2025年3月5日水曜日

Orquesta De La Luz / Sin Fronteras


 日本人が結成したサルサの楽団 Orquesta De La Luz(オルケスタ・デ・ラ・ルス)が1991年に発表したセカンド・アルバムで、米国でもグラミー賞にもノミネートされプラチナディスクも獲得する大ヒットでした。米国に進出しての活動と成功で、ラテン・パーカッションの大御所 Tito Puente がティンバレス・ソロで客演しているのも画期的でした。
 1984 年に結成。1989年夏、ニューヨークのサルサ・フィスティバルで成功をおさめ、翌年には、BMG ビクターから De La Luz でデビュー。ビルボード誌ラテン・チャートで11週間にわたって1位を獲得しと目覚ましい活躍を遂げています。その後も活動も含めて詳しい活動は Orquesta De La Luz の公式サイト OUR STORY に、かなり詳しく掲載されています。


 また、この作品のプロデュースはファーストに引き続き Sergio George で、この方は米国のサルサ関係の音楽では有名なピアニストで有りプロデューサーで、本場アメリカで大物に認められてのアルバム発売、アメリカにとどまらない世界的な活動がTVなどでも報道されまくり、日本人がこの分野で世界を制することに感動しながら見ていました。そもそも日本でサルサ・ブームを巻き起こし、数多くのサルサ・バンドが日本で誕生したのも Orquesta De La Luz のも、かなり画期的なことでした。誰も知らなかったサルサの音楽でメシを食べていける市場まで開拓し、このバンドにとどまらない影響を社会に与えていたわけですからその功績には感嘆します。
 アルバムレビューですが、1曲づつの解説より、アルバム・タイトル曲であり、NHK 紅白歌合戦に初出場の曲 Sin Fronteras、桑田佳祐の作曲、高田みづえ でも大ヒットの 私はピアノ(I Am A Piano)のカバー、 前述の 大御所 Tito Puente 参加の Descarga De La Luz、なんかデジタルな感じの録音だったなと感じていたら最後にアナログな感じでホッとさせてくれる Flores Y Tambores など、懐メロとして楽しめるアルバムなので聞き流しながら楽しみました。
 改めて所有CDを見ていると made in Canada と書いてあります。ライナーノーツにも日本語は一切なし。しかしジャケットは日本語ですから、海外プレスにも関わらず日本語タイトルが堂々表記の日本初サルサの売り込みの鼻息の荒さも感じるジャケットです🎶

lead vocals, chorus : Nora
piano : Satoru Shionoya
synthesizer : Satoru Shionoya (2)
bass : Hiroshi Sawada
trombone : Hideaki Nakaji, Taisei Aoki
trumpet : Yoshihito Fukumoto
trumpet : Tatsuya Shimogami (2, 5, 7)
trumpet : Shiro Sasaki
timbales, vocals, chorus, percussion, shekere, bata : Gen Ogimi
chorus, percussion, maracas, guiro, bata : Carlos Kanno
bongos : Yuichi Nakagawa
congas, bata : Gen Date

【Guest】
timbales, soloist : Tito Puente (7)
guest, chorus, synthesizer : Sergio George (3, 4)
guest, programmed by (synthesizer programming) : Sergio George (1)
guest, timbales : Genichi Egawa (6)
guest, trumpet : Shuichiro Ise (1, 3, 4, 6, 9)

Producer : Kiyoshi Teranishi, Sergio George
Recorded in March & April, 1991.

1. Sin Fronteras / Nora
2. Amame / Nora
3. I Am A Piano / Keisuke Kuwata
4. Cuanto Vale Tu Amo / Manny Benito
5. Ban Con San / Ogimi Gen
6. El Me Ama, Yo Le Amo / Rubén Amado
7. Descarga De La Luz / Orquesta De La Luz
8. Make The World Stand Still / Sergio George
9. Flores Y Tambores / Johnny Ortiz






  

