2022年3月14日月曜日

Alphonse Mouzon / Funky Snakefoot

 

 この微妙に古くさい70年代のシンセ・サウンドを駆使したジャズ・ファンク的な音はたまりませんなあ。ファンク要素を取り入れたフュージョンの元祖のようでもあり若干B級を感じるとこもまたたまりません。1973年のアルバムだから元祖ではないですけどね。
 これは中古ではなく、タワレコのお勧めコーナーで斜めに被った帽子と、いかついブーツに惹かれて「超強力なジャズ・ファンク・アルバム」の帯の文字に吸い寄せられての試聴なしでの購入です。いつもの「おでんバー」では、皆さんの反応は薄かったですが・・
 さてこの Alphonse Mouzon (アルフォンズ・ムゾーン)は基本ドラマーですが、ボーカル、シンセなどの鍵盤楽器もこなすマルチ・プレイヤーです。1971年は結成されたばかりの Weather Report の初代ドラマーとなり(Weather Report はその後1年おきにドラマーは交代)1972年~73年はマッコイ・タイナー・カルテットのメンバーとなっています。
私所有の音源で既にこの人の音を聴いていたものは2曲 Jaco Pastorius / Rare Collection の中の Ant Steps On An Elephant’s Toe、Beginner's Guide To Jazz Funk の中の Sunflower (Aka Sunshower)  で聴いていました。そこらへんの作品はかなりクオリティが高くセッションの方が作品のクオリティは高いものが多いようです。


 しかし本人の作りたいアルバムとなると、このようにマニアックなアルバムが出来てしますわけですね。基本ジャズやファンクの要素ですがカントリーが、いきなり入ってくる「ごった煮」感もサウンドだけでなく若干B級な点でマニアとしてはまた嬉しい点です。
 シンセを使ったレトロなフュージョンは、I've Given You My Love、そこからボーカル入りメロー・ソウルYou Don't Know How Much I Love You、前衛的なシンセ・ファンク I Gotta Have You、そして再度メロー・ソウルな My Life Is So Blue、ドラム・ブレイクから始まる疾走感ある熱いジャズ・ファンクでタイトルでもある Funky Snakefoot は Randy Brecker のトランペット・ソロ、Barry Rogers も一発入魂なところがカッコ良い。そこから、テレビのギャグ・アニメの曲のように聞こえるカントリー My Little Rosebud (笑)、またやソウルに戻る A Permanent Love、ファンク The Beggar、モータウンになる Oh Yes I Do、ドラムのテクニック満開の Tara, Tara、ドラムソロ Where I'm Drumming From、1曲ドラムソロかと思いきや、力作の Ism、スペイシーな広がりのシンセバックに様々な要素をぶち込んで、収拾のつかないところがホント魅力になってしまったアルバムです🎵

vocals : Alphonze Mouzon (2 to 4, 7 to 10)
Drums : Alphonze Mouzon
piano :  Alphonze Mouzon (1)
organ : Alphonze Mouzon (9)
synthesizer (arp odyssey), soloist : Alphonze Mouzon (1, 3, 4, 6, 9, 10)
synthesizer (moog bass) : Alphonze Mouzon (3, 4, 8, 10)
synthesizer (moog), soloist : Alphonze Mouzon (8, 10)

acoustic piano : Harry Whitaker (1, 2, 4, 6 to 9), Leon Pendarvis (3, 5)
electric piano (fender rhodes) Mike Mandel (3, 12)
electric piano (wurlitzer) : Leon Pendarvis (1, 2, 4, 7, 8)
organ : Leon Pendarvis (9, 10)
clavinet : Harry Whitaker (3, 5, 10)
moog bass, moog synthesizer : Dave Wittman
arp odyssey synthesizer : Mike Mandel
guitar : Richie Resnicoff (1, 2, 4, 7, 9)
pedal steel guitar, banjo : Mark Harowitz (6)
bass (fender bass) : Gary King (1 to 7, 9, 12)
congas, bongos : Ray Armando (1, 2, 7)
percussion : Angel Allende (1), Steve Berrios (1)
tenor sax : Andy Gadsden (1, 5, 7, 9, 12)
trombone : Barry Rogers (1, 5, 7, 9, 12)
trumpet : Randy Brecker (1, 5, 7, 9, 12)

executive producer : George Butler
producer, arranged by, conductor : Alphonze Mouzon

recorded at Electric Lady, New York City, December 10, 11 & 12, 1973

1. I've Given You My Love
2. You Don't Know How Much I Love You
3. I Gotta Have You
4. My Life Is So Blue
5. Funky Snakefoot
6. My Little Rosebud
7. A Permanent Love
8. The Beggar
9. Oh Yes I Do
10. Tara, Tara
11. Where I'm Drumming From
12. Ism



