter

producer : Larry Mizell & Fonce Mizell

Recorded August/September 1975.

1. Change (Makes You Want To Hustle)
2. Wind Parade
3. Dominoes
4. Places And Spaces
5. You And Music
6. Night Whistler
7. Just My Imagination

▶ Change




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2021年12月7日火曜日

Herbie Hancock / Maiden Voyage

 

 1965年5月、Herbie Hancock (ハービー・ハンコック)の5枚目のリーダー作として作成された60年代のハービー・ハンコックの傑作と言われるアルバム Maiden Voyage 邦題は処女航海です。
 私のハービーのイメージは1980年代のヒップ・ホップなどを取り入れたエレクトリック・サウンドだったので、ジャズをやっていたことは知ってはいたのですが、あまり単体で聴くことはありませんでした。しかし、マイルスを聴き始めてからハービーのピアノを聴くことも増えてきたため、Speak Like A Child などを仕入れて入門編であるこの処女航海など最近聴き始めています。


 マイルス・デイヴィス・グループには1963年~1965年まで在籍していたので、メンバーもトランペットの Freddie Hubbard を除けばマイルス・バンドのメンバーですしマイルスの影響をモロに受けていた時代の作品と言えるでしょう。
 テーマはタイトル通り、海の広大さと威厳・処女航海で海をゆく船の壮麗さ・優雅なイルカの美しさ・小さな海生生物の生・嵐などを盛り込んだモチーフを持って作成されたハービーのオリジナルとなっています。航海に乗り出す船の美しい姿や 光る水面などのイメージの Maiden Voyage で始まり、次いで嵐をモチーフにした The Eye Of The Hurricane と続きますが、メンバーの若々しく、エネルギッシュな演奏。ハービー透明感があってキラキラのしたピアノのバランス感も素晴らしい。1965年にしては、現代的な音のセンスの和音とビートのジャズを展開しているのだから、当時のこのアルバムを聴いたジャズ・ファンは新たな時代を感じたに違いありません。この後にエレクトリック・キーボードを取り入れてファンク、ヒップホップ、ジャズ回帰などの活動をする人だけに、初めて聞くわけではないけどアルバム全体を通して聴くとしみじみするものがあります。

piano : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Anthony Williams
tenor sax : George Coleman
trumpet : Freddie Hubbard

producer : Alfred Lion

recorded on March 17, 1965.
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

1. Maiden Voyage
2. The Eye Of The Hurricane
3. Little One
4. Survival Of The Fittest
5. Dolphin Dance





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2021年12月6日月曜日

Akiko Moriyako / The Vibes


 これは札幌時代に懇意にしていたお店「Soul&Spice」のマスターからの頂きものです。マスターは私と同い年のギター弾き、ソウル、ロック系のレコードが店に多数在庫あり忙しくなければ、リクエストにも応えていただけます。札幌時代近くに住んでいたので、多ければ週3回はここで飲んでました。札幌に出張の際は必ず行くようにしています。住所は北4西11ですので札幌にお越しの際は是非どうぞ。一応イタリアンなのでピザとか旨いんですが、私はいつもサラダとつまみ一品とお酒でした。


 さて、この Akiko Moriyako さん、札幌生まれで近くに住んでいるらしいです。マスターは知りあいのようですが、私は面識はございません。「結構、レゲエとかで有名な人みたいだよ」とのことで調べてみると、なるほどワールドワイドな方らしい。プロデューサーはMaxi PriestとLivingstone Brownでした。
 しかし、聞いたら全くレゲエではなくジャズ・ニューエイジ・アンビエント系の透明感のあるピアノ演奏です。これをいただいた時には、実は全く興味はない分野でしたが今聴くとこれはこれでありです。もう少し聴きこんでみます。

1. Sublime
2. Groovin' In The Midnight  
3. Sure Fire Love 
4. Wild World  
5. Space In My Heart: Prelude
6. Space In My Heart  
7. The One
8. House Call
9. Just A Little Bit Longer
10. God Watches Over Us
11. Love Somebody For Life
12. Set The Night To Music
13. Full Hundred
14. Ain't It Enough
15. Close To You