2025年3月4日火曜日

Grp All-Star Big Band / All Blues


 1995年発売の GRPレーベル の人気プレイヤーが一堂に会したビッグ・バンドによるブルースメインの企画盤です。もともとこのバンドはレーベル設立10周年の創立記念企画で生まれたビッグ・バンドだったようですが、その後も継続し、1992年、1993年で2枚のアルバムをリリースし、これは第3弾で、その後は発売していません。再度このアルバムを聴いてみて良かったので、中古CD屋に1992年を発見したので購入しましたので、いつかレビューアップしときます。
 GRP Records ですが、創立は1972年で元々は音楽プロダクション。オーナーの Dave Grusin、Larry Rosenの頭文字からとった "Grusin-Rosen Productions "の略。知りませんでした。へえですね。設立当初はアルバムのプロデュース業だったのが、1978年にGRPレコード を設立して、1986年に大手のMCAに買収されてからトップ・レーベルの地位を確立。現在は、Universal Music Group (UMG) の Verve Label Group の傘下にあります。
 大学時代はジャズ研で、強制的にビッグ・バンドに参加させられたこともありましたが、全くどうやってギター弾いたら良いのか、わからず苦痛であったことは間違いなく、卒業してからずいぶん経った当時もビッグ・バンドを好んで聴くことは無かったんですが、GRPのフュージョン系はかなり、お世話になったので気になって購入の購入で、やはりビッグ・バンドの、音圧って凄いんだなあと改めて実感し、もっとやっておけば良かったかなと思ったことを覚えています。


 当然、オーナーの Dave Grusin は参加ですが、2曲のみで、ピアノは、Chick Corea, Dave Grusin , Ramsey Lewis, Russell Ferrante が交代での演奏です。目玉としては2曲目の Stormy Monday での、B.B. King の参加でしょう。こおでは、John Patitucci はベースをエレクトリックに持ち替え、Russell Ferrante がオルガンを弾きゴージャスなバックでB.B. King が歌い、ギターを弾いている。やっていることは、いつもと変わらないのですが、やっぱり B.B. King です。その存在感だけでゴージャス。順番変わりましたがトップバッターは、Cookin' At The Continental ホレス・シルバーの楽曲で、カッコ良いアレンジです。手厳しい評論家からは、スリリングなソロを展開する曲も無く大したことは無いとの評価もこのアルバムはついているようですが、ビッグバンドの演奏なんて大半はそうだろうと思いますからどんだけカッコ良いかなんではないかと思います。私には十分だし、Tom Scott だって奇抜なことはやっていないが十分です。で3曲目は、All Blues はマイルス・ナンバーで格調高い風のシンプルなアレンジです。ビッグバンドのアレンジって、いかに原曲のテーマをカッコ良くアレンジするかってとこと、その構成です。私は派手なヤツが好きですが、まあ無難なとこでしょうか。Birk's Works は派手ですね。良きかなです。Chuck Findley のトランペット・ソロは、終わり方が今一ですが頑張ってます。Goodbye Pork Pie Hat チャールズ・ミンガスの楽曲です。ポーク・パイの曲なのに、やたら物悲しいのはパロディーなのかと思ってしまいます。まあブルースって、セッションの前にサクッと作って、その時の行動なんかで思い付きで曲名をつけたんじゃないかってものがよくありますので、そんなものでしょうか。深堀はしません。次いでホレス・シルバーは2曲目 Señor Blues です。曲は派手ですが、 Dave Grusin のアレンジはおとなしめ。ピアノのソリストは、Ramsey Lewis です。この人の若い頃のアルバム持ってますが、この時現役なんですね。この時は60歳、見たら2022年に67歳で亡くなってます。Blue Miles は、チック・コリアの持ち曲でご本人がソリストとしてもプレイ。Chick Corea Elektric Band II / Paint The World での印象が強い曲で、基本的に、ここでのアレンジもフュージョンっぽい感じなので、もう少し変えてもらった方が新鮮味があるかもしれません。チック・コリア も2021年に80歳で亡くなってます。そして Mysterioso はモンク・ナンバー。印象的な曲でもあるので、このアルバムの中でも存在感が抜群の演奏になっています。アレンジはこのアルバムのプロデューサーMichael Abene ですが、こんか曲はやりがいあるでしょうね。モンクのマジックのようなメロディーが楽しく、これも今は亡き、Michael Brecker のソロプレイが聴けます。短いけどブレッカー節と曲が見事にマッチしてます。2007年に白血病で死去は若すぎました。Some Other Blues は、コルトレーンで、無難な路線ですね。最後は、W. C. Handy の Aunt Hagar's Blues でしっとり。Ramsey Lewis のソロが引き立ち、Randy Brecker も、いつものハイトーンでのソロが気持ち良いです。
 これも、10年以上聴いてませんでしたが、久々に聴いて良かったです。玄人受けはしないかもしれませんが、ビッグバンド初心者のかたには、とても聴きやすくてとっつき易いアルバムではないでしょうか🎶

