2022年3月21日月曜日

Hank Mobley / A Slice Of The Top

 

 一聴して感じるのは正調で凛々しいサウンドで、とても良質なこと。チューバ、ユーフォニウムなどを加えた5管オクテットからなる8人編成のモブレーの力作です。
 このアルバムは1966年3月18日に Blue Note で録音されたのですが、1979年まで封印されていたアルバムとのこと。理由はよくわかりませんが、Blue Note Records は、この録音の1966年に米リバティー・レコード社に売却されていることが原因なのでしょうか?一方でライナーノーツでは、この売却によってこのレコーディングメンバーの大アンサンブルが実現したのではないか(予算が使えるようになった?)とも書かれていますが、発売されなかった理由については書かれていませんでした。


 さて地味な再発盤なのかジャケットが寂しすぎるのが惜しいこのアルバム、冒頭から大絶賛してしまいましたがホント素晴らしい。そして第一に感じたのは、これだけの大編成の管がいながら、ピアノの存在感が非常に大きいことです。マッコイ・タイナー良いですね。
 曲の紹介ですが、スタンダードで There's A Lull In My Life を演奏しているほかは全てモブレーのオリジナル。印象的なアクの強いテーマではないものの、すんなりとテーマを味わってメンバーがスムーズにアドリブに入っていけていて素材的に優れてるのが特徴的と思います。Hank's Other Bag は、ユーホとチューバから入りながら流れるようにテーマには入り込み、まずはマッコイ・タイナーの技に聞き入ります。Cute 'N Pretty はチューバの低音がテーマの部分で効果的に響き牧歌的な印象を与えながらも情熱的な曲となっています。 A Touch Of Blue、 A Slice Of The Top については、モーダルなアプローチで若干流すような感じもしないでは無いですが、各自のソロは天下一品。1966年のナイト・クラブで酒を飲みながらこんな曲を聴いていて騒いでいたら気持ちよく酔えたに違いない。チューバやユーフォニアムなどの多彩な楽器の中でのモブレー節が楽しいアルバムです。

tenor sax : Hank Mobley
piano : McCoy Tyner
bass : Bob Cranshaw
drums : Billy Higgins
alto sax : James Spaulding
trumpet : Lee Morgan
euphonium : Kiane Zawadi
tuba : Howard Johnson

producer : Alfred Lion

recorded on March 18, 1966 at Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey.

1. Hank's Other Bag
2. There's A Lull In My Life
3. Cute 'N Pretty
4. A Touch Of Blue
5. A Slice Of The Top





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2022年3月20日日曜日

Herbie Hancock / Takin' Off

 

 Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)の初のリーダーアルバムでBlue Note から1962年のリリース。収録曲に Takin' Off という曲は無いのだからまさにここから「離陸」することを確信してのアルバム名なのでしょう。22歳のデビュー作のはじまりは、ハンコックが幼少期に耳にしたスイカ売りの声をモチーフにして書かれた Watermelon Man です。既にこのアルバムを聴く前に様々な人のカバーを私も耳にしています。一番印象に残っているのはブルース・マンの Little Walterのバージョンで、8ビートなのでR&Bの曲で演奏されても全く違和感なく聴けました。このモチーフは相当な印象を与えるようでDonald Byrd の Blackjack に収録されている Beale Street という曲は曲名は違うがほぼ Watermelon Man というものもあります。しかし何といっても、本人が Head Hunters で演奏しているファンク・バージョンが一番印象的でカッコ良いもののような気がします。8ビートの曲をデビュー作の最初に持ってくると言うのも中々斬新なソロ・デビューで、今思えば、以降、ジャズ、フュージョン、ヒップホップ等に進出してしまうハンコックの多彩さな音楽性は既にここにあったようです。


