2021年12月9日木曜日

Doug Carn / Infant Eyes

 

 西海岸の名門スピリチュアル・ジャズレーベル Black Jazz から発売の キーボード奏者のDoug Carn 、ボーカルの Jean Carn で夫妻によって録音されたものです。レーベルは西海岸の名門スピリチュアル・ジャズレーベル Black Jazz で1969年にカリフォルニア(オークランド)で設立されていて、スピリチュアル・ジャズという新ジャンルで勝負をかけていた変わり種のレーベルです。正統派ジャズファンからは、ほぼ無視されていたので安価でDJが手に入れたことによりサンプリング・ソースを探すヒップホップDJたち、レア・グルーブ好きの間での人気が高まっていったようです。何よりも暗く、重く思想性を感じるアルバムづくりで、また新しい世界の発見で気に入りましたが、それほどいっぱいは要らない感じです。


 Doug Carn はこのレーベルに最も多くの作品を残した鍵盤奏者で、本作を含めて4枚のアルバムを残しています。このレーベル以外では Savoy でトリオ作 Doug Carn Torio の1枚のみでアルバム制作も活動も1969年~1974年までの短い期間でした。暗めの独特のピアノが印象的、奥様の Jean Carn もジャズボーカルではありますが、讃美歌っぽいクセのある歌い方が気になる人であります。奥様の方はソウル界でその後も活躍されているとのことです。ちなみにEWFデビュー作、2作目 には役割は不明だが名前はクレジットされていて何らかの形で参加されているとのこともライナーノーツには書いてありました。Jean Carnのスキャットから始まる Little B's Poem、McCoy Tynerの Passion Dance、Jon Coltraneの Acknowlegement 辺りがお勧めのところ。

piano, electric piano, organ : Doug Carn
vocals : Jean Carn
bass : Henry Franklin
drums : Michael Carvin
flugelhorn, trumpet : Bob Frazier
flute, tenor sax : George Harper
trombone, valve Trombone : Al Hall Jr.

1. Welcome (written by John Coltrane)
2. Little B's Poem (written by Bobby Hutcherson)
3. Moon Child (written by Doug Carn)
4. Infant Eyes (written by Wayne Shorter)
5. Passion Dance (written by McCoy Tyner)
6. Acknowledgement (written by John Coltrane)
7. Peace (written by Horace Silver)




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2021年12月8日水曜日

Donald Byrd / Places And Spaces

 

 こんなファンク・アルバムが Blue Note ? というレア・アイテムではないでしょうか。Donald Byrd (ドナルド・バード)のファンク・アルバムです。
 Blue Noteには、Off to the Races (1959年)~次のアルバム Caricatures まで在籍して25枚のリーダー作を残しています。ハードバップのトランペッターだったドナルドですが、Black Byrd(1973年)あたりからファンクの要素をとりれた作品を発表し、これは1976年の作品。グルーヴとは何かを追求、模索していた頃の作品で、青空に浮かぶ飛行機と雲の動きをコマ落としでとらえた爽快感のあるジャケットも爽快。
 お勧めは、2曲目 Wind Parade, 5曲目 You and the Music でさりげないバックグラウンドの Kay Haith 女性ボーカルが心地好い感じです。同じくバックグラウンド・ボーカルのLarry Mizell & Fonce Mizell は兄弟でもともとはジャズ・ボーカルの人らしい。


そしてこのアルバムで特筆すべきミュージシャンは、なんといってベースの Chuck Raineyドラムの Harvey Mason の強力なリズム隊ですかねえ。

 

 ファンとしてはこれが、ドナルド・バードのファンクなんだよなあと、飽きの来ない演奏内容ではありますが、一般的にコンテンポラリーなファンク・アルバムとして売れ線かと言えばそうではないかもしれません。


trumpet, flugelhorn, vocals : Donald Byrd
backing vocals : Kay Haith, Larry Mizell & Fonce Mizell
tenor sax : Tyree Glenn, Jr.
trombone : George Bohannon
trumpet : Raymond Brown
clavinet, trumpet : Fonce Mizell
piano : Larry Mizell
electric piano : Skip Scarborough
guitar : Craig McMullen, John Rowin
electric bass : Chuck Rainey
drums : Harvey Mason
congas : King Errisson
congas, percussion : Mayuto Correa
whistler : James Carter

producer : Larry Mizell & Fonce Mizell

Recorded August/September 1975.