piano : Chick Corea (7, 8), Dave Grusin (3, 4), Ramsey Lewis (2, 6, 10), Russell Ferrante (1, 5, 9)
organ : Russell Ferrante (2)
guitar, vocals : B.B. King (2)
bass : John Patitucci
electric bass : John Patitucci (2)
drums : Dave Weckl

alto sax, soprano sax : Eric Marienthal
alto sax, soprano sax, flute : Nelson Rangell
tenor sax, soprano sax : Ernie Watts
tenor sax, soprano sax, bass clarinet : Bob Mintzer
baritone sax, soprano sax, tenor sax : Tom Scott
trumpet, flugelhorn : Arturo Sandoval, Chuck Findley, Randy Brecker
trombone : George Bohanon

conductor (band directed by) : Tom Scott
producer : Michael Abene
recorded by : Don Murray

1. Cookin' At The Continental / Horace Silver
arranged by : Michael Abene
piano : Russell Ferrante
soloist (tenor sax) : Tom Scott
soloist (trumpet) :  Arturo Sandoval
2. Stormy Monday / Aaron Walker
arranged by : Tom Scott
electric bass : John Patitucci
electric organ (hammond B-3) : Russell Ferrante
guitar, vocals : B.B. King
piano : Ramsey Lewis
soloist (trombone) : George Bohanon
3. All Blues / Miles Davis
arranged by : Dave Grusin
piano, soloist : Dave Grusin
soloist (bass) : John Patitucci
soloist (trumpet) : Randy Brecker
4. Birk's Works / Harris, Gillespie, Phillips, Ellis, Bellson, Peterson, Brown, Eldridge
arranged by : Bob Mintzer
piano, soloist : Dave Grusin
soloist (alto sax) : Eric Marienthal
soloist (trumpet) : Chuck Findley
5. Goodbye Pork Pie Hat / Charles Mingus
arranged by : Bob Mintzer
piano, soloist : Russell Ferrante
soloist (tenor sax) : Ernie Watts
soloist (trombone) : George Bohanon
6. Señor Blues / Horace Silver
arranged by : Dave Grusin
piano, soloist : Ramsey Lewis
soloist (flute) : Nelson Rangell
soloist (trumpet) : Arturo Sandoval
7. Blue Miles / Chick Corea
arranged by : Russell Ferrante
piano, soloist : Chick Corea
tenor sax, soloist : Michael Brecker
8. Mysterioso/Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are / Thelonious Monk
arranged by : Michael Abene
piano, soloist : Chick Corea
tenor sax, soloist : Michael Brecker
9. Some Other Blues / John Coltrane
arranged by : Tom Scott
piano, soloist : Russell Ferrante
soloist (tenor sax) : Bob Mintzer
soloist (trumpet) : Chuck Findley
10. Aunt Hagar's Blues / W. C. Handy
arranged by : Michael Abene
piano, soloist : Ramsey Lewis
soloist (trumpet) : Randy Brecker





  

2025年3月3日月曜日

Super Blues / Bo Diddley, Muddy Waters, Little Walter


 当時のブルース界のスーパースター達 Bo Diddley, Muddy Waters, Little Walter の録音で同年リリース。こんな企画を出来たのは、1952年に設立された米国のブルース、R&B系のレコード・レーベル「Chess Records」
 ポーランドからの移民だったチェス兄弟(レナードとフィル)がシカゴで設立したレーベルで、最後はレナード・チェスは1969年に経営権をGRTレコードへ売却しています。そして1975年、GRTはチェスをオール・プラチナム・レコードへ売却し、現在チェスのマスターテープの権利はMCAが取得しています。つまりは録音の時期の1967年は、レーベルに斜陽の兆しがあった頃で、起死回生の一発としてのレジェンドを集めての録音のようです。このあと2匹目のドジョウを狙い後に Little Walter の代わりに、Howlin' Wolf が加わって、The Super Super Blues Band がリリースされていますが、この音源は持っていません。