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2021年12月5日日曜日

Maceo And All The Kings Men / Doing Their Own Thing


 ファンク界のサックスプレイヤーでは有名な Maceo Parker (メイシオ・パーカー)。メイシオは1964年ジェームス・ブラウンのバックバンド (J.B.'s) に参加、そして1975年には Pファンク へも参加しています。共演はプリンス、リビングカラー、ブライアンフェリー等々の名プレイヤーです。
 

 私メイシオは J.B.'s で、ずっと働いていたんだと思っていたんですが、どうやらドラマがあったようです。メイシオとその仲間たちは1970年に3月に J.B.'s の賃上げ要求、待遇改善を求めてライヴでの演奏をボイコットするストライキに突入した。しかし事前に謀反を察知していたJBは彼らをあっさり解雇した。そして、メイシオの初リーダー作で謀反を起こしたメンバーでこのアルバムは1970年リに発売されたとのこと。しかし謀反を起こしたメンバーの録音はラジオなどでのオンエアもされるわけもなくセールス的には不発だったとのこと。
 不本意でしょうが、ホーンアレンジやリズムの作り方はJ.B.'sで既に聞き覚えがあるパターンもちらほら。しかし冒頭の Maceo なんかは、Boscoe あたりで聞き覚えのあるリフとリズム・パターンに J.B.'s にあるイントロの掛け声の様式美の複合型。頭からグッと心が掴まれてしまいます。少しづつ異なるリズムと旋律が複合化されると素晴らしいグルーブになり、繰り返されても飽きずに聞こえます。続く Got To Getcha なんかも王道ファンクに、JB、Sly 的な要素が入っていたりします。時代劇のようないわく付きのアルバムですが中身は最高です。

alto tenor sax : Maceo Parker
bass : Bernard Odum
drums : Melvin Parker
guitar : Alfonzo Kellum, Jimmy Nolen
tenor sax : Eldee Williams
trumpet : Richard Griffith
vocals : Maceo Parker

producer : B.B. Cunningham Jr., Ray Riley
Recorded at Sounds Of Memphis Studio Inc. · Memphis, Tenn.

1. Maceo
2. Got To Getcha
3. Southwick
4. Funky Women
5. Shake It Baby (Keep On Shakin' It)
6. Better Half
7. Don't Waste This World Away
8. Mag-Poo
9. (I Remember) Mr. Banks
10. Thank You For Letting Me Be Myself Again

▶ Maceo



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2021年12月4日土曜日

Digin' P-Vine Vol.0 / Mixed By MURO



 P-Vine Records は、1975年設立のかなり愛用させていただいているレーベル。
 これは、2012年タワーレコードで行われた P-Vineのキャンペーンの景品CDで、期間中の対象商品購入者に無料で配布されていたものでジャケットなどはござりませぬ。
 内容はといえば、MUROと浜野謙太(在日ファンク、SAKEROCK)によるMIX。


 ソウル、ファンク、ヒップホップ、 R&B、ワールド・ミュージックからロック、ジャズ、そしてJ-POPに至るまで、こだわりを持った独自の視点、個性的な音楽作品の数々
Funkshone, Mountain Mocha Kilimanjaro, The Soul Investigators, Third Coast Kings, Speed Meter  とお馴染みのファンク・バンドのオムニバスとなっていて、これは持っていたっけ?と思って探してみると録音が違っていたりと楽しい中身になっています。

1. Forward On Brother / Funkshone
2. The Preavher / Mountain Mocha Kilimanjaro 
3. Momma's Gravy (Yam Yam) / The Soul Investigators 
4. Emcee Marie / Third Coast Kings 
5. Never Never Love A Married Man / Martha High With Speed Meter
6. Stop, Think, Work It Out / Funkshone 
7. Do Whatever Makes You Feel Hot / Hannah Williams & The Astemakers 
8. Mo'hash / The Soul Investigators 
9. It Must Be You / Mountain Mocha Kilimanjaro
10. No More Heartaches / Martha High High With Speed Meter
11. Mamacita / Dojo Cuts Featuraring Roxie Ray
12. Each To Their Own / The New Mastersounds