2026年3月1日日曜日

George Benson / Weekend In LA.


 1976年に Warner Bros に移籍してからの1年後の1977年録音、1978年発売のL.A.ロキシー・シアターでのライブで、レコード盤では2枚組のライブアルバム。フュージョン系に転じてセールスも順調で脂がのっている時期です。
 ただこのアルバムは単体で購入ではなく、ギタースタイルとして勉強しとかなければ思い立ち購入した5枚組のお買い得盤のうちの一枚で、ライナーノーツとかは入っていないので、音源のみの情報収集には安価なシリーズです。


  当時のベンソンがブラコンに転向した時に「メロー」というキーワードで売っていたからなんでしょう。本アルバムのタイトル「Weekend In LA.」には「メローなロスの週末」という邦題がついてが、あまりセンスは無いような気がします。Breezin’ が頭の中の記憶よりもチャラかったので、その翌年のライブもそんなもんかと思って再度聴きましたが、アルバムとしてかなり完成されていて、ベンソンのギターの上手さとブラコンでも適合してしまうギターのトーンの美しさと発音も堪能できます。余り好みでない歌手としての George Benson ですが、ブラコン歌手としての盛り上げ方もライブでは良かったです。ヒットは当然の作品といった感想です。コマーシャルではありますが、Breezin’ よりもチャラさは感じませんでした。 


 それでは既に聴き直していますが、さらに注意深く聴き直していきましょう。
 「Weekend In L.A.」ベンソンの作曲でタイトル曲です。都会的なアーバン・フュージョンでテーマメロディーもキャッチー、軽快なリズムで Jorge Dalto の軽いエレピ・ソロも聴きやすい。George Benson も王道のギターソロで、トリッキーではなく気持ちよい。「On Broadway」この2曲目が素晴らしい。原曲は1963年発売のソウルで、ユニット Leiber and Stoller のカバーらしい。作曲は Barry Mann, Cynthia Weil のコラボレーション。ボーカルは Donny Hathaway を感じながら、名物のボーカルとギターのスキャットがこれでもかと出てきて、いやなとこは微塵もありません。いや素晴らしい。「Down Here On The Ground」On Broadway が楽し過ぎたので、次の曲をベンソンが楽しそうに歌うのは我慢しましょう。気持ち良さそうですが、ここが私の趣味ではないとこです。「California P.M. 」この時代で流行っていた曲想の、ブラコン的な感じはないフュージョン曲です。かなりテクニカルな演奏ではあるのですが、何かチャラさが出てしまうのは Benson が余裕過ぎるからでしょう。「The Greatest Love Of All 」ホイットニーの1986年のカバーで有名な Greatest Love of All ですが、ベンソンがやるとこうなります。ベンソンもシングル・カットしていて、R&B chart top-ten に入っていたようです。「It's All In The Game」 1911年作曲の Melody in A Major に、1958年に歌詞をつけて Tommy Edwards がリリースした曲で、Nat King Cole が歌ったのが一番なところでメジャーな録音でしょうか。本録音では、もはや歌の上手い金持ちオジサン的なところばかり感じてしまいます。「Windsong」タイトなインストもので、歌心を感じるギターとソウル魂を感じる後半のリズム隊のしまった演奏が魅力的です。ウェス系のギターというより Grant Green 系のピキピキした発音と音色です。やはりきちっとギタリストとしてアルバムを完成させてくれれば、もっと好きになっていたかもしれないです。「Ode To A Kudu」丁寧で柔らかなギター独演で始まり、静かにピアノとベースが入ってきてドラムはブラッシングのみ、ひたすらベンソンの弾くギターを引き立てます。軟体動物のように指盤の上を動くベンソンの指が想像できます。これはまた凄い演奏でした。覚えてませんでしたが名演で観客もヤンヤの大興奮。「Lady Blue」ライブですから、ショーですからファンの為に歌も歌わなければなりません。メローソウルですね。Breezin’ で This Masquerade の大ヒットを放った Leon Russell の楽曲です。ここら辺は許せます。「We All Remember Wes」ウェスにちなんだ Stevie Wonder の楽曲です。ひたすらオクターブ奏法で、Stevie Wonder をモロに感じるソウルサウンドの曲は楽しいです。バラエティ色豊か過ぎですよね。ストリングスは後から入れたんでしょうか。「 We As Love」最後は バンドのキーボードの Ronnie Foster のインストバラードです。コードとメロディが美しく音を散りばめるようなベンソンのギターも素晴らしい。
 ベンソンはギターも歌も一流ですが、歌に限って言えば私はジャズを歌うベンソンは好みではやはり好みでないことは再確認できましたが、ブラコン・ソウルタイプのベンソンはかなり好みのものもあります。成功してからはベンソンは純粋に自分が好きな音楽を録音するようになるのですが、そういったものはマニア過ぎて正直聴きづらい部分もあったりします。それも含めてこうやって色々な音楽を背景も含めて聴きながら書いていると一流ミュージシャンが、商業的センスのあるプロデューサーと出会うとこうなるというところは面白い🎶

lead guitar, vocals : George Benson
acoustic piano, keyboards : Jorge Dalto
synthesizers : Ronnie Foster
rhythm guitar : Phil Upchurch
bass : Stanley Banks
drums : Harvey Mason
percussion : Ralph MacDonald
additional string ensemble arrangements : Nick DeCaro

producer : Tommy LiPuma
recorded live at The Roxy Theatre in West Hollywood, California, Sept. 30th, Oct. 1st & 2nd, 1977.

1. Weekend In L.A. / George Benson
2. On Broadway / Barry Mann, Cynthia Weil, Jerry Leiber, Mike Stoller
3. Down Here On The Ground / Gale Garnett, Lalo Schifrin
4. California P.M. / George Benson
5. The Greatest Love Of All / Linda Creed, Michael Masser
6. It's All In The Game / Carl Sigman, Charles Dawes
7. Windsong / Neil Larsen
8. Ode To A Kudu / George Benson
9. Lady Blue / Leon Russell
10. We All Remember Wes / Stevie Wonder
11. We As Love / Ronnie Foster