 アルバムのメインは、ボーカルの Bo Diddley, Muddy Waters, Little Walter だが、ピアノは Otis Spann、ギターは Buddy Guy 強力で、こちらは Muddy Waters 系列。そして、見慣れないタンバリンとボーカルで参加の Cookie Vee は女性の参加で、Bo Diddley の系列のようです。ちなみに Bo Diddley は傘下のレーベル「Checker」からの参加とのこと。また今まで注目はしてこなかったのですが、よく聞いていると全曲にタンバリンが入り、女性の声も入っています。ただのコーラスかと思えば I'm a Man で、2分過ぎあたりから、思いっきり叫び声をあげているのは彼女のようです。誰かに襲われているかのような、歌詞無しの叫びですが、これが強烈。I Just Want To Make Love To You のスローでワンコードの繰り返しの曲では、このタンバリンをずっと同じ拍子で叩き続けているのも、はっきりと録音されています。どんな太ったオバちゃんなのかと検索すれば、アフロの似合う可愛らしい女性でした。


 I'm A Man は、Bo Diddley の 作曲か? この曲 Mannish Boy ? と思い調べたら、今更ながらわかったのが、「I'm a manがオリジナルで、それを改作したのがManish boy」「Bo Diddley が Muddy Waters の Hoochie Coochie Man をベースに I'm A Man を作曲。で、Muddy Waters がこの曲に若干変更をして録音したのが Mannish Boy 」なるほどジャズとかでも時々見る、同じ曲だけど名前が著作権もよくわかんないヤツですね。そんな曲がこのアルバムでは本人たちの、力いっぱいのセッションで聴けるのが、とにかく凄い。
 それから My Babe いつも思うのは Rolling Stones のSatisfaction は、おそらくここら辺の曲がオマージュされているように聴こえます。
 とにかく、このアルバム聴いていると色々なことを思い、帝王たちの気合が入っていてノリの良さと勢いに感動し、ブルースの持つパワーを感じます🎶

vocals, guitar : Bo Diddley (Ellas McDaniel)
vocals, guitar : Muddy Waters (McKinley Morganfield) 
vocals, harmonica : Little Walter (Walter Jacobs)
piano : Otis Spann
guitar : Buddy Guy
bass guitar : Sonny Wimberley
drums : Frank Kirkland
tambourine, vocals : Cookie Vee

Producer [Album Production] – Ralph Bass
recorded in Chicago, January 4, 1967


1. Long Distance Call / McKinley Morganfield
2. Who Do You Love / Ellas McDaniel
3. I'm A Man / Ellas McDaniel
4. Bo Diddley / Ellas McDaniel
5. You Can't Judge A Book By The Cover / Willie Dixon
6. I Just Want To Make Love To You / Willie Dixon
7. My Babe / Willie Dixon
8. You Don't Love Me / Ellas McDaniel
9. Studio Chatter / Ellas McDaniel
10. Sad Hours / Walter Jacobs
11. Juke / Walter Jacobs


▶ My Babe



  

2025年3月2日日曜日

Acid Jazz Meets Free Soul


    一見やる気がないような地味なジャケットですが、中身はかなり濃い。Acid Jazz レーベル発、ポニーキャニオンがプレスのアシッド・ジャズ、フリーソウルを集めたコンピレーション・アルバムです。目についた中古なので集めるような熱意をもって購入ではなく1作しか持っていませんが、2作目の発売もされているようです。ちなみにやる気がないようなジャケットと書いてしまいましたが、Bounce のエディターである栗原聴氏のアートワークとのことで、やる気はかなりあるようで私の審美眼の方がどうかしているようです。
 このコンピは、ポニーキャニオンのディレクターから、編集者/選曲家/DJ/プロデューサーである、橋本徹氏への依頼により実現したコンピで、氏は『Free Soul』『Mellow Beats』『Cafe Apres-midi』『Jazz Supreme』『音楽のある風景』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは340枚を越え世界一であるとのこと。(今回このレビューを書くまでまったく気にしていませんでした)
 

