2023年6月16日金曜日

Miles Davis / Seven Steps To Heaven

 

 1960年に Coltrane がグループを去り、ここからしばらくメンバーは固定されず、1965年 Wayne Shorter との第2の黄金クインテットが誕生するまでの間、サンフランシスコ・ロサンゼルス等の西海岸で様々なジャズメンと演奏を行っていて、まずは3週間のクラブ・ギグ後、1963年4月の Los Angeles でレコーディング。I Fall In Love To Easily、Baby, Won't You Please Come Home、Basin Street Blues の曲を録音で残りの曲は録音はしたけどお蔵入りとなったとのこと。ピアニストの Victor Feldman はニューヨークに来ないかと誘われたが断ったらしい。あくまでもこのクインテットは暫定的なメンバーとなり New York で、リズム隊を Herbie Hancock、Tony Williams に変えて、サックスに George Coleman にして 同年5月の New York で異なるセッションによって収録されました。マイルス的には、このセッションの違いはリズムにあり New York のクインテットの方が満足していたようです。LA吹込みの So Near, So Far は、どのアルバムかわかりませんが、1981年に発表されているらしいので、そこも聴いてみたいところです。コレクション増やしていけば、そのうち聴けるでしょう。

 落ち着いたマイルスで良いのだが、このアルバムは古めかしいかな。メンバーを探しながら、ツアーに明け暮れて稼いでいた時期なので革新的な音楽の開発と言うよりは当時のメンバーでの記録的な録音でもあるのかもしれません。

 Basin Street Blues は、マイルスが淡々と最初から吹いているバラード調のブルースでカッコ良い演奏ではあるけれど流れてしまうような感じの美しい曲に仕上げています。聴けよこの野郎感は全くありません。タイトル曲の Seven Steps To Heaven は、なるほどリズム隊が変わり古臭くはありますが中身が全く違います。やっぱり、こっちの方が楽しんでいる感じが伝わります。I Fall In Love To Easily では、またバラードとなります。のっぺりとした感じが強い対比に感じます。交互に So Near, So Far はアップテンポになり、マイルスのトランペットの音の張りも違います。Baby, Won't You Please Come Home では、またバラード。なるほどLA録音は Victor Feldman とマイルスの二人が主体となった静的な美しさを強調してるわけですね。最後の Joshua は当然アップテンポで盛り上げていきます。

 心に残る一枚かと言えば、淡々とした演奏を聴いている感が強く、たまに聴いてみたくなるアルバムの類となるような気はします。または在宅勤務時のBGMには良いのかもとも、ここらへんのアルバムを時系列に沿って聴くと面白いのかもしれないとも思ったりしながら最後聴いております🎵

trumpet : Miles Davis
piano : Herbie Hancock (2, 4, 6), Victor Feldman (1, 3, 5)
bass : Ron Carter
drums : Tony Williams (2, 4, 6), Frank Butler (1, 3, 5)
tenor sax : George Coleman (2, 4, 6)

producer : Teo Macero

tracks 1, 3, 5 recorded in Hollywood, Cal.
tracks 2, 4, 6 recorded in New York

1. Basin Street Blues
2. Seven Steps To Heaven
3. I Fall In Love To Easily
4. So Near, So Far
5. Baby, Won't You Please Come Home
6. Joshua



▶ Joshua


  

0 件のコメント:

コメントを投稿