▶ Ism


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2022年3月12日土曜日

土岐英史 feat. 竹田一彦 / Live at "RAG"

 

 2021年6 月に永眠した土岐英史のライブ録音の Live at “RAG" が12 月15 日に発売となりました。ギタリスト竹田一彦を迎えた本作は2020年9月にリリースした The Guitar Man の録音前夜に京都〈Live Spot RAG〉にて行ったギグを収録したライヴ盤となっています。
 竹田一彦は1936年生まれの御年84歳にして現役バリバリのギタリストです。ハンク・ジョーンズやミッキー・ローカーなど、海外のレジェンド達とも共演するなどの戦後日本のジャズの歴史に名を刻む人で、ジム・ホール、ケニー・バレルと歳は同じで進駐軍のラジオ放送でスイング・ジャズを聴きながら腕を磨いたそうでコピーは若い頃しかしなかったそうですが、バレルの影響はかなり感じます。
 本作のプロデュースを行った Days Of Delight の平野暁暁臣氏のライナーノーツの記載によれば「後の世にライブ音源を遺すこと自体に歴史的な意義がある。そう考えてリリースを決めました」とありますので、このライブは録音こそしていたものの音源化する予定は無かったアルバムということが伺えます。


 収録曲は C Minor が The Guitar Man には収録されていませんが、残りの3曲 Everything Happens to Me、On the Trail、The Guitar Man はスタジオ盤とライブの聴き比べを行うことができます。
 土岐氏のサックスと竹田氏のギターの絡みも絶品ですが、オルガンの宮川純、ドラムの奥平真吾とも初顔合わせとは思えないリラックスして息の合った演奏です。特にはオルガンの卓越した技が濃厚でブルージーな味わいに大いに華を添えています。スタジオ盤では終始落ち着いていて、メンバー同士のが音を聴きながらじっくり噛みしめるような演奏でしたがやはりライブでは楽しげな雰囲気が伝わってきます。客が近くで見るコトによって楽しんでもらうという違いなんでしょう。複雑なコード進行や変拍子もなくシンプルな演奏の4曲ですが、見に来ていたお客さんは大満足だったライブであるに違いありません。ライブでの Gee Baby, Ain't I Good to You も聴きたかったですね🎵
「今回のプロジェクトは具体的ななにかを得るためじゃない。むしろなにが生まれるんだろう?っていう感じかな。ただ、もしかしたらもう一度自分自身を見つめ直すきっかけになるかもしれない。ある意味でぼくの原点に帰るようなことだからね」 ―土岐英史

alto sax : 土岐英史 Hidefumi Toki 
guitar : 竹田一彦 Kazuhiko Takeda
organ : 宮川純 Jun Miyakawa
drums : 奥平真吾 Shingo Okudaira

(2020 年3 月5 日京都RAG にてライヴ録音)

1. C Minor (H.Toki)
2. Everything Happens to Me (M.Dennis)
3. On the Trail (F.Grofe)
4. The Guitar Man (H.TOKI)




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2022年3月11日金曜日

Donald Byrd & Herbie Hancock / Royal Flush

 

 立派なジャケットで2CDなので購入してみたんでしたが、Donald Byrd のアルバム3枚を収録したものでした。Herbie Hancock の名前が入っているので全曲共演しているのかと思いきや、そうではなくて紛らわしいネーミングです。メンバーを見てみると、むしろ バリトンサックスの Pepper Adams は全アルバム参加しているのでアルバム名違うんじゃねえか?とも思いますが、Herbie Hancock を冠した方が売れるでしょうから、そこは大人の事情な訳ですね。

 

