ソウルフルなマクダフのオルガンが縦横無尽に弾きまくり、このオルガンに合わせたバレルのギターがツボにはまる。緩急をつけて聴かせる演奏にパーカッションが加わることでよりリズミカルになりグルーブ感が増してくる。テナーサックスのハロルド・ヴィックも所々に良い色を付けてくれて絶妙な楽しさです。特にはリズミカルで騒がしい Nica's Dream はなかなか他では聞けないんではないでしょうか。最後の We'll Be Together Again はバラードでありますが、ハードボイルドなものを感じます。
このCDを聞き直しながら参加ミュージシャンをチェックしていたら、3曲目の Eric では「Eric Gale」の生声(voice)が最初に入っていることを発見。エリック・ゲイルは1994年5月25日没はこのアルバムの制作の前年で、つまりは追悼曲。ギターはハイラムが弾いていて、エリックっぽいフレーズは余り感じられないのは、まあしょうがないか。
当初は「Twins I」「Twins II」として2枚のLPとして日本国内限定発売。後に世界発売向けとしてアメリカのワーナー・ブラザース・レコードが2枚のアルバムを1枚のアルバム・サイズに抜粋し、コンピレーション化したアルバムを「Invitations(本作)」として発売。さらに2007年には「Twins I & II - Live In Japan 1982」として24ビット、デジタル・リマスタリングされた音源が発売。まあLPという録音時間の物理的録音容量が少ない媒体から、CDという容量が大きい媒体で再発売する場合には特典つけなきゃ売れないという構造もわからなくはありませんが「ファン」何枚買わされるんだか?とは以前も書いております。
オーレックス・ジャズ・フェスティバルとは、東芝が主催して1980-1983年まで開催されたジャズフェスティバル。プロデューサーは、George Wein(ジョージ・ウエイン)で、「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」「ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバル」、ロサンゼルスの「Playboy Jazz Festival」「Newport Folk Festival」 など数々のフェスティバルを立ち上げを行ったジャズプロモーターとして有名な方。
このフェスは毎年ほぼ9月上旬に日本の各都市で行われていて、海外から4グループと日本のグループも参加。1982年のフェスの参加は「The Woody Herman Big Band」「Jaco Pastorius Big Band」「The Dave Brubeck Quarte」でした。
何回か繰り返し聞いてから「そういえば、サイドワインダーって聞いたことがあるけどなんだっけ? 」「ガラガラヘビ」「卑劣なヤツ」の二つの意味がありました。タイトル曲の曲調が挑戦的だから「ガラガラヘビ」だろうなと思ってたんですが、割と直ぐに解答が見つかりました。「"The tune kind of put in mind of the sidewinder - you know, the 'bad guy' on the television " There's a snake called the sidewinder, but I was thinking of the bad guy 」のテレビで見た〈bad guy〉のことだよとの記述あり「卑劣なヤツ」。やっぱり誰もが気になるとこなんですねえ。日本語版のライナー・ノーツには書いてなかったんですが、英語版のほうには書いてありました。読んだ方が勉強になるんですけど字が小さくて読みづらいので読まないことも多い英語版ライナーノーツに改めてなるほど。
このアルバムは日本版でのボーナスとして「Totem Pole」の alternate take が収められています。オリジナル採用のほうが派手目で後者のほうが正統派ジャズっぽいものとなっています。オリジナルには少し荒削りのほうを採用したのはアルバム全体の方向性を考えてのことだったんだようですが、あえて変化があるほうを採用して対比するのもありだったのではないか?などと楽しみながらこれも聴いております。
このライブは1971年3月5日から7日の3日間行われたサンフランシスコの Fillmore West でのライブの録音です。結論、冒頭からガツンとくるアレサの歌唱は大迫力でキング・カーティス率いるキングピンズの演奏がこれまた最高の出来です。キングカーティスはアレサの前座とバック・バンドの両方を務め、このライブを収録した自身の名義のアルバムも出しているようなので、これは改めて入手することと今聞きながら決めました。アレサは通常のツアーでは異なるメンバーでのツアーバンドを組んでいたのを、プロデューサーの Jerry Wexler(ジェリー・ウェクスラー)がキング・カーティスを起用(ザ・キングピンズともMemphis Hornsとも記載があるものがありどっちが正しいかわかりませんが)することを進言して決めたとのことでこの名盤が生まれたのです。最近アーティストの実力も大事ですがプロデューサーのセンスでも変わるもんだなとその重要な役割にも感心します。
バンドの演奏形態やと盛り上げ方は、Donny Hathaway 「Live」に似ていると思ってチェックしましたが、ギターの Cornell Dupree だけ同じであとは違うメンバーでしたが、プロデューサーは、やはりこのアルバムと同じ Jerry Wexler。ダニーのアルバム・リリースは1972年なんでほぼ同時期の録音の発見で思わずニヤリです。
オープンニングは高速「Respect」ごりっとしたソウルグルーブの「Love The One You're With」ゴスペルな「Bridge Over Troubled Water」ファンキー「Eleanor Rigby」メロウな「Make It With You」、シャッフルの「Don't Play That Song」、ブルージーな「Dr.Feelgood」は最後は得意のゴスペル調。ライヴのハイライトは「Spirit In The Dark 」でリプライズでは、観客としていたレイ・チャールズがゲスト参加。ショーとしても完璧なステージだったんでしょう。
シングルカットは Ben E King のカバーの Don't Play That Song でR&Bで堂々1位、Hot 100で11位、Spirit In The Dark はビルボード・Hot 100で23位、R&Bで3位とのことでアレサ流に昇華した曲ではありますがBen E King のカバーの勝ちですが、ヒット・チャートへの入り方が貫録です。
個人的には、ストーンズで聞いたことあるようなブルースロックの When The Battle Is Over とかも好きです(デュアン・オールマンがギターでした)メインギターはコーネル・デュプリーですね。バック・ボーカルからはアレサ姉妹は消えて、ホイットニー・ヒューストンのお母さんの所属する The Sweet Inspirationsは2曲だけの参加になっています。
Aretha Franklin / vocals (5, 1-4, 6-12), piano (1-6, 8-12)
background vocals : Margaret Branch (1-2, 7-8, 11) , Brenda Bryant (1-2, 7-8, 11) Evelyn Green (3, 9-10, 12), Wylene Ivy (3, 9-10, 12), Almeda Lattimore (1-3, 9-12)
Pat Lewis (3, 9-10, 12), The Sweet Inspirations (4, 6)