 ということで、アルバムの選曲と配列は、橋本徹氏によるダンス系フリー・ソウルが色濃いコンピレーションで、The Brand New Heavies、The James Taylor Quartet、The Apostles、Pure Wildness、Snowboy、Blacknuss Allstars、K-Collective、Mother Earth、Night Trains、The Quiet Boys、Esperanto の楽曲が選出されています。ちなみにかなり昔からこのアルバム聴き続けているのですが、私が名前まで認知しているのは3バンドだけでこのジャンルも好きではありますが、それほど掘っているわけではないことを改めて認識です。
 大概のコンピは穴埋め的にB級、C級なものも収録されているものですが、これに関していれば捨て曲は無しの、ガチ売れ線を集めています。ので今更全曲レビューも面倒なので改めて聴いての印象に残るとこだけ書き留めておきます。The Brand New Heavies は、今やメインストリームのバンドなので、キラーコンテンツは当然、初期バージョンで3曲も入ってます。The James Taylor Quartet は、フォークの方では無い方なのは、ここら辺を聴く方ならだれでもご存じの、UKのアシッド・ジャズ・シーンには欠かせないオルガン奏者。名前は知らなかったけど Snowboy の Girl Overboard が山下達郎の昔の楽曲にアレンジ含めて、そっくりなヤツがあった記憶があり気になります。ボーカルは Anna Ross で上手すぎないのが好感あります。このバンドでは、もう一曲 Lucky Fellow という曲がありますが、これは男性ボーカルで リロイ・ハトソンのカバー。最初は地味目でじわじわと力を入れてくるところが好きです。全部良いんですが、最後の Esperanto の Sweet Feelings は、メローで、紳士的な歌い方のボーカルがとても気持ち良い。
 2作目も欲しくなってきました。色違いのジャケットなので、どこかでめぐり合えば、運命で即購入します🎶

compiled by : Toru Hashimoto

1. Dream Come True : The Brand New Heavies
2. Love Will Keep Us Together : The James Taylor Quartet
3. Super Strut : The Apostles
4. Ain't No Use : Pure Wildness
5. Girl Overboard : Snowboy
6. Never Stop : The Brand New Heavies
7. Rising To The Top : Blacknuss Allstars
8. Keep It Coming : K-Collective
9. Lucky Fellow : Snowboy
10. Jesse : Mother Earth
11. Lovesick : Night Trains
12. Stepping Into My Life : The James Taylor Quartet
13. Stay This Way : The Brand New Heavies
14. Make Me Say It Again Girl (12" Mix) : The Quiet Boys
15. Sweet Feelings : Esperanto





  

2025年3月1日土曜日

Farnell Newton Quartet / Rippin’& Runnin


 いつ購入か思い返すと2020年のようで、コロナが蔓延した年であったため、これはタワレコ試聴で気に入りました。今思い返しても、世界中が死の恐怖に怯えるとんでもない年でした。音源とは関係ありませんが、当時の国立感染症研究所の2020年8月の発表を記載しておきます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は, 2019年12月初旬に, 中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから, わずか数カ月ほどの間にパンデミックと言われる世界的な流行となった。わが国においては, 2020年1月15日に最初の感染者が確認された後, 5月12日までに, 46都道府県において合計15,854人の感染者, 668人の死亡者が確認されている。
 これはそんな時、内勤も多く外には一切飲みに行かなかったため、中古含め音源をかなり冒険して購入してます。本アルバム Farnell Newton Quartet は、Farnell Newton(ファーネル・ニュートン)マイアミ出身のトランペッター、ジャズ ・オルガンの Brian Charette (ブライアン ・シャレット)、テナー・サックスの Brandon Wright(ブライドン・ライト)、ドラムの Rudy Royston(ルディ・ロイストン)の2管のベース無しのオルガン・ジャズ のカルテット作品。リーダーの Farnell Newton も柔らかめな音で、華やかだが俺が俺がではないプレイが良いのだが、重すぎないオルガンの Brian Charette が、このコンボの色付けにかなり重要な役割を果たしています。現代的なジャズですが革新的過ぎず、ライトな音はフュージョンまではいかないものの不思議な魅力あるサウンドです。