 私がCDを購入するときは、アルバムジャケットに見覚えが無いものを見て、所蔵リストにあるかを確認をするようにしています。購入リストには聴いたものを入れるようにしているので、購入済で試聴していないものがあるとダブって購入してしまうことがあります。未聴アルバムの山を確認しましたが今はダブっていませんでした。今回のこのアルバムには14Pの薄いブックレットが入っていて、ライナーノーツもオリジナルのものがその中に収録されているので、このアルバムに収録されているものは購入しないでも良いようです。
ダブらないように気を付けます🎵
 さて今回のアルバムの内訳は以下の通り。

CD 1 [1-6]: ROYAL FLUSH
trumpet : Donald Byrd, baritone sax : Pepper Adams, piano : Herbie Hancock, bass : Butch Warren, drums : Billy Higgins
Englewood Cliffs, New Jersey, September 21, 1961.
CD 1 [7-10] & CD 2 [1-3]: OUT OF THIS WORLD
trumpet : Donald Byrd, baritone sax : Pepper Adams, vibes : Teddy Charles (9), bass : Laymon Jackson, drum : Jimmy Cobb
New York, 1961.
CD 2 [4-9]: THE CAT WALK
trumpet : Donald Byrd, baritone sax : Pepper Adams, piano : Duke Pearson, bass : Laymon Jackson, drums : "Philly" Joe Jones
Englewood Cliffs, New Jersey, May 2, 1961.
BONUS TRACK (CD2, 10)
trumpet : Donald Byrd, baritone sax : Pepper Adams, 
piano : Herbie Hancock, bass : Cleveland Eaton, drums : Teddy Robinson
Live at Jorgie’s Jazz Club, St. Louis, Missouri, June 24, 1961.

【CD1】
1. Hush
2. I’m a Fool to Want You
3. Jorgie’s
4. Shangri-La
5. 6 M’s
6. Requiem
7. Out of This World
8. Curro’s
9. It’s a Beautiful Evening
10. Mr. Lucky Theme

【CD2】
1. Bird House
2. Day Dream
3. I’m an Old Cowhand
4. Say You’re Mine
5. Duke’s Mixture
6. Each Time I Think of You
7. The Cat Walk
8. Cute
9. Hello Bright Sunflower
10. Hush [Live]

▶ Hush




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2022年3月10日木曜日

James Cotton / Live At Antone's Nightclub


 2017年3月16日に喉頭がんで亡くなられた James Cotton (ジェイムス・コットン)の1988年発売の53歳の時のライブアルバムです。喉頭がんの手術を受けられたのは1990年ですから、その2年前となります。そう思って聴くと大分と迫力のある声で喉に負担はかっかているような気もします。
 さてこのアルバムよく見てみるとAntone's Record というレーベルから発売されています。1987年からAlligator Record (アリゲーター・レコード) に移籍しているはずかと思ってタイトルを見れば Antone's Nightclub だから、このナイト・クラブが所有しているレーベルになるんですかね。まあ、そこは詳しくは、調べないでも良いかなと。


 「ミスター・スーパー・ハープ!」の紹介とともに、いつものジェイムスコットンのハープソロのイントロが始まり、ダブル・ストップのギターが絡みベースとドラムが入ってくる。そしてお馴染みの Blow Wind が始まる。いつものリズム隊の安定感ですが、Matt Murphy (マット・マーフィ) のギターが、いつもより歪みが少ないような気がしますが、ソロは絶好調に弾きまくっています。マットマーフィーはコットンと同じミシシッピ生まれ1948年にシカゴへ移住。ハウリン・ウルフのバンドに加わったのもコットンと同じ頃。ブルース・ブラザーズにも参加していたギタリストです。後はテンポは少し抑え気味で全体的に落ち着いたムードで、Nightclub だからか煽りは少なめの落ち着いた演奏で、音的には結構大きな箱の感じが録音から聞き取れます。中の写真があったので掲載しときます。


 Blow Wind、Oh Baby、Midnight Creeper なんかがオススメで、特にこのアルバムのMidnight Creeper は最高です🎵


harmonica, vocals : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith
guitar : Luther Tucker, Matt Murphy

1. Blow Wind
2. Juke
3. It Ain't Right
4. Gone To Main Street
5. Oh Baby
6. Hoochie Coochie Man
7. Eyesight To The Blind
8. Midnight Creeper