 とこのアルバムの顔となってしまう Watermelon Man ではありますが、収録されているほかの曲の印象が薄れてしまいますが、ハードバップな中に新しいサウンドが聞こえる2曲目の Three Bags Full、ご機嫌なファンキーピアノのブルース Empty Pockets、Freddie Hubbard のトランペットが冴え、朗々としたDexter Gordon のテナーが聴ける The Maze も実に心地よい。Driftin' では、またルーズなブルースに戻るが息の合ったリラックスした演奏で聴いている側も心地よく聞き流せるスムーズさが良い。締めはバラードの Alone And I ですが最後にピアノをしっとりと聴かせるこの演出も素晴らしい。全曲ハンコックのオリジナルで固められたデビュー作はやはり必聴盤でした🎵

piano : Herbie Hancock
bass : Butch Warren
drums : Billy Higgins
tenor sax : Dexter Gordon
trumpet : Freddie Hubbard

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

1. Watermelon Man
2. Three Bags Full
3. Empty Pockets
4. The Maze
5. Driftin'
6. Alone And I




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2022年3月19日土曜日

The Best Of Punk Rock / VOL.1


 Priority Records ‎なるレーベルから出ているパンク・ロックのオムニバスです。懐かしのパンクロックのヒット曲が集められていて VOL.3 まで出ているようですが、中古屋で見つけて購入しただけなんで他は所有していません。さすがに最近のバンドの新譜を買うことは滅多にありませんが、ロックも聴きますしパンクだって聴きます。パンクもメロコア、スカパンクなんかも聴いたりします。
 懐かしの名前がずらりと並んでいるので、私の少年時代を思い出したりして郷愁を感じてしまう曲がずらりと並んでいて、今の若いパンク小僧たちもこれらの曲を知っていたりするのか気になるところでもあります。現代のパンクはもっと過激な音になっていたりするんで、ここらへんの時代のものは今聞くとキャッチーなメロディであったり、ポップ風な味付けであったりきっちりと商業パンク・ロックしていたんだなと感じますね。
 私ヤジオが中学生時代は金が無かったんで、ここら辺のバンドはラジオからカセットに録音すると言うエアチェック時代に聴いていたものです。The Clash、The Ramones、The Jam、The Stranglers、The Damned、The Buzzcocks、The Vibrators までずらっと名前が並んでいますが、10バンド中8個が「The」がついていて Wire、999の2バンドだけが「The」なしだったんだと今気づいちゃいました。

  

 当時ラモーンズの Rockaway Beach なんかがFMで流れたりすると一緒にサビを口ずさんだり、The Stranglersのポスターが欲しかった。The Buzzcocks のフワフワしたサビのメロディ、Homicideなどなど個性あるそれぞれのサウンドが良くて必ずしもうまくないところが、当時のロック少年にこれなら俺にもできるかも?と思わせてくれるところがまた良いんですよね。フォークギターしかないのでコード弾きでラジオに合わせて弾いてみてそんな時代でした

1. The Clash / Train In Vain (Stand By Me)
2. The Ramones / Rockaway Beach
3. The Jam / In The City
4. The Stranglers / Meninblack
5. The Damned / Born To Kill (Live)
6. The Buzzcocks / I Don't Know What To Do With My Life (Live)
7. The Vibrators / Whips And Furs
8. Wire / Ex Lion Tamer
10. 999 / Homicide (Live)





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2022年3月16日水曜日

The Wild Magnolias / They Call Us Wild


 ワールド系音楽をやっている人たちに見えますが、なんとこれがファンクなんです。どうやら、衣装はニューオーリンズのマルディグラ・インディアンの部族のものでインディアン・ファンクという分野です。
 マルディグラ・インディアンは、マルディグラの時にネイティブ・アメリカンの儀礼的な衣服に影響を受けたコスチュームで着飾ります。ほとんどはニューオリンズ在住の黒人で構成されており、その伝統は、ひどい人種差別の法律から逃れた黒人がインディアンとして自らを示したという、社会から追放されたアフリカ人とインディアンの密接な関係に源があります。マルディグラとは、キリスト教の灰の水曜日の前日、告解の火曜日を指し、ニューオリンズではマルディグラの日を最終日とする11日間の祭りが行われ「インディアン」たちが作ったコスチュームや、踊り、音楽と合体したのです。