 それではコロナ時から開いていなかった本アルバム改めて聴きながらレビューします。 The Roots 幕開けの曲はやはり印象的な曲を持ってきてます。ライトで軽やかメンバーのノリも良い。The Five A.M. Strut ジャズなんだけどフュージョンぽいと思うんですよね。ドラムの叩き方と録音の音質が、そっちだからなような気がします。Another Day Another Jones は、ハードバップだけど、やっぱり現代的です。Holding Still これも気持ち早めの現代版ハードバップだと思うんですよね。2管のソロも良いんだけどソロより難しいことしてるんでも無いんですがオルガンのバッキングの軽さと音使いが何故か気になります。Little Bird Rose バラードです。管とオルガンのバランスが良いなあと思って聴いてたんですが、やはり芸達者はオルガンかな。Gas Station Hot Dog ファンキーなネーミング曲だと思ったら、やはり、ゆっくりとしたファンク・ジャズ。Rippin' & Runnin’ ラテン風味ちょっと入ります。Come Sunday 最後はエリントン・ナンバーでしっとりとノスタルジックに。楽しんで聴いて聴いてるとあっという間のアルバムです。
 確かコロナが落ち着いた頃に、このアルバムを行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」に持って行ってたら、ディープ系が好まれる傾向があるので、面白がっていたのは私ぐらい、マスター以下は余り興味を示さなかった気がします。しかし徐々に私の持ち込み音源で皆さんの耳も慣れてきているはず、今度持ち込んで再度皆さんの反応をみてみようと思います。再度聴けば結構、発見のあるアルバムでした🎶

trumpet : Farnell Newton
tenor sax : Brandon Wright
organ : Brian Charette
drums : Rudy Royston

Written-By – Farnell Newton (曲: 1, 4, 5, 7)

Producer – Marc Free
Recorded September 18, 2019 at Acoustic Recording, Brooklyn, NY

1. The Roots
2. The Five A.M. Strut / Ezra Weiss
3. Another Day Another Jones / Brandon Wright
4. Holding Still
5. Little Bird Rose
6. Gas Station Hot Dog / Tom Tallitsch
7. Rippin' & Runnin’
8. Come Sunday / Duke Ellington





  

2025年2月28日金曜日

The Beatles / Yellow Submarine


 「俺はストーンズ派である」と、今まであまりビートルズは聴いてこなかったのですが、色々な人にカバーされていたり音楽雑誌でロック史が語られているのを見ると、やはり現代ポップミュージックではずば抜けた存在であり、ジャズでカバーされることもあるため、意地を張るのはやめて、何枚か購入しております。これは、そのうちの一枚でビートルズ11作目、イギリスで1969年1月17日に発売されたアニメ映画の「イエロー・サブマリン」のサウンドトラック・アルバムでした。


 サウンド・トラックだけに7曲目以降は、オーケストラの演奏のみで、ビートルズが演奏しているのは6曲目まで。オーケストラが演奏するのは George Martin (ジョージ・マーティン) 作曲のインスト・ナンバーです。収録曲の中で「Yellow Submarine」は1966年、「All You Need Is Love」は1967年にシングルとして先にリリースされていたり、アルバムのレコーディング・セッション時のアウトテイクだったこともあり、アルバムとしては唯一全英・全米ともに1位にならなかった作品でした。またジョージ・マーティンは、当時ビートルズの楽曲のアレンジをしたりオーケストラのスコアを書いたり、曲そのものに大きく関わっていたとのこと。
 良いアルバムであるかどうかはファンではないので微妙です。さらに恥ずかしながら、私イェロー・サブマリンは金沢明子の音頭のほうが、本家より先に知っていたのはなんともはや🎶


guitar : John Lennon
bass : Paul McCartney
guitar : George Harrison
drums : Ringo Starr

composed by, orchestrated by : George Martin (7 to 13)

producer : George Martin

1. Yellow Submarine
2. Only A Northern Song
3. All Together Now
4. Hey Bulldog
5. It’s All Too Much
6. All You Need Is Love
7. Papperland
8. Sea Of Time
9. Sea Of Holes
10. Sea Of Monsters
11. March Of Meanies
12. Papperland Laid Waste
13. Yellow Submarine In Pepperland





  

2025年2月27日木曜日

Zoot Sims and Bob Brookmeyer / Tonite's Music Today + Whooeee


 ジャズは好きですけど同じジャズでも様々なジャンルがあり、星の数ほどいるジャズ・ミュージシャンの勉強にと未だ聴いていなかった Zoot Sims を聴き始めましたがマダマダ勉強不足です。その中で、ほぼ最初の頃に、ふと手にしたのがこのアルバムでした。それから数枚購入してはいますが、実はそれほど私の心に刺さっておらず、このアルバムの印象が一番良いです。
 Zoot Sims と Bob Brookmeyer は、ウェストコースト・ジャズの中心人物でもあったバリトン・サックスの Gerry Mulligan sextet に1956年に加入したときのフロントラインのパートナーで、この2枚のCDの録音は、1956年ですから、その延長線上での録音となっているようで、そちらの録音も聴いてみたいところではあります。余裕が出来たら音源を手に入れたいと思います。