▶ Oh Baby



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The Best Of Fourplay


 良質とはこのことと誰もが認めるフュージョン・サウンドの Fourplay (フォア・プレイ) のベスト・アルバム。といっても、長い歴史をまとめたベストではなく1st~3rd Fourplay (1991年)、Between the Sheets (1993年)、Elixir (1995年) のわずか3枚のアルバムの中から選曲されたベスト+新曲2曲のアルバムです。
 大手 Warner Bros.の、売れに売れていた Fourplay (フォア・プレイ) でのセールス戦略かと思っていましたが、事情は色々あることも推測されます。3作ともゴールド・ディスクを獲得した Fourplay 作ともゴールド・ディスクを獲得し、4作目の企画をする中、リー・リトナーが多忙のためレコーディングの先送りを申し出て、リトナーは、自主レーベル「i.e.ミュージック」を設立し更に忙しくなった。つまりは、このアルバムには新曲の2曲が収録されているということは、リトナーの脱退により同じメンバーだけでのアルバムの作成が出来なくなったため、その作品をお蔵入りさせることなく世に出すためにはこのベスト+2曲のアルバムが必要となった。また Fourplay は、ここで時代を一つ終えた訳ですから、バンドとしては継続はするが一つの区切りとしてこのアルバムを制作し、以降の Fourplay は、また異なるものとして迎えてほしいという意図も見えるような気がして大人の金勘定だけではないものと思われます。


ベスト・アルバムは単にヒット曲集が多いのでアルバムとして楽しむのはベストではなくそのアルバムを購入して楽しむ方が良いことが多いものですが、そう思って聞くとこのベストは、1枚のアルバムとしてもきちんと作りこんでいるようにも感じます。
 ボーカル曲をちりばめているのも、フュージョン・バンドとして固定した観念で楽曲を作製しているのではなく、ボーカルも楽器の一部としてバンドとしてのサウンドを追求しているという主張があるのかなあ。
 すべてが素晴らしいと言ってしまえるアルバムですが、1曲目のデビューアルバム収録された Max-O-Man、続く大ヒット作の 101 Eastbound、リー・リトナー作曲のこのバンドに対するメッセージが込められたと思われる 4 Play And Pleasure、マーヴィン・ゲイの名曲 After The Dance、マーカスっぽい(笑)Play Lady Play、王道のサウンド Any Time Of Day なんかがお勧めでしょうか。
 2017年7月にチャック・ローブが死去して2018年は活動休止。活動の成り行きはfourPlayのHPを見て見守るしかないようです🎵

【Fourplay】
keyboards : Bob James
guitar : Lee Ritenour
vocals(9),bass : Nathan East
drums : Harvey Mason

【Additional personnel】
synthesizer (3) : Harvey Mason Jr.
vocals (3) : Take 6
lead vocals (3) : David Thomas
vocals (6) : El DeBarge
vocals (9) : Chaka Khan
vocals (12) : Phil Collins
synthesizer (12) : Dan Shea

executive producer : Bob James
producer : Fourplay (3)

1. Max-O-Man
2. 101 Eastbound
3. Higher Ground
4. 4 Play And Pleasure
5. Chant
6. After The Dance
7. Bali Run
8. Play Lady Play
9. Between The Sheets
10. Amoroso
11. Any Time Of Day
12. Why Can't It Wait Till Morning (Remix)





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2022年3月9日水曜日

Soulive / Steady Groovin'


 2012年「Spark」からアルバムでの新譜が出ていないようですが solive.com で見ると完全に活動は停止してしまっているようです。erickrasno.com では、2022年2月現在ソロで Always というアルバムを発売しているのは確認しました。PVで見る限りはボーカルいりn軽めのファンクになっているようですね。
 購入してから気づいたのですが、これは私のジャズ・ファンク好きに火が付いたきっかけでもある Soulive のベスト・アルバムになります。つまり入門としては最適であると思います。車を運転するときとかにはベスト・アルバムは使えるので、どうせ購入することに変わりは無いのですがタイトルにBESTと付けるのはダサいとしても、ジャケットのどこかに書いておいて欲しいとは思いましたね。 どのアルバムからセレクトされているのかと言えば Doin' SomethingNext、Soulive、Here To There の4枚から。おっと2枚持っていませんね。そのうち仕入れときます。