 このバンドはマルディグラ・インディアンの部族である Wild Magnolias のビッグ・チーフ(酋長)であったTheodore "Bo" Dollisと彼の幼馴染みでThe Golden Eaglesのビッグ・チーフであったMonk Boudreauxを中心に結成されました。そしてその伝統的にはドラムと掛け声だけで演奏されてきたマルディグラ・インディアンのサウンドにファンクに仕立て上げています。私はこの一枚しか持っていないのですが、これは1975年の2作目のアルバムで1stよりも洗練された聴きやすいファンク・サウンドになっているとのこと。深追いしてみたい気もしますが、ボーカルの旋律はほぼ同じで、バッキングやリズムのパターンを変えたように聞こえる曲も多いので、このアルバムで気持ちよく聴いているだけで良い気もします。
 最初に収録された They Call Us Wild はパーカッシブなファンク・チューンでも聴きやすくてカッコ良いのですが、実はこのアルバムはボーカルの旋律が、この旋律が続く New Sui などで延々と繰り返されることとなります。サウンド自体はオルガン入れ、ファンキーなサックスとなっていて、後に Neville Brothers もカバーしている曲です。Ah Anka Ting Tang Boo Shanka Boo はピアノが怪しげな雰囲気を作りボコーダーでサイケなサウンドに仕上げています。ボーカルの旋律は少し変えていると思ったら後半はやはり同じです(笑)Fire Water は、ジャケの雰囲気が伝わるワイルドなファンクですが今度はボーカルの旋律は、変えているのですがどこかで聴いたことがある旋律とブレイク(笑笑)Injuns, Here We Come は、スマートな演奏で極めて現代のファンクに近いですが Fire Water と同じようなコール・レスポンスのボーカルで(笑笑笑)とここまで聴き直しながら演奏はぴか一に上手いんだがボーカルに工夫がないと思っていたんですが、これは恐らくわざとそうしてるんだろうなと。しかし New Kinda Groove を聴いてまたかと(笑笑笑笑)、Jumalaka Boom Boomd でやっと変わってきたのが嬉しいですが、このJumalaka Boom~ Boomd~と歌う部分はどこかで聴いたことあるなあ(笑笑笑笑笑)、We're Gonna Party は曲の名の通り踊れる感じでサウンドはおしゃれですが、ボーカルは相変わらずで(笑笑笑笑笑笑)Ho Na Nae は、クラビが入るスティービー・ワンダー的でやっと、一味違うメロディーが聴けたと何か安心してしまいました。
 数曲をピックアップして聴くのは良いのですが、エコーとクラビの多用で曲調が似通ってしまい歌メロが単調であることなど、アルバムとして繰り返し聴くのはちょっとしんどいかも🎵

lead vocals, tambourine : Theodore Emile "Bo" Dollis
keyboards, synthesizer (arp) : Wilson Turbinton
guitar : Guitar June
guitar (wah-wah) : Snooks Eaglin
bass : Erving Charles, Julius Farmer
drums : Larry Panna
congas : Alfred "Uganda" Roberts
congas, bongos, vocals : James Smothers
congas, vocals : Joseph Pierre "Monk" Boudreaux
tambourine, cowbell, vocals : Lawrence "Crip" Adams*
tambourine, triangle, vocals : Washington "Bubba" Scott*
tambourine, vocals : Leonard "Gate" Johnson, James "Gator June" Johnson, Jr.
tambourine, whistle, rap, vocals : Johnnie "Quarter Moon" Tobias
alto sax, soprano sax : Earl Turbinton

producer : Philippe Rault
recorded and mixed at Studio in the Country, Bogalusa, Louisiana.