 この二人は白人ジャズ界の名コンビとも言われているようで、黒さの少ない、いかにも古き良きアメリカを連想させてくれる演奏であるかと思います。Zoot Sims のテナーは若干大げさな表現が多くてダサ系に近いものもあったような気がしますが、このアルバムでは粋な感じがします。
 それではレビューしていきましょう。1枚目はTonite's Music Today と言うアルバム。Mr. Moon いかにも昔のミュージカルの曲。Steve Allen 作曲で流れるように軽快。Bob Brookmeyer は、バルブ・トロンボーンなので歯切れが良い。I Hear A Rhapsody 1941年のポピュラーソングで1952年の映画 Clash by Night でも使われています。ここでは、ゆったりとした演奏で、ズートがいやらしく吹きこみます。ミドルテンポ以上での演奏例も多い曲で少しイメージ変わります。The Chant 吹奏楽ファンには楽しいイントロで、気持ちよくスイングしてます。Bob Brookmeyer が先頭バッターで、ズートも滑りだすようなテナーで対応の対比も良い。Blues My Naughty Sweetie Gives To Me ハンク・ジョーンズのブルース・ピアノがメインでブルース。次いで ズート の色っぽい大袈裟なサックスに続きズートが歌っちゃいます。それほど上手くはないけどいい雰囲気で、ブルックマイヤーがそれに絡んでくる。ビブラホンはハンク・ジョーンズでしょうか。芸達者です。Zoot's Tune ブルースでしんみり効かせた後は、軽快なスイングで定番のパターン。ズートのサックスは、このアルバムでは、それほどエロいオジサンではなく爽やかに感じます。How Long Has This Been Going On? ガーシュイン曲です。落ち着きます。Bobby's Tune そしてブルックマイヤーの作曲のハッピーなナンバー。Blue Skies で終了です。2管の絡みがまた良い曲です。短めの曲で構成されているので聴く方が疲れずにテンポが良い。ウイスキー飲みながらダランと聴くのがいいかな。。
 そして2枚目は、Whooeee でベースとドラムが交代です。 The King カウントベイシーから始まります。先のアルバムと同様に先頭バッターは流れるように軽い曲。ここではハンクジョーンズが引っ張ていく演奏です。と書ていたらズートもやるじゃないですか。いやらしくない。Lullaby Of The Leaves 「Lullaby」子守歌を歌う行為のこと、急がず聞かすように優しい曲です。I Can't Get Started ガーシュインです。あまり聞いたことが無くても懐かしさが漂うメロディーです。Snake Eyes ヘビの目ですからね。鋭い曲かと思えば陽気なメロディーはそうでもない。ブルックマイヤー曲。Morning Fun 交互に楽曲提供で今度はズートで、軽快スイング。Whooeee テーマ曲です。Whooeee の掛け声から始まる楽しい曲で、出だしが印書的ですが印象には残りづらいかも。Medley: Someone To Watch Over Me - My Old Flame コンサートで途中のしんみり系を聴かせるヤツです。4分16秒が長く感じてしまいます。目をつむっていると・・。 〆は、Box Cars 最後の曲は、1枚目のアルバム同様、ノリの良い曲を持ってきます。
 ここら辺のスイングは、少し私の守備範囲から外れるのですが、フンフンと聴きながら作業をするのには丁度良い。また私の手持ちの他のズートイ音源より爽やかでアクが少ないのも良い?かもしれないです🎶

【Disc1】Tonite's Music Today
tenor sax, vocals (3) : Zoot Sims
valve trombone : Bob Brookmeyer
piano : Hank Jones
bass : Wyatt Reuther
drums : Gus Johnson

1. Mr. Moon / Steve Allen
2. I Hear A Rhapsody / Dick Gasparre, George Fragos, Jack Baker
3. The Chant / Gerry Mulligan
4. Blues My Naughty Sweetie Gives To Me / Irving Berlin
5. Zoot's Tune / Zoot Sims
6. How Long Has This Been Going On? / George Gershwin
7. Bobby's Tune / Bob Brookmeyer
8. Blue Skies / Irving Berlin
【Disc2】Whooeee
tenor sax, vocals : Zoot Sims
valve trombone : Bob Brookmeyer
piano : Hank Jones
bass : Bill Crow
drums : Jo Jones