1. Change (Makes You Want To Hustle)
2. Wind Parade
3. Dominoes
4. Places And Spaces
5. You And Music
6. Night Whistler
7. Just My Imagination

▶ Change




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2021年12月7日火曜日

Herbie Hancock / Maiden Voyage

 

 1965年5月、Herbie Hancock (ハービー・ハンコック)の5枚目のリーダー作として作成された60年代のハービー・ハンコックの傑作と言われるアルバム Maiden Voyage 邦題は処女航海です。
 私のハービーのイメージは1980年代のヒップ・ホップなどを取り入れたエレクトリック・サウンドだったので、ジャズをやっていたことは知ってはいたのですが、あまり単体で聴くことはありませんでした。しかし、マイルスを聴き始めてからハービーのピアノを聴くことも増えてきたため、Speak Like A Child などを仕入れて入門編であるこの処女航海など最近聴き始めています。


 マイルス・デイヴィス・グループには1963年~1965年まで在籍していたので、メンバーもトランペットの Freddie Hubbard を除けばマイルス・バンドのメンバーですしマイルスの影響をモロに受けていた時代の作品と言えるでしょう。
 テーマはタイトル通り、海の広大さと威厳・処女航海で海をゆく船の壮麗さ・優雅なイルカの美しさ・小さな海生生物の生・嵐などを盛り込んだモチーフを持って作成されたハービーのオリジナルとなっています。航海に乗り出す船の美しい姿や 光る水面などのイメージの Maiden Voyage で始まり、次いで嵐をモチーフにした The Eye Of The Hurricane と続きますが、メンバーの若々しく、エネルギッシュな演奏。ハービー透明感があってキラキラのしたピアノのバランス感も素晴らしい。1965年にしては、現代的な音のセンスの和音とビートのジャズを展開しているのだから、当時のこのアルバムを聴いたジャズ・ファンは新たな時代を感じたに違いありません。この後にエレクトリック・キーボードを取り入れてファンク、ヒップホップ、ジャズ回帰などの活動をする人だけに、初めて聞くわけではないけどアルバム全体を通して聴くとしみじみするものがあります。

piano : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Anthony Williams
tenor sax : George Coleman
trumpet : Freddie Hubbard

producer : Alfred Lion

recorded on March 17, 1965.
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

1. Maiden Voyage
2. The Eye Of The Hurricane
3. Little One
4. Survival Of The Fittest
5. Dolphin Dance





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2021年12月6日月曜日

Akiko Moriyako / The Vibes


 これは札幌時代に懇意にしていたお店「Soul&Spice」のマスターからの頂きものです。マスターは私と同い年のギター弾き、ソウル、ロック系のレコードが店に多数在庫あり忙しくなければ、リクエストにも応えていただけます。札幌時代近くに住んでいたので、多ければ週3回はここで飲んでました。札幌に出張の際は必ず行くようにしています。住所は北4西11ですので札幌にお越しの際は是非どうぞ。一応イタリアンなのでピザとか旨いんですが、私はいつもサラダとつまみ一品とお酒でした。


 さて、この Akiko Moriyako さん、札幌生まれで近くに住んでいるらしいです。マスターは知りあいのようですが、私は面識はございません。「結構、レゲエとかで有名な人みたいだよ」とのことで調べてみると、なるほどワールドワイドな方らしい。プロデューサーはMaxi PriestとLivingstone Brownでした。
 しかし、聞いたら全くレゲエではなくジャズ・ニューエイジ・アンビエント系の透明感のあるピアノ演奏です。これをいただいた時には、実は全く興味はない分野でしたが今聴くとこれはこれでありです。もう少し聴きこんでみます。

1. Sublime
2. Groovin' In The Midnight  
3. Sure Fire Love 
4. Wild World  
5. Space In My Heart: Prelude
6. Space In My Heart  
7. The One
8. House Call
9. Just A Little Bit Longer
10. God Watches Over Us
11. Love Somebody For Life
12. Set The Night To Music
13. Full Hundred
14. Ain't It Enough
15. Close To You




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2021年12月5日日曜日

Maceo And All The Kings Men / Doing Their Own Thing


 ファンク界のサックスプレイヤーでは有名な Maceo Parker (メイシオ・パーカー)。メイシオは1964年ジェームス・ブラウンのバックバンド (J.B.'s) に参加、そして1975年には Pファンク へも参加しています。共演はプリンス、リビングカラー、ブライアンフェリー等々の名プレイヤーです。
 

 私メイシオは J.B.'s で、ずっと働いていたんだと思っていたんですが、どうやらドラマがあったようです。メイシオとその仲間たちは1970年に3月に J.B.'s の賃上げ要求、待遇改善を求めてライヴでの演奏をボイコットするストライキに突入した。しかし事前に謀反を察知していたJBは彼らをあっさり解雇した。そして、メイシオの初リーダー作で謀反を起こしたメンバーでこのアルバムは1970年リに発売されたとのこと。しかし謀反を起こしたメンバーの録音はラジオなどでのオンエアもされるわけもなくセールス的には不発だったとのこと。
 不本意でしょうが、ホーンアレンジやリズムの作り方はJ.B.'sで既に聞き覚えがあるパターンもちらほら。しかし冒頭の Maceo なんかは、Boscoe あたりで聞き覚えのあるリフとリズム・パターンに J.B.'s にあるイントロの掛け声の様式美の複合型。頭からグッと心が掴まれてしまいます。少しづつ異なるリズムと旋律が複合化されると素晴らしいグルーブになり、繰り返されても飽きずに聞こえます。続く Got To Getcha なんかも王道ファンクに、JB、Sly 的な要素が入っていたりします。時代劇のようないわく付きのアルバムですが中身は最高です。

