検索キーワード「Billie's Blues」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示
検索キーワード「Billie's Blues」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示

2023年4月15日土曜日

Billie Holiday / Last Recording

 

 Billie Holiday は「レディ・デイ」の呼称で知られ、Sarah Vaughan、Ella Fitzgerald ドと並ぶ、女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家です。その生涯は人種差別や薬物依存症、アルコール依存症との闘いであり、乱れた生活にもかかわらず名声を勝ち得た彼女はジャニス・ジョプリンをはじめとする多くのミュージシャンに影響を与えました。1915年4月7日、メリーランド州ボルチモアに生まれ、1959年7月15日、ニューヨーク州メトロポリタン病院で44歳の短い人生を終えますが、(本当かどうかは分からないが)10歳でレイプされ、14歳でブロードウェイの娼婦となったが、、禁酒法時代のハーレムの真ん中で、非合法のナイトクラブに出入りするようになり有名なジャズクラブ「ポッズ&ジェリーズ」でも歌い始めるようになったことをきっかけに歌手生活に入り、ジャズ史上最高のシンガーといわれた方です。


 Billie Holiday については、所有しているアルバムは Billie's Blues だけで聴きこんでいる訳では無いのですが、このアルバム、44歳とは思えない晩年を感じさせる枯れた歌声であるのに哀しさも感じます。実際、このレコーディング時には、周囲は彼女がもう長くはないことに気づいていて、何とか最後の歌声を録音しようと彼女にもちかけ、しぶる彼女は「私の好きな連中を集めてくれれば」と、Hank Jones(p)、Milt Hinton(b)、Billy Byers (tb)、Osie Johnson(ds)、Joe Wilder(tp)、Harry Edison(tp)を指名してこの最後の仕事を弾く受けたとのことです。
 ビリーの声はともかく、Ray Ellis And His Orchestra のアレンジ、演奏は最高のデキであると思います。ビリーの声を優しく包むように控えめにいたわるようです。でも録音を聴いた時に全盛期のそれではない。彼女にとってはこのアルバムが最後とわかっていた訳ではないのですが、自分の嗄れた声を聴きビリーの目には涙があふれていたそうです。
 さて哀しい話ではありましたが、最後のアルバムを聴いていきましょう。All of You は、ビリー独特のしゃくりあげた歌い方ですが、やはり音程のキープが苦しそうで歳を感じてしまいます。Sometimes I'm Happy は、若い頃に一緒に活動していたレスターの名演で知られ。この録音の10日後にレスターがこの世を去っている不思議な因縁があります。ビリーは安心しきった感じで幸せそうな歌声です。You Took Advantage Of Me はローズマリー・クルーニーの代表曲で、ビリーは軽く歌い流していますが、ゆったりと椅子に座って話かけるような歌いかたでリラックスを感じます。When It's Sleepy Time Down South  はサッチモの名称で知られる曲です。この曲に関しては深く歌い上げているのが印象的で歌とともにオーケストラの包み込むようなアレンジも改めてハッとします。There'll Be Some Changes Made は20年代の古いスタンダードでブルージーな曲です。メンバーもゆったりとした演奏でサックスとトロンボーンソロになり未だ未だ続くところでフェードアウトしています。Deed I Do も古いスタンダードで曲で2分17秒であっさり。Don't Worry' Bout Me は、このアルバムを最もよく表す曲名で、この頃の彼女の心境と上手く一致した歌詞となっています。そして All The Day、Just One More Change、It's Not For Me To Say、I'll Never Smile Again とバラードが続き、最後は Baby Won't You Please Come Home はビックス・バイダーベックの時代から演奏されているジャズスタンダードの名曲。
 これらの吹き込みの10日後、レスターが亡くなり彼の葬儀で歌うことも許されず、同年の1959年7月17日に亡くなっています🎵

vocals : Billie Holidayt
orchestra : Ray Ellis And His Orchestra
arranged by, conductor : Ray Ellis
piano : Hank Jones
guitar : Barry Galbraith (1 to 7, 12), Kenny Burrell (8 to 11)
bass : Joe Benjamin (8 to 11), Milt Hinton (1 to 7, 12)
drums : Osie Johnson
alto sax : Gene Quill (2 to 4, 7)
tenor sax : Al Cohn (1, 5, 6, 12)
tenor sax, alto sax, bass clarinet : Romeo Penque (8 to 11)
bass sax : Danny Bank (1, 5, 6, 12)
trombone : Billy Byers (1, 5, 6, 12), Jimmy Cleveland (2 to 4, 7 to 11)
trumpet : Harry Edison (1 to 7, 12), Joe Wilder (1, 5, 6, 12)
harp : Janet Putnam (2 to 4, 7, 8 to 11)

tracks 8, 9, 10, 11 : recorded: NYC, March 3, 1959
tracks 2, 3, 4, 7 : recorded: NYC, March 4, 1959
tracks 1, 5, 6, 12 : recorded: NYC, March 11, 1959

1. All Of You
2. Sometimes I'm Happy
3 You Took Advantage Of Me
4 When It's Sleepy Time Down South
5 There'll Be Some Changes Made
6 'Deed I Do
7 Don't Worry' Bout Me
8 All The Way
9 Just One More Change
10 It's Not For Me To Say
11 I'll Never Smile Again
12 Baby Won't You Please Come Home





  

2020年6月24日水曜日

本日のCD Billie Holiday ♪ Lady Love


もともとはユナイテッド・アーティスツという
レーベルから1962年に発表されたレディ・デイの作品
臨場感溢れるスウィンギンなヴォーカルから 切々と歌うバラードまで
1954年のドイツ、ケルンから始まったEurope Tourのライブ録音
その全曲にアラジン原盤とキャピトル原盤を追加したCD盤

1~11曲目は、初渡欧時の録音で
12~15曲目は1951年4月29日にアラジン・レーベルへ録音
ラスト16曲目は1942年6月12日にポール・ホワイトマン楽団へ
ゲスト参加の録音です 

最近になって、ジャズボーカルに興味を持ち始めました
声と言う楽器は音とともに言葉という
メッセージを伝えることができます
楽器に進化させているジャズ・ボーカリストって
また感動するものがありますね

vocals : Billie Holiday
piano : Carl Drinkard, Beryl Booker
bass : Red Mitchell
drums : Elaine Leighton

clarinet : Buddy De Franco
vibraphone : Red Norvo
piano : Sonny Clark
guitar : Jimmy Raney

1. Announcement By Leonard Feather
2. Blue Moon
3. All Of Me
4. My Man
5. Them Their Eyes
6. I Cried For You
7. What A Little Moonlight Can Do
8. I Cover The Waterfront
9. Announcement By Leonard Feather
10. Billie's Blues
11. Lover Come Back To Me
12. Blue Turning To Grey Over You
13. Be Fair With My Baby
14. Rocky Mountain Blues
15. Detour Ahead
16. Trav'lin' Light

 Blue Moon (Live in Köln, West Germany) 

I Cried For You (Live in Köln, West Germany) 

 I Cover The Waterfront (Live in Köln, West Germany)
全世界の音楽を聴きつくすことはできない
muu music webzine