1. The King / Count Basie
2. Lullaby Of The Leaves / Bernice Petkere, Joe Young
3. I Can't Get Started / Ira Gershwin, Vernon Duke
4. Snake Eyes / Bob Brookmeyer
5. Morning Fun / Zoot Sims
6. Whooeee / Bob Brookmeyer
7. Medley: Someone To Watch Over Me - My Old Flame / Arthur Johnston, George & Ira Gershwin, Sam Coslow
8. Box Cars / Al Cohn





  

2025年2月26日水曜日

Calvin Keys / Electric Keys


 全く知らなかったギタリストですが、タワレコでギターを弾く渋いお姿のジャケットを見かけての購入でした。調べて見ると、Calvin Keys は1942年生まれ、2024の4月にカリフォルニアの Berkeley と言うところで82歳で亡くなっています。ジャズギタリストで1971年から202年までリーダー・アルバムを16枚出しています。そのうち、スピリチュアル・ジャズ・レーベル Black Jazz Records からの発売がデビューから2枚、インディーズの Ovation 1枚、Olive Branch 2枚、Lifeforce Jazz 4枚、Silverado, 2枚、今回の Wide Hive からは 4枚 のアルバムを発売しています。Black Jazz Records からの作品が有名なようです。共演したミュージシャンは Ray Charles, Ahmad Jamal, Jimmy Smith, John Handy, Bobby Hutcherson, Eddie Marshall, Sonny Stitt, Pharoah Sanders, Joe Henderson and Leon Williams などの有名どころ。ただ私知ってはいるけど、音源はそれほど所持していない方々ばかりでした。もしや認識していないけど知らず知らずのうちに聴いていた場合があるので、改めて検索してみましたが、そんなことはありませんでした。



 ジャズ・ファンク、ジャズロック系のギタリストですが、お若い頃のジャケ写はかなり尖っています。今になって気になって youtube で聴いてみたら、見た目の激しさや怪しさは無く普通にジャズしてましたのが、何か残念。
 購入当初に聴いた時には、ジャズ・ファンクっぽいけど印象に薄かったので、再度聴き直せばどう変わるのか楽しみにレビューしてみます。You Know The Game グラント・グリーン系のファンクっぽい8ビートで、軽く歪ませたギターに、ブラスが加わったサウンド。何か緩ーく流れる感じです。Love and Innocence これは1曲目より、もっとジャズっぽい感じですが相変わらず緩いです。ギターを引き立てるようにしているんでしょうかブラスのアレンジがかなり丸いです。後半のに入るとギターソロが少し熱いフレーズになりますが、メリハリは少な目。Backyard 少し重めの8ビートのドラムがイントロで、少しばかりパンチが効いてて、なかなか良い感じです。Electric Keys またもやドラムがイントロで早めのビートです。歪み強めのロックっっぽい。御大御年の割に頑張って Baker Brothers 系ですね。これも良い。Rhubarb Jam 変拍子っぽく聞こえますが4拍子でした。ルバーブ・ジャム?なるほど食べ物のジャムと掛けているのですね。演奏は曲名の通りJamって見ましたって感じです。Senior Moment 少しアングラっぽくアシッド系の感じの曲で、お若い頃はこんなセッションも多かったのでありましょう。大人な変則ファンクナンバーです。Telegram Blues お気楽ブルースセッションでブラス部隊登場無しの泥臭いヤツです。Shawneeq やっと純ジャズにきました。こんな曲があったのは全く印象に残っていませんでした。The Hernia そして、またやってきましたド・ブルースです。時々変則的なスケールを混ぜているのがジャズギタリストの主張ですね。Touch 静かにギターソロで締めくくりです。
 以前に聴いた時の散漫な感じの印象は少なくなり、音楽的にも年齢的に円熟した渋みを感じ少し評価が上がりました🎶

electric guitar : Calvin Keys
bass, piano, keyboards, songwrite : Matt Montgomery
drums : Josh Jones, Thomas McCree
sax : Doug Rowan
trombone : Mike Rinta

producer, songwriter : Gregory Howe

1. You Know The Game
2. Love and Innocence
3. Backyard
4. Electric Keys
5. Rhubarb Jam
6. Senior Moment
7. Telegram Blues
8. Shawneeq
9. The Hernia
10. Touch