alto tenor sax : Maceo Parker
bass : Bernard Odum
drums : Melvin Parker
guitar : Alfonzo Kellum, Jimmy Nolen
tenor sax : Eldee Williams
trumpet : Richard Griffith
vocals : Maceo Parker

producer : B.B. Cunningham Jr., Ray Riley
Recorded at Sounds Of Memphis Studio Inc. · Memphis, Tenn.

1. Maceo
2. Got To Getcha
3. Southwick
4. Funky Women
5. Shake It Baby (Keep On Shakin' It)
6. Better Half
7. Don't Waste This World Away
8. Mag-Poo
9. (I Remember) Mr. Banks
10. Thank You For Letting Me Be Myself Again

▶ Maceo



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2021年12月4日土曜日

Digin' P-Vine Vol.0 / Mixed By MURO



 P-Vine Records は、1975年設立のかなり愛用させていただいているレーベル。
 これは、2012年タワーレコードで行われた P-Vineのキャンペーンの景品CDで、期間中の対象商品購入者に無料で配布されていたものでジャケットなどはござりませぬ。
 内容はといえば、MUROと浜野謙太(在日ファンク、SAKEROCK)によるMIX。


 ソウル、ファンク、ヒップホップ、 R&B、ワールド・ミュージックからロック、ジャズ、そしてJ-POPに至るまで、こだわりを持った独自の視点、個性的な音楽作品の数々
Funkshone, Mountain Mocha Kilimanjaro, The Soul Investigators, Third Coast Kings, Speed Meter  とお馴染みのファンク・バンドのオムニバスとなっていて、これは持っていたっけ?と思って探してみると録音が違っていたりと楽しい中身になっています。

1. Forward On Brother / Funkshone
2. The Preavher / Mountain Mocha Kilimanjaro 
3. Momma's Gravy (Yam Yam) / The Soul Investigators 
4. Emcee Marie / Third Coast Kings 
5. Never Never Love A Married Man / Martha High With Speed Meter
6. Stop, Think, Work It Out / Funkshone 
7. Do Whatever Makes You Feel Hot / Hannah Williams & The Astemakers 
8. Mo'hash / The Soul Investigators 
9. It Must Be You / Mountain Mocha Kilimanjaro
10. No More Heartaches / Martha High High With Speed Meter
11. Mamacita / Dojo Cuts Featuraring Roxie Ray
12. Each To Their Own / The New Mastersounds





  

2021年12月3日金曜日

FUNK. INC CHIKEN LICKIN'


 Prestige ‎から FUNK. INC のアルバム2枚分【FUNK. INC 1971】【Chicken Lickin' 1972】が収録のCDです。FUNK. INC とはオルガン奏者 Bobby Watley を中心に結成されたインスト・ジャズ・ファンク・グループです。
 購入した時は、クセ強めのファンクだなあぐらいにしか思っていなかったのですが、聞きなれると耳に残ってしまう系です。そしてマイナー系だと思っていたらどこかで耳にすることも多いアルバムで、どうやらヒップ・ホップ・ネタとして Chicken Lickin' は有名らしいです。このレビューも書き直しで2回目なんですが、第1回のレビューから、このページへのアクセスは他のアルバムと比較しても若干多めで、古いネタでも常にどなたかに見ていただいている感じです。ヒップ・ホップ系のアーチストの検索に引っかかっている?んでしょうかねえ。
 ベースレスのジャズ・ファンクの原点のようなアルバムで、オルガン、ギターが一体となり、サックスが絡むグルーブは聴き直していて The Baker Brothers の原点みたいな感じもすることを今回感じました。古臭くて泥臭いイメージでしたがホント聴き直しても結構いい味ですね。お勧めです。

 このアルバムの他では私の所有は、Hangin' Out / SuperFunk こちらの方が音的にはすっきりしてるかもしれないですね


organ : Bobby Watley
guitar : Steve Weakley
drums : Jimmy Munford
congas : Cecil Hunt
tenor sax : Eugene Barr

【FUNK. INC 1971】
1. Kool Is Back
2. Bowlegs
3. Sister Janie
4. The Thrill Is Gone
5. The Whipper

【Chicken Lickin' 1972】
6. Chicken Lickin'
7. Running Way
8. They Trying To Get Me
9. The Better Half
10. Let's Make Peace And Stop The War
11. Jung Bungo


▶ Bowlegs


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