1. They Call Us Wild
2. New Sui
3. Ah Anka Ting Tang Boo Shanka Boo
4. Fire Water
5. Injuns, Here We Come
6. New Kinda Groove
7. Jumalaka Boom Boom
8. We're Gonna Party
9. Ho Na Nae





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2022年3月15日火曜日

Herbie Hancock / Head Hunters

 

 ジャズ・ピアニストとしてのハンコックよりも、この時期のファンキー・フュージョン路線が私の学生時代のハンコックのイメージです。最近になってハンコックのアコースティック時代の作品を聴いていてこのアルバムを聴いて「そうそう、これなんだよね」って感じですね。
 未だ聴いていないんですが、エレクトリック路線としては、この前の作品の Fat Albert Rotunda で取り入れてはいたようで、この Head Hunters は、音楽的にも一歩踏み出した契機の作品とのことです。購入のきっかけとしては、このアルバムに学生時代の思い入れがあったわけではなく、この録音から派生したバンドの The Headhunters / Survival Of The Fittest を先日聴いて中々のものだったことからこれはマストで聴いとかなければならないアルバムと思ってのことです。


   元祖のこのアルバムの方がファンク・R&Bの取り入れ方としては直接的に響く感じがして、良い意味で都会的な古臭さがあって楽しいですね。Wikiでは「ジャズ・ファンの枠を超えて反響を呼び記録的に売上げるとともに大きな名声を獲得したが、当時のジャズ・ファンからは、ハービーも堕落したなど非難を受けることもあった」などの記述もありました。ゆるく路線変更を試みていく人が多い中、おそらくがらりと作風を変えたあまりの路線変更に拒絶反応が起こった人も多くいたようですね。ストレートなジャズを期待して購入したらなんだこれは?ってとこでしょうか。いやジャケを見たら方針変更は明確なんですから、小難しいことを言いたがるジャズ・リスナーがファンクを下に見ていたことによるハンコック離脱への批判と言ったところなんですかね。まあ今ハンコックを何枚か聴いていてアコースティック時代を聴いていた人たちががっかりする気持ちもわからんでもないです。
 収録曲の冒頭 Chameleon は、気持ちの良い16ビートのベースに乗せてハービーのシンセがシンセサウンドで宇宙的な広がりを見せる気持ち良いジャズ・ファンクを聴かせてくれる。Watermelon Man は、ハービーが初のリーダー・アルバム Takin' Off (1962年)で発表した楽曲で、これをジャズ・ファンクのアレンジで再演したもの。この名曲をここまでファンクへの進化を見せたカバーは類を見ないのではないでしょうか。イントロのパーカッションソロから、あの Watermelon Man にさりげなく発展させるとは、このメンバーならではの名演です。3曲目 Sly は、当然ファンクのヒーローである Sly Stone を意味する楽曲の、ブラック・ファンク でこのタイプのフュージョン・ファンクはハマるものがあります。Vein Melter コマーシャルな楽曲ではないものの、ずっしりとして怪しげで力が入っています。これもこのメンバーならではの楽曲です。
 ハービーはソウルやR&Bはバカげた音楽だと思っていて、絶対にやらないと決めていたらしい。しかし心のどこかに惹かれるものがあり、このアルバムでそのドアを開けてみたとのことです。徐々にファンクっぽくなるミュージシャンはいますが、こんなに急な扉の開け方をする人は中々いません。👏ですね🎵

clavinet (hohner D6), electric piano (fender rhodes), pipe, synthesizer(arp odyssey, arp soloist) :  Herbie Hancock
electric bass, ,marimbula : Paul Jackson
drums : Harvey Mason
agogô, cabasa, congas, percussion(beer bottle, gankoqui), slit drum(log drum), shekere, surdo, tambourine, vocals (hindewho), balafon : Bill Summers
soprano sax, tenor sax, saxello, bass clarinet, alto flute : Bennie Maupin

producer : David Rubinson, Herbie Hancock
recorded by : Dane Butcher, John Vieira

recorded at Wally Heider Studios, San Francisco and at Different Fur Trading Co., San Francisco.