 Soulive は基本、ドラム、ギター、キーボードの編成でホーンをイレギュラーで取り入れることもあります。ベースレスなのでハモンドオルガンB-3のペダルが提案部分を請け負っています。オルガン・ジャズにファンク要素が入った進化系ですね。どの曲も良いですが、ホーンが入るとまた違ったノリが出てきて楽しめるなあ🎵 

drums : Alan Evans
guitar : Eric Krasno
organ, keyboards, clavinet : Neal Evans

alto sax : Sam Kininger
tenor sax : Jacques Schwartz-Bart
trombone : Fred Wesley
trumpet : Jeremy Pelt

Tracks 1, 4, 7 and 11 taken from the album "Doin' Something".
Tracks 2, 5 and 8 taken from the album "Next".
Tracks 3, 6 and 9 taken from the album "Soulive".
Track 10 taken from DJ Spinna's album "Here To There".
Track 11 previously unreleased in the US.

1. One In Seven
2. Flurries / alto sax : Sam Kininger
3. El Ron (Live)
4. Solid
5. Clap! / featuring Black Thought
6. Dig (Live)
7. Doin' Something / alto sax : Sam Kininger, tenor sax : Jacques Schwartz-Bart 
 trombone : Fred Wesley, trumpet : Jeremy Pelt
8. Alkime
9. First Street (Live)
10. All Up In It / producer, scratches, drum programming : DJ Spinna
11. Golden Lady





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2022年3月8日火曜日

Mike Stern / Odds Or Evens


 キーボードJim Beardをプロデューサーにしてドラムの Dennis Chambers も一部参加の Atlantic からの1991年リリースの4枚目、通算では5枚目のアルバムです。このユニットは1989年~1992年まで活動しています。マイルスバンドに参加は、1981年~1983年、1985年。1983年から1984年にかけてはジャコ・パストリアスのアルバム Word of Mouth に伴うツアーのバンドに参加しています。関係ないですがマイルスに参加の頃の肥満とは全く別人で瘦せていてカッコいいスターンのジャケ写です。


 アルバムとしては、作曲はほぼスターンで7曲目のみ奥様のレニ・スターンの作曲となっています。で、他は全曲マイク・スターンの作曲。メロディアスな感じが前面に出ている明るめのサウンドの1曲目 Keys から始まり、D.C. はデニ・チェンのイニシャルをとったメカニカルな音の配列の楽曲です。学生の時にコピーしていてわかったんですがスターンのこのメカニカルで不思議な音の配列はギターの指盤上を機械的に移動させているっぽいですね。Common Ground については、優雅なテーマのバラードで、ソロ部分の指グセもいつものスターンですが、構成がものすごく上手くて大好きな曲の一つです。タイトル曲の Odds Or Evens も、いつものスターン節ですが曲として作り込んでいる感じがします。Seven Thirty はやや渋めで Bob Berg のサックスが効果的な楽曲です。If You Say So については、メロディアスで明るく温かなテーマを中心に徐々に盛り上がっていくスターンの伸びやかなギターを気持ちよさそうに弾いています。Sandbox は素朴でシンプルな楽曲となっています。Walkie Talkie で最後もメカニカル路線のテーマに4ビート。全編にわたりスターンのクセがちりばめられていますが飽きはこないアルバムとなっています。スターンのクセはどの曲を聴いてもスターンとわかるもので、これが言葉であれば訛りが強い方言をしゃべっているようなものなんだろうなと、いつも思っています。ベースとドラムが二人参加で起用しているのも、このクセが強い方言に変化を持たせるためにメンバーを変えているんでしょうね🎵

guitar : Mike Stern
bass : Anthony Jackson (2, 4, 6), Lincoln Goines (1, 3, 5, 8)
piano, synthesizer : Jim Beard
drums : Ben Perowsky (1, 5, 8), Dennis Chambers ( 2, 3, 4, 6)
percussion : Don Alias
sax : Bob Berg

executive-producer : Christine Martin
producer : Jim Beard

1. Keys
2. D.C.
3. Common Ground
4. Odds Or Evens
5. Seven Thirty
6. If You Say So
7. Sandbox
8. Walkie Talkie

▶ Keys




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