1. Chameleon
2. Watermelon Man
3. Sly
4. Vein Melter



▶ Sly


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2022年3月14日月曜日

Alphonse Mouzon / Funky Snakefoot

 

 この微妙に古くさい70年代のシンセ・サウンドを駆使したジャズ・ファンク的な音はたまりませんなあ。ファンク要素を取り入れたフュージョンの元祖のようでもあり若干B級を感じるとこもまたたまりません。1973年のアルバムだから元祖ではないですけどね。
 これは中古ではなく、タワレコのお勧めコーナーで斜めに被った帽子と、いかついブーツに惹かれて「超強力なジャズ・ファンク・アルバム」の帯の文字に吸い寄せられての試聴なしでの購入です。いつもの「おでんバー」では、皆さんの反応は薄かったですが・・
 さてこの Alphonse Mouzon (アルフォンズ・ムゾーン)は基本ドラマーですが、ボーカル、シンセなどの鍵盤楽器もこなすマルチ・プレイヤーです。1971年は結成されたばかりの Weather Report の初代ドラマーとなり(Weather Report はその後1年おきにドラマーは交代)1972年~73年はマッコイ・タイナー・カルテットのメンバーとなっています。
私所有の音源で既にこの人の音を聴いていたものは2曲 Jaco Pastorius / Rare Collection の中の Ant Steps On An Elephant’s Toe、Beginner's Guide To Jazz Funk の中の Sunflower (Aka Sunshower)  で聴いていました。そこらへんの作品はかなりクオリティが高くセッションの方が作品のクオリティは高いものが多いようです。


 しかし本人の作りたいアルバムとなると、このようにマニアックなアルバムが出来てしますわけですね。基本ジャズやファンクの要素ですがカントリーが、いきなり入ってくる「ごった煮」感もサウンドだけでなく若干B級な点でマニアとしてはまた嬉しい点です。
 シンセを使ったレトロなフュージョンは、I've Given You My Love、そこからボーカル入りメロー・ソウルYou Don't Know How Much I Love You、前衛的なシンセ・ファンク I Gotta Have You、そして再度メロー・ソウルな My Life Is So Blue、ドラム・ブレイクから始まる疾走感ある熱いジャズ・ファンクでタイトルでもある Funky Snakefoot は Randy Brecker のトランペット・ソロ、Barry Rogers も一発入魂なところがカッコ良い。そこから、テレビのギャグ・アニメの曲のように聞こえるカントリー My Little Rosebud (笑)、またやソウルに戻る A Permanent Love、ファンク The Beggar、モータウンになる Oh Yes I Do、ドラムのテクニック満開の Tara, Tara、ドラムソロ Where I'm Drumming From、1曲ドラムソロかと思いきや、力作の Ism、スペイシーな広がりのシンセバックに様々な要素をぶち込んで、収拾のつかないところがホント魅力になってしまったアルバムです🎵

vocals : Alphonze Mouzon (2 to 4, 7 to 10)
Drums : Alphonze Mouzon
piano :  Alphonze Mouzon (1)
organ : Alphonze Mouzon (9)
synthesizer (arp odyssey), soloist : Alphonze Mouzon (1, 3, 4, 6, 9, 10)
synthesizer (moog bass) : Alphonze Mouzon (3, 4, 8, 10)
synthesizer (moog), soloist : Alphonze Mouzon (8, 10)

acoustic piano : Harry Whitaker (1, 2, 4, 6 to 9), Leon Pendarvis (3, 5)
electric piano (fender rhodes) Mike Mandel (3, 12)
electric piano (wurlitzer) : Leon Pendarvis (1, 2, 4, 7, 8)
organ : Leon Pendarvis (9, 10)
clavinet : Harry Whitaker (3, 5, 10)
moog bass, moog synthesizer : Dave Wittman
arp odyssey synthesizer : Mike Mandel
guitar : Richie Resnicoff (1, 2, 4, 7, 9)
pedal steel guitar, banjo : Mark Harowitz (6)
bass (fender bass) : Gary King (1 to 7, 9, 12)
congas, bongos : Ray Armando (1, 2, 7)
percussion : Angel Allende (1), Steve Berrios (1)
tenor sax : Andy Gadsden (1, 5, 7, 9, 12)
trombone : Barry Rogers (1, 5, 7, 9, 12)
trumpet : Randy Brecker (1, 5, 7, 9, 12)

executive producer : George Butler
producer, arranged by, conductor : Alphonze Mouzon

recorded at Electric Lady, New York City, December 10, 11 & 12, 1973

1. I've Given You My Love
2. You Don't Know How Much I Love You
3. I Gotta Have You
4. My Life Is So Blue
5. Funky Snakefoot
6. My Little Rosebud
7. A Permanent Love
8. The Beggar
9. Oh Yes I Do
10. Tara, Tara
11. Where I'm Drumming From
12. Ism



▶ Ism


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2022年3月12日土曜日

土岐英史 feat. 竹田一彦 / Live at "RAG"

 

 2021年6 月に永眠した土岐英史のライブ録音の Live at “RAG" が12 月15 日に発売となりました。ギタリスト竹田一彦を迎えた本作は2020年9月にリリースした The Guitar Man の録音前夜に京都〈Live Spot RAG〉にて行ったギグを収録したライヴ盤となっています。
 竹田一彦は1936年生まれの御年84歳にして現役バリバリのギタリストです。ハンク・ジョーンズやミッキー・ローカーなど、海外のレジェンド達とも共演するなどの戦後日本のジャズの歴史に名を刻む人で、ジム・ホール、ケニー・バレルと歳は同じで進駐軍のラジオ放送でスイング・ジャズを聴きながら腕を磨いたそうでコピーは若い頃しかしなかったそうですが、バレルの影響はかなり感じます。
 本作のプロデュースを行った Days Of Delight の平野暁暁臣氏のライナーノーツの記載によれば「後の世にライブ音源を遺すこと自体に歴史的な意義がある。そう考えてリリースを決めました」とありますので、このライブは録音こそしていたものの音源化する予定は無かったアルバムということが伺えます。


 収録曲は C Minor が The Guitar Man には収録されていませんが、残りの3曲 Everything Happens to Me、On the Trail、The Guitar Man はスタジオ盤とライブの聴き比べを行うことができます。
 土岐氏のサックスと竹田氏のギターの絡みも絶品ですが、オルガンの宮川純、ドラムの奥平真吾とも初顔合わせとは思えないリラックスして息の合った演奏です。特にはオルガンの卓越した技が濃厚でブルージーな味わいに大いに華を添えています。スタジオ盤では終始落ち着いていて、メンバー同士のが音を聴きながらじっくり噛みしめるような演奏でしたがやはりライブでは楽しげな雰囲気が伝わってきます。客が近くで見るコトによって楽しんでもらうという違いなんでしょう。複雑なコード進行や変拍子もなくシンプルな演奏の4曲ですが、見に来ていたお客さんは大満足だったライブであるに違いありません。ライブでの Gee Baby, Ain't I Good to You も聴きたかったですね🎵
「今回のプロジェクトは具体的ななにかを得るためじゃない。むしろなにが生まれるんだろう?っていう感じかな。ただ、もしかしたらもう一度自分自身を見つめ直すきっかけになるかもしれない。ある意味でぼくの原点に帰るようなことだからね」 ―土岐英史

alto sax : 土岐英史 Hidefumi Toki 
guitar : 竹田一彦 Kazuhiko Takeda
organ : 宮川純 Jun Miyakawa
drums : 奥平真吾 Shingo Okudaira

(2020 年3 月5 日京都RAG にてライヴ録音)

1. C Minor (H.Toki)
2. Everything Happens to Me (M.Dennis)
3. On the Trail (F.Grofe)
4. The Guitar Man (H.